2012年11月20日火曜日

胸水量簡易CT判断法

胸水が軽度なのか、中等度なのか、大量なのか、迅速に、判断するには鎖骨線上での最大長を4分割して判断すれば良い・・・とのこと。

救急外来とかかなり便利だろう・・・


A New Simple Method for Estimating Pleural Effusion Size on Computed TomographyMatthew P. Moy1, et. al.
CHEST. 2012 doi:10.1378/chest.12-1292


CTによる軽度、中等、大量胸水分類は、鎖骨中央線での前後(AP)四分位と最大AP深度長での評価がベスト。
意思決定ルールに従うとすると、第1AP四分位なら軽度、第2AP四分位なら中等度、第3・第4四分位なら大量と判断すればよい

ボーダーラインの場合、AP深度長の軽度・中等度区分上限はそれぞれ3cm、10cm



定量評価項目
(1) 圧迫性無気肺の程度(無、亜区域、区域、多区域、葉、多葉)
“葉性"圧迫性無気肺には、複数の葉の区域性無気肺の組み合わせも含み、この場合は“葉性"圧迫性無気肺と同等とする

(2)最大AP(前後)四分位、 胸水の見られる前方最大四分位として測定
(図 1)胸水最大量部位片側横隔膜側の上方軸性イメージ


(3)解剖学的ランドマーク利用最大頭尾長(同側下部肺静脈、横行右肺動脈、気管分岐部、大動脈弓、肺尖部)
(4)major fissureの胸水 (5) 縦隔シフト、 (6) 主たる肺底部位置

定量特性
(1) 完全無気肺区域数
(2) 頭尾部長(cm)
(3) 片側横隔膜上方軸性イメージで、最大AP深度長(cm)図3
; (a) 鎖骨中央線、 (b) 最大AP dimension


血圧; コーヒーの影響についてのシステマティック・レビュー&メタアナリシス

 カフェインの急性の影響はあるが、長期的影響のエビデンスは存在しないらしい


最近、コーヒーを健康面で肯定的に捉える方向性が目立つ
コーヒー:飲料で総死亡減少・各原因死亡減少 ;喫煙にて効果消去 2012/3/17

カフェインの短期的昇圧反応への危惧がもたげるわけで、コーヒー関連業者には援軍となる報告になる ・・・ でも、報告検討数が少なく、眉につばつける必要がありそう


The effect of coffee on blood pressure and cardiovascular disease in hypertensive individuals: a systematic review and meta-analysis
Arthur Eumann Mesas, et. al.
Am J Clin Nutr October 2011 vol. 94 no. 4 1113-1126

急性の影響(http://ajcn.nutrition.org/content/94/4/1113/T1.expansion.html)として、カフェイン200-300mgで、平均的に、収縮期 8.1mmHg(95% CI, 5.7 - 10.6mmHg)、拡張期 5.7 mmHg (95% CI, 4.1 - 7.4 mmHg)増加

3時間以上継続する



2週間での長期研究では、脱カフェインコーヒーと比較しても増加は認めない

収縮期血圧への影響


拡張期血圧への影響



【結論】
高血圧患者において、カフェイン摂取は急性の血圧増加反応(3時間以上)を認める
しかし、コーヒー長期摂取と血圧増加の関連性、習慣性コーヒー摂取と心血管疾患リスク増加の関連性いずれのエビデンスもそれを支持しない。



カフェインとエストロゲンの関係 ;人種的差 ;緑茶は人種横断的にエストロゲン増加へ 2012/01/27

労作性呼吸苦:中枢性オピオイドの効果? 末梢性オピオイド否定研究

オピオイド受容体は、広く、中枢神経(CNS)系及び、細気管支・肺胞壁を含む末梢性感覚神経終末に広く発現する。
息切れ時、内在性オピオイドにより中枢性、末梢性へ調整的影響を与えるかは不明。
βエンドルフィンの血中増加が息切れに影響を与えるか、気道系の末梢性オピオイド受容体結合の推定的効果を検討したもの

このことが分かってなかったから・・・最初何のことかと思った
ケトコナゾールはコルチゾール合成抑制する。この薬剤のHPA系抑制効果は、HPA系を活性化し、corticotrophin-releasing hormoneは、POMC遊離刺激する視床下部から分泌される。POMC-由来ペプチドは、βエンドルフィンやACTHの血中分泌を促すよう、その機能を貫く。さらに、ケトコナゾールによる視床下部ニューロンからCNSへの内因性オピオイド遊離はされない。

中枢性と末梢性オピオイド刺激を区分け出来る薬理作用を利用した実験とのこと


Effect of Increased Blood Levels of Beta-endorphin on Perception of Breathlessness
Donald A. Mahler1, et. al.
CHEST. 2012 doi:10.1378/chest.12-1541
COPD20名で、βエンドルフィン、ACTH測定
ケトコナゾールとプラシーボを経口投与し、吸気付加抵抗( resistive load breathing  :LB)を加えたときの毎分息切れ程度を評価。

コルチゾール合成阻害することで、ケトコナゾールは有意にβエンドルフィン、ACTH増加をもたらした。
RLB中の息切れ強度・不快度数、耐容時間数の介入群差は認めず


内在性オピオイドに影響を与えない、ケトコナゾールによる末梢性オピオイド活性化では、労作性呼吸困難軽減効果認めない。このことは、オピオイドの呼吸困難軽減効果は、中枢性オピオイドの作用が主と考える。ただ、末梢性オピオイドへ与える影響が、この程度のオピオイドの変化量では起きなかった可能性もある。

noteへ実験的移行

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