2014年4月10日木曜日

COPD再入院は、その後の運動不足により生じるところが大きい

心機能低下も、肺機能低下も、cachexiaとともに、サルコペニアと直結する。
http://arno.unimaas.nl/show.cgi?fid=14836





Associations between Physical Activity and 30-Day Readmission Risk in Chronic Obstructive Pulmonary Disease.
Huong Q Nguyen, et. al.
Read More: http://www.atsjournals.org/doi/abs/10.1513/AnnalsATS.201401-017OC#.U0ZFWMdyTcM.


序文: 30日再入院率減少努力は、退院からのcare transition、外来管理へ着眼されることが主であったが、ここでは、身体活動性不活発が入院増加と関連することが示唆されるというエビデンスが蓄積されつつある。
 
目的: COPD患者では、ベースラインでの定期身体活動性のような潜在的修正可能要素は、30日の再入院リスクと低下と関連するか
方法: 大規模集積的医療システムからの患者は、COPDのため入院すると、後顧的コホート研究に含まれる (following the Centers for Medicare and Medicaid Services and National Quality Forum proposed criteria)、2011年1月1日から2012年12月31日、40才超、気管支拡張剤・ステロイド吸入、退院時生存、指標入院前12ヶ月医療プラン登録継続、退院後少なくとも30日間。
主要アウトカムは、30日全原因再入院
定期身体活動性は、ルーチンに、全外来受診時評価し、MVPA(中等度・高度運動総分数/週:total minutes of moderate or vigorous physical activity per week ) 
結果: 4596名総数サンプル(5862指標入院)・平均年齢72.3±11歳。30日再入院率は18%(初回15日間、18%−59%)
多変量補正解析で、MPVA全レベルは、不活発患者に比べ、30日再入院リスク有意に減少 (1-149 mins/wk of MVPA, Relative Risk: 0.67, 95%CI, 0.55 to 0.81; >=150 minutes/week of MVPA, RR: 0.66, 95% CI, 0.51 to 0.87)
再入院増加に関わる、他有意独立予測要素は、貧血、事前入院、入院期間の長さ、合併症、退院時新規酸素処方存在 、ED使用、再入院前観察的滞在(p<0.05)
そして、パートナーが存在しない(p=0.08)
結論: 我々の所見では、ケア継続性のなかで、COPD管理上、身体活動性の維持の重要性が示唆された。身体活動性低下は、疾患悪化の反映であり、プロモーティング、サポーティングは再入院リスク減少戦略として有望な可能性有る。

ザナミビル(リレンザ)治療・予防投与:システマティック・レビュー&メタアナリシス やはり限定的効果

ザナミビルのシステマティック・レビュー&メタアナリシス


タミフルと似たようなものだが、効果は、こちらがマシということか。耐性の問題が重要だと思うのだけど・・・


Zanamivir for influenza in adults and children: systematic review of clinical study reports.
Heneghan CJ, et. al.
BMJ2014;348:g2547.

stage 1(適切な研究デザインと判断されたトライアル)28トライアル、stage 2(フォーマル解析)の26トライアル
成人治療に関して、ザナミビルはインフルエンザ症状期間緩和0.60日  (95% 信頼区間 0.39 to 0.81, P < 0.01 , I2 9%)、平均14.4時間に相当、6.6日から6.0日へ平均の減少。緩和薬剤投与を許可した場合での初回症状緩和の期間は、無治療に比べも短い。 

ザナミビルは、成人において自己報告調査者介入肺炎のリスク減少しない  (リスク差 0.17%, −0.73% to 0.70%)、同様にレントゲン確認肺炎も減少させない  (−0.06%, −6.56% to 2.11%) 。小児での肺炎の効果も有意差認めず t (0.56%, −1.64% to 1.04%) 
中耳炎、副鼻腔炎に関して、成人・小児ともに有意差認めず、ただ、例外的に世人で小程度の気管支炎への効果認めた  (1.80%, 0.65% to 2.80%)が、小児では認めず
成人・小児で入院への効果評価データなし
ザナミビルは、治療耐用性良好。



ザナミビル予防研究によると、有症状インフルエンザは有意に減少 (1.98%, (0.98% to 2.54%); イベント率として3.26%→1.27%で、インフルエンザ症例1例予防治療のための投与必要数は、51  (95% 信頼区間, 40 to 103)
逆に、無症状インフルエンザへの予防効果は個人では有意差認めず  (リスク差 0.14%, −1.10% to 1.10%) 、世帯としても認めず (1.32%, −2.20% to 3.84%).
世帯内治療予防に関して、有症状インフルエンザに関して効果  (14.84%, 12.18% to 16.55%)、しかし、これは828名の小規模研究2つのみであり充分なエビデンスとは言えない。
成人の予防による未確認肺炎は減少 (0.32%, 0.09% to 0.41%; NNTB (number needed to treat to benefit) 311, 244 to 1086) 、だが、小児と、成人気管支炎・副鼻腔炎への効果はない  (リスク差 0.32%, 0.09% to 0.41%; NNTB 311, 244 to 1086).




オセルタミビル:タミフルの治療効果、予防効果とも不確実 有益性より有害性が上回り無駄な薬剤と・・・

医師だけじゃなく、国家全体として、タミフルの価値についてよく考えてみる必要がある。症状緩和期間17時間弱軽減効果のみ認められ、合併症予防に役立つか不明感染予防についても不確実。使用による副作用結構多く、中枢神経系副作用に関しては用量依存的で無視できない報告が上がっている。

有益性より有害性


巨額な損をもたらす、薬剤という批判が・・・
http://www.bbc.com/news/health-26954482


予防投与による精神系副作用も注意点

Oseltamivir for influenza in adults and children: systematic review of clinical study reports and summary of regulatory comments.
 Jefferson T, Jones M, Doshi P, Spencer EA, Onakpoya I, Heneghan CJ.
BMJ2014;348:g2545. 

自然インフルエンザ感染対象ランダム化プラシーボ対照化トライアル(成人・小児)
European Medicines Agency Rocheから、83トライアルの臨床研究報告入手、 stage 1(信頼性・完遂スクリーン合格)の23トライアル、stage 2 (フォーマル解析)20を含む

成人治療トライアルでは、オセルタミビルは、16.8時間の症状緩和時間短縮  (95% 信頼区間 8.4 to 25.1 時間, P<0 .001="" br="">喘息小児では効果認めず、しかし、他の健常小児では効果認める (差平均 29 時間, 95% 信頼区間 12 to 47 時間, P=0.001)

治療トライアル群では、成人での、受診入院差認めず (risk difference 0.15%, 95% 信頼区間 −0.91% to 0.78%, P=0.84) 。小児、予防トライアルではデータそのものが乏しい。

成人治療群で、オセルタミビルは、調査者介在確認のない肺炎を減少 (リスク差 1.00%, 0.22% to 1.49%; number needed to treat to benefit (NNTB) 100, 95% 信頼区間 67 to 451)
詳細な肺炎臨床診断を用いた、5つのトライアルでは、統計学的に有意ではなかった。そして、臨床研究報告では、検査確認・診断確認肺炎報告は存在しない。
小児では、未確認肺炎も、予防効果も有意で無い。

調査者未確認気管支炎、中耳炎、重症・研究中断関連合併症と分類されるリスク減少有意差認めず。
14/20トライアルでは、被験者に、全ての二次疾患・症状自己報告を調査者に
成人治療のオセルタミビルは、吐気リスク増加  (リスク差 3.66%, 0.90% to 7.39%; number needed to treat to harm (NNTH) 28, 95% 信頼区間 14 to 112) 、嘔吐リスク増加 (4.56%, 2.39% to 7.58%; 22, 14 to 42)を示す。小児治療において、オセルタミビルは吐気をもたらす  (5.34%, 1.75% to 10.29%; 19, 10 to 57)



予防トライアルに関しては、オセルタミビルは、55%被験者の有症状インフルエンザを減少 (3.05%, 1.83% to 3.88%; NNTB 33, 26 to 55) 、1つの研究では居宅内 有症状インフルエンザ減少 (13.6%, 9.52% to 15.47%; NNTB 7, 6 to 11) するも、無症状インフルエンザへの効果には有意差みとめず、伝播減少エビデンス認めず。
予防研究にて、オセルタミビルはon-treatmentoff-treatment併合期間中、精神的合併症リスク増加 (risk difference 1.06%, 0.07% to 2.76%; NNTH 94, 36 to 1538) 、そして、オセルタミビルの2つのpivotal治療トライアルにて用量依存的影響がもたされた(75 mg (standard dose) 150 mg (high dose) ×2/ (P=0.038)予防研究にて、オセルタミビルは、on-treatment 頭痛リスク増加 (risk difference 3.15%, 0.88% to 5.78%; NNTH 32, 18 to 115)、治療に関わる腎障害 (0.67%, −0.01% to 2.93%)、治療中吐気(4.15%, 0.86% to 9.51%; NNTH 25, 11 to 116)増加する。





ロッシュ社はそろそろ逃げるか? 製薬会社ってこんなもの・・・

サルモネラ菌は膵炎の原因になる・・・マウスモデル

持続性サルモネラ症が膵炎の原因となる・・・



マウスの実験で、サルモネラ属 Salmonella enterica のseroverである、S. typhimuriumが膵炎を生じさせることが示された

Persistent Salmonellosis Causes Pancreatitis in a Murine Model of Infection
Kathleen E. DelGiorno et. al.
PlosOne Published: April 09, 2014DOI: 10.1371/journal.pone.0092807

TOPCA研究:左室機能温存型心不全でのスピロノラクトン効果は限定的

鉱質コルチコイド受容体拮抗剤にて、左室駆出率低下心不全患者の予後改善が示されている


以下は、左室駆出率温存型心不全での効果について評価した、TOPCAT研究

Spironolactone for Heart Failure with Preserved Ejection Fraction
Bertram Pitt, et. al.
for the TOPCAT Investigators
N Engl J Med 2014; 370:1383-1392April 10, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1313731

3445名の有症状・左室駆出率45%以上の心不全患者
3.3年平均フォローアップ、プライマリアウトカムは、心血管死亡・心停止、心不全管理入院の合成
プライマリアウトカムは
・スピロノラクトン群 18.6%(320/1722)
・プラシーボ群 20.4%(351/1723)
ハザード比 0.89;95%信頼区間 [CI], 0.77 - 1.04  p = 0.14)

プライマリアウトカム各構成成分毎解析にて、心不全入院でのみ低下
・スピロノラクトン群 12.0%(206名) vs プラシーボ群 14.2%(245名)
ハザード比 0.83;95% CI, 0.69、 0.69 - 0.99 p = 0.04

スピロノラクトン治療は、血中Cr増加と関連し、高カリウム血症倍か(18.7% vs 9.1%)
だが、低カリウムは低下。

頻回モニタリングにて、Cr3.0mg/dL以上や有意な副作用発生差は認めず

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note