しかしながら、その効果は懐疑的にならざる得ない。
Effects of an Intervention to Increase Bed Alarm Use to Prevent Falls in Hospitalized Patients: A Cluster Randomized Trial
Ann Intern Med. 20 November 2012;157(10):692-699
http://annals.org/article.aspx?articleID=1392191
27672名の入院患者での検討
アラームユニット使用頻度
介入ユニット 1000人日あたり 64.41
対照群 1000人日あたり 1.7日(P=.004)
1000人日あたりの転倒率に差を認めず (リスク比, 1.09 [95% CI, 0.85 to 1.53]; 差, 0.41 [CI, −1.05 to 2.47])
転倒人数、転倒外傷、身体拘束数に差を認めず
ちょっと脱線するが、日本では、机上の空論を展開するときに、「アメリカでは(北欧では)、こんなことは無いのだ」と妄想して、勝手に、決めつけることがある。
米国急性期病院では、1000人にちあたり50の身体拘束が行われている。
Prevalence and variation of physical restraint use in acute care settings in the US.
J Nurs Scholarsh. 2007;39(1):30-7.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17393963
にもかかわらず、たとえば、以下のような文言をさらっと記載する場合がある。
「アメリカの抑制に対する考え方はやはり日本とは違うようだ.本来,抑制してはいけないことが前提である」(http://mihara-ibbv.jp/arbos/yokusei/kaihou/yokuseikaihou2.pdf)
日本でも、抑制・身体拘束などしてはいけないのだが、実態として行われているのは事実。 身体拘束は元来あってはならないが、患者の身を守るために不可避なのかどうか、真の検討がなされているのだろうか?
“身体拘束ゼロ”作戦に関する指針というのに、科学的エビデンスは存在するのだろうか・・・
http://www.wao.or.jp/yamanoi/siryou/1/010327.htm
妄想の上の作文の集大成という気がしてならない・・・
もし、エビデンスに基づくなら、今頃、"physical restraint" AND "randomized"というキーワードでpubmed検索すれば、日本の研究がいっぱい検索されるはずだが・・・・ ほぼ皆無