2012年7月26日木曜日

救急部門:急性胸痛・冠動脈CT造影主体検査戦略の効用

非急性期胸痛を対象とした冠動脈CT造影についての問題が指摘された。
非急性期:冠動脈CT造影はその後の治療介入に影響を及ぼすことが少なく、医療費を膨大化する H23.11.25

今度は、急性冠症候群を念頭とした救急状況での検討。




結論としては、ED(救急部門)での冠動脈CT血管造影(CCTA)は入院滞在期間を減少し、EDからの直接退院数を増加する。しかし、CCTAはよりdownstream testingを増加させ、放射線被曝を増加させる。


結論は単純ではない。しかし、軽症・中等度リスク胸痛患者の評価を迅速に行うことができることは価値があるという方向の評価のようだ(http://www.medpagetoday.com/Cardiology/AcuteCoronarySyndrome/33917


Coronary CT Angiography versus Standard Evaluation in Acute Chest Pain
Udo Hoffmann, et. al.
for the ROMICAT-II Investigators
N Engl J Med 2012; 367:299-308July 26, 2012

心筋血流負荷試験(MPS)に比べ、CCTAはその後の心臓カテーテル尤度増加 (22.9% vs 12.1%; 補正オッズ比 [AOR]、 2.19 [95% CI, 2.08 ~ 2.32]; P < .001)、 PCI増加(7.8% vs 3.4%; AOR, 2.49 [2.28 ~ 2.72]; P < .001)、CABG増加(3.7% vs 1.3%; AOR, 3.00 [2.63 ~ 3.41]; P < .001)

CCTAはまた、総医療経費を増加 ($4200 [$3193 ~ $5267]; P < .001)、CAD愁訴に対する弁済がほぼ全部($4007 [$3256 ~ $4835]; P < .001)

MPSに比べ、負荷心臓超音波経費少なく (−$4981 [−$4991 ~ −$4969]; P < .001) 、負荷心電図経費も少ない(−$7449 [−$7452 ~ −$7444]; P < .001)

180日目において、CCTAは、全原因死亡率の類似尤度と相関 (1.05% vs 1.28%; AOR, 1.11 [0.88 ~ 1.38]; P = .32)、そして、急性心筋梗塞入院尤度の若干の減少と相関 (0.19% vs 0.43%; AOR, 0.60 [0.37 ~ 0.98]; P = .04) 




Standard of Care(SOC Arm: 急性胸痛患者の病院毎の評価に従うが、既往・現病歴、身体所見、ECG、心臓バイオマーカー(トロポニン、CK-MB)と他の採血。
SOCとして心臓CTの場合、二次検査として使用する場合もある。

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