2013年4月13日土曜日

NEJM:"新型"トリ・インフルエンザH7N9

Human Infection with a Novel Avian-Origin Influenza A (H7N9) Virus
Rongbao Gao, et. al.
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1304459?query=featured_home
N Engl. J. Med. April 11, 2013


中国内で流行している"新型"トリインフルエンザウィルス
臨床的、疫学的、ウィルス学的データで、以前報告のあった同種のインフルエンザA subtype H7ウィルスよりビルレンスがあるようだ。

NEJMに、アトランタにあるCDCに、H7N9ウィルス試料が到着し、level 2(最高危険レレベルは3)として扱った。
real-time RT-PCRにて、ウィルス培養配列解析

ウィルスの全ての遺伝子はトリ起源で、トリインフルエンザH9N2ウィルスの6つのinternal geneを有していた。HA遺伝子の210-loopで、A/Anhui/1/2013  A/Shanghai/2/2013 viruでは、Q226L*H3 numbering)の置き換えあり、A/Shanghai/1/2013ではこの置き換え見られずHA遺伝子 150-loopでのT160A遺伝子変異あり
neuraminidase (NA) stalk 領域での5つのアミノ酸欠損あり


アジアのヒトで観察されてないsubtypeで、家禽類感染が主なsubtype 7で、今まではヒトに感染しても軽症で、ほ乳類、ヒトへの感染は稀だった。さらに、subtype N9のヒトへの感染は確認されてなかった。

遺伝子配列データによりH7N9ウィルスはヒトの受容体に結合しやすく変異し、空気感染もしやく変異していた。


ARDSとなった3名全員、発熱・咳嗽が主。急激医悪化し、1名は発症前2週間に鳥との接触無く、1名は生きた鳥を扱うマーケットで仕事をしていたが、直接は取り扱い無し。

ニューラミニダーゼ阻害剤及び受容体結合阻害薬剤の有効性、早期投与での治療奏功の可能性が示唆されている。

遺伝子異常認めない家族性高コレステロール血症:多遺伝子異常集積

家族性高コレステロール血症は、3つの既知遺伝子異常が知られる常染色体優性疾患で、イギリスのガイドラインで推奨されているのはDNA-based cascade testingであるが、60%ではこの遺伝子異常検出できず。 これを説明するために、LDLコレステロール増加smal effect alleleの集積によるという仮説

12のコモンなLDL-C増加alleleを用い、遺伝子スコア分布を対照比較



Use of low-density lipoprotein cholesterol gene score to distinguish patients with polygenic and monogenic familial hypercholesterolaemia: a case-control study

The Lancet, Volume 381, Issue 9874, Pages 1293 - 1301, 13 April 2013

遺伝子変異無し 321名ベルギー 451遺伝子異常変異有り 319ベルギー 273対照 3020

加重平均LDL-C遺伝子スコア(0-90 , SD 0.23)、LDL-C濃度と相関 (p=1·4 × 10−77; R2=0·11)

遺伝子変異陰性英国患者はWHII対照群より加重LDL-Cスコア有意に高値  (p=4·5 × 10−16)
そして、遺伝子陰性ベルギー患者でも (0·99 [0·19]; p=5·2 × 10−20)
スコアは英国人(0·95 [0·20]; p=1·6 × 10−5) ベルギー人 (0·92 [0·20]; p=0·04)遺伝子陽性患者同様に有意高値 
遺伝子異常陰性英国患者は、WHII加重LDL-C遺伝子スコア分布 10分位上位3分比率は 167/321(52%)で、10分位最小3分位まで比率は35(11%)

遺伝子異常みとめない家族性高コレステロール血症患者の一定比率以上で、多遺伝子的原因でLDL-C濃度高値となる。

気胸再発減少:ミノマイシン胸膜癒着術

単純吸引穿刺・ドレナージが特発性肺気胸の標準初期治療
しかし、気胸再発が多く、ミノマイシンによる胸膜癒着術追加で再発率減らせるか?

2006年12月31日から2012年6月30日まで、214名をランダムに
ミノマイシン群 106
対照群 108

7日間治療不成功率 ミノマイシン群  14、対照群 20
1年時点で、気胸発生率 ミノマイシン群 31/106 (29.2%)、対照群 53/108 *49.1%)
p=0.03

手技関連副作用は両群無し


Simple aspiration and drainage and intrapleural minocycline pleurodesis versus simple aspiration and drainage for the initial treatment of primary spontaneous pneumothorax: an open-label, parallel-group, prospective, randomised, controlled trial

The Lancet, Volume 381, Issue 9874, Pages 1277 - 1282, 13 April 2013


病側気胸?

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note