2014年9月9日火曜日

WISDOM研究:COPD 3種吸入からステロイドを離脱すると・・・ 

重症COPD患者で3剤吸入しているのは稀ならず存在。そこで、ICS/LABA/LAMAの ICSを抜いて、LABA/LAMAにした場合の影響は不明。


結論は、mMRCスコアにおいて差なし、SGRQスコアに差が見られた。この臨床的意義はわからないとのこと。FEV1の群間差は少ないが有意ではあった。


COPDのトラフFEV1 MCID(Am J Respir Crit Care Med. 2014 Feb 1;189(3):250-5)は、100mlなので・・・


LABA/LAMA合剤売りたい会社は、すでに、WISDOM試験の結果を報告した英国リバプール大学呼吸器・リハビリテーション内科教授であるピーター・カルバリ教授は、「スピリーバ®とLABAの併用投与を受けている重症から最重症のCOPD患者に、ICSを上乗せする必要はないかもしれないことが示唆されたことは朗報です」と宣伝利用している。



Withdrawal of Inhaled Glucocorticoids and Exacerbations of COPD
Helgo Magnussen, et. al.
for the WISDOM Investigators

NEJM Sep. 8, 2104DOI: 10.1056/NEJMoa1407154
Comments open through September 15, 2014 


【背景】吸入ステロイド+長時間作用性気管支拡張剤併用治療は、重症COPD頻回急性増悪患者で推奨されているが、2種の長時間作用性気管支拡張剤に吸入ステロイドを負荷することのベネフィットは十分検討されてない。


【方法】
12ヶ月、二重盲検、平行群研究で、COPD急性増悪歴ある2485名に3剤(チオトロピウム 18μg/日)、サルメテロール(50μg/日)、吸入ステロイド:フルチカゾン・プロピオン酸 500μg×2回)×6週間のrun-in period
ランダムに、12週間を超えて3つのステップにて3剤継続か、フルチカゾン中止するかを割り付ける。
プライマリエンドポイントは、初回中等度~重症COPD急性増悪までの期間。スパイロメトリー所見、健康状態、呼吸困難もモニターされる。


【結果】
継続鉱質コルチコイド継続使用に比べて、初回中等症・重症COPD急性増悪対応したステロイド中止群の事前設定非劣性クライテリアを、95%信頼区間上限の1.20として、結果、ハザード比 1.06; 95% CI, 0.94 - 1.19。


18週め、ステロイド離脱完了時、ステロイド群より、ステロイド中止群で、FEV1のトラフでその減少量は、38ml ( p < 0.001)、 同様の群間差(43ml)が52週目にも見られた(p = 0.001)
呼吸困難度の差はなく、ステロイド離脱群で健康状態はたいした差が無い。


【結論】チオトロピウム・サルメテロール併用重症COPD患者において、中等度から重度急性増悪は、吸入ステロイド中止後も、吸入ステロイド継続後と同様。
しかし、糖質コルチコイド中止最終段階でステップ間においてかなり肺機能の減少が見られる。 (Funded by Boehringer Ingelheim Pharma; WISDOM ClinicalTrials.gov number, NCT00975195.)

抗IL-5モノクローナル抗体: Mepolizumab:経口ステロイド節約効果、急性増悪減少効果

"Oral glucocorticosteroid-sparing effect of mepolizumab in eosinophilic asthma"
 Bel EH, et al

喘息維持療法にて経口ステロイド必要な患者を対象としたランダム化二重盲検において、IL-5結合・賦活化ヒト化(zmab)・モノクローナル抗体、メポリズマブ(mepolizmab)にて、、ステロイドsparing効果確認
プライマリアウトカムはステロイド使用量減量比率で、ステロイド減量戦略にしたがった減量尤度2.39倍(95% 信頼区間 1.25-4.56、 p=0.008)。ベースラインからの糖質コルチコイド投与量減少比率中央値は50%。



 "Mepolizumab treatment in patients with severe eosinophilic asthma"
Ortega HG, et al

持続的好酸球炎症と関連する繰り返す急性増悪を有する患者群で、高用量ICSで治療困難例
急性増悪率はプラシーボ比較でmepolizumab iv 群:47% (95% 信頼区間 [CI], 29 to 61) 減少mepolizumab sc 群:53% (95% CI, 37 to 65) (P < 0.001 for both comparisons)

ED受診、入院必要な急性増悪はそれぞれ32%、 61%減少。
32週めに、FEV1ベースラインからの増加量はプラシーボに比較して100ml増加。  (P = 0.02)、皮下では 98 ml増加 ( P= 0.03)

mepolizumabのiv、scはそれぞれSGRQスコアのベースラインからの改善:  6.4 、7.0 ポイント (minimal clinically important change, 4 ポイント)ACQ-5スコアのベースラインからの改善:  0.42 、 0.44 ポイント (minimal clinically important change, 0.5 points) (P < 0.001 for all comparisons)
安全性特性はプラシーボと同様



エディトリアル:
"Anti-interleukin-5 monoclonal antibody to treat severe eosinophilic asthma"
Nair P 
Engl J Med 2014; DOI: DOI: 10.1056/NEJMe1408614.





IL-5モノクローナル抗体 メポリズマブ(ボサトリア) 2012/08/22

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