2013年6月19日水曜日

代替医療への警告を取り上げる本

代替医療への警告を取り上げる本


Do You Believe in Magic? The Sense and Nonsense of Alternative Medicine, (HarperCollins, amazon.co.jp)

Do You Believe in Magic?: The Sense and Nonsense of Alternative Medicine [Kindle版]




実際には存在しない病名「慢性ライム病」、数年も感染維持せず、数根も抗生剤必要も無く、リスキーな医療を長期間する必要も無いのに、治療のため、4年間サプリメントや代替医療を受け、毒性副作用のある80種類以上の補助食品を彼女の母親の買い物袋をもって現れた。急性膵炎の病害で、腹痛に悩む少女。標準的治療で2週間後退院。

こういうことは珍しいことではないとErushは述べている。

アメリカ人の50%が代替医療を利用し、うち10%は子供

比較的規則が緩い、漢方からクリスタルヒーリング、鍼などまでリスクがあまり周知されてない代替医療による悲劇

多くの消費者たちは、Big Pharmaより利他的・素朴という印象をもち、警戒を緩める。

NCIやNIHは、代替医療の研究に1年間に2億33百万米ドルを費やし、ハーブサプリメントから針灸・アロマセラピーまで範囲としている。NEJMでは太極拳でパーキンソン病でバランス・安定性向上の報告、JAMAでは音楽選択で鎮静剤必要性減少など

代替医療支持者は、メインストリームの医師との関係にフラストレーションをもち、非人格的で、コントロールを自分でしたいという願望がその基本になると主張する。

安全性有効性データあるのは、代替医療の1/3のみで、エビデンスに従わない医師たちが転がっていて、通常の医療で科学的エビデンスに基づくと主張のセラピスト1/4のみ

Caplan(NYU Langone Medical Centeの医療倫理専門)は、代替治療ヒーラーは患者の個別的興味を引くニーズを満足させると述べている。医学は、エモーショナル、スピリチュアル、時には心理的な方面では十分な効果があるとは言えない。医学がそれらのニーズに十分に対応できないとき人々は吸引されるごとく、代替医療へ走る。

だが、代替医療へ信頼を寄せる人々に対して、代替治療やサプリメントはヒトをリスク状態に追い込む場合がある。全てにおいて政府規則から離れて安全とナイーブな信念から感傷的思い込みを代替医療業者は利用している。

代替治療は最良の場合、無効だが、比較的有害性が少なく、高価なプラシーボとして機能的に働く場合もある。たとえばホメオパチーなど。
サプリメントはリスクフリーではない。2012年FDAはサプリメントは年間5万件の副作用と推定。いくつかのケースでは処方薬の変装に過ぎない場合もある。

切れ-ションは医薬品を用い、急性重金属中毒治療に用いる薬剤処方。2005年5歳自閉症の子供が治療後死亡した事例がCDC予防にて報告。

Steve Jobsも唯一の治療法であった手術を延期し、代替治療を優先してしまった。9ヶ月後手術を受けるまで、鍼、ハーブ、腸洗浄、にんじん・フルーツジュース特別食で治療した。結局、手術し移植を受けたがあまりに遅かった。診断後8年経過していた。
最初膵がんとしては珍しく利用・治癒可能な種類であったとCssileth(Barrie Cassileth, chief of integrative medicine at New York's Memorial Sloan-Kettering Cancer Center.)は述べている。

がん患者たちは家や財産を売り払い、行商人たちのカリスマ性にだまされ、不合理な治療のため2万ドルを支払い、それでも希望を求めて、インチキ療法に金をつぎ込んでいく。患者たちは科学的知識を欠き、リテラシー不足のため、結果的に、彼らからの膨大な請求が待っている。

一般薬剤と違い、米国内でも、サプリメントは、FDAで承認される必要も無く、安全性試験も販売前に行われる義務もない。だが、一般消費者の58%は承認義務があると思っている。

肥満小児・青少年:食事及び運動介入による体重減少・代謝特性改善

Impact of Dietary and Exercise Interventions on Weight Change and Metabolic Outcomes in Obese Children and Adolescents
A Systematic Review and Meta-analysis of Randomized Trials
Mandy Ho et. al.
JAMA Pediatr. 2013;():1-11. doi:10.1001/jamapediatrics.2013.1453.

15の研究を同定し、検討に含めた。

食事介入は9つの研究でカロリー制限、 "Traffic Light Diet" :交通信号ダイエットで、糖分制限・食事性線維成分増加、食事指導提供。教育は15分DVD介入 10週間2時間栄養セッションと月ごと電話3ヶ月間
運動介入は、13研究のスーパーバイズトレーニング、強化運動と研究毎に異なるworkout、例えば、8つの研究で好気的運動、4つの研究でレジスタンストレーニング、2つの研究で両方。
一つの研究を除き、週毎70分以上、1つは週6時間の学校内の運動
現行で利用可能なのは短期トライアル少数ベース、食事のみ、食事+運動組み合わせ介入で、減量及び代謝特性改善を示した。


しかし、運動に食事介入を加えた場合は、6ヶ月経過で、
よりHDL値改善 (3.86 mg/dL [mmol/L変換は0.0259掛ける]; 95% CI, 2.70 ~ 4.63)
空腹時血糖改善(−2.16 mg/dL [mmol/L変換は  0.0555掛ける]; 95% CI, −3.78 ~ −0.72)
空腹時血糖改善 (−2.75 μIU/mL [pmol/L変換は  6.945掛ける]; 95% CI, −4.50 ~ −1.00) する


食事介入のみだとTG値(アクティブ介入終了時点)、LDL(フォローアップ時)減少大きくなる


運動に関しては、学校の授業内でもいいわけだ 6時間程度になれば・・・

マルチプル膵島関連自己抗体セロコンバージョン小児の7割は1型糖尿病発症する

コロラド、フィンランド、ドイツでの前向きコホート研究プール化データ利用


multipleな膵島関連自己抗体seroconversionを有する1型糖尿病発症リスクにある大部分の子供は、その後糖尿病発症する。このことから、この群での発症予防対策が急務。

Seroconversion to Multiple Islet Autoantibodies and Risk of Progression to Diabetes in Children
Anette G. Ziegler, et. al.
JAMA. 2013;309(23):2473-2479. doi:10.1001/jama.2013.6285.

ラ氏島抗体seroconversion後10年間フォローアップでの1型糖尿病発症
multiple膵島関連自己抗体585名では 69.7% (95% CI, 65.1%-74.3%
single膵島関連自己抗体474名では14.5% (95% CI, 10.3%-18.7%)

膵島関連自己抗体なしでの小児の糖尿病リスクは、15歳時点までで 0.4% (95% CI, 0.2%-0.6%)


1型糖尿病発症に関して
・multiple膵島関連自己抗体を有する子供はsingleラ氏島抗体を有する子供より発症年齢3歳ほど若い  (ハザード比 [HR], 1.65 [95% CI, 1.30-2.09; P < .001]; 10-年間リスク, 74.9% [95% CI, 69.7%-80.1%]) vs 3歳後 (60.9% [95% CI, 51.5%-70.3%]);

・HLA genotype DR3/DR4-DQ8保有小児 (HR, 1.35 [95% CI, 1.09-1.68; P = .007]; 10-年間リスク, 76.6% [95% CI, 69.2%-84%]) vs 他のHLA genotype (66.2% [95% CI, 60.2%-72.2%])

・女児 (HR, 1.28 [95% CI, 1.04-1.58; P = .02];10-年リスク, 74.8% [95% CI, 68.0%-81.6%]) vs 男児(65.7% [95% CI, 59.3%-72.1%])

【急性虚血性卒中】少しでも早く治療を:発症からtPA治療開始までの時間:Onset to treatment (OTT)

tPA静注のベネフィットは時間依存性であるが、Onset to treatment (OTT) time の特性に関してサンプルサイズが限定されてるため、明確ではなかった。

OTT早いほど、院内死亡・脳内出血少なく、自立退院・居宅直接退院多いことを確認


症状発症4.5時間未満(the Get With The Guidelines-Stroke Program)での虚血性卒中58,353名のデータ解析


Time to Treatment With Intravenous Tissue Plasminogen Activator and Outcome From Acute Ischemic Stroke
Jeffrey L. Saver,  et. al.
JAMA. 2013;309(23):2480-2488. doi:10.1001/jama.2013.6959.

年齢中央値72歳、女性 50.3%
OTT time中央値144分(IQR, 115-170)、0-90分:9.3%(5404)、91-180分:77.2% (45 029) 、181-270分:13.6%(7920)

治療前 National Institutes of Health Stroke Scale 中央値は、11で、87.7%、IQR 6-17

OTT短縮と強く相関する患者要素は、卒中重症度高いこと (オッズ比 [OR], 2.8; 95% CI, 2.5-3.1 per 5-point increase),、救急到着(OR, 5.9; 95% CI, 4.5-7.3)、regular hour到着(OR, 4.6; 95% CI, 3.8-5.4)。

全体として、院内死亡 5142(8.8%)、脳内出血 2873 (4.9%)、退院時自立退院達成 19,491(33.4%)、自宅への退院 22,541(38.6%)

OTT早いほど、15分毎に、院内死亡率減少 (OR, 0.96; 95% CI, 0.95-0.98; P < .001)、有症状脳内出血減少 (OR, 0.96; 95% CI, 0.95-0.98; P < .001)、自立退院達成増加 (OR, 1.04; 95% CI, 1.03-1.05; P < .001)、居宅への直接退院増加(OR, 1.03; 95% CI, 1.02-1.04; P < .001)


こういうのって、社会基盤体制が大事なんだけどなぁ

人口の大部分がこの恩恵に預かれるように、基盤体制整備対応すべきと思う
結果的には、卒中による合併症や併発症による社会的コスト・個人の負担が減る可能性は高いと思う

【GRANULOMA・RCT】サルコイドーシス診断:超音波内視鏡リンパ節生検が経気管支肺生検に優る




Endosonography vs Conventional Bronchoscopy for the Diagnosis of Sarcoidosis
The GRANULOMA Randomized Clinical Trial
Martin B. von Bartheld, et. al.
JAMA. 2013;309(23):2457-2464. doi:10.1001/jama.2013.5823.


重要性 非乾酪性肉芽腫を組織で確認することがサルコイドーシス診断では推奨。経気管支肺生検のための気管支鏡が、現行診断標準で、肉芽腫確認のための診断感度中等度である。胸腔内リンパ節吸引のための内視鏡超音波が診断技術として有望。

目的  stage I/IIサルコイドーシス診断のための気管支鏡 vs 超音波内視鏡診断的価値評価

デザイン、セッティング、患者  ランダム化臨床多施設トライアル(6ヶ国14センター)、2009年3月から2011年11月、非乾酪性肉芽腫組織確認された肺サルコイドーシス(stage I/II)疑いの304名連続患者

介入  経気管支・内視鏡的肺生検、内視鏡超音波(食道・経気管支超音波)の胸腔内リンパ節吸引。全患者はBAL施行。
All patients also underwent bronchoalveolar lavage.

主要アウトカム・測定  プライマリアウトカムはサルコイドーシス最終診断のための非乾酪性肉芽腫同定のための診断能。診断は治療医師の最終臨床診断に基づき、全ての情報(気管支内視鏡及び内視鏡超音波からの所見を含む)
セカンダリアウトカムは、両群の合併症発生率と、BALによるサルコイドーシス診断感度・特異度

結果  気管支鏡 149名、 気管支内視鏡 155名にランダム化
内視鏡超音波 vs 気管支鏡での肉芽腫 (114 vs 72 名 ; 74% vs 48% ; p < .001)

内視鏡超音波による肉芽腫同定診断能は80% (95% CI, 73%-86%)、気管支鏡では 53% (95% CI, 45%-61%) (P < .001)

重大副事象は気管支鏡 2例、超音波内視鏡 1例、完全回復全例

CD4/CD8比ベースのBALによる診断感度は、フローサイトメトリーで 54% (95% CI, 46%-62%) 、cytospin analysisで 54% (95% CI, 46%-62%) 

結論・知見  肺組織確認された肺サルコイドーシス stage I/II疑い患者のうち、内視鏡超音波によるリンパ節吸引での診断は気管支鏡生検に比べ診断能力高い。

noteへ実験的移行

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