2013年5月31日金曜日

メタアナリシス:禁煙薬物治療

Cochrane Databases of Systematic Reviews

Cahill K, et al "Pharmacological interventions for smoking cessation: an overview and network meta-analysis" Cochrane Database of Systematic Reviews 2013; Issue 5.
http://www.medpagetoday.com/PrimaryCare/Smoking/39484

ニコチン置換治療とブプロピオンは、プラシーボに比較して禁煙を助ける
NRT オッズ比 [OR], NRT 1.84, 95% CI 1.71-1.99
ブプロピオン OR 1.82, 95% CI 1.60-2.06

相互比較すると、NRTと ブプロピオンは、同等の有効性 (OR 0.99, 95% CI 0.86-1.13)

レビューは、2008-2011年行われ 、267トライアル、101,804の喫煙者解析
NRT、抗うつ薬(ブプロピオン、ノルトリプチリン)、ニコチン受容体部分的アゴニスト(バレニクリン、シスチシン)、不安緩和薬、選択的type 1 カンナビノイド受容体アンタゴニスト(リモナバント)、クロニジン、ロベリン、ジアニクリン、メカミラミン、ニコブレビン、オピオイドアンタゴニスト、ニコチンワクチン、酢酸銀

バレニクリンは、プラシーボに比べ禁煙オッズ比増加 (OR 2.88, 95% CI 2.40-3.47)
さらに、NRT、ブプロピオン単剤比較で優越性

ニコチンパッチ、ニコチンガム、NRT吸入、スプレー、タブレット、トローチとの比較でも全て、バレニクリン優越

NRTガムより、境界的有意性ではあるが、優れてるのは、NRT吸入、スプレー、タブレット、トローチ。お互いは同等。

ロシア・東欧では、cytisineがニコチン受容体部分的アゴニストとして用いられ、有意名効果を持つ(RR 3.98, 95% CI 2.01-7.87)。しかも、重大、有意な副作用イベントなし

抗うつ薬である、ノルトリプチリンも、禁煙可能性を増す(RR 2.03, 95% CI 1.48-2.79)
ノルトリプチリンも、ブプロピオンも、NRTと単独と比較して、併用促進は示されてない。
クロニジンは、禁煙確率を高める ( RR 1.63, 95% CI 1.22-2.18)だが、副作用にて用量依存的に打ち消される。

NRTとメカミラミン併用は、禁煙確率を増加させるが、エビデンス結論なし

他の治療では、プラシーボ比較でベネフィット示せず

ニコチンワクチンは、まだライセンス米国でも受けられず

NicobrevinのUKライセンスは破棄され、rimonabant、taranabant、dianiclineはもはや開発されず、検討もされない。

FDA: 早期産防止のための硫酸マグネシウム 5-7日以上使用しないように

早期出産予防のための硫酸マグネシウム5-7日間超投与しないようFDA助言

催奇形性カテゴリーを A → Dへ変更し、胎児骨形成への有害性についての注意を喚起。

FDA Recommends Against Prolonged Use of Magnesium Sulfate to
Stop Preterm Labor Due to Bone Changes in Exposed Babies
http://www.fda.gov/downloads/Drugs/DrugSafety/UCM353335.pdf

weekend effect : 待機的手術成績:金曜日・週末の手術は死亡率増加

緊急手術でのウィークエンドの死亡率の高さは英国の病院で報告されていた。
"weekend effect"と記載され、週末の入院患者の入院滞在期間延長、死亡率増加を表現されている.否定する報告も有り、週末に受診する患者の背景因子なども考えられた。
オーストラリアの待機的計画手術の研究やイギリスからも入院日にフォーカスされた研究がなされた。手術施行曜日に関する報告はないということで・・・


Day of week of procedure and 30 day mortality for elective surgery: retrospective analysis of hospital episode statistics
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f2424 (Published 28 May 2013)Cite this as: BMJ 2013;346:f2424

行政データを用いた、イギリスの公的病院の後顧的解析 (2008-2009年から2010-2011年)

手術後30日内の死亡(院外・院内)を主要アウトカム測定とする

30日内死亡 4,133,346名の入院患者のうち 27582 (粗死亡率 1000あたり 6.7)
平日、ウィークエンド施行数な3年間で、それぞれ、4.5%、26.8%減少

死亡補正オッズは、月曜日比較で、
金曜施行なら、44% ( オッズ比 1.44, 95% 信頼区間 1.39-1.50)
ウィークエンドなら82%増加 (1.82 , 1.17-1.94) 

乳がん検診ガイドライン:異なる矛盾するガイドラインの狭間で、医療訴訟リスク存在

複数のガイドラインで多くの基準が存在する状況と、医療訴訟リスクとの狭間

医師はガイドライン毎に矛盾する内容 により、医療訴訟上脆弱な状況となっている。USPSTFのようなより積極的に疫学上の根拠に基づくガイドラインほどその採用に消極的になってしまう矛盾の存在に気づくべきである。

乳がんリスクを持ってない、健康な52歳女性に対し、どのような管理をするか?


・2008年ACR、2003年ACSガイドラインは40歳以上での無症状平均リスク女性 に対し、年次スクリーニングマンモグラフィーを推奨していた
・ATSも、CBE(臨床的乳房検査)毎年を推奨

しかし
・2009年、USPSTFガイドラインでは60-74歳女性に隔年マンモグラフィーを推奨、CBEに関してはエビデンス不十分とした
・ACOGガイドラインでは、CBEは年次施行されるべき、マンモグラフィーは年次必要で、隔年マンモグラフィーは適切・許容範囲とされた。

結果、USPSTFガイドラインに従うことで、漏れ落ちたがん発症による医療訴訟問題が生じるのではないかという危惧が発生している。

そもそも、診療ガイドラインが医療過誤訴訟に果たす役割はいかなるものか?
臨床ガイドラインは医学専門家の合意であり、治療標準化であり、主に有意差が出やすいように 設計された治験結果に基づく”エビデンス”から合成されたものであり、最近は臨床実践しやすいように配慮されたものである。ガイドラインが、医療慣行とともに、医療過誤事件に関して合理性判断に利用される。診療ではガイドライン以外の慣行部分も大きなウェイトを占めるはずだが、検診では、この慣例の部分の判断はより厳しく判断されるべきものである。

頻回検診、マンモグラフィー・CBEは早期乳がん診断を増やす面で魅力的。だが、偽陽性検出で、本来受ける必要の無かった、より侵襲的な検査治療に関わる負担の問題。そして、本来侵襲性の少ないがんを見つけたために、続発する、生命に関わる侵襲的検査・治療が行われる有害性の存在は無視できない。ガイドラインは、検出のgainとかかるコスト、さらに放射線被曝などのリスクも加味されるわけだが、これら疫学的にのみ検証しうる有害性に関して、司法判断がまともに配慮してくれるかどうか、司法不信背景に多くの専門家たちが危惧をもつ。

ガイドラインにも利益相反の問題があり、複数の答えがある場合、その判断は被検診者側にゆだねるよう、複数ガイドライン提示すべきである。


Breast Cancer Screening: Conflicting Guidelines and Medicolegal Risk
Allen Kachalia, MD, JD, Michelle M. Mello, JD, PhD.
JAMA. Published online May 30, 2013. doi:10.1001/jama.2013.7100


Sorting Through the Arguments on Breast Screening
Michael G. Marmot, MBBS, MPH, PhD, FRCP, FFPHM.
JAMA. Published online May 30, 2013. doi:10.1001/jama.2013.6822

心房細動による卒中:アピキサバン、ダビガトラン、リバロキサバン、ワーファリン

Cost-Effectiveness of Apixaban, Dabigatran, Rivaroxaban, and Warfarin for Stroke Prevention in Atrial Fibrillation
Stroke. 2013;  44:  1676-1681   doi: 10.1161/​STROKEAHA.111.000402


Markov decision-analysis model (生涯コスト・Quality-adjusted life-years) 
70歳非弁膜症性心房細動 CHADS2 1以上、Ccr 50 mL/min以上、抗凝固剤禁忌無し 
willingness-to-pay threshold :5万米ドル/QALY gainedと設定
ワーファリンは最小で $77,813 SD $2223
rivaroxaban 20 mg ($78 738±$1852)
dabigatran 150 mg ($82 719±$1959)
apixaban 5 mg ($85 326±$1512)

quality-adusted life-years gained
apixaban 5 mg  8.47 (SD, 0.06)
dabigatran 150 mg (8.41±0.07)
rivaroxaban 20 mg (8.26±0.06)
warfarin (7.97±0.04)

Monte Carlo probabilistic sensitivity analysisでは、 apixaban 5mg、 dabigatran 150 mg、 rivaroxaban 20 mg、 warfarinで、コスト効果 45.1%、 40%、 14.9%、 0%

2013年5月30日木曜日

PATHOS:COPD治療におけるICS/LABA合剤クラス比較 シムビコートがアドエアより肺炎・肺炎関連イベント少ない

propensity scoreを用いた観察後顧的pairwise cohort study
スウェーデンのプライマリケア医学記録データ、1999-2009死亡統計

Budesonide/formeterol vs fluticasonze/salmeterol 比較

Pneumonia and pneumonia related mortality in patients with COPD treated with fixed combinations of inhaled corticosteroid and long acting β2 agonist: observational matched cohort study (PATHOS)
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f3306 (Published 29 May 2013)
Cite this as: BMJ 2013;346:f3306
主要アウトカム:年次肺炎発生率、肺炎関連入院、死亡率
9893名の患者をマッチ化登録 
fluticasone/salmeterol 2738 vs budesonide/formeterol 7155
それぞれ2734名でマッチ化 
研究期間中肺炎1回以上は2115(39%)、フォローアップ19170人年中 2746エピソード 
budesonide/formeterolに比較して、fluticasone/salmeterolでは、肺炎・入院率高いrate ratio 1.73 (95% 信頼区間 1.57 〜 1.90; P<0 .001="" 1.74="" 1.94="" blockquote="" nbsp="" p="">
100人年あたり肺炎イベント率は、fluticason/salmeterol vs budesonide/formeterol は11.0 (10.4-11.8) vs 6.4 (6.0-6.9)、入院率 7.4 ( 6.9-8.0) vs 4.3 (3.9-4.6) 
肺年関連入院期間平均は両群同様だが、肺炎関連死亡率はfluticasone/salmeterol群が高い( 97 vs 52) (ハザード比 1.76, 1.22 - 2.53; p = 0.003) 
全原因死亡率は両治療群差を認めず (1.08, 0.93 - 1.14; P=0.59)



重症喘息では保険の縛りで適応できないなど様々ないんちきSMART療法の宣伝 以降、シムビコートは嫌いで、相対的にGSKの薬剤に肩入れしたいのだが・・・

この報告では、COPDへのICS/LABA固定合剤ではシムビコートが安全ということになる。

この報告の問題点は、治療効果に関する記載が無く、元々、有害事象のみの検討ということ。

NSAIDS 血管・上部消化管悪影響 :従来型NSAIDsもコキシブ系も悪影響

連日 ジクロフェナック 150mg、 イブプロフェン 2400mg投与にて、喫煙・肥満と同様の影響をあたえるという話

ジクロフェナク、イブプロフェンなど、従来のNSAIDsに関しても、新規NSAIDsに負けず、重篤な副事象が警戒される。


2004年コキシブ系選択性COX-2阻害剤であるVioxx(rofecoxib)は心発作リスクを高めるということで自主回収したが、その後、FDAは販売許可のスタンスをとっている。セレコキシブ(セレコックス)が日本では発売されている。

心血管への悪影響は、コキシブ系だけの問題なのだろうか?

従来のNSAIDSでも、実は、重大血管イベント、冠動脈疾患イベントに悪影響を与えていたという報告。


NSAIDsの血管・胃腸への影響は、COX-2阻害剤や従来のNSAIDSを含め、詳細不明
ランダム化トライアルのメタアナリシスからの検討

Vascular and upper gastrointestinal effects of non-steroidal anti-inflammatory drugs: meta-analyses of individual participant data from randomised trials
Coxib and traditional NSAID Trialists' (CNT) Collaboration
The Lancet, Early Online Publication, 30 May 2013
doi:10.1016/S0140-6736(13)60900-9

重大血管イベント増加
コキシブ系 (rate ratio [RR] 1.37, 95% CI 1.14—1.66; p = 0.0009)
ジクロフェナク  (1.41, 1.12—1.78; p = 0.0036) 
主に、重大冠動脈イベントによるもの(coxibs 1.76, 1.31—2.37; p=0.0001; ジクロフェナク 1.70, 1.19—2.41; p = 0.0032). 
イブプロフェンも、重大冠動脈イベントを有意増加  (2.22, 1.10—4.48; p=0.0253)するが、重大血管イベントは増加示さず (1.44, 0.89—2.33) 
プラシーボ比較で、1000名あたり1年間割り付け毎、コキシブ系とジクロフェナクによる超過事例は、重大血管イベント 3症例以上、致死例は1例 
ナプロキセンは、重大血管イベント有意には増加せず  (0.93, 0.69—1.27) 
血管疾患死は、Coxibsx(1.58, 99% CI 1.00—2.49; p = 0.0103) 、ジクロフェナク (1.65, 0.95—2.85, p=0.0187)有意増加。イブプロフェンは有意性は示さず  (1.90, 0.56—6.41; p=0.17)、ナプロフェンでは増加せず (1.08, 0.48—2.47, p = 0.80) 
重大血管イベント比例効果は、血管リスクを含むベースライン特性に非依存。
心不全リスクは、雑に言えば、NSAIDS全部からみると、2倍 
全てのNSAIDsレジメンは上部胃腸合併症増加  (coxibs 1.81, 1.17—2.81, p = 0.0070; ジクロフェナク 1.89, 1.16—3.09, p = 0.0106; イブプロフェン 3.97, 2.22—7.10, p < 0.0001; ナプロキセン 4.22, 2.71—6.56, p < 0.0001)




商用飛行機フライト中緊急医療事態のアウトカム

世界でみると、年間 27億5千万名の商用飛行機利用者があり、フライト中の緊急医療事態が起きたときのケアは限定的。飛行中の緊急医療事態とこれらのイベントのアウトカム記載

フライト中の緊急医療事態として多いのは、失神、呼吸器症状、消化器症状で、医師が多くの場合ボランティアとして対応してくれている。
航路変更となる場合や死亡齢は少ない
1/4が病院での追加検査が行われている。

失神・全身失神の中身は「blacking out」(意識消失)や「lightheadedness」(たちくらみ)などを含み、これが一番多い。

Outcomes of Medical Emergencies on Commercial Airline Flights
Drew C. Peterson,  et. al.
N Engl J Med 2013; 368:2075-2083May 30, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1212052

11,920回のフライト中、センターへのコール必要な緊急医療事態が生じている (604フライトあたり1回の緊急医療事態) 
最も多い問題は、失神、前失神状態(37.4%)、呼吸器症状(12.1%)、吐気・嘔吐(9.5%) 
医師乗客がmedical assistantしてくれてるのは、緊急医療事態の48.1%、飛行ルート計画変更は7.3% 
飛行後フォローアップデータ利用可能な10,914名のうち、EMS人員にて病院搬送25.8%、 入院 8.6%、 死亡 0.3% 
入院頻度トリガーは、卒中(オッズ比, 3.36; 95% 信頼区間 [CI], 1.88 - 6.03)、呼吸器症状 (オッズ比, 2.13; 95% CI, 1.48 - 3.06)、 心症状 (オッズ比, 1.95; 95% CI, 1.37 - 2.77)

http://www.nejm.org/action/showMediaPlayer?doi=10.1056/NEJMoa1212052&aid=NEJMoa1212052_attach_1


ディスカッションの中に、以下の部分が存在する。

The risk of medical liability may be a concern for volunteer health care providers. The 1998 Aviation Medical Assistance Act includes a Good Samaritan provision, protecting passengers who offer medical assistance from liability, other than liability for gross negligence or willful misconduct.  Although there is no legal obligation to intervene, we believe that physicians and other health care providers have a moral and professional obligation to act as Good Samaritans.

Aviation Medical Assistance Actは米国内法であり、ドクターコールに応じた医師たちに故意・重過失がなければ責任を負わさないというのは、「よきサマリア人の法」がない我が国内では法的整備不十分なのは意見が一致してるのではないか・・・



テレビや映画では、よく産科的イベントがあるが、やはり、発生数そのものは少ないが、様々に重篤な影響を与えているようだ。特に死亡例比率が多く、妊娠24週未満での流産関連徴候は啓発的な事態と思う。

フライト中医療緊急事態 10,914名フォローアップデータ
乗客3402名(31.2%)は、到着前に症状改善、EMS必要とせず。
EMS人員立ち会いの7508名乗客では、そのうち2804名(37.3%)が病院EDへの搬送
901名(8.6%)は、助言と異なる病院入院、もしくは、ED受診拒否。
心停止に加え、医療問題としては入院だが、卒中症状(23.5%)、産科的症状(23.4%)、心症状(21.0%)
死亡36名中、30名がフライト中発生。平均年齢は59±21歳(range 1ヶ月齢から92歳)
24週未満の妊娠女性が最も多く、60.7%で、流産徴候関連(膣出血など)が多い。
産科的問題の11名中7名が航路変更。11名(18.0%)は妊娠24週を超え、うち3名は航路変更。

ICU感染対策:ターゲット化デコロナイゼーション より、ユニバーサル・デコロナイゼーションが有効

ターゲット化コロナイゼーション対策か?
ユニバーサル・コロナイゼーション対策か?


ルーチンのICU処置において、ユニバーサル・デコロナイゼーションが、MRSA臨床的分離、他の病原菌全体の血流感染率減少に対して有効。

すなわち、”MRSAに関して入室時スクリーニングせず、接触予防策を施し、全員に、1日2回のムピロシン鼻腔投与と、クロルヘキシジン布を用い連日入浴を行う”


比較は・・・
・Group 1 MRSAスクリーニングと分離施行
・Group 2 ターゲット化でコロナイゼーション ( i.e. MRSAキャリアのスクリーニング、分離、デコロナイゼーション)
・Group 3 ユニバーサル・デコロナイゼーション (i.e. 全員にスクリーニング、デコロナイゼーションせず)

比例ハザードモデルで、病院毎のクラスタリングで各研究群感染率減少差評価


Targeted versus Universal Decolonization to Prevent ICU Infection
Susan S. Huang,  et. al.
for the CDC Prevention Epicenters Programthe AHRQ DECIDE Network and Healthcare-Associated Infections Program
N Engl J Med. May 29, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1207290

全43病院( ICU 74、 74,256名)をランダム化
介入期間 vs ベースライン期間での、MRSA臨床的分離モデル化ハザード比は、
・スクリーニング・分離 0.92 (分離粗発生率 3.2 vs 4.3 /1000日間)
・ターゲット化デコロナイゼーション 0.75 (粗発生率 3.2 vs 4.3 )
・ユニバーサル・デコロナイゼーション 0.63 (粗発生率 2.1 vs3.4 )
 (P=0.01 for test of all groups being equal).

介入期間 vs ベースライン期間において、全病原菌血流感染ハザード比は、
・0.99 (感染粗発生率 4.1 vs 4.2 /1000日間)
・0.78 ( 3.7 vs 4.8 )
・0.56 ( 3.6 vs 6.1 )

ユニバーサル・デコロナイゼーションは、ターゲット化デコロナイゼーション、スクリーニング・分離法に比べ、全原因血流感染率を有意に減少。

デコロナイゼーション54名あたり1名の血流感染予防効果
MRSA血流感染率減少は、全原因血流感染の減少と同様だが、有意ではなかった。

副作用は7名で、軽度で、クロルヘキシジン関連



【超未熟児】酸素飽和度目標 85-89% vs 91-95% 死亡率・障害有意差無し ・・・ できるだけ飽和度低い方が良いので・・・

早産超未熟児では、酸素飽和度ターゲット 91%-95%と 85-89%で、18ヶ月目の死亡率・障害は有意影響なし。

できるだけ組織酸素は保ちながら酸素中毒・酸化ストレス最小化が必要。

超未熟児での至適酸素飽和度目標への判断材料となるだろう報告

Effects of Targeting Higher vs Lower Arterial Oxygen Saturations on Death or Disability in Extremely Preterm Infants
A Randomized Clinical Trial
Barbara Schmidt, et. al.
for the Canadian Oxygen Trial (COT) Group
JAMA. 2013;309(20):2111-2120. doi:10.1001/jama.2013.5555.


さすがに、NICUでは、"酸素飽和度96%教"はいないと思うが・・・低レベルの医療関係者に普及している、この宗教困ったもんだ。


target oxygen saturation
(e.g. http://www.brit-thoracic.org.uk/Portals/0/Guidelines/Emergency%20oxygen%20guideline/THX-63-Suppl_6.pdf)
・ COPD急性増悪時 : 88-92% 【Grade C】
・ 重症外傷・敗血症・妊娠中急性疾患(e.g. 羊水塞栓、eclampsia、出産前後出血など)・心不全などの低酸素血症状態女性 : 94−98% 【Grade D】
・ 出産時酸素投与は普及しているが、胎児への有害性の可能性あり。低酸素血症が無い限り、現行では推奨されない【Grade A】

2013年5月29日水曜日

Q-SYMBIO 慢性心不全へのCoQ10サプリメント投与で、MACE発生率改善 :日本の保険適応の10倍量

医用としてのノイキノンは日本では、”基礎治療施行中の軽度・中等度のうっ血性心不全症状”に対し健保適応、ただ、その処方量は、ユビデカレノンとして10mg×3回

以下の治験ではその10倍量

Q-SYMBIO研究:小規模プラシーボ対照トライアル
オーストラリア・オーストリア、デンマーク、ハンガリー、インド、マレーシア、ポーランド、スロバキア、スウェーデンの17センター
420名の慢性心不全 NYHA II or IV、 多くは駆出率低下 平均 31%
平均年齢 62.3% 
CoQ10 100 mg × 3回/日 vs プラシーボ
プライマリ長期エンドポイントは、2年後心不全悪化計画外入院・心血管死・緊急心臓移植・人工呼吸必要、短期評価3ヶ月 
CoQ10投与にて、2年後重大副事象的心血管イベント率 14% vs 25%と減少 (ハザード率 2.0, 95% CI 1.3-3.2) 
3ヶ月後、NYHA分類改善比率は2群同等 CoQ10 44% vs プラシーボ 39% 
2年後、CoQ10似て改善比率有意増加 CoQ10 58% vs 45% p = 0.047 
全原因・心血管死亡率ともにサプリメント投与群で減少するが、副作用に関しては有意差無し

"The effects of coenzyme Q10 on morbidity and mortality in chronic heart failure: results from the Q-SYMBIO study"
Mortensen S, et al
HFC 2013; Abstract 440.
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/HFC/39424


心不全への付加的治療となるか?大規模トライアルが必要。重症心不全患者の心筋組織サンプルでのCoQ10値低下し、血中濃度減少は心不全死亡率増加と相関した。より小規模トライアルでは心不全患者におけるCoQ10のベネフィットが示されているが、生存率への影響提示には検出パワー不足。

著者 Mortensen は、CoQ10により、class IVからIへの改善があり、MACEプライマリエンドポイントを加えると、全原因死亡率減少、心血管死亡減少有意となる ( 9% vs 17% p=0.03, 8% vs 15% p=0.02)と述べている。サブグループ横断的に一致したベネフィットである。

筆者は、CoQ10はOTCサプリメントとして利用可能だが、医師と相談の上使用すべきと述べている。確立した心不全治療薬との相互作用など不明。ただ、相互作用の可能性はかなり少ないだろうと筆者。

筆者:
"I do not recommend [that patients] buy and take this kind of supplement, but I'm not worried if the patients are impressed by the results and want to use this kind of approach," he said. "It is surely safe."


10倍量で治験するか、今の健保適応打ち切れば良いのに・・・

hCo-EMC → 中東呼吸器症候群(MERS) と 名称確定

WHOのdirector-generalである、Dr. Margaret Chanが、ジュネーブのスピーチで、"threat to be the world"と注意を呼びかける中で、SARS様新規コロナウィルスをMERS ( Middle East Respiratory Syndrome Coronavirus ) との名称。

日本語では、「中東呼吸器症候群」・・・なんだかなぁ

Sixty-sixth World Health Assembly closes with concern over new global health threat
http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2013/world_health_assembly_20130527/en/index.html


一施設名を呼称である、hCo-EMC(human coronavirus-Erasmus Medical Center)ってのはあんまりだと思っていたけど・・
 ↓
新型コロナウィルス:hCo-EMC             2015/03/14



追記 H25/05/30
Family Cluster of Middle East Respiratory Syndrome Coronavirus Infections
Ziad A. Memish, et. al.
N Engl J Med. May 29, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1303729

中東呼吸器症候群コロナウィルス(MERS-CoV)と呼ばれる、ヒトコロナウィルスは2012年9月急性呼吸不全で死亡したサウジアラビア人からの試料で採取。これ以降、49名のMERS-CoV(それまでは新型コロナウィルスと呼ばれていた)による感染例 49名、死亡例 26名が報告されている。
このレポートでは、MERS-CoVの家族集積例で、臨床所見、治療アウトカム、高齢者死亡例入院後3名のMERS-CoV感染者と家庭内の関連報告。
他の24名の同居家族、124名の入院スタッフは発症せず。
動物のリザーバとしての役割が疑われるが、なにも見いだせず。一方、MERS-CoVの密接接触者への重大疾患原因となることに関して世界的関心が集まっている。



【中国】手足口病の一部に有効なワクチン 抗EV71ワクチン

enterovirus 71 (EV71)ワクチン

手足口病(HFMD: hand, foot and mouth disease)は、コクサッキーウィルス(CV-A16)やエンテロウィルス(EV071)などが原因

不活化alum-adjuvant EV71ワクチンの有効性に関わる、ランダム化二重盲験プラシーボ対照化第3相トライアル(6-35ヶ月齢)

10245名をワクチン 5120 vs プラシーボ 5125割り付け
 

Efficacy, safety, and immunology of an inactivated alum-adjuvant enterovirus 71 vaccine in children in China: a multicentre, randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial
The Lancet, Early Online Publication, 29 May 2013
doi:10.1016/S0140-6736(13)61049-1

プライマリ有効性解析
4907名中 EV71関連HFMD  3、HFMD関連疾患 8
vs
4939名中 EV71関連HFMD 30、HFMD関連疾患 41
ワクチン有効性は、 EV71関連HFMD 90.0% (95% CI 67.1- 96.9)、 EV71関連疾患 80.4% (95% CI 58.2 - 90.8)
重篤な副作用は、ワクチン群 62/5117 (1.2%) vs プラシーボ群 75/5123(1.5%) (p=0·27)
副作用 3644 (71.2%) vs 3603 (70.3%) (p = 0.33)


このワクチン、ベネフィットは入院減少だが、ワクチン実用化の際、集団的にはどの程度のインパクトなのかが鍵となるだろう。

それにしても、プラシーボの副作用も多いが、ミョウバンアジュバントがそれほど副事象あるとは思えないのだが・・・



口蹄疫:foot-and-mouth diseaseと紛らわしい、手足口病: hand, foot and mouth disease

そういえば、Porcine Epidemic Diarrhea Virus (PEDV)という豚のみの感染症が北米で流行らしい
Insight: Pork industry hunts for deadly pig virus
http://www.reuters.com/article/2013/05/28/us-swine-virus-insight-idUSBRE94R0VD20130528
農業関係者は警戒が必要だろう

豚流行性下痢

ACOG推奨:妊娠糖尿病スクリーニング :一律、妊娠24-28週 75g糖負荷試験2時間値推奨(糖尿病既往を除き) 空腹時血糖、HbA1cなどの利用は推奨できず

無症候性妊娠糖尿病(gestational diabetes)について、妊娠24週以降篩い分けが行われるべき。現状でなされているリスクによる篩い分け検査では評価不能で、不十分との見解。

50gOGTTがなされているが、ADAからのガイドラインに類似し、糖尿病既往なし24-28週妊娠女性に 75gOGTTを用いた2時間値を、American College of Obstetricians and Gynecologists は、推奨

この推奨により、母子ともに中等度のネットベネフィットを少なくとも与えることになる。長期・メタボリック・ベネフィットは確実ではないが、出産前受診少ないほど有害性高いというエビデンスは少ないがある。妊娠期間比較低成長・新生児低血糖は多くはない、しかし、有意差を検出するほどのパワーはなく検出力不足であった。

治療文献レビューでは5つのRCT、6つのコホート研究を含む。様々な治療戦略間の明確な勝者を示すエビデンスなし。

経口糖負荷閾値 7.8の検査特性では、感度 70%-88%、特異度 69-89%
陽性尤度 2.6-6.5、 陰性尤度 0.16-0.33

閾値 130 mg/dLとすると、感度 88%-99%となるが、特異度 66-77%と低下
陽性尤度 2.7-4.2、 陰性尤度 0.02-0.14
 
空腹時血糖で、簡易・時間節約的代替法となることも示唆、その閾値は、85mg/dL
感度 87%だが、特異度は低く 52%、陽性尤度 1.8で、異常OGTT結果予測性としては十分ではなかった。

糖化ヘモグロビンもまた代替として考えられるが、他の検査よりその特性は優れていなかった。

代替的スクリーニングアプローチに関しエビデンスは不適当。故に、臨床実践としてこれら代替法は推奨せず

また、24週前の篩い分け検査に関してはデータ少なすぎる。


Screening Tests for Gestational Diabetes: A Systematic Review for the U.S. Preventive Services Task Force
Lois Donovan, et. al.
Benefits and Harms of Treating Gestational Diabetes Mellitus: A Systematic Review and Meta-analysis for the U.S. Preventive Services Task Force and the National Institutes of Health Office of Medical Applications of ResearchAnn Intern Med. Published online 28 May 2013 doi:10.7326/0003-4819-159-2-201307160-00657


日本では、75g糖負荷試験推奨されている
http://www.dm-net.co.jp/jsdp/qa/c/q02/
これによると、
1)空腹時血糖 92mg/dL以上
2)1時間値 180mg/dL以上
3)2時間値 153mg/dL以上
の2ポイント以上が陽性の場合とさえる

故に、上記ACOG推奨とは異なるので、注意が必要。

【中国流行・薬剤無効株出現】新型インフルエンザA/H7N9 ・・・ タミフルなど抗ウィルス薬治療耐性

H7N9に関し抗ウィルス治療有効という情報で安堵していたが、そうでもないようだ。

ザナミビル(リレンザ)やオセルタミビル(タミフル)耐性株確認

Association between adverse clinical outcome in human disease caused by novel influenza A H7N9 virus and sustained viral shedding and emergence of antiviral resistance
Published Online
May 28, 2013 http://dx.doi.org/10.1016/ S0140-6736(13)61125-3
http://download.thelancet.com/flatcontentassets/pdfs/S0140673613611253.pdf
上海の臨床センター受診、インフルエンザ A/H7N9 14名
全員肺炎発症、人工呼吸必要 7名、ECOMO施行 3名、死亡 2名
生存11名は全員が、抗ウィルス薬による咽頭ぬぐい液ウィルス量減少確認
3名は抗ウィルス治療でもウィルス量持続、ECMO依存
ザナミビルやオセルタミビル耐性と関連するNA遺伝子Arg292Lys変異を2名で発見
うち一人は、野生型sequence Arg292が抗ウィルス治療後2日間観察、治療開始後9日で、抵抗性mutant Lys292出現。



インフルエンザA(H7N9)特集ページ
(感染症情報>疾患名で探す>インフルエンザA(H7N9))
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/a/flua-h7n9/3395-n7n9top.html

(大正富山製薬配布パンフから)
・現時点では、ヒト・ヒト感染は確認されないが、パンデミックになる可能性はゼロではない。
【ウィルス所見】
① ヒト分離株全てのPB2遺伝子:トリ体温(41℃)からほ乳類上気道体温(34度)に低下させる変異
② ヒト分離株全てのHA遺伝子:ヒト型レセプターへの結合能上昇させる変異
ヒト上気道に感染しやすく、また、増殖しやすいように変化している可能性を示唆
③ ヒト分離株のうちの1株(A/Shanghai/1/2013)のNA遺伝子:オセルタミビルおよびザナミビルに対する感受性低下の可能性
④ 解析全株M遺伝子:アマンタジン、リマンタジンに対して耐性
⑤ ヒト分離株・環境分離株から、
i) トリに対して低病原性で、家禽・野鳥に感染しても症状が出ない
ii) H7亜型では一般に豚でも不顕性
iii) 哺乳動物間で症状示さず伝播し、ヒトへの感染源となる可能性
感染源は、生きたトリを一般市民に販売する市場で売られている家禽

H7N9はH5N1より死亡率は低いもの(死亡率は現在20-25%)の、発熱例は著明な呼吸不全や全身感染の様相を呈して重篤な経過を辿る例がある。

AANエビデンスに基づくガイドライン要約:抗血栓治療の周術管理

【Mindsからのお知らせ】No.176 2013.5.29
今回以下の項目を公開いたしました。
 1.医療提供者向け診療ガイドライン: 『抗血栓薬服用者』
1.『抗血栓薬服用者』の医療提供者向け診療ガイドラインを公開しました。(2013/05/28)
■ 抗血栓薬服用者
 『抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン』
  【編集】日本消化器内視鏡学会
          抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン作成委員会
http://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0143/G0000518
◎医療提供者向け診療ガイドライン公開のお知らせ◎
http://minds.jcqhc.or.jp/n/12/T001103
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上記ごときガイドライン公開がなされている。
例えば・・・





一方、American Academy of Neurologyの新しいガイドラインは、手術や他医療時、抗凝固治療を中断すべきかどうかの難しい問題について記載されているとのこと。
上記日本の消化器系ガイドラインとに、薬物代替の考え方に大きな違いがあるようだ。

Summary of evidence-based guideline: Periprocedural management of antithrombotic medications in patients with ischemic cerebrovascular disease.
Armstrong MJ, Gronseth G, Anderson DC, et al.
Neurology 2013; 80:2065-2069.



”インターベンション治療の前に抗凝固療法中止すべきか多くの文献を広くまとめたが、多くの研究はマイナーな処置、歯科・皮膚科などの処置であった。故に、マイナー処置に関しては、多くの場合アスピリン中止の必要性はないと考える。ワーファリンに関しても同様と考えられるが、ワーファリンに関しては研究少なく、十分な注意が必要。”

メジャーな処置においては、どの薬剤もエビデンス少なく、多くの医師はアスピリン・ワーファリン中止しているが、多くの状況、hip surgery以外はアスピリン継続が安全と考える。

"ガイドライン・リストでは、中止・継続に関するデータがある全ての処置に関して記載されている。"

"どの薬剤も作用機序が異なるため、他の血小板薬にアスピリンを置換、ワーファリンを他の抗凝固薬に置換することは現時点では考えにくい。"



ACCPによる同様ガイドライン
Executive Summary: Antithrombotic Therapy and Prevention of Thrombosis, 9th ed: American College of Chest Physicians evidence-based clinical practice guidelines.
Guyatt GH, Akl EA, Crowther M, Gutterman DD, et al.
Chest 2012; DOI:10.1378/chest.11-2293. 

e.g.)
様々な状況下のアスピリン投与利益性・有害性
1000あたり
低・高心血管リスク 有益性 1-2 、有害性 1-2
本態性高血圧 有益性 1-2 、 有害性 1−2
慢性安定狭心症 有益性 10 、 有害性 1-2
心筋梗塞既往 有益性 20 、 有害性 1-2
不安定狭心症 有益性 50 、 有害性 1−2 
http://journal.publications.chestnet.org/article.aspx?articleid=1159438
 

2013年5月28日火曜日

パーキンソン病と殺虫剤・溶剤の関連

Pezzoli G, Cereda E "Exposure to pesticides or solvents and risk of Parkinson disease" Neurology 2013; 80: 2035-2041.

目的: コホート・症例対照研究からのデータに基づくメタアナリシスを用いた殺虫剤及び溶剤暴露パーキンソン病のリスクを検討

方法: 殺虫剤および溶剤及び代替物質暴露によるパーキンソン病関連リスク・正確な推定に関わる前向きコホートと症例対照研究を検討。客観的研究と関連するリスク推定heterogeneityも検討

結果: 140/3087研究がメタアナリシスの登録クライテリアに完全該当。前向き研究では、研究の室がheterogeneityソース出なかった。パーキンソン病はfarmingと関連し、殺虫剤との関連はパーキンソン病自己報告である研究で有意。
症例対照研究では、特定の暴露でのリスク推定に関してheterogeneityの元と考えられた。
高品質研究はheterogeneity減少。高品質の症例対照研究では、パーキンソン病リスクは、どのタイプの殺虫剤、除草剤、溶媒の暴露でも増加。
パラコート、マネブ/マンコゼブは約2倍のリスク。
症例数200超の一定数以上の高品質症例対照研究では、、hetergeneityは有意に残存(40%超)で、殺虫剤、有機塩素剤、有機リン、農業、田舎住まいが有意である。

結論: 文献からは、殺虫剤と、溶剤暴露がパーキンソン病のリスク要素と示唆される。
原因・影響関連性のためには、 前向き・質の高い症例対照研究が必要。研究は特定の化学物質に対しても焦点を当てる必要がある。

【規制必要】プロダクト・プレスメント 映画内ブランド露出広告 → タバコ改善、アルコール悪化

プロダクト・プレスメント:product placement という、映画内タバコ・アルコール使用による間接的広告手法

タバコブランドでのこの手法は、1998年のタバコ業界との基本和解合意MSA(Master Settlement Agreement)後制限され、アルコールが自主制限という状況


映画内たばこ・アルコールの最近のトレンド調査
トップ100Box-officeのUK内ヒット映画(1996-2009年)調査

主要アウトカムは、タバコ・アルコールブランド数と、基本和解合意(MSA)前後の比較

Trends in Tobacco and Alcohol Brand Placements in Popular US Movies, 1996 Through 2009 Elaina Bergamini, et. al.
JAMA Pediatr. 2013;():1-6. doi:10.1001/jamapediatrics.2013.393.
1400の映画中、タバコ 500、 アルコール 2433のブランド出現
MSA後、タバコ・ブランド出現は、7.0% (95% CI, 5.4% - 8.7%) 年次減少
2006年後22/年で維持状態。

MSAは 、若年・成人映画レーティングでのタバコのスクリーンタイムも減少させた (42.3% [95% CI, 24.1%-60.2%]、 85.4% [56.1%-100.0%])

一方、全般的には、アルコールブランド数と、アルコールスクリーンタイムに変化少ない。
加え、若年rate映画では、アルコールブランド出現数は80→145/年と増加傾向にあり、年間 5.2(95% CI, 2.4-7.9)の増加率

日本では、広告に関しては、タバコですら、自主規制であり、法的規制ではない
ましてや、c手法の制限には言及すらされてないと思う。

小児 Exergaming :高強度でも楽しく・・・血管機能へのベネフィット

Xbox-KinectやWiiなどのアクティブコンソール・ビデオゲームを用いた、いわゆる、Exergamingの効能

Dr. Louise Naylor ら研究者( The University of Western Australia, Liverpool John Moores University, Swansea University)は、 15名の子供、9-11歳、高強度運動(Kinect Sports - 200m ハードル)、低強度exergaming(Kinect Sports - Ten Pin Bowling)、多段階運動負荷(トレッドミル)を15分行い、エネルギー消費量を測定。
FMD血流依存性血管拡張反応も調査。

高強度exergamingは、中強度と同等のエネルギー消費量であり、低強度exergamingは、低強度運動と同等であった。
低強度exergamingではFMDへのインパクト無く、高強度exergamingで有意なFMD減少示した。
高強度exergamingは心拍数増加、エネルギー消費量増加をもたらす。

低強度でも、高強度でもexergamingは同様のenjoymentであり、子供は、高強度ゲームでの遊びも同様に継続するようである。


このことから、筆者等は、長期間の利益性のため、そしてベネフィット持続するためには、高強度exergamingは、子供の運動にとってよい方法と言えるとのこと。


 “The Effect of Exergaming on Vascular Function in Children”
Andrew Mills, et. al.
 The Journal of Pediatrics (www.jpeds.com), DOI 10.1016/j.jpeds.2013.03.076, 


日本のメディアって、あたらしいツールがあると、拒否的に紹介する場合と、肯定的にのみ紹介する場合がある。子供のテレビゲームは一方的に拒否的な紹介が多い気がする。

もちろん、負の側面の可能性もある
子供から大学生まで、テレビ視聴・テレビゲームで注意力障害増加 2010年 07月 05日

だが、プラスの側面も・・・
老人たちよ、より良き老化のため、テレビゲームをしよう! 2013/03/07


むしろ、今のテレビは、負の側面だらけ・・・
5-18歳の子供の研究:寝室テレビの存在は肥満と相関する 2012/12/13
小児:テレビ視聴長いと、外面化問題行為(注意欠陥・多動・攻撃性、反社会性)多くなる 2012/10/10
子供へのテレビの影響: ファーストフード宣伝になじみがあるほど肥満増加 2012/05/01

テレビ視聴:3ヶ月未満でも子供に影響 母親の教育レベルなどに問題 2013/02/19



上記論文とは直接関係ないが・・・ Exergaming (Xbox Kinect)



老人虐待は、入院率増加超過リスク

老人虐待の実態を前向き住民ベース研究で行ったもの
Chicago Health and Aging Projectで、 6674名の地域住民老人
公的サービスにて高齢者虐待106名同定

老人虐待は研究対象住民では入院超過リスクと関連。原因メカニズム考察が必要。

Elder Abuse as a Risk Factor for Hospitalization in Older Persons
 XinQi Dong, et. al.
JAMA Intern Med. 2013;173(10):911-917.
非補正平均年次入院率
虐待報告無し 0.62 (95% CI, 0.59-0.66)
虐待報告有り 1.97 (95% CI, 1.33-2.61)

社会住民統計・社会経済的変数、医療合併症、認知・身体機能、心理社会的well-being補正後、 高齢者虐待報告例では、入院率多い  (rate ratio [RR], 2.00 [95% CI, 1.45-2.75])

心理的虐待 (RR, 2.22 [95% CI, 1.44-3.43])、経済的搾取 (RR, 1.75 [95% CI, 1.06-2.90])、介護放棄(RR, 2.43 [95% CI, 1.60-3.69])、そして、2種以上の老人虐待  (RR, 2.59 [95% CI, 1.82-3.66])では、同様寄与要素補正後も、入院率増加と相関する。
相互作用term解析結果、老人虐待と入院率の相関は、医療合併症、認知・機能障害、心理的distress横断的に影響されず。

FINALEX: 在宅ベースのアルツハイマー型認知症患者への運動介入:コスト増加せず、身体機能改善

アルツハイマー病は、機能的に独立した能力が進行的喪失されていく病気で有り、例えば、日々のタスクや個別ケア自己処理が困難となる。居宅患者では、ケア提供者にその分の負担がかかり、社会的コストや医療コストも増大する。

フィンランドの研究で、210名のアルツハイマー病(65歳以上)の配偶者ケアを受けている自宅患者での検討。

運動介入は、コスト増大無く、リスクも少なく、身体機能低下を緩徐化する

Effects of the Finnish Alzheimer Disease Exercise Trial (FINALEX)
A Randomized Controlled Trial
 Kaisu H. Pitkälä, et. al.
JAMA Intern Med. 2013;173(10):894-901. doi:10.1001/jamainternmed.2013.359.

【重要性】  アルツハイマー病患者の身体機能への運動の効果を研究した臨床トライアルは少ない。

【目的】  アルツハイマー病在宅患者の身体機能・移動能力への影響調査、利用及び医療・社会コストへの影響調査

【デザイン】ランダム化対照トライアル

【セッティング・被験者】配偶者介護されてるトータル210名の自宅居住アルツハイマー病患者

【介入】3つのトライアル・アーム
(1) グループベース運動 (GE; 4-時間 セッション、約1時間トレーニング)
(2) テーラー化自宅ベース運動 (HE; 1時間トレーニング)
 ・・・(1)(2)とも週2回×1年間

(3) 対照群 (CG) ・通常の地域ケアを受ける
【主要アウトカム測定】Functional Independence Measure (FIM)、 Short Physical Performance Battery、使用状況と・社会・医療コスト状況

【結果】全てグループでランダム化後、functioning悪化、しかし、悪化は、対照群で有意に迅速 (6ヶ月後 p=0.003、 12ヶ月後 p=0.015)。

12ヶ月後FIMの変化は、HE群、GE群、対照群で、それぞれ、  −7.1 (95% CI, −3.7 to −10.5)、  −10.3 (95% CI, −6.7 to −13.9)、  −14.4 (95% CI, −10.9 to −18.0)

フォローアップ年数中、HE、GE群は、対照群に比べ、転倒数有意に少ない

患者とケア提供者を一対とした場合の医療・社会トータルコスト (米ドル/患者・ケア提供者対/年間)は、HEにおいて、25,112米ドル (95% CI, 17,642 - 32,581米ドル) 、対照群比較で、 p = 0.13。
GE群は、22,066米ドル  (15,931 - 28,199米ドル;p = 0.03 vs 対照)
対照群は、 34,121米ドル ( 24,559 - 43,681米ドル)

【結論・知見】アルツハイマー病患者での、強化的・長期運動プログラムは、身体機能へのベネフィット効果がある。医療・社会サービス総コストを増加せず、有意な副作用を認めない。

2013年5月27日月曜日

FDAが待った! uCheck: スマートによる検尿アプリ

FDAは Biosense Technologies Private Limited社に対し、書簡を送り、uCheckのアプリ承認に対して、注文をつけた。品質・正確性について要求を満たすことが確認されるまでconfidentialが保たれることとなった。

iPhone App uCheck Urine Analyzer Faces FDA Probe
May 26, 2013 09:55 PM EDT



Biosense launches uChek: Urine analysis using a smartphone
Jubin Mehta  29 days ago
http://yourstory.in/2013/04/biosense-launches-uchek-urine-analysis-using-a-smartphone/



内臓肥満男性:1年間ライフスタイル介入:耐糖能改善効果と独立影響の、FFA/ インスリンホメオスタシス改善効果

細胞内の脂肪分解、FFA spilloverなどの機序に関してまではこの報告ではなされてない。
この場合の、ライフスタイル介入は、最初4ヶ月、2週毎の、食事内容修正(食事毎500kcal減量・カロリーベース30%未満の脂質)・身体活動性(週160分中等度運動、個別的運動介入)カウンセリング

内臓肥満男性における1年間ライフスタイル介入(食事・運動)は、血中遊離脂肪酸/インスリン・ホメオスタシス改善をもたらし、耐糖能改善効果とは独立して働くようだ。
内臓脂肪20%減少、心血管フィットネス26%改善。さらに、肥満の変化と無縁に、耐糖能改善。

経口ブドウ糖​​負荷試験および経口脂質負荷試験によるインスリン血中濃度は有意に増加するも、空腹時FFA及びブドウ糖負荷後のFFA濃度は有意に低下。血中インスリン濃度低下でも血中FFA濃度調整可能となった状況であり、経口脂質負荷試験後のFFA増加は6時間までsuperinposeされた者であるが、0.07 mmol/Lと軽度軽減。だが、1年後血中インスリンは極度に低下する。 FFAホメオスタシスの改善は特に糖尿病発症において重要で、特に内臓肥満において重要。

"Improved plasma FFA/insulin homeostasis is independently associated with improved glucose tolerance after a one-year lifestyle intervention in viscerally obese men"
Borel A, et al
Diabetes Care 2013; DOI: 10.2337/dc12-2353.

【目的】
遊離脂肪酸(FFA)増加は、内臓肥満、インスリン抵抗性、2型糖尿病発症と重大な関連性がある。ライフススタイル介入のFFA代謝への影響はまだ十分わかってない。このopen-label研究で、1年刊の健康食/運動介入プログラムの、血中FFAホメオスタシスへの影響について、健康内臓肥満男性(脂質異常を伴い、ウェスト径 90cm以上、TG 1.69 mmol/L; and/or HDL< 1.03 mmol/L)で検討。
 【研究デザイン・メソッド】
体重、体組成、脂肪分布をdual-energy X-ray absorptiometry / CTでケ脳
脂質経口負荷60 g fat/m2BSA)、75gブドウ糖負荷を介入前後で行う
【結果】
ライフスタイル介入1年後、内臓脂肪は -26%( 95% CI -29〜-23) 心肺フィットネスは + 20% ( 95% CI +16〜+24)改善

1年後、血糖負荷後のFFA抑制改善
インスリン濃度は劇的に減少

経口脂質負荷後のFFAの遅延増加分は血中インスリン減少とともに減弱し、インスリン感受性指数(経口脂質負荷後の血中FFA管理に必要なインスリン必要濃度)を計算し、ライフスタイル介入後、そのインスリン感受性指数は改善し、経口血糖負荷試験後の改善が見られた。ただ、これは、内臓・総脂肪量と独立した影響であった。

【結論】内臓肥満男性において、1年間の健康食・運動介入にて、経口血糖・脂質負荷試験での遊離脂肪酸抑制改善。これはおそらく、インスリンの反応性改善のため。食後の血中FFA濃度のインスリン介入調整が内臓肥満とブドウ糖ホメオスタシス異常に関連している可能性がある。






遊離脂肪酸(FFA)は、いくつものGprotein-coupled receptor:G蛋白結合受容体(GPCR)のリガンドとしての働きをする。核内受容体であるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPARs)は 脂肪酸結合蛋白(FABPs)は遊離脂肪酸のセンサーとしての働きを有する。GPCRのうち、GPR41(FFAR3)及びGPR43(FFAR2)は腸 内細菌による食物線維分解による単鎖脂肪酸による活性化がなされ、GPR40(FFAR1)及びGPR120 は食物中脂質からの中鎖・長鎖脂肪酸による活性化され、GPR84は中鎖でのみ活性化される(http://yakushi.pharm.or.jp /FULL_TEXT/131_12/pdf/1683.pdf)。

ALS90%超の散発例原因遺伝子容疑者同定?

ALSの90%以上を占める、散発例の遺伝子変異同定


Exome sequencing to identify de novo mutations in sporadic ALS trios
Alessandra Chesi,  et. al.
Nature Neuroscience(2013)doi:10.1038/nn.3412 Received 05 March 2013 Accepted 01 May 2013 Published online 26 May 2013 
47名のALSのexomeの sequencingによる de nove mutation評価
ニューロン・クロマチン・ リモデリング複合体(nBAL: neuronal chromatin remodling complex)コンポーネント SS18L1 (通称:CREST)を含むクロマチン調整をencodeする部分のde novo mutationのアミノ酸変化を見いだした。
CREST変異は、プライマリ・ニューロンのacitivity-dependent neurite outgrowthを抑制 し、ALS protein FUSに関連するCRESTを抑制する。



乏突起膠細胞、oligodendrocyteは、ミエリン形成に関して軸索と関連し、ニューロンの代謝的な支えとなる。ALSマウスでは、ニューロンへのglycolyticな器質をtransferするtransporterのoligodendrocyteのdownregulationが見られた。NG2+細胞、oligodendrocyte progenitorは、増殖・分化に関連するわけで、重大な影響を与える。
ヒトALSでこのdysfunctionが観察され、灰白質で脱ミエリン化、NG2+細胞の変化が見られた。

Degeneration and impaired regeneration of gray matter oligodendrocytes in amyotrophic lateral sclerosis
Shin H Kang,  et. al.
Nature Neuroscience 16,571–579(2013)doi:10.1038/nn.3357

2013年5月25日土曜日

入院患者高血糖マネージメント ACP Best Practice Advice


American College of Physicians issues High Value Care recommendations for management of high blood glucose in hospitalized patients
Read the Full Article (free until June 30, 2013)
http://www.acponline.org/pressroom/hvc_high_blood_glucose.htm?hp 

高血糖は、入院患者のアウトカム悪化と相関し、強化インスリン療法が病院内で多く行われている。
だが、最近のエビデンスでは、ベネフィットに関して一致したものでなく、むしろ有害性の報告がある。
そこで、  American College of Physicians’ (ACP) Clinical Guidelines Committee のエビデンスに基づくペーパー

ACPでは、血糖目標 140-200 mg/dL
この目標が、手術あるいは内科ICUで用いられている
臨床医たちは、140 mg/dL未満になるターゲットをすべきではない。






どっかの馬鹿学会と違い、キリの悪い数字での目標値 mmol/L

敗血症:原因部位で死亡率ばらつき

米国、カナダ、サウジアラビアの敗血症性ショック 8千名の検討


包括的な死亡率は、52.4%
水腎症 21.1%
虚血性腸疾患 77.8%
播種性感染 84.5%
特発性細菌性歯肉炎 76%
中毒性巨大結腸 68.3%
他、腹部感染症 66.7%
肺感染症 54%
腎盂腎炎 34.5%
小腸直腸炎/憩室炎 28%

Leligdowicz A, et al "Association between source of infection and hospital mortality in patients admitted to the intensive care unit because of septic shock" ATS 2013.
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ATS/39339

2013年5月24日金曜日

スタチンの種類と、糖尿病新規発症リスク ・・・ポテンシャルの高いスタチンほど糖尿病発症リスク高い

 150万人の研究で、BMJにおいて、強力なスタチンは22%ほど、ややポテンシャルの劣るスタチンに比較してリスク増加する。代表的薬剤としてアトルバスタチンは、160名治療に1名ほどの超過リスクを示す。ただ、専門家は、そのベネフィットはリスクより凌駕すると述べている。糖尿病リスクを心配してプラバスタチンを優先して使う行動は控えるべきとも述べている。

 異なるスタチン、すなわち、HMG-CoA reductase阻害剤治療患者の糖尿病新規発症リスク、住民ベースコホート研究で、66歳以上のスタチン治療開始(1997年8月1日から2010年3が31まで)・非糖尿病、前年スタチン処方されてない新規ユーザーに限定されたものの検討

 結論としては、プラバスタチン(先発商品名:メバロチン)と比較すると、アトルバスタチン(先発商品名:リピトール)、ロスバスタチン(商品名:クレストール)、シンバスタチン(先発商品名:リポバス)は、糖尿病新規発症と関連する。ただ、ロスバスタチンのリスクは処方量依存的関連性がある。



Risk of incident diabetes among patients treated with statins: population based study
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f2610 


プラバスタチン(先発商品名:メバロチン)に比較するとアトルバスタチン(先発商品名:リピトール)は糖尿病リスク増加(補正ハザード比率 1.22, 95% 信頼区間 1.15 〜 1.29)

ロスバスタチン(クレストール) (1.18, 1.10 〜 1.26)
シンバスタチン(先発商品名:リポバス)(1.10, 1.04 〜 1.17)も同様に増加。

フルバスタチン(商品名:ローコール)においてはリスク増加有意でない (0.95, 0.81 〜 1.11)
ロバスタチン(商品名:メバコール) (0.99, 0.86 〜 1.14)も同様


糖尿病発症絶対的リスク(1000人年)では、アトルバスタチン 31、 ロスバスタチン 34

対して、プラバスタチン 23、シンバスタチン 26で、絶対的リスクは軽度低下している

心血管疾患一次予防・二次予防に関わらず、スタチン一致した影響

スタチンをpotencyで群別したときに同様の結果が観察されるが、投与量を斟酌すれば、ロブスタチン使用に関する糖尿病発症リスクは有意でなくなる (補正ハザード比率 1.01, 0.94 〜 1.09)


結論:プラバスタチンに比べ、potency高いスタチン、特にアトルバスタチン、シンバスタチンは、糖尿病新規発症リスク増加と関連してるかもしれない


小児・青年期CTスキャンによる発がん 年毎1万人に1人以上超過発症と予測

CTスキャン暴露後のがん発症率増加は主に放射線による。元朝かリスクはフォローアップ終了まで持続するので、イベント生涯リスクは結論づけはできない。
放射線量最小化にて診断的CT施行するよう、個別スキャンを最適化するよう、臨床的適応状況を限定化すべき

1090万名のオーストラリアのMedicare記録(1985年0-19歳、1985年1月1日から2005年12月31日生まれ)
CTスキャン暴露と非暴露の比較

Cancer risk in 680 000 people exposed to computed tomography scans in childhood or adolescence: data linkage study of 11 million Australians
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f2360 (Published 21 May 2013)
Cite this as: BMJ 2013;346:f2360
がん発症前1年前のCTスキャン 680 211名暴露で、がん 3 150名。
暴露後フォローアップ中央期間は9.5年間 
包括的がん発生頻度は、非暴露群より24%多い(年齢、性別、誕生年補正)
(発症率比(rate ratio)(IRR)) 1.24 (95% 信頼区間 1.20-1.29) p < 0.001
量反応関係が見られ、IRRは、CTスキャン追加毎 0.16 (0.13 - 0.19)増加する
IRRは若年ほど暴露に大きな影響される (P < 0.001 for trend) 

年齢 1-4、5-9、10-14、15歳以上で、IRRはそれぞれ、1.35 (1.25 - 1.45)、 1.25 (1.17 -  1.34)、 1.24 (1.14 - 1.34) 
IRRは固形がん(消化器系、 メラノーマ、 軟部組織、 女性生殖器、 尿路、 脳、 甲状腺)、白血病、骨髄異形成、他のリンパ系腫瘍でもいずれも有意。 
CTスキャン暴露超過発症は 608で、脳腫瘍 147、 固形腫瘍 356、 白血病・骨髄異形成 49、 他のリンパ系疾患 57 
絶対的超過発症率は、がん全部の組み合わせで、10万対 9.38/人年 
(2007年12月31日時点) 
スキャンあたり平均最小有効放射線量は 4.5 mSvと推定


原発や原爆の放射線被曝による身体的影響には厳しいくせに、より日常性のある、医療用放射線の身体的影響には寛容な日本国民。腹部の脂の量を測定するためだけのCTスキャン風景をテレビでよく見る。よろこんでCTをうけすぎる国民は、まか不思議さ。
大人は自己責任が通じるのだろうが・・・子供は特に自らのリスクを自分で判断できないのだから、周囲がそのリスクベネフィットを慎重に判断すべきなはず。

2歳未満の軽症と思える頭部外傷に関するCT検査適応・・・様々議論されているので、検索して参考のこと


参考:
CT使用頻度増大と放射線被曝の影響 2007年 11月 29日
小児頭部外傷の低リスク評価:不要なCTを減らせ! 2009年 10月 05日

魚油・ω3不飽和脂肪酸のadiponectinへの影響 :出版バイアスありすぎ

海産物長鎖不飽和脂肪酸(n-3 PUFAs)による動物モデルでのインスリン感受性改善の報告あるが、ヒトでは必ずしも一致した報告でもない。adiponectinはインスリン感受性のマーカーであり、adipocyte機能のマーカーでもある。n-3 PUFAのadiponectinへの影響に関しては不明。

n-3 PUFA消費による循環中adiponectinへの影響についてのシステマティック・レビュー、メタアナリシス

出版バイアスを強く示唆する結果である。

魚油の化けの皮もはがれつつあるし、adiponectin中心主義もどうなんだろ

Wu JHY, et al "Effect of fish oil on circulating adiponectin: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials" J Clinical Endocrinol Metab 2013.

110研究中、14のRCTでクライテリア合致。
14のトライアルアームは魚油評価 (n = 682 ; プラシーボ n=641)
魚油は、adiponectinを 0.37 μg/mL [95% 信頼区間 (CI) 0.07 ; 0.67, p = 0.02)増加
トライアル 11/14で、0以上の効果であったが、heterogeneityは明らか (I2 = 72.9%)で、n-3 PUFA量・期間、研究質スコア、研究場所、ベースラインBMI (meta-progression p > .05)では説明できず。
funnel plotは、非対称で、小規模トライアルほど効果発現多し (Egger's P = .11)
fill-and-trimメソッドにより、理論的pool化効果 0.18 μg/mL (95% CI - 0.15; + 0.52, p = 0.28)
2つのトライアル群のみ、魚食評価( n = 136 ,vs プラシーボ 58 )、adiponectinへのpooled effectは統計学的有意差無し (p = 0.99)、しかし、CIはn数少なく幅広い

ランダム化プラシーボ対照:アジスロマイシン COPD急性増悪、入院率減少効果確認

アジスロマイシンの評価って忙しい

米国FDA警告:ジスロマック・致死的不整脈リスク 2013/03/13 
若年・中年:アジスロマイシンは心血管死亡リスク増加関連せず 2013/03/02 
BAT:非CF性気管支拡張症への長期アジスロマイシン治療は、急性増悪減少させ、QOL生存率改善効果の可能性;だが、薬剤耐性が問題 2013/03/28 
重症COPDアジスロマイシン長期投与にて効果:小規模後顧的研究 2011年 10月 04日 
COPD急性増悪予防:アジスロマイシン持続療法 2011年 08月 25日

プラシーボ群比較研究にて、COPDへの長期使用にて、急性増悪遷延・気道系原因入院遷延の報告


Martinez F, et al "Chronic azithromycin therapy decreases the risk of re-hospitalization in patients with COPD" ATS 2013; Abstract 40862.http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ATS/39374

治験登録前12ヶ月間に、COPD急性増悪経験経験あり、あるいは、登録時酸素投与の症例がすべて。
アジスロマイシン250mg/日・連日 1年間 
原因不問再入院 アジスロマイシン 45名 vs プラシーボ 65名
(ハザード比 0.71、95% CI 0.47-1.-6) 
アジスロマイシン投与群は、プラシーボに比較して、初回呼吸器系入院率を有意に減少  (HR 0.58, 95% CI 0.34-0.99) 
再入院率の差は、40日後再現れ始め、そして、160日後は減少しながらも160日まで効果は増大する。 
40日で、プラシーボ・アジスロマイシン群も入院90%ほど回避され、200日後アジスロマイシン治療群の80%、プラシーボ群の60%の呼吸器関連再入院なし 
原因不問再入院観察では、全原因入院初回入院とその後入院の遅延に関して、アジスロマイシン服用は傾向的効果あり
 非ランダム化、行政データベースなどの報告で、急性増悪までの期間延長の報告があった。この研究により、あらたな知見が加わった形。
post-hoc解析で、アジスロマイシン治療で、呼吸器系入院 156 vs プラシーボ 156(HR 0.82, 95% CI 0.65-1.07)
呼吸器系原因再入院で、アジスロマイシン群 31、プラシーボ群 49の入院



【オピオイドによる便秘】末梢作動性オピオイド受容体アゴニスト;naloxegol  2つの二重盲検にて効果あり

末梢作動性のオピオイド受容体アンタゴニストが、オピオイドによる便秘を改善するか?

KODIAC-04 pIIIトライアル
naloxegol 25 mg 12週間 で、44.4%で治療反応 (vs プラシーボ 29.3% , p = 0.001)

KODIAC-0.35という同様研究では、 naloxegol 39.7% vs 29.3% (p = 0.021)



Chey W, et al "Efficacy and safety of naloxegol in patients with opioid-induced constipation: results from two prospective, randomized, controlled trials" DDW 2013; Abstract 900.
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/DDW/39375



GRADE研究・プロトコール

米国37センターでの、2型糖尿病 GRADE研究


Rationale and Design of the Glycemia Reduction Approaches in Diabetes: A Comparative Effectiveness Study (GRADE)
Published online before print May 20, 2013, doi: 10.2337/dc13-0356
Diabetes Care May 20, 2013

GRADE  → U34プランニング・グラント (NIDDK:  National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases )

コンセンサス・プロトコールはNIDDK、GRADE Research Groupから承認

5千名の登録基準:
・5年未満の糖尿病期間
・診断時30歳以上
・ベースライン HbA1c 6.8-8.5%

SU、DPP4阻害剤、GLP-1受容体アゴニスト、インスリンの4つのクラスをランダム割り付け
メトホルミンは 1000-2000 mg/日

プライマリ代謝アウトカムは、HbA1c 7%以上と定義し、4.8年間(range 4−7年)平均観察期間

他の長期代謝アウトカムは、HbA1c > 7.5%確認後、基礎インスリン追加必要
そして、集中的基礎/ボーラスインスリンレジメン組み入れの必要性

4種薬剤を、選択的微小血管合併症、心血管疾患リスク、副作用、耐用性、QOL、コスト効果で評価


日本の糖尿病診療は、国際的なそれと異なり、メトホルミンをベーストすることを、関係学会のお偉いさんが良しとしないため、国際的な臨床的トライアルエビデンスをそのまま導入できない。

JAPANなんたら研究では、あの悪名高い悪トスを、糖尿病発症予防抑制に対して、メトホルミンを無視して、単剤指定し、その後、さすがに、メトホルミン or 悪トスとしたり・・・
2型糖尿病発症予防のための介入試験(J-DOIT1)http://www.pimrc.or.jp/diabetes/research1_protocol_130.pdf「J-DOIT-3」はヘルシンキ宣言違反? 2009-02-18


現行、ガイドラインでも、メトホルミンを、他剤と同列にあつかう愚行が続いている。

2013年5月23日木曜日

H1N1模造人工的ナノ粒子:中和抗体効率的産生 ・・・ ユニバーサルワクチンへの一歩


Self-assembling influenza nanoparticle vaccines elicit broadly neutralizing H1N1 antibodies
Masaru Kanekiyo, et. al.
Nature (2013) doi:10.1038/nature12202
Published online 22 May 2013

主要な抗原蛋白の一つヘマグルチニン(HA)、天然球体集積を形成する鉄運搬蛋白であるフェリチンで、ナノ粒子 を作成した。HA-フェリチン複合体は、自動的に24ピースのフェリチン核と、8つの3ピースのHAスパイクが突出し、自然のHAスパイクに類似。



このナノ粒子により、従来のワクチンに比べ、抗インフルエンザ抗体を、マウスで34倍、フェレットで10倍産生。
1999 H1N1インフルエンザ株のHAを使ったナノ粒子であったが、他のH1N1種に対して防御効果有り、しかし、GILBERTは、N1からN17までの各タイプワクチンを作る必要があると述べている。


不完全だが、ユニバーサル・ワクチンへの一歩?

喫煙リスク・無症状患者:NLST研究:低放射線量CT (vs 胸部レントゲン比較) 死亡率減少


2002年8月から2004年4月までの、米国のセンター33カ所
被験者;55-73歳、無症状、喫煙歴 30 pack-years

低放射線量CTは、胸部レントゲン検診と比較して、肺がん死亡率 20%減少。

現在、米国がん協会(ACS)、NCCN(National Comprehensive Cancer Network)、ACCPは、CT肺がん検診を推奨している。NCCNは、50歳、喫煙歴 20pack-years、他のリスク要素に適応拡大を見込んでいる。CT検診が次第に拡大する方向にあるようだ。


Results of Initial Low-Dose Computed Tomographic Screening for Lung Cancer
The National Lung Screening Trial Research Team
N Engl J Med 2013; 368:1980-1991May 23, 2013
DOI: 10.1056/NEJMoa1209120

53,439名検討総数中割り付け
・低放射線量CT 26,715
・胸部レントゲン 26,724 
実際の検診施行
・低放射線量CT 26,307 (98.5%)
・胸部レントゲン 26,035 (97.4%)

陽性結果
・低放射線量CT 7191(27.3%)
・胸部レントゲン 2387(9.2%)
少なくとも1回のフォローアップ診断施行
・低放射線量CT 6369(90.4%)
・胸部レントゲン 2176(92.7%)
画像診断を含むのは
・低放射線量CT 5717(81.1%)
・胸部レントゲン 2010(85.6%)
手術 
・低放射線量CT 297(4.2%) 
・胸部レントゲン 121(5.2%)
肺がん診断
・低放射線量CT 292(1.1%)
・胸部レントゲン 190(0.7%) 
肺がん診断(stage 1)
・低放射線量CT 158
・胸部レントゲン 70 
肺がん診断(stage IIB - IV)
・低放射線量CT 120
・胸部レントゲン 112 
感度
・低放射線量CT 93.8%
・胸部レントゲン 73.4% 
特異度
・低放射線量CT 73.5%
・胸部レントゲン 91.3%



【アベノミクス周囲の悪魔たち】PFIの悪夢・・・再び

 PFIといえば、近江八幡市立総合医療センター(滋賀県近江八幡市)と、高知医療センター(高知市)の問題があげられる。

 この失敗例を、国・地方自治団体・住民、そして、資本投資側は十分把握しているのだろうか?

 「PFI事業を3本目の矢にする」つもりなら、問題点を十分理解した上で、進めるべき。

 最悪なのは、「民間活力の利用」という軽薄なフレーズのみくりかえすしたり顔の専門家・・・その背後の問題点を全く提示せず、夢のような話だけ示す連中。小泉政権の時に有象無象出現していた連中。

 一部大都市を除いて疲弊した地方自治では、PFIは魅力的に映るだろう。しかし、その落とし穴にはまった事例があることを忘れてはならない。



成長戦略第3弾判明 民間活力「PFI」推進 10年で数兆円呼び込み
2013.5.23 07:02
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130523/plc13052307040002-n1.htm
 安倍晋三政権が来月打ち出す成長戦略第3弾の骨格が22日、明らかになった。インフラ投資に民間のお金を使う「PFI(民間資金活用による社会資本整備)」制度の規制緩和を目玉に据え、向こう10年間で数兆円規模の資金を呼び込むことが柱。国が主導して税制優遇などを行う特区制度や、創業間もないベンチャーへの投資を減税する「エンゼル税制」の拡充も盛り込み、経済の活性化を目指す。第3弾は、安倍首相が6月5日に発表する予定だ。

改正PFI法が衆院通過、インフラファンドで民間投資促進
行政・団体
[2013年5月22日 11時39分 配信]
http://www.jutaku-s.com/news/id/0000018560
 「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)の一部を改正する法律案」がこのほど、衆議院を通過した。
 同法律案は、官民連携によるインフラファンドの機能を担う「株式会社民間資金等活用事業推進機構」を設立し、独立採算型のPFI事業に対する金融支援を行うことでインフラ事業への民間投資促進を目的としたもの。2013年度予算として、インフラファンドへの出資金100億円、インフラファンドへ出資した民間資金の政府保証3000億円を計上している。
 今後、参議院での通過を経て法案成立となる。時期は未定。



【PFI失敗の要因・まとめ】
民間資金活用を謳ったPFI病院が頓挫 失敗して分かった二つの問題点(上)
<失敗に終わったPFI病院第1号>経営の効率化をもたらすはずのPFI方式そのものが、経営の足かせになったという皮肉である。
<問題があったPFI方式の構造>利益を生み出せる部門を高知PFIに丸投げした。
民間資金活用を謳ったPFI病院が頓挫 失敗して分かった二つの問題点(下)
<高い金利に追われる>
<民間側の最大の目的はファイナンス>ファイナンスで稼ぐ――建設費はSPCが銀行から調達し、利益分を上乗せして病院に貸し付ければ、利ざやを稼げる。オリックスなど官業の民間開放派がPFI病院に力を入れた最大の理由だ。
 PFI病院に飛びついた自治体は、民間資金を活用すればすべてうまくいくという「PFI幻想」に惑わされたといわざるをえない。



本来公的であるべき病院運営にまで口出しされ、高い金利をくまされ、数十年の独占契約をさせられるPFI病院

「民間活力」というワンパターンのフレーズで、資本を出した側の利益本位の経営が促進され、結果的に、税金垂れ流しがなされた失敗事例2つ。

「少ない財政負担で質の高い病院サービスを提供できる」などと告げられ、負の側面を十分吟味せず、破綻したPFI事業。

 国、すなわち、内閣府・自治省・総務省・厚労省あたりが、資本提供側の利益・言い分を垂れ流しで、地方自治への影響に配慮してない。
 また、各自治体が、この失敗例を十分認識し、契約上の問題点を把握してないのではない。
「経営計画の甘さ、モニタリングシステム不備、契約書内容未把握」など行政サイド側の未熟さ・無能さも問題。自らの選挙のため、首長などが、過大な期待を住民に与え、負の側面を住民に伝えないまま、暴走したことも要因。
 住民側も、「PFI においては、行政が当該事業で求める条件・水準を官民対話を行い
つつ設定し、これをメッセージとして入札説明書、要求水準書、審査基準等により民
間主体に提示した上で、民間主体のノウハウ・技術・経営能力等を活かした提案を募
り、これら条件・水準をクリアし最も財政負担が少なく質の高い提案を行った民間主
体を選定すること」を良く理解し、行政に間断なく、計画設定からそれに関与し、契約書の不備の指摘、モニタリング圧力をかけることが大事である。
参考:http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/47751/1/APPS5_007.pdf

【気管・気管支軟化症新生児】3D技術を利用した気管スプリント

動的気道虚脱・呼吸困難を呈する気管気管支軟化症新生児に対し、カスタム化・生物吸収性・気管スプリントを、CT画像ベースのコンピュータ下デザインとレーザーベースの3D印刷技術併用で作成。

Bioresorbable Airway Splint Created with a Three-Dimensional Printer
N Engl J Med 2013; 368:2043-2045
May 23, 2013DOI: 10.1056/NEJMc1206319


3-D PRINTER USED TO CREATE LIFE-SAVING IMPLANT
http://www.usatoday.com/story/news/nation/2013/05/22/3d-printer-implant-baby/2348091/


Doctors print up a splint for baby's blocked throat
http://vitals.nbcnews.com/_news/2013/05/22/18425715-doctors-print-up-a-splint-for-babys-blocked-throat?lite


【大腸ポリープ切除】Cold SNARE : 高周波電流を用いない方がパフォーマンス・出血リスク少ない

 電気凝固されるから、高周波電流を用いた切除法の方が良さそうだが・・・電気的組織損傷の方が影響大きいのだろうか?


Cold SNARE


高周波電流を使用せずポリペクトミースネアのみで大腸ポリープを除去するcold polypectomyだが、通常の高周波電流を使用したconventional polypectomyとこのcold polypectomyの有用性について比較検討報告。


Horiuchi A, Nakayama Y "Prospective randomized comparison of Cold SNARE polypectomy and conventional polypectomy for small colorectal polyps in patients receiving anticoagulation therapy" DDW 2013; Abstract 852.
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/DDW/39335  



抗凝固治療患者・小型大腸ポリープ切除に、Cold snare polypectomyが通常法よりパフォーマンス良好。切除時間短縮 (16 minutes versus 26 minutes,P<0 .0001="" p="">
さらに、直後出血が少なく( 5.7% vs 23%, p = 0.02)、遅延出血もない(p = 0.02)。

現行のガイドラインでは、抗凝固治療の一時的中止を推奨されているが、金属スネアを用いたポリープ切除では、electrocautery無し。粘膜下組織血管の損傷が生じるため、即時・遷延的出血が生じる可能性があるらしい。


2013年5月22日水曜日

【小児喘息】急性発作:入院率アウトカム:吸入ステロイドと全身投与ステロイド同等 ・・・ 急性期でもICS代用可能?

Inhaled Versus Systemic Corticosteroids For Acute Asthma In Children: A Systematic Review
Read More: http://www.atsjournals.org/doi/abs/10.1164/ajrccm-conference.2013.187.1_MeetingAbstracts.A1272

入院率や他のアウトカムという意味では、吸入もステロイド全身投与も、小児の急性喘息発作では同等。

8研究プール化解析では、800名の子供(2-18歳)
吸入ステロイド投与 403名
全身ステロイド投与 389名


経口ステロイドの方が入院2%ほど減少で有意差無し (p = 0.96)



吸入ステロイドを、急性増悪時の新しいオプションと考えることも可能かもしれない

喘息は、閉塞型無呼吸8年後予後因子

Teodorescu M, et al "Asthma predicts 8 year incidence of obstructive sleep apnea in the wisconsin sleep cohort" Am J Respir Crit Care Med 2013; 187: A6015. 

喘息患者は閉塞型無呼吸発症と関連する

1988年開始Wisconsin Sleep Cohort、喘息有病 自己判断
4年毎検査室PSG、評価アンケート、構造化インタビュー 

閉塞型無呼吸発症率
喘息有り 41% vs喘息無し 29%

ICU人工換気患者:患者志向音楽にて不安軽減、ノイズキャンセラ・ヘッドホンでも一部効果

人工呼吸患者にとって、鎮静剤の代わりに、音楽などで不安が改善できるか?

呼吸不全のため急性換気サポートを受けてるICU患者で、PDM(患者志向音楽)は、通常ケアに比べ、不安を大いに減少させるが、ノイズキャンセラ・ヘッドホン(NCH)に比べれば、差は認めない。
また、PDMは、通常ケアやノイズキャンセラ・ヘッドホンに比べ、鎮静回数激減させる。鎮静強度も通常ケアに比べ減少させられる。しかし、ノイズキャンセラ・ヘッドホンとは差は認めない。

Effects of Patient-Directed Music Intervention on Anxiety and Sedative Exposure in Critically Ill Patients Receiving Mechanical Ventilatory Support
A Randomized Clinical Trial
 Linda L. Chlan,  et. al.
JAMA. 2013;():1-10. doi:10.1001/jama.2013.5670.

【デザインセッティング・被験者】5病院、12のICU、373名で、呼吸不全のための急性人工換気補助受けてる患者へのランダム化対照トライアル 
白人 86%、女性 52%、平均年齢(SD) 59(14)歳
APACHE III スコア 63(21.6)、研究平均(SD) 5.7(6.5)日間 
【介入】人工呼吸管理中音楽療法士による好み選択をテーラー化した自己開始患者志向的音楽(PDM)  (n = 126)
ノイズキャンセリングヘッドホン自己使用開始 (NCH; n = 122)
通常ケア (n = 125) 
【主要アウトカム】不安連日評価(100-mm VAS)と2つの鎮静剤暴露の2項目 
【結果】 PDM群患者において、音楽聴取時間平均(SD) 79.8(126)(中央値 [レンジ], 12 [0-796])分/日
NCH群患者では、ノイズキャンセリングヘッドフォン装着時間 平均(SD) 34.0 (89.6)(中央値 [レンジ], 0 [0-916]) 分/日
mixed-models analysisでは、どの時点においても、PDM群では、通常ケア群より、不安スコア 19.6点低く(95% CI, -32.2 〜 -6.8) (p = 0.003)
研究第5日目までに、不安は、PDM患者で36.5%減少
治療x時間相互作用で、PDM有意に、鎮静剤数値減少。
通常ケア比較で、PDM群は、鎮静強度減少  −0.18 (95% CI, −0.36 〜 −0.004) 点/日 (P = .05)、回数減少 −0.21 (95% CI, −0.37 〜 −0.05) 点/日 (P = .01)
PDM群は、NCH群比較でも、鎮静回数減少 −0.18 (95% CI, −0.36 〜 −0.004) 点/日 (P = .04)
第5病日までに、PDM群では、2回ほど鎮静量少なく、鎮静強度36%減少

個室を作れない場合、ノイズキャンセラ・ヘッドホンが代用?



ICU人工呼吸必要患者:気管切開施行は急ぐな 10日め以降・・・

ICU人工呼吸必要患者の 気管切開早期施行(4日以内) vs 遅延的施行(10日以降)比較


 

Effect of Early vs Late Tracheostomy Placement on Survival in Patients Receiving Mechanical VentilationThe TracMan Randomized Trial
Duncan Young, et. al.
for the TracMan Collaborators
JAMA. 2013;309(20):2121-2129. doi:10.1001/jama.2013.5154

早期施行割り付け群では 気管切開施行 455名中91.9%(95% CI, 89%-94.1%)
遅延施行割り付け群では 気管切開 454名中44.9%(95% CI, 40.4%-49.5%) 

ランダム化後30日全原因死亡率 は、早期施行割り付け群 30.8% (95% CI, 26.7%-35.2%) 、遅延施行割り付け群 31.5% (95% CI, 27.3%-35.9%)
(絶対的リスク減少 for early vs late, 0.7%; 95% CI, −5.4% to 6.7%)

2年死亡率は、早期割り付け群  51.0% (95% CI, 46.4%-55.6%)、遅延施行割り付け群 53.7% (95% CI, 49.1%-58.3%)  (P = .74).

生存率集中治療室滞在期間中央値は、早期施行 13.0日 vs 遅延施行 13.1日間 ( p = .74)

気管切開関連合併症は、 6.3% (95% CI, 4.6%-8.5%)  (早期施行 5.5% , 遅延施行 7.8%)

特発性肺線維症:MUD5プロモーター多形型と生存率

 MUC5Bに関しては、NEJMで報告されている。

 A Common MUC5B Promoter Polymorphism and Pulmonary Fibrosis
Max A. Seibold, et. al.
N Engl J Med 2011; 364:1503-1512
April 21, 2011DOI: 10.1056/NEJMoa1013660
MUC5B のプロモーターにみられる頻度の高い多型が,家族性間質性肺炎と特発性肺線維症に関連している.本研究の結果から,肺におけるMUC5B の発現調節障害が,肺線維症の発症に関与している可能性が示唆される.(米国国立心臓・肺・血液研究所ほかから研究助成を受けた.)

mucin 5B (MUC5B)をエンコードするpromoterのcommon variantと、sporadic IPFの関連性

1)SNPとMUC5B過剰産生の関連から考え、粘膜宿主防御を生害する結果、吸入物質からの肺障害過剰となる可能性 
2)呼吸細気管支MUC5B過剰状態により肺胞修復を障害し、気管支肺胞ユニットのcollaplseを生じ、II型肺胞上皮細胞による再上皮化による修復がなされる。 この上皮修正の失敗による、肺胞collaplseと近接気管支肺胞ユニットの線維化
3)IPFの病変の特徴の空間的heterogenousであり、MUC5Bはやはりtranscription-factor binding siteと一致する。
・・・などが 考察されている。




MUC5B promoter polymorphism (rs35705950)は、有意に生存率改善と関連

Association Between the MUC5B Promoter Polymorphism and Survival in Patients With Idiopathic Pulmonary Fibrosis
Anna L. Peljto, et. al.
JAMA. 2013;():1-8. doi:10.1001/jama.2013.5827. 

後顧的生存率分析
INSPIREコホート(interferon-γ1b trial登録者):n = 438; December 15, 2003–May 2, 2009; 81 centers in 7 European countries, the United States, and Canada)
・Chicago cohort, consisting of IPF participants recruited from the Interstitial Lung Disease Clinic at the University of Chicago (n = 148; 2007-2010)

INSPIRE: GG、GT、TT遺伝子型群 は、それぞれ 148 (34%)、 259 (59%)、 31 (7%)
Chicago: 41 (28%)、 98 (66%)、 9 (6%)

フォローアップ中央値は、INSPIREで1.6年、 Chicagoで2.1年
フォローアップ中、INSPIREでは73名(CG 36、GT 35、TT 2)、Chicagoでは64名( GG 26、GT 36、TT 2)

非補正2年間累積死亡頻度 は、INSPIREコホート、Chicagoコホートとも、IPF risk allele (T) 1コピー以上では低い
INSPIRE cohort (0.25 [95% CI, 0.17-0.32] for GG, 0.17 [95% CI, 0.11-0.23] for GT, and 0.03 [95% CI, 0.00-0.09] for TT) 
・ Chicago cohort (0.50 [95% CI, 0.31-0.63] for GG, 0.22 [95% CI, 0.13-0.31] for GT, and 0.11 [95% CI, 0.00-0.28] for TT)

INSPIREコホートでは、TT及びGT genotype (IPFリスク)は、GGに比べ生存率改善と相関  (ハザード比, 0.23 [95% CI, 0.10-0.52] 、 0.48 [95% CI, 0.31-0.72]; P < .001)
この知見は、Chicago コホートでも再現  (ハザード比 0.15 [95% CI, 0.05-0.49] 、0.39 [95% CI, 0.21-0.70]; P < .002)

MUC5Bと生存率の観察相関は、年齢、性別、FVC、DLco、MMP-7、治療状態に独立。

MUC5B  遺伝子型を生存率モデルに加えると、INSPIREコホート、Chicagoコホートともに有意に予測正確性改善(C = 0.71 [95% CI, 0.64-0.75] vs C = 0.68 [95% CI, 0.61-0.73]; P < .001、C = 0.73 [95% CI, 0.62-0.78] vs C = 0.69 [95% CI, 0.59-0.75]; P = .01)



Gene Linked to Lung Fibrosis and Its Survival
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ATS/39316


COPD急性増悪時ステロイド全身投与期間 5日間 vs 14日間 非劣性検討にて差認めず



COPD急性増悪救急部門受診患者へのステロイド投与期間を5日間とするか、14日間とするか?

Short-term vs Conventional Glucocorticoid Therapy in Acute Exacerbations of Chronic Obstructive Pulmonary DiseaseThe REDUCE Randomized Clinical Trial
Jörg D. Leuppi, et. al.
JAMA. 2013;():1-9. doi:10.1001/jama.2013.5023.

【重要性】国際的ガイドラインではCOPD急性増悪に対し7〜14日間の全身投与をadvocateしている。しかし、適切な量・期間に関しては不明
  【目的】COPD急性増悪全身的ステロイド治療短期間(5日間)の通常治療期間(14日間)との臨床的アウトカムにおける非劣性比較、ステロイド暴露減少するかどうか?
【デザイン・セッティング・被験者】REDUCE (Reduction in the Use of Corticosteroids in Exacerbated COPD)、ランダム化非劣性多施設トライアル
スイスの5教育病院 、COPD急性増悪によるEDでの314名、過去喫煙・現行喫煙者(20 pack-years以上)、喘息既往無し、2006年3月から2011年2月まで
【介入】 プレドニゾロン40mg 5日間 or 14日間 プラシーボ対照化二重盲験様式
事前定義非劣性クライテリアは、15%程度の急性増悪絶対的増加で、50%のイベント発症比率相当criticalはハザード比 1.515
【主要アウトカム・測定】180日内急性悪化までの期間
 【結果】314名のランダム化研究のうち、289(92%)は入院、311名をITT解析し、296名をper-protocol解析行った

短期間治療 vs 通常期間治療のハザード比 ITT解析 0.95 (90% CI, 0.70 to 1.29; P = .006 for noninferiority)、 per-protocol解析では 0.93 (90% CI, 0.68 to 1.26; P = .005 for noninferiority)で、非劣性クライテリアに一致

プライマリエンドポイント
短期間治療群 56名(35.9%) vs 通常期間治療群 57名 (36.8%)

180日間内再急性増悪率推定値は、短期治療期間群  37.2% (95% CI, 29.5% - 44.9%) vs 通常期間治療群 38.4%(95% CI, 30.6%-46.3%)
差分   −1.2% (95% CI, −12.2% - 9.8%) 

急性増悪患者のうち、イベントまでの期間中央値
短期間治療群 43.5日間(13-118) vs 通常治療期間群 29日間(IQR, 16-85) 

死亡、急性増悪・死亡複合エンドポイント、その両者、肺機能改善において差を認めず

通常気管治療群では、 平均累積プレドニゾロン投与量多く(793 mg [ 95% CI, 710-876 mg] vs 379 mg [95% CI, 311-446] , p < .001
治療関連副事象、高血糖、高血圧の頻度増加は見られなかった。





5-Day Steroid Tx Works in COPD
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ATS/39314

Dupilumab(IL-4受容体αサブユニット・ヒトモノクローナル抗体):急性増悪改善効果 喘息pIIトライアル

dupilumab (SAR231893/REGN668): IL-4受容体ターゲット薬剤で、87%の患者で、急性増悪軽減とのプラシーボ対照pIIトライアル結果

Dupilumab in Persistent Asthma with Elevated Eosinophil Levels
Sally Wenzel, et. al.
N Engl J Med. May 21, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1304048

対象:持続性中等症・重症喘息、血中好酸球数 300/μl以上、喀痰好酸球3%以上、高用量ICS/LABA投与患者
介入:dupilumab 300mg vs プラシーボ 週1回投与
(4週目でLABA中止、6-9週めでICS減量)
12週間継続、プロトコール定義喘息急性増悪発生まで
プライマリエンドポイント:喘息急性増悪発生
セカンダリエンドポイント:喘息コントロール指標、Th2関連バイオマーカー、安全性/耐用性

結果:
dupilumab 群 52名、対照群 52名 、ベースライン特性同等

喘息急性悪化:dupilumab 6% vs プラシーボ 44%
減少率 87% オッズ比 0.08; 95% 信頼区間 0.02-0.28; p < 0.001)
肺機能、喘息コントロールに関し多くで有意改善

Th2-誘発炎症関連バイオマーカー減少

dupilumabは注射部位反応、鼻咽頭炎、吐気、頭痛が多い

http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ATS/39304



持続性中等症・重症喘息は様々なphenotypeからなるが、半数以上では、Th2免疫と関連する。実際好酸球数増加や Th2-経路活性化マーカーが示され、特に、IL-4や IL-13などが、喘息やアトピー性疾患と関連している。IL-4受容体αサブユニットを含む2つの異なる、あるいは重複する受容体シグナルの可能性、type 1受容体は、IL-4でのみ活性化し、リンパ球に主に存在し、TH2-細胞分化制御する。type II受容体は、IL-4とIL-13により活性化し、広く、そして、myeloid cellにも存在する。
IL-4受容体ターゲット抗体は、両サイトカインの関連するdownstream pathwayを抑制する可能性がある。


Antibody Gets High Marks for Asthma Control
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ATS/39304

新しい睡眠薬:二重オレキシン受容体アンタゴニスト:メルク社 Suvorexant(MK-4305)の昼間眠気の懸念

医療費コストの引き上げ要因の一つは、生活改善薬の存在

不眠症などは住民の1割ほど訴える訳で、製薬メーカーとしては、ドル箱
多くの薬剤がGABAに対する薬剤で、様々な問題点が指摘されている。
マイスリーは、転倒の独立した危険因子 ・・・ 即刻対処必要 2012/11/21
医師たちが作る薬物依存 ・・・ 依存症原因の2位に 2013/02/22

新しい機序の薬剤開発に期待がかかるわけだが・・・


Suvorexantは、Dual Orexin Receptor antagonist (DORAs)と呼ばれ、Orexin、オレキシンとよばれる化学的メッセンジャーブロックで効果発現する。Orexinは、覚醒を保つよう働き、昼間は濃度増加、夜間は低下する。
Orexinは視床下部に多く、他の脳の部位に投射する。アカゲザルの実験では、注意力・記憶力に関しGABA抑制剤に比し反応時間の迅速性に異常が見られなく、ミスも少なかった。マウスのcolored objectでも同様の結果。

Suvorexant (MK-4305)は、記憶や注意力に影響を与えずという利点を有する薬剤。




FDAは、製造会社 Merkからの実験途上の睡眠薬剤の効果報告に反し、昼間の眠気、自殺思考を含む副作用に関し、FDA助言委員会が警告を与えている。
プラシーボ比較で良好な睡眠開始と維持効果が示されたが、8倍もの昼間の眠気、朝方の運転に影響を与える場合もしめされた。

FDA raises concerns about experimental sleep aid suvorexant
CBS/AP/ May 20, 2013, 4:04 PM 

2013年5月21日火曜日

【COPD】【喫煙動物実験】SPECT 換気血流スキャンで肺機能障害早期検知


喫煙による肺への影響を、換気/血流 (V/Q)SPECTを用いた非観血的に肺機能の評価に使えるのではないかという動物実験からの知見


Detection of Lung Dysfunction Using Ventilation and Perfusion SPECT in a Mouse Model of Chronic Cigarette Smoke Exposure
Brian N. Jobse , et. al.
J Nucl Med April 1, 2013  vol. 54  no. 4  616-623


BALB/cマウスを用い、喫煙にて炎症反応、単核細胞・好中球数増加。気腔拡大は8週後発生、24週後拡大。
log(V/Q)カーブの標準偏差カーブは、heterogeneityを意味し、0.44 ± 0.02から、24週後 0.62 ± 0.05と増大し、V/Qミスマッチを意味する。
CTではこの喫煙暴露動物での変化を判別できなかった。


COPD早期病変検知に換気血流不均衡評価有効な可能性


SPECT smokes out cigarette-related changes in the lung leading to COPD
http://www.molecularimaging.net/topics/molecular-imaging/preclinical-imaging/spect-smokes-out-cigarette-related-changes-lung-leading-copd


肉と2型糖尿病発症:日本と欧州の報告 ・・・ レッドミート、肉総量、性別などの影響微妙に異なる

似たような欧州からの報告がなされてるので比較するとおもしろい。
欧州の報告でも、日本の報告でも同様に、肉と2型糖尿病発症の関連性がみられ、女性ではやや関連性減弱するという報告。その説明要素として、欧州からの報告だと、必ずしも鉄分が説明要素とはならないようだ。欧州女性では、鶏肉との関連性が見られる。



受信料を流用して阿漕な商売をする皆様無視の)NHK報道の大元は・・・ Japan Public Health Center-based Prospective Studyに基づく前向き検討とのこと

Dietary Surveys and Nutritional Epidemiology
Red meat consumption is associated with the risk of type 2 diabetes in men but not in women: a Japan Public Health Center-based Prospective Study
British Journal of Nutrition / FirstView Article, pp 1-9


で、そのNHKの報道分は・・・

赤身の肉多く食べる男性 糖尿病リスク高い NHK 5月21日 12時0分
 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130521/k10014727341000.html
牛肉や豚肉など赤身の肉を多く食べる男性は糖尿病になるリスクが高くなるとする研究結果を、国立がん研究センターなどがまとめました。
国立がん研究センターなどで作る研究班は、全国の45歳から75歳の男女およそ6万4千人に食事などの生活習慣を尋ね、その後、5年間追跡調査を行いました。
そして、男女それぞれで一日に食べる肉の量に応じて4つのグループに分け、肥満や喫煙などの影響を取り除いて糖尿病の発症率を比較すると、食べる量が最も多い男性は最も少ない男性の1.36倍に高くなっていることが分かりました。
さらに、肉の種類ごとに分析したところ、牛肉や豚肉など赤身の肉を多く食べる男性は糖尿病のリスクが1.42倍高くなっていました。
このグループが摂取していた赤身の肉は、一日当たり85グラム程度と推定され、小ぶりのハンバーグであれば1個、薄切りの焼き肉であれば4枚に相当するということです。
女性では、食べる肉の量と糖尿病の発症に関連はみられませんでした。
研究班では、男性の場合、赤身の肉を多く食べると鉄分が過剰になり、血糖値を下げるインシュリンの働きが悪くなる可能性があるとしています。
研究をまとめた国立国際医療研究センターの黒谷佳代上級研究員は、「牛肉や豚肉を多く食べる男性は、糖尿病のリスクが高まると考えられる。鳥肉や魚も食べるなど、バランスのよい食事を心がけてほしい」と話しています。



欧州前向き研究で、肉全部と赤身肉の摂取量と2型糖尿病発症の関連性明らかに

Association between dietary meat consumption and incident type 2 diabetes: the EPIC-InterAct study
Diabetologia January 2013, Volume 56, Issue 1, pp 47-59 

EPIC研究内の大規模前向き症例対照研究

8つの欧州国家、34万0234名、11.7年間フォローアップ、2型糖尿病 12403名発症検討

多変量解析にて、2型糖尿病発症と関連する因子は
全肉 (50 g 増加分: HR 1.08; 95% CI 1.05, 1.12)
レッドミート (HR 1.08; 95% CI 1.03, 1.13)
加工肉  (HR 1.12; 95% CI 1.05, 1.19)

肉鉄分摂取とは、ボーダーラインの関連性

性別・BMIクラスによる効果補正がみられる

男性では、包括的分析でも確認
しかし、女性では、肉全部・赤身肉ともに関連性持続するが、関連性減弱、しかし、鶏肉消費量では相関性持続が見られる(HR 1.20; 95% CI 1.07, 1.34)。
これらの相関性は、肥満では明らかでない。 


レッドミートについて・・・
アメリカではRed MeatとWhite Meatという分け方があって、これは単純に生の状態での肉色によって分けられているようだ。例えばレッドは牛肉や羊肉、ホワイトには鶏やウサギといった感じ
http://www.yamaken.org/mt/kuidaore/archives/2012/04/red_meet.html

論文読んでて違和感を感じ続けていた「レッドミート」

コーヒーで、原発性硬化性胆管炎リスク減少、原発性硬化性胆管炎理数減少認めず

DDW2013 5月18日から21日まで

DDW2013 Press Release


コーヒーの自己免疫疾患への影響


線維化リスク減少は関連するが、数杯のコーヒーで、自己免疫性肝疾患のリスク減少と関連することが、Mayo Clinic研究者から報告、PSC(原発性硬化性胆管炎)のリスク減少が示された。データでは、PBC(c)への影響は認めなかった。


Coffee Consumption Associated with Reduced Risk of Autoimmunue Liver Disease
http://www.ddw.org/news/articles/2013/05/18/coffee-consumption-associated-with-reduced-risk-of-autoimmunue-liver-disease


食道pHモニタリングによるPPI長期使用回避コスト効果分析


GERDは成人の25%ほどで、診断アルゴリズムには議論がある。多くがPPI長期使用する。24時間食道pHモニタリングで、GERD除外し、不要なPPI使用に伴う、コストやリスク回避可能となるという仮説。8週間PPIトライアルとpH モニタリングでのコスト効果戦略評価。

Kleiman D, et al "Early referral for 24-hour esophageal pH monitoring is more cost-effective than prolonged use of proton pump inhibitors in patients with suspected gastroesophageal reflux disease" DDW 2013; Abstract 201.








30% sensitivity (1)
96% sensitivity (1)
All patients
-$100.31 (2) to $1,495.45
$1,196.99 to $6,303.43
Esophageal symptoms
-$59.57 (2) to $1,646.44
$1,327.37 to $6,786.61
Extra-esophageal symptoms
-$299.23 (2) to $758.25
$560.47 to $3,940.09









24-hour esophageal pH monitoring: 24時間食道pHモニタリング
http://my.clevelandclinic.org/services/esophageal_ph_test/hic_24-hour_esophageal_ph_test.aspx
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmedhealth/PMH0003879/


重症ARDSへのうつぶせ治療効果

水準的広がりをもつ陰影がその後も残存するARDSのCT画像をみると確かに仰向けだけだとよいはずがないと思う。

以前は、うつぶせ寝肯定的な報告があり


Prone-Supine II Study:ARDS重症低酸素血症に対する”うつぶせ治療”効果有意な生存延長効果認めず 2009年 11月 11日

この報告で一気に熱が冷めたような気がする


今回は、久しぶりに、肯定的報告

 ↓

Prone Positioning in Severe Acute Respiratory Distress Syndrome
Claude Guérin, et. al.
for the PROSEVA Study Group
N Engl J Med. May 20, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1214103

多施設前向きランダム化対照化トライアル
うつぶせ寝 237名
あおむけ寝 229名
28日め死亡率は、それぞれ、16.0%、 32.8% (p < 0.001)
ハザード比 0.39( 95%信頼区間 [CI], 0.25-0.63)
非補正90日め死亡率は、それぞれ、23.6%、41.0% (p < 0.001)
ハザード比 0.44 (95% CI, 0.29-0.67)
合併症頻度で群間有意差なし
例外は心停止頻度で、仰向け群が多い

COPD気管支拡張薬物治療:長時間作動βアゴニスト・抗コリン剤とも心血管合併症増加

後顧的研究だが、長時間作動性気管支拡張剤である、β刺激剤:LABAも、抗コリン剤:LAMAも、心血管リスク増加させる。

しかも、19.1万名中、5.4万件の心血管疾患イベント発生率、相対的リスク 1.5割〜3割アップというのはかなりの発生率と思う。荒っぽい推定だと、これらの薬剤処方されてる患者の心血管疾患イベントの1割が薬剤の副作用のためということになる。


Cardiovascular Safety of Inhaled Long-Acting Bronchodilators in Individuals With Chronic Obstructive Pulmonary Disease
Andrea Gershon, et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():1-9. doi:10.1001/jamainternmed.2013.1016.
重要性 Chronic obstructive pulmonary disease (COPD)は、コモンで死に至る病気でもある。長時間作動性βアゴニストや抗コリン剤はCOPD薬物治療としての第一選択薬剤である。薬物選択のとき、最小リスクであることを知ることは、医師・患者にとってベネフィットである。
目的  薬物クラスと、心血管イベント入院・ED受診リスクの相関性評価
デザイン  マッチング・予後因子補正後、新規処方吸入LABA(長時間作動性βアゴニスト)、LAMA(長時間作動性抗コリン剤)間の後顧的コホート研究nested症例対照解析
セッティング  多文化住民1300万人を有する、カナダ随一の州であるオンタリオの医療データベース
被験者  COPD確認症例基準に合致した66歳以上全員、医療行政データに基づき、2003年9月1日から2009年3月31日間でのCOPD治療された症例
暴露  LABA、LAMA新規症例
主要アウトカム・測定  心血管イベントによるED受診、入院
結果  該当19万1005名中、5万3532 (28.0%)が心血管イベントのため入院・ED受診
LABA、抗コリン剤新規処方は、薬物使用なしに比べ、イベントリスク高い  (対応補正オッズ比 1.31 [95% CI, 1.12-1.52; P < .001] 、1.14 [1.01-1.28; P = .03])
2つの薬剤種間において有意差認めず(補正オッズ比 LABA の LAAM比較で1.15 [95% CI, 0.95-1.38; P = .16]
結論・知見  COPD高齢者において、長時間作動性βアゴニスト、抗コリン剤新規使用は、心血管イベントリスクは同程度に増加させる。長時間作動性気管支拡張剤必要なCOPD患者においては薬剤クラスに関わらず、密なモニタリングが必要

65歳以上のスピリーバなどの抗コリン剤、セレベントなどのβアゴニストとも、長時間作動性気管支拡張剤は、肺機能改善させ、息切れ改善させるが、よりハードなアウトカムには副作用として働く。

ただでさえ、MCIDなんて、詐欺的アウトカムで、薬剤創出を後押ししている、呼吸器関連の学会 ・・・ ”軽症COPDに早期薬剤処方”という耳を疑うフレーズを耳にしてしまった。


喘息での、LABAの生命危機に関わる薬剤有害性は、多施設ランダム化研究:SMART study(e.g. Can Fam Physician. 2007 April; 53(4): 687–688. )以降、注目されているが、COPDでの薬剤有害性は、それに隠れていた。喘息・ICS-LABAでの薬剤有害性だって、わからない。検討項目から、アフリカ系アメリカ人などの人種的LABA有害感受性の高い群がはずれていた可能性がある。


Cardiac Risk May Increase with COPD Drugs
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ATS/39313

PREDIMED-NAVARRA: オリーブオイルでも、ナッツでも、低脂肪職比較で認知機能改善

地中海食として、Extraバージンオイルと、ナッツ油どちらも、認知機能に対して、効果があるようだ。

"Mediterranean diet improves cognition: the PREDIMED-NAVARRA randomised trial"
Martinez-Gonzalez MA, et al
J Neurol Neurosurg Psych 2013; DOI: 10.1136/jnnp-2013-305153.


【目的】 いままでの観察研究からMediterranean diet(MedDiet)の認知機能への利益性効果が報告されている。しかし、結論は必ずしも一致せず、MedDietsを用いた影響介入の認知機能影響を、低脂肪対照食事と比較評価。

【方法】 血管リスク高い被験者522名(男性 44.6%、年齢 74.6 ± 5.7歳、 認知機能評価)、多施設ランダム化プライマリ予防トライアル(PREDIMED)
2つのMEDDiets(extra-virgin olive oil(EVOO)もしくは mixed nutsサプリメント) vs 低脂肪対照の比較栄養介入
Global cognitive performance を、Mini-Mental State Examination (MMSE) とClock Drawing Test (CDT)を栄養介入後6.5年
アウトカム評価研究者にはグループ割り付けブラインド化
寄与共役要素補正は一般線形モデルで行った
【結果】年齢、性、教育、Apoリポ蛋白E表現型、認知機能障害・認知症家族歴、喫煙、運動、BMI、高血圧、脂質異常、糖尿病、アルコール、総エネルギー摂取量補正後、
MedDiet+EVOO割り付け被験者では、MMSE、CDTスコア高知で、対照群とに有意な差を認める (補正差分: +0.62 95% CI +0.18 〜 +1.05, p=0.005 for MMSE、 +0.51 95% CI +0.20 〜 +0.82, p=0.001 for CDT)
MMSE、CDTスコア補正平均は、MedDIet+Nuts は、対照に比べ、高値  (補正差分: +0.57 (95% CI +0.11 〜 +1.03), p=0.015 for MMSE 、 +0.33 (95% CI +0.003 〜 +0.67), p=0.048 for CDT)
これらの結果は、うつ発症補正後も変化認めず
【結論】MedDiets介入は、EVOOでも、ナッツでも、低脂肪食比較すると、認知機能改善と関連

ANZICS臨床トライアル : ICU入室・経口栄養比較的禁忌患者への早期非経口栄養の臨床的意義ない

parenteral nutrition、非経口栄養法(PN)を、ICU入室24時間以内に、経口栄養比較的禁忌成人患者へ行うことのベネフィットがシステマティックレビューで示唆?

結論から言えば day-60での死亡率に関して有意差なかった。
早期非経口栄養戦略は侵襲的人工換気日数を減らすが、ICUや入院期間

Early Parenteral Nutrition in Critically Ill Patients With Short-term Relative Contraindications to Early Enteral Nutrition
A Randomized Controlled Trial
Gordon S. Doig,  et. al.
for the Early PN Investigators of the ANZICS Clinical Trials Group
JAMA. 2013;():1-9. doi:10.1001/jama.2013.5124.


【目的】 To determine whether providing early PN to critically ill adults with relative contraindications to early EN alters outcomes.

【デザイン、セッティング、被験者】 多施設、ランダム化、単盲検(2006年10月から2011年6月)、31地域・3次病院のICU(オーストラリア、ニュージーランド)
被験者は、早期EN相対的禁忌重症成人で、ICU滞在2日間以上予想される患者

【介入】  Random allocation to pragmatic standard care or early PN.

【主要アウトカム・測定】  Day-60 mortality; quality of life, infections, and body composition.

【結果】 総数1372名をランダム化(標準ケア 686、早期PN 686)
標準ケア割り付け682名中、199名(29.2%)でEN開始、278名(40.8%)は未摂取。
EN、PNまでの機関は、2.8日(95% CI, 2.3-3.4日)

PN割り付け早期PN開始患者は、割り付け後平均44分(95% CI, 36-55)で開始
day-60死亡率で有意差認めず (標準ケア 22.8%  vs 早期PN 21.5% ; risk difference, −1.26%; 95% CI, −6.6 〜 4.1; P = .60)

早期PN患者は、day-60 QOLrate (RAND-36 General Health Status) は統計学的だが、臨床的意味合いはない高値 (標準ケア 45.5  vs 早期PN 49.8; mean difference, 4.3; 95% CI, 0.95 〜 7.58; P = .01)

早期PN患者は必要侵襲的換気日数少ない (7.73 vs 7.26 日間 10 名 × ICU 日数, risk difference, −0.47; 95% CI, −0.82 〜 −0.11; P = .01)
主観的評価、Subjective Global Assessmenベースでの、筋疲労少ない (0.43 vs 0.27 スコア増加/週あたり; mean difference, −0.16; 95% CI, −0.28 〜 −0.038; P = .01)
脂肪減少スコア少ない (0.44 vs 0.31 スコア増加/種あたり; mean difference, −0.13; 95% CI, −0.25 〜 −0.01; P = .04)





数値の切りが悪かったり、通信簿みたいだと基準を変える・・・アホ学会

この学会って・・・

『糖尿病学会はNGSP値を用いた糖尿病治療における血糖コントロール目標値を改訂、6月から施行する。従来の指標では、NGSP値なら、HbA1c 6.2%未満は『優』、6.2〜6.8%未満は『良』、6.9〜7.4%未満は『不十分』、7.4〜8.4%未満は『不良』、8.4%以上は『不可』としていた。だがこれには、医師から『数値のきりが悪い』『通信簿みたい』などと意見や批判があったため見直す』
(RIS FAXから引用 H25.5.8 )
・・・
数値の切りが悪かったり、通信簿みたいだと基準を変える・・・アホ学会


科学的根拠なく、そういうことで決めるんか・・・この学会。


(1)血糖正常化を目指す際の目標 6.0%未満
(2)合併症予防のための目標 7.0%未満
(3)治療強化が困難な際の目標 8.0%未満


ACCORD studyなどで判明した厳格コントロール弊害も無視してる・・・

科学的エビデンス無視して権威だけでごり押しするお方がトップだからそうなるのだろう。

2013年5月20日月曜日

【百日咳】新しい無菌体ワクチンは、従来の菌体ワクチンより効果少ない

ワクチン副作用を恐れるがため、肝心の効果減弱したワクチンが広まってるのかもしれない。

Klein NP, et al "Comparative effectiveness of acellular versus whole-cell pertussis vaccines in teenagers" Pediatrics 2013; 131: e1716-e1722.

2歳まで4回百日咳を含むワクチン接種者データ( Kaiser Permanente Northern California)


流行期、PCR確認百日咳検査陽性症例。2群の対照(PCRによる検査陰性 899名、 検査してない 54,339名)、性・人種民族・医療クリニックマッチ化。PCR検査1037名のうち、全菌体ワクチン投与のみ 234名、 全菌体・無菌体ワクチン混合 197名、 無菌体ワクチンのみ 606名

4回のDTaPでは、百日咳陽性オッズ 5.63 (95% 信頼区間, 2.55-12.46 vs 4回のDTwP)
無菌体・菌体ワクチンの混合接種群では、 3.77 (95% CI, 1.57-9.07 vs 4回のDTwP)

DTwPワクチン 被験者234名のうち、わずか8名(3.4%)で百日咳、無菌体のみでは 111/606 (18.3%)

無菌体・菌体ワクチン混合 197では、19症例 , 9.6%

大規模対照の症例比較でも同様結果。


古い全菌体ワクチンを受けた方が、新しい無細胞ワクチンより直近の流行期間中防御効果高かったという報告。

カリフォルニア2010−2011の流行時期に、10−17歳のジフテリア・破傷風・無菌体百日咳ワクチン(DTaP)を4回受けた場合、全菌体百日咳(DTwP)ワクチン4回より疾患6倍増加していた。
症例対照研究で、さらに、無菌体ワクチン不足問題も加わった。


百日咳:無菌体ワクチン置き換えで百日咳流行へ 豪州研究 2012/08/01/
http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/08/blog-post_63.html



Breo Ellipta (フルチカゾン+ビランテロール) COPD使用に対しFDA承認

COPD患者維持療法へ、1日1回、Breo Ellipta (fluticasone furoate and vilanterol inhalation powder)  治療承認

急性増悪病歴患者へのCOPD急性増悪減少効果も承認


FDA approves Breo Ellipta to treat chronic obstructive pulmonary disease

http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm351664.htm



喘息関連死亡リスク増加のboxed warning を有する。
喘息患者へのBreo Elliptaの安全性、有効性は確立していない。喘息治療に承認されず。

FDAは薬剤服用内在リスクについての使用上注意や情報を含む患者薬物ガイドを含み承認。
Breo Ellipta は、急性気道閉塞に対するレスキュー使用してはならないし、18歳未満の若年者使用を推奨しない。

肺炎、骨折のリスク増加を含む重篤副作用の可能性。
頻度の多い副作用、鼻咽頭炎、情気道感染、頭痛、口腔カンジダ。




FDA助言委員会承認記事
http://www.gsk.com/media/press-releases/2013/fda-advisory-committee-recommends-approval-of-breotm-elliptatm-f.html


BREO™ ELLIPTA™:フルチカゾン FF 100/ vilanterol (LABA) VI 25 mcgの合剤


気道閉塞慢性維持療法適応:賛成 9、反対 4
急性増悪減少効果適応:賛成 9、反対 4





In-Check Deviceで、吸入適正使用改善

Vitari C, et al "Pilot study to evaluate inhaler technique using the in-check" ATS 2013.
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ATS/39250



In-Check deviceで、吸入器抵抗と、吸気流量を測定する必要があるが、多くの患者では、この薬剤吸入が適切に行われてない。
シミュレータで、5分間検査することで、吸入の適正使用法を促し、次回受信時に治療範囲となる可能性2倍近くになる

シミュレータ使用21名患者での小規模パイロット研究で、対照19名と比較して、適正使用率 66.6% vs 36.8% (p = 0.0429)となった。





嚢胞性線維症治療薬 Kalydeco( ivacaftor) :稀少疾患薬剤に関わる諸問題 ・・・補助金開発するも高額薬剤費請求

α1アンチトリプシン欠損症:患者向けパンフレット
http://t.co/SHDawOaGA

ATS2013で配布されているらしい

稀少疾患・薬剤には、公的補助が必要となるのは当たり前だろうが、結果的に、費用回収のため薬剤価格高額になることは、様々な弊害をもたらす。臨床的に成功したといえるらしいが、嚢胞性線維症薬剤は、その高額さゆえ、議論を巻き起こしているらしい。



Cystic Fibrosis: Charity and Industry Partner for Profit
By John Fauber, Reporter, Milwaukee Journal Sentinel/MedPage TodayPublished: May 19, 2013
http://www.medpagetoday.com/Pulmonology/CysticFibrosis/39217


Kalydeco( ivacaftor)は、Vertex Pharmaceuticalsによる上梓されている。
この薬剤は、Cystic Fibrosis Foundationから7500万米ドルの補助を得て開発し、さらに、税金からNIH補助金経由での多額の研究初期のコストが賄われ、薬剤ターゲットの遺伝子同定された経緯をもつ。
Kalydecoは、昨年、市場に出現し、高額な値段となった。

米国内に1200名程度で、その4%のみ薬剤が役立つという代物
Vertex Pharmaceuticalsは、患者一人当たり1年に30万7千米ドル課金している。


Cystic Fibrosis Foundationに、売り上げの縮小を要求。基金は権利を一部売却し、Vertex、ファイザー、Gnezymeによる商品開発の基金にまわされている。

投資側からみれば、それなりのリスクを覚悟して、投資している訳だから、利益への期待は当たり前ということになる。だが、価格は適正か?

医療業界にはさらに、ガイドラインなるものが存在し、一定の権威者たちが、その作成に深く関与し、利益相反に関わる事態を引き起こす可能性がある。


新薬開発は、ベンチャー・キャピタリストの役割、慈善事業との関連、公共からの投資に多くの問題を具有することになった。

Kalydecoは臨床的成功しているといえるが、今後、新薬開発に関わる、この関連性、議論が必要なところである。

慢性骨髄性白血病治療薬に関わり、専門家グループが、薬剤価格低下を要求する署名エディトリアルを公表している。

Price of drugs for chronic myeloid leukemia (CML), reflection of the unsustainable cancer drug prices: perspective of CML Experts
Experts in chronic myeloid leukemia

http://bloodjournal.hematologylibrary.org/content/early/2013/04/23/blood-2013-03-490003

今後ますます高価な薬剤が開発されるとともに、医療制度の破綻を促進する危険性もあり、適正価格とするべき方法が求められる。

正常認知機能:SDBは認知症早期兆候?


中年成人SDB(睡眠呼吸障害)頻度は10−20%、65歳超過すると60%に及ぶ。加齢関連増加の説明要素は不明だが、アルツハイマー病マーカーのマーカー、早期症状である可能性がある。筆者らは、SDBをアルツハイマー病の寄与要素として考えてるのではなく、むしろ、反対で、高齢者のSDB増加の原因としての、脳機能の低下としてのSDB症状出現と考えているとのことだが、CPAP治療でアルツハイマー病バイオマーカーが変化するかがこの『どちらが卵で、鶏』問題解決のヒントになるのかもしれないとのこと。


64−87歳、58名の前向き臨床研究
包括的臨床検査、神経心理試験、SDB2夜検査、アルツハイマー病診断検査施行
脳脊髄液中 P-Tau、T-tau、A-β42
PET、あるいはMRI検査

睡眠中正常呼吸を、無呼吸低呼吸指数 < 5と定義、軽症を 5-15、中等・重症 15超と定義
軽症 SDB 37 、中等・重症SDB 17名、SDB頻度はBMI増加毎増加するが、肥満群(BMI  > 30)はいない。平均 BMI 23.8と非肥満対象、 正常睡眠呼吸状態 18名(平均AHI 2.6)、軽症 33(平均AHI 8.3)、中等・重症 17名(平均AHI 36.9)

3グループ横断的検討として、やせ(BMI <25 area="" au="" brain="" p="" vulnerable="">SDBやせ患者は、脳脊髄液中A-β-42減少を示さず、PET画像上"binding of Pittsburgh compound B"の増加認めず。

アルツハイマー病に関連するバイオマーカー 脳脊髄液中P-tau値は、睡眠呼吸障害(SDB)の重症度と線形に相関する (p < 0.05) 。
SDB患者脳画像所見は脳内の代謝活性減少を示す。そして、SDBやせ患者の海馬体積減少が示されている。





Osorio, RS, et al "Sleep-disordered breathing, aging and risk for Alzheimer's disease in cognitively normal subjects" ATS 2013; Abstract 38456.

二次資料:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ATS/39251

noteへ実験的移行

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