2014年9月12日金曜日

心房細動焼灼術:成功率高い報告、IF、サンプル数、有名筆者に世は引きずられる

心房細動への高周波カテーテル焼灼術研究において、成功率高い報告は引用数と独立した相関があり、おそらくcitation biasと思われる。
文献読者は、実際のデータより有効性高いというイメージをもってしまうリスクがある。


Association Between Success Rate and Citation Count of Studies of Radiofrequency Catheter Ablation for Atrial Fibrillation
Possible Evidence of Citation Bias
Alexander C. Perino, et. al.
CIRCOUTCOMES.114.000912
Published online before print September 9, 2014,
doi: 10.1161/CIRCOUTCOMES.114.000912

1990年から2012年までの心房細動への高周波カテーテル焼灼術の観察研究・臨床トライアルの系統的検索。 
Generalized Poisson regression を研究成功率と総引用カウントでその相関を推定。
補正として、サンプルサイズ、ジャーナルのインパクトファクター、出版からの期間、研究デザイン、1stか最終投稿者名がコンセンサス定義のpre-eminent expertかの因子を用いた。 
登録クライテリア合致174論文(36289名)。

出版からの期間という項目の補正にて、出版報告後5年後時点で、引用数は17.8%増加する(95% 信頼区間, 7.1 - 28.4%; p < 0.001))

インパクトファクター・サンプルサイズ・ランダムトライアルデザイン・pre-eminet expert著者という要素を追加補正した後、引用数増加にて 18.6%, 95% CI; 7.6 - 29.6%増加 P < 0.0001。
 
フルモデルで、出版発表からの期間、インパクトファクター、pre-eminet expert著者は有意な共役性。一方、ランダム化対照トライアルデザインに共役性無し。


どの分野でもそうだが、効果抜群でめだつ発表があればその発表に、そして、メジャーどころの記述者やIF、サンプルサイズなどもあれば、さらに、その報告を盲信することとなる。

なんたらスタディなんて、したり顔で、講演会の演者がしゃべり、上滑りが起きる
(COPDのUPLIFT研究なんて最たるもの・・・死亡率はセカンダリエンドポイントなのにプライマリのごとき扱いをする呼吸器学会の面々)


で、臨床の意思決定にミスリードをもたらし、多大なる被害をもたらす(まるで朝日新聞のように・・・)


クォリティーペーパーだったはずの朝日新聞が種々いんちき記事をかいて、世のプロパガンダ思考の方々

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