2014年5月13日火曜日

USPSTF推奨:リスクを有する肥満・過体重者への行動療法的強化カウンセリングすべきと推奨予定

USPSTFは、肥満外の少なくとも1つの心血管リスクを有する肥満・過体重例では強化行動療法的カウンセリングを受けるべき、内容は、健康食促進・身体活動性増加を心疾患予防のため行うことを推奨する予定で、パブリックコメントを求める原案提示

インストラクション介入、個別化アクションプラン、問題解決・フィードバックを含み、対面面接・電話・電子的接触も含む

エビデンスとしては、総コレステロール3−6mg/dL、LDL 1.5-5mg/dL減少、収縮期・拡張期血圧 1-3/1-2mmHg低下、空腹時血糖1-3 mg/dL減少、糖尿病発症を3年後42%減少、体重を標準偏差 0.26、体重として3kg平均、 BMI 0.5 to 1.5 kg/m2減少。
身体活動性は、10%から2%増加。


"Behavioral counseling to promote a healthy lifestyle for cardiovascular disease prevention in persons with cardiovascular risk factors: a systematic evidence review for the U.S. Preventative Services Task Force"
Lin JS, et al 
http://www.uspreventiveservicestaskforce.org/tfcomment.htm

原案:

二硫酸化イズロン酸: 新しい喘息治療法



Tumor Microenvironment and Metastasis Program ( Sanford-Burnham )


Novel di-sulfated iduronic acid attenuates asthmatic response by blocking chemokine–heparan sulfate-mediated T-cell recruitment
 http://www.pnas.org/lookup/doi/10.1073/pnas.1319870111



合成硫酸化モノサッカライドで、ケモカインであるCCL20(T細胞シグナル蛋白)と硫酸ヘパリン(CCL20防御・不動化)の肺上皮細胞の相互作用阻害。この相互作用を阻害することで、T細胞の参入を防御し、炎症惹起を防止することとなる。


静注、吸入共に有効らしい


Minoru Fukudaといから、日本人的名前


http://www.upi.com/Health_News/2014/05/12/Synthetic-molecule-thwarts-asthma-symptoms/1391399930892/?spt=sec&or=hn





CCL20 CCL20(MIP-3a、LARK:Liver and activation regulated chemokine) CCL20はリンパ節や肝臓、盲腸などの組織に発現しており、上皮細胞や活性化した単球から産生される。 CCL20受容体はCCR6である。 未熟樹状細胞やメモリーT細胞、B細胞を誘引する。 http://www.geocities.jp/norihisamikami/chemokine.html

ジエチレングリコール中毒:遅発神経・腎障害は認めず、急性期毒性のみ

ジエチレングリコール(DEG)中毒と言えば、中国での製品混入による事件が多く報道されている。

13名のDEG中毒のその後の長期観察報告


Long-term Renal and Neurologic Outcomes Among Survivors of Diethylene Glycol Poisoning
Laura Conklin, et. al.
JAMA Intern Med. Published online May 12, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.344

テロメア長への社会的量悪環境影響に、セロトニン・ドパミン経路が関係する

テロメア長というと、生物の寿命と関連するわけだが、一方、生存上社会的に不利な環境というのも健康アウトカムに関連する。慢性ストレスが一部に寄与するわけだが、テロメア長は、社会的状況やうつ状態を含む要素により短縮する。

セロトニン感受性に関わるホモ接合genotypeと、ドパミン感受性に関わるホモ接合serotype数と、社会的不利環境と有利環境のテロメア長(TL)への影響研究

ホモ接合的genotypeの判定は、0−4で行い、最小数ほどから2+のコードで評価。

セロトニン作動遺伝子型では、2+以上の状況で、有利な社会的環境でテロメア長増加と関連(p=0.02)
一方、ドパミン作動遺伝型では、中等+の状況で、 有利な社会的環境でテロメア長増加と関連(p=0.05)

ドパミン作動系ではやや奇異性


Social disadvantage, genetic sensitivity, and children’s telomere length
Colter Mitchella, et. al.
PNAS April 22, 2014 vol. 111 no. 16
http://www.pnas.org/content/111/16/5944


ここで示されたのは9歳までのTL減少と、社会的不利状況の関連性であり、低収入、母の教育状況、不安定な家族状況、粗い親子関係と関連性が示された。

セロトニン作動、ドパミン作動経路によりこの影響は影響される。


種々感受性仮説の存在、遺伝的感受性スコアの高いヒトでは、社会的環境不利な状況暴露では短く、有利環境では長くなる。




住民レベルコホート研究:高齢者において、尿中レスベラトロールと炎症・心血管イベント・がん発生・有病率の関連性認めず

 グレープ、赤ワイン、チョコレート、特定のベリー類に含まれるポリフェノールである、レスベラトロールは、ヒトで抗酸化、抗炎症、抗がん作用を示すことが知られ、特定の下等生物での寿命促進効果が示されている(猿のインチキ報告・スキャンダルも ← 某フォトショップ詐欺:Dr Dipak Das (University of Connecticut) は、例のフォト編集詐欺(http://www.theheart.org/article/1339923.do)のごとく、赤ワイン単独の効果をフラボノイド全般の心血管健康改善効果に誘導する詐欺が行われていた)。


皆様の受信料でペテン放送をおこなったNHKスペシャル、レスベラトロールなどを題材にして過大報道していたネタでもある。

サーチュインが長寿に果たす役割ははっきりしない ・・・ あなたが太ったネズミなら別かも・・・ 2011年 11月 09日 

 

 ヒトで検証されてない仮説を大々的に放送する、NHK。その資金は私たちの受信料。



レスベラトロールの実地的検証は未だ見いだされてない。
下記ごとく、尿中代謝産物濃度と健康アウトカムの関連性検証にも失敗している。
Red Wine Antioxidant Fails to Lengthen Lives in Study
 http://www.bloomberg.com/news/2014-05-13/red-wine-antioxidant-fails-to-lengthen-lives-in-study.html

→ Johns Hopkins大学のStatement 
  • Diets rich in the antioxidant resveratrol don’t reduce deaths, cardiovascular disease or cancer, a new study finds.
  • Resveratrol is found in red wine, dark chocolate and berries and was believed to confer health benefits.
  • Excitement over resveratrol followed studies documenting anti-inflammatory effects in lower organisms and increased lifespan in mice fed a high-calorie diet rich in the compound.
  • These foods may still be good for you, but resveratrol is not the reason.
  • Researchers tested urine samples from 783 people Italians over the age of 65 for resveratrol levels.




 前向きコホート研究:Invecchiare in Chianti (InCHIANTI) Study (“Aging in the Chianti Region”), 1998 〜 2009 、エリアの2村、783名の地域住民男女65歳以上のサンプル
暴露要素は、24時間尿中レスベラトロール代謝物
プライマリアウトカムは、全原因死亡率、セカンダリはCRP、IL-6、IL-1β、TNF測定値と、癌・心血管疾患発生率・有病率


結論から言えば、高齢者住民レベルの調査では、尿中レスベラトロール濃度と、血中炎症マーカー、死亡率、がん・心血管疾患有病率・発生率の関連性は認めなかった


Resveratrol Levels and All-Cause Mortality in Older Community-Dwelling Adults
Richard D. Semba,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online May 12, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.1582


レスベラトロール代謝物尿中代謝濃度総数対数平均(95%信頼区間:CI)は、  7.08 (6.69-7.48) nmol/クレアチニンg

フォローアップ9年間で、268(34.3%)被験者死亡。

尿中総数総代謝物濃度4分位最小から最大区分に於ける被験者死亡率比率は   34.4%, 31.6%, 33.5%, and 37.4%, (P = .67).


尿中レスベラトロール最大vs最小4分位区分死亡率比較で、寄与要素補正後多変量Cox比例ハザードモデルにおけるハザード比は、 0.80 (95% CI, 0.54-1.17) 

尿中レスベラトロールと血中CRP、IL-6、IL-1β、TNF、心血管疾患、がん罹病率・発生率との予防的関連性みとめず 

noteへ実験的移行

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