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2022年10月28日金曜日

COVID-19ワクチン接種とCOVID-19感染に関わる血栓イベント 2つの報告

非常にまれな新型コロナワクチンによる血小板減少併存血栓症という副反応

新型コロナウィルス感染に伴う血栓イベント(研究対象では9%弱という発生率)


どちらに重き多くか・・・自明のはずだが・・・


まぁmRNAワクチンの安全性が桁違いなのは明らかなのだから事情が許せばそちらということにはなるが・・・


2020年3月30日月曜日

PRONOMOS:非重大整形外科手術前のDVT症例:リバーロキサバン vs ヘパリン治療

nonmajor下肢整形手術後の血栓塞栓予防へ低分子比重ヘパリンよりRivaroxaban (Xarelto) が優れていたという、PRONOMOSトライアル

直接経口抗凝固剤は、0.2% 対 1.1% (P=0.01) に小さな絶対的な減少とはいえ、主要な静脈血栓塞栓イベント エノキサパリン (Lovenox) と比較して相対的な 75% を削減を示した

出血は、膝靭帯修復、下肢骨折、または膝関節全置換術や人工股関節置換術以外のイベントのために少なくとも2週間の固定が必要な若くて健康な患者群で、大出血または臨床的に関連性のある大出血(1.1% vs 1.0%)と大出血のみ(0.6% vs 0.7%)の両方で群間で差は認めなかった



Rivaroxaban or Enoxaparin in Nonmajor Orthopedic Surgery
List of authors.
C. Marc Samama, et al., for the PRONOMOS Investigators*





国際並行群間無作為化二重盲検非劣性試験
下肢非大手術を受けた成人患者で,静脈血栓塞栓症のリスクがあると考えられる患者を,治験責任医師の判断に基づき,リバロキサバンまたはエノキサパリンのいずれかの投与を受けるように無作為に割り付け
大静脈血栓塞栓症の主要評価項目は,
治療期間中の症候性遠位または近位深部静脈血栓症,肺塞栓症,静脈血栓塞栓症関連死,または治療終了時の無症候性近位深部静脈血栓症を複合したもの

リバロキサバンがエノキサパリンに対して非劣性であることが証明された場合、優越性を評価する試験を計画した。
すべてのアウトカムについて、欠損データを考慮して多重インputationを用いた。安全性のアウトカムとしては、大出血(致死的、重篤、または臨床的に明らかな出血、または介入に至る手術部位での出血)と非重篤な臨床的関連性のある出血を想定した。

総症例数は3604例で,1809例がリバロキサバン投与群,1795例がエノキサパリン投与群に割り付け
大静脈血栓塞栓症はリバロキサバン投与群で1661例中4例(0.2%),エノキサパリン投与群で1640例中18例(1.1%)に発現した(多重入力によるリスク比:0.25,95%信頼区間:0.09~0.75,非劣性はP<0 .001="" p="">出血の発生率はリバロキサバン群とエノキサパリン群で有意差はなかった(大出血または臨床的に重要でない出血についてはそれぞれ1.1%と1.0%;大出血についてはそれぞれ0.6%と0.7%)。




投与法
Prerandomization treatment with low-molecular- weight heparin was allowed for a maximum of 48 hours before surgery (maximum of one dose per 24 hours)....At discharge, patients were provided with sufficient trial drugs for the intended treatment duration (i.e., until the end of immobilization).:還俗術前から不稼働性終了まで継続


American College of Chest Physiciansは予防薬のグレードを「2C」とし、孤立した下肢損傷や下肢固定の患者には予防薬は必要ないことを示唆している。米国外または国際的なガイドラインでもフランスで一般的なように低分子ヘパリンの予防薬の使用を奨励している場合がある。一方で「整形外科の患者集団における課題の1つは、血栓症やその他の外科的出血の合併症のリスクがあるため、外科医側が抗凝固療法を行うことに消極的であることです」「股関節全置換術や膝関節全置換術の文献にある他の多くの研究では、この情報を外科医の手に渡し、適切に使用してもらうにはどうすればよいだろうか?」
https://www.medpagetoday.com/meetingcoverage/acc/85674

2016年6月1日水曜日

OCTAVIA研究:深部静脈血栓症後弾性圧迫ストッキング治療は2年以上継続すべき




One versus two years of elastic compression stockings for prevention of post-thrombotic syndrome (OCTAVIA study): randomised controlled trial
G C Mol, et. al.
BMJ 2016; 353 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.i2691 (Published 31 May 2016)
Cite this as: BMJ 2016;353:i2691


近位深部静脈血栓症(DVT)患者で、弾性圧迫ストッキング治療を、12ヶ月までとするか、継続するか?
24ヶ月目で、血栓症後症候群発症をプライマリアウトカムとして、ITT解析





非常に優秀な弾性圧迫ストッキング継続例を2年後評価行い、弾性圧迫ストッキング1年間中止例では、2年継続例に対し、事前設定非劣性マージンをまたぎ、1年間治療の非劣性を示せなかった

ということは、弾性圧迫ストッキング治療はやはり24ヶ月間は継続すべき

2014年3月19日水曜日

肺塞栓効率的除外のため、年齢補正D-ダイマーカットオフ値利用を!

D-ダイマー測定は臨床的急性肺塞栓症疑い例に対する診断戦略上重要なステップ

ここでは、年齢補正D-ダイマーとして、年齢×10(50歳以上)としてその、高齢者D-ダイマーの診断的価値検証。

D-ダイマー固定指標 500μg/Lより年齢補正カットオフ値使用の方が、臨床的VTE尤度低値例除外診断価値高める


Age-Adjusted D-Dimer Cutoff Levels to Rule Out Pulmonary Embolism
The ADJUST-PE Study
Marc Righini, et. al.
JAMA. 2014;311(11):1117-1124. doi:10.1001/jama.2014.2135.



プライマリアウトカムは、診断戦略失敗率(年齢補正D-ダイマーカットオフ結果陰性の、フォローアップ3ヶ月間に血栓塞栓イベント近傍状況となった場合)
3346名のPE疑い例(revised Geneva score or the 2-level Wells score for PE)、PE頻度19%

臨床的可能性高くない、あるいは、可能性低い例は、2898名のうち、817名(28.2%)はD−ダイマー 500μ/L未満(95% CI, 26.6% - 29.9%)、339名(11.6%)は500〜年齢補正D-ダイマーカットオフ値(95% CI, 10.5% - 12.9%)

3ヶ月予測失敗率は、500μg/L超で高いが、年齢補正カットオフ値未満では1/331(0.3% [95% CI, 0.1% - 1.7%])

75歳以上766名の患者のなかで、<500 μg/L未満という非高度臨床的可能性の673名、年齢指標を使用すると、除外可能患者が偽陰性所見無しで増加する ;43 / 673 (6.4% [95% CI, 4.8%-8.5%)  → 200 /673 (29.7% [95% CI, 26.4%-33.3%)



2014年3月13日木曜日

下肢静脈潰瘍・血栓後症候群に、圧迫ストッキングは有効か?

深部静脈血栓症では静脈弁不全が発生し、慢性的な下腿腫脹や皮膚障害きたす血栓後症候群が生ずることがある。それに対し予防的な圧迫ストッキングやバンド法比較報告だが、実際には劇的に有効というわけではないようだ。


下肢静脈潰瘍に対し、2層compression hosiery(圧迫ストッキング(類)) は、 4層compression bandage(圧迫バンド)の代替となりえるが、より頻回に交換が必要で、全患者には不適切。

Clinical and cost-effectiveness of compression hosiery versus compression bandages in treatment of venous leg ulcers (Venous leg Ulcer Study IV, VenUS IV): a randomised controlled trial
Rebecca L Ashby, et. al.
The Lancet, Volume 383, Issue 9920, Pages 871 - 879, 8 March 2014 

潰瘍治療中央時間は、圧迫ストッキング群で99日間(95% CI, 84 - 126日間)、圧迫バンド群98日間(85 - 112日間)潰瘍治療比率は2群で同様  (70·9% hosiery 、 70·4% bandage)
より圧迫ストッキング群の治療部位変更多い (38·3% hosiery vs 27·0% bandage; p=0·02) 
300例、895の副事象イベント、9.5%,85イベントが重度と判断されたが、トライアル治療とは関連せず

血栓症後症候群は多くやっかいなDVT合併症。今までのトライアルから、可塑性圧迫ストッキング(ECS)が予防に役立つというプラシーボ対照小規模単一研究は存在する。PTS予防プラシーボストッキング比較のECS効果を検証。
 ↓
多施設ランダム化プラシーボ対照化トライアル
Compression stockings to prevent post-thrombotic syndrome: a randomised placebo-controlled trial
Susan R Kahn, et. al.
for the SOX trial investigators

The Lancet, Volume 383, Issue 9920, Pages 880 - 888, 8 March 2014

PTS累積頻度は、active群で14.2%、プラシーボESC群で 12.7%(センター毎ハザード比 1.13, 95% CI 0.73 - 1.76 ; p =0.58)
結果は、事前設定プロトコール解析にて同等。

2013年9月12日木曜日

システマティック・レビュー、メタアナリシス:深部静脈血栓二次予防:抗凝固・抗血小板 

Efficacy and safety outcomes of oral anticoagulants and antiplatelet drugs in the secondary prevention of venous thromboembolism: systematic review and network meta-analysis BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f5133 (Published 30 August 2013) Cite this as: BMJ 2013;347:f5133 【目的】静脈血栓塞栓二次予防のための種々経口抗凝固薬の有効性安全性要約比較T (dabigatran, rivaroxaban, apixaban, and vitamin K antagonists) and antiplatelet agents (acetylsalicylic acid) 【研究デザイン】 Systematic review and network meta-analysis. 【データベース】 Medline (1950 to present)、Embase (1980 to present)、Cochrane Register of Controlled Trials using the OVID interfaceからデータ収集と、手作業による直近のジャーナル 【レビュー方法】  静脈血栓塞栓二次予防のための抗凝固薬、抗血小板薬、プラシーボ・観察研究 再発性静脈血栓塞栓および重大出血を選択アウトカムとする 2名のレビューアが独立して標準化形態にて外部データ抽出 【結果】研究参照クライテリア合致12 論文、有効性評価 11,999名、 安全性評価 12,167名 全治療で、再発性静脈血栓塞栓リスク減少 プラシーボ、観察比較で、ビタミンk拮抗剤・標準化補正投与量(目標INR 2.0-3.0)にて、リスク差最も大きく (odds ratio 0.07; 95% 信頼区間l 0.03 to 0.15)、アセチルサリチル酸が最もその差が小さい (0.65; 0.39 to 1.03) 出血リスクはビタミンK拮抗剤・標準化投与量で、プラシーボ・観察対照比較で高く  (5.24; 1.78 to 18.25) 致死的再発性静脈血栓塞栓及び致死的出血は稀。 詳細化サブグループ、個別患者レベルのデータは参照できず 【結論】 この解析で検討された全ての抗凝固薬・抗血小板剤は、プラシーボ・観察対象に比べ、静脈塞栓血栓症の再発減少 しかし、アセチルサリチル酸はそのリスク減少効果最も少ない。 標準補正投与・ビタミンK拮抗剤は、再発性血栓塞栓リスク減少最も効果があるが、重大出血リスクも又最も高い。

2013年7月27日土曜日

末梢静脈挿入中心静脈カテーテルは、中枢側穿刺カテーテルに比べ、深部静脈血栓リスク高い


PICCは、CVCに比べ、重症患者・悪性疾患患者では深部静脈血栓リスク高度のようだ。



末梢挿入中心カテーテル(PICC: peripherally inserted central catheter)は静脈血栓塞栓と関連。しかし、他の中心静脈カテーテルとの関連したリスクは不明。故に、システミックレビュー・メタアナリシス行ったとのこと。

引用にて533同定し、うち、64研究、29503名を対象。

PICCはCVCsに比べ、やはり深部静脈血栓リスク高く、特に、重症・悪性疾患患者に多い。

Risk of venous thromboembolism associated with peripherally inserted central catheters: a systematic review and meta-analysis
Vineet Chopra, et. al.
The Lancet, Volume 382, Issue 9889, Pages 311 - 325, 27 July 2013



私などは随分古いのか、やはり、PICCに関しやはり心理的抵抗感があり、主に中心静脈穿刺である内頸静脈か鎖骨下静脈穿刺を行っている。

2013年5月11日土曜日

静脈血栓塞栓非高度確率50歳以上高齢者:年齢×10 μg/L をカットオフとすれば特異度・感度とも優秀


Diagnostic accuracy of conventional or age adjusted D-dimer cut-off values in older patients with suspected venous thromboembolism: systematic review and meta-analysis
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f2492 (Published 3 May 2013)
Cite this as: BMJ 2013;346:f2492

【目的】 静脈血栓塞栓症疑いを持つ50歳超の高齢患者、通常の値もしくは年齢補正D-dimerカットオフ値を用いたD-dimer検査の診断的正確性検討
【デザイン】 Systematic review and bivariate random effects meta-analysis.
【データソース】2012年6月21日以前出版研究Medline と Embase調査し、プライマリ研究著者へのコンタクト施行
【研究選択】 D-dimer検査、通常のカットオフ値(500 μg/L)と年齢補正(年齢×10μg/L)カットオフ値を用い、参照値を、検査静脈血栓塞栓症疑い高齢者登録での検討した、プライマリ研究
臨床的確率非高度患者で、2x2表を再構成し、年齢カテゴリーで層別化、適応D-dimerカットオフ値を適応
【結果】 臨床的確率高度出ない、12,497名 13 cohortをメタアナリシスに含む
通常のカットオフ値では、特異性は、年齢とともに減少
51−60歳 57.6% (95% 信頼区間 51.4% 〜 63.6%)
61−70歳 39.4% (33.5% 〜 45.6%)
71−80歳 24.5% (20.0% 〜 29.7%)
80歳超  14.7% (11.3% 〜 18.6%)
全ての年齢カテゴリーで、年齢補正カットオフ値を用いた場合、それぞれ、62.3% (56.2% 〜 68.0%)、 49.5% (43.2% 〜 55.8%)、 44.2% (38.0% 〜 50.5%)、 35.2% (29.4% 〜 41.5%)
年齢補正カットオフ値の感度は、全年齢カテゴリーを通して97%を維持
【結論】 D-dimer年齢補正の適応で、D-dimer検査のカットオフ値は、感度に影響を与えず、明確に特異度増加する。故に、臨床的確率がさほど高くない、50歳以上でのD-dimer検査の臨床的有用性が年齢補正で改善。





2012年12月27日木曜日

“エリキス” FDAに先駆け承認



現時点では、日本語のニュースサイトで確認出来ない(http://bit.ly/VB8lnL)が、FDA承認決定を2度にわたって先送りとなってる薬剤である“エリキス”、これが日本で承認されたニュースを見つけた。


Japan OKs warfarin alternative Eliquis from BMS, Pfizer
FDA has twice delayed decision on blood thinner
December 26, 2012

Read more: Japan OKs warfarin alternative Eliquis from BMS, Pfizer - FiercePharma http://www.fiercepharma.com/story/japan-oks-warfarin-alternative-eliquis-bms-pfizer/2012-12-26#ixzz2GEfjiVUd
Subscribe: http://www.fiercepharma.com/signup?sourceform=Viral-Tynt-FiercePharma-FiercePharma

参考:【8月29日】ファイザーとBMSはエリキスの第Ⅲ相試験の結果を発表しました。
http://ameblo.jp/health-support01/entry-11005217948.html


BMSとファイザー 第Ⅹa因子阻害薬・アピキサバンでFDAに追加データ提出求められる
公開日時 2012/06/27
http://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/42784/Default.aspx
"▽有効性評価に影響を及ぼすワルファリン群の用量を含めた管理状況▽出血データ▽試験からの離脱と追跡不能患者の欠損データ――などに懸念を示している"

       ↑
厚労省はこの点を懸念してないのだろうか?

 たしか、天下りがいた“ファイザー”・・・
 ↓
参考:http://intmed.exblog.jp/12975312

2012年8月10日金曜日

末梢穿刺中心静脈カテーテルによる深部静脈血栓 :サイズ工夫で発生率減少


末梢穿刺中心静脈カテーテル;PICC使用広がるにつけ、上肢深部静脈血栓症増加

PICCサイズを工夫することで、少しは減らせそう

Reduction of Peripherally Inserted Central Catheter Associated Deep Venous Thrombosis ONLINE FIRST
R. Scott Evans, et. al.
CHEST.2012 doi:10.1378/chest.12-0923

 シングルルーメンPICC使用増加は、5FトリプルルーメンPICCの施設採用に加え、PICC関連DVT減少と有意に相関。

2012年6月7日木曜日

深部静脈血栓:Dダイマーは年齢考慮カットオフ値判断で・・・




深部静脈血栓除外のためのDダイマーは極めて有用だが、健保適応かどうか曖昧。
相変わらず、深部静脈血栓症を見殺しにする厚労省・・・

・・・ぐちはともかく・・・


プライマリケアレベルで、年齢考慮Dーダイマーカットオフ値を使用することで、深部静脈血栓疑いと見なすことが出来るか?

50歳超では、10×(年齢)μg/L、もしくは、60歳以上:750μg/Lとする


Validation of two age dependent D-dimer cut-off values for exclusion of deep vein thrombosis in suspected elderly patients in primary care: retrospective, cross sectional, diagnostic analysis
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.e2985 (Published 6 June 2012) Cite this as: BMJ 2012;344:e2985


Wells scoreを用い、657名で臨床的DVT疑いはほぼ認めない

DVT全年齢患者で、DVTを年齢考慮カットオフ値で309名(47.8%)を除外、500μg/Lをカットオフ値として272(42.0%を除外  (increase 5.7%, 95% 信頼区間 4.1% ~ 7.8%).

上記による除外の結果、偽陰性0.3% (increase 0.2%, 0.004% ~ 8.6%)

当然ながら、年齢考慮カットオフ値による除外増加は、高齢者で多い。

80歳超の場合、深部静脈血栓を、年齢考慮カットオフ値判断では、22名(35.5%)で安全に除外、対し、固定カットオフ値は13(21.0%(increase 14.5%, 6.8% to 25.8%)

年齢考慮型カットオフ値に比較し、750μg/L固定判断も同様の除外(307(47.4)効果と、偽陰性率(0.3%)であった。



年齢考慮カットオフ値作用で、除外安全にできる。

2012年5月10日木曜日

ARISTOTLEトライアル:心房細動・粗動患者 アピキサバン vs ワーファリン

卒中・TIA既往有無に関わらず、心房細動患者の経口投与可能で、高い選択性を持つ第Xa因子阻害剤であるアピキサバン vs ワーファリン

両薬剤の効果は一致

ただ、卒中・TIA既往患者のアウトカムに関わるリスク状況の場合、絶対的ベネフィットはアピキサバンにある。


Apixaban compared with warfarin in patients with atrial fibrillation and previous stroke or transient ischaemic attack: a subgroup analysis of the ARISTOTLE trial
The Lancet Neurology, Early Online Publication, 8 May 2012

39ヶ国1034医療機関に於ける、18201の心房細動・粗動患者割り付け

アピキサバン 5mg×2/日
vs
ワーファリン(ターゲット:INR 2.0-3.0)

フォローアップ中央値1.8年(IQR 1.4-2.3)

プライマリ有効性アウトカムは、卒中・全身性塞栓(ITT解析)
プライマリ安全性アウトカウは、重大出血(on-treatment population)

3436(19%)で卒中・TIA既往
既往サブグループにおいて、卒中・全身性塞栓率は、フォローアップ 100人年比較で、アピキサバン群 2.46、ワーファリン群 3.24  (hazard ratio [HR] 0.76, 95% CI 0.56 to 1.03)
既往無しサブグループ群で、アピキサバン群 1.01、ワーファリン群 1.23 (HR 0.82, 95% CI 0.65 to 1.03; p for interaction=0.71)

アピキサバンvsワーファリンの卒中・全身性血栓絶対的減少率は、フォローアップ100人年あたり 既往有りで 0.77(95% CI −0.08 to 1.63)、既往無しで 0.22 (−0.03 to 0.47)
重大出血比較で、既往有り 1.07  (95% CI 0.09—2.04) 既往無し  0.93 (0.54—1.32)

2012年5月4日金曜日

静脈血栓塞栓:妊娠中圧迫超音波検査陰性なら安全にイベント発生除外可能


妊娠・出産後 216名女性の前向き研究で、単回の近位・遠位側圧迫超音波検査(comlete compression ultrasonography)による静脈血栓症(DVT)イベント率は、非妊娠中女性研究における観察範囲と同様に思われる。すなわち、これらのデータは、単回のcomplete compression ultrasonography陰性では、DVT診断を安全には除外できると結論づけ。



Diagnostic value of single complete compression ultrasonography in pregnant and postpartum

women with suspected deep vein thrombosis: prospective study
BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.e2635 (Published 24 April 2012) Cite this as: BMJ 2012;344:e2635

【目的】 深部静脈血栓症除外のための、妊娠・出産後女性での単回comlete compression ultrasonographyによる安全性評価
【デザイン】 Prospective outcome study.
【セッティング】 フランスとスイスの血管医学 2つの3次センターと18のプライベート施設
【被験者】 深部静脈血栓疑いのための、妊娠・出産後女性 226 名
【メソッド】 単一近位・遠位 compression ultrasonography 検査完遂陰性結果のすべての女性は、抗凝固療法受けず、3ヶ月間フォローアップ。
【測定主要アウトカム】 静脈血栓塞栓症症状、2回目のcompression ultrasonography、胸部画像、血栓塞栓イベント、抗凝固療法
【結果】 除外16名で、主に、肺血栓塞栓疑いがその理由。 深部静脈血栓は評価210名中22名(10.5%) フォローアップ中検査陰性にかかわらず抗凝固療法完全量受けたのは10名
深部静脈血栓のないそして抗凝固療法完全量投与してない177名中、フォローアップ中、2名(1.1%、95%信頼区間 0.3%ー4.0%)は深部静脈血栓客観的確定診断 Of the 177







【結論】単回のcompression ultrasonography後の深部静脈血栓率は非妊娠対象者研究で見られる範囲内であるようだ。

これらのデータにより、単回のcompression ultrasonography陰性結果は、この状況での深部静脈血栓診断を安全に除外できる。

2012年4月13日金曜日

レビュー 新規抗凝固薬:血栓塞栓・心房細動卒中予防

静脈性血栓性疾患、慢性心房細動に対する治療予防 の以下内容のレビュー

1)新規薬剤開発の必要性
2)臨床トライアル有効性/安全性
3)検査モニタリングの必要性
4)臨床現場での新規薬剤使用の方向性


フリーテキストだから紹介というだけで・・・


NEW ANTICOAGULANT DRUGS FOR TREATMENT OF VENOUS THROMBOEMBOLISM AND STROKE PREVENTION IN ATRIAL FIBRILLATION
Armando Tripodi, Gualtiero Palareti
Journal of Internal Medicine
Accepted manuscript online: 24 MAR 2012
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/j.1365-2796.2012.02541.x/pdf

直接作用性のトロンビン、Xa 阻害剤が臨床的に利用できるようになった。従来の抗血栓薬剤に関する諸問題に対し克服可能な部分もある。経口投与可能で、半減期が比較的短く、therapeutic windowがやや広く受容性が広がり、予測可能な量反応関係、定期的検査・用量補正が不要。
これらの特性は、ヘパリンやビタミンKアゴニストにくらべ医師・患者にとって管理しやすくアピールされるものである。
臨床トライアルを臨床現場に適応一般化することは容易でなく、第IV相での有効性・安全性確認が必要。

Dabigatran(プラザキサ)
・ 急性VTE : RE-COVER研究
・ VTE二次予防 : RE-MEDY 及び RE-SONATE研究
・ 非弁膜症性心房細動 : RE-LY研究

Rivaroxaban
・ 急性DVT治療 : EINSTEINプログラム
・ 非弁膜症性心房細動 : ROCKET AF研究
(日本人対象 J-ROCKET AF ;参考 http://therres.jp/1conferences/2012/JCS2012/20120322112400.php

Apixaban
・ 非弁膜症性心房細動 : ARISTOTLE研究
・ 心房細動 : AVERROES研究
・ VTE治療 : AMPLIFYプログラム

新規薬剤の検査コントロール

将来の方向性

2012年4月3日火曜日

亜区域性肺塞栓:冠動脈領域からのメタファー 技術進歩による過剰診断・過剰治療

以下の論文を勝手に省略・意訳

The Diagnosis and Treatment of Pulmonary Embolism
A Metaphor for Medicine in the Evidence-Based Medicine Era
Vinay Prasad, et. al.
 Arch Intern Med. Published online April 2, 2012. doi:10.1001/archinternmed.2012.195

 " Subsegmental PE Who Have a Negative Serial Bilateral Lower Extremity Ultrasound (SSPE) "に際し、sadle病変から亜区域病変までheterogenousな疾患なのに同じ管理がなされていたという疑問が呈された。

普通に致命的(30%-80%という死亡率)な肺塞栓であり、診断も右心負荷などの所見に基づくものであった。抗凝固療法や換気血流検査、CTPAなど、リスクスコアリングアルゴリズムの開発、そして、より安全案薬剤開発などの成功の歴史。一方では、死後発見がむしろ主であったかつての肺塞栓症。診断根拠困難なまま副作用による死亡が関与していた可能性があった。そしてサンプルサイズと介入・対照群比較の疑問など、アウトカム判定は結論付けできるものではなかった。にもかかわらず、抗凝固療法のベネフィット信念ごり押しで、これが、肺塞栓治療の標準治療になった。
抗凝固療法により死亡率30%から3%未満の時代になったことが治療成功の根拠となっている。
しかし、それは、肺塞栓がレントゲン写真で診断された時代との比較であり、治療成功が過大評価されている部分もある。単に、カバーする疾患範囲が変化したに過ぎないかもしれない。

Prospective Investigation of Pulmonary Embolism Diagnosis II study( JAMA. 2006;295(2):172-179.)により、CTPAの感度 83%、特異度 96%であり、肺血管造影に劣ることが示された。
しかし、非侵襲的modalityが2006年の研究でも支持され、抗凝固剤使用しなかったCTPA negativeな例で、DVTやPE複合指標であるVTE3か月発生頻度はわずか1.3%で実用上問題ないことを示唆。
CTPAは、一方で、過剰診断の側面をもたらした。Nationwide In-patient Sample and Multiple Cause-of-Death database(Arch Intern Med. 2011;171(9):831-837.)によると CTPA出現(1998-2006)以降、肺塞栓の人口当たり発生するは10万対 62.1から112.3と増加し、死亡率は12.3から11.9への減少にとどまった。一方、抗凝固治療による合併症(消化管出血、頭蓋内出血、二次性血小板減少症)は10万対 3.1から5.3へ増加している。 そして、CT技術進歩により、亜区域肺塞栓の発見頻度増加がみられる(Radiology. 2002;222(2):483-490.)。

冠動脈疾患と同様の疑問が肺塞栓領域でも生じており、血管再建術は最重症状態でのベネフィット確立したが、テクノロジーが診断と治療に影響をもたらし、冠動脈疾患診断患者数を貯蔵させ、一方で血管再建技術進歩ももたらされた。過剰診断と経皮的血管再建などに関し、”Clinical Outcomes Utilizing Revascularization and Aggressive Drug Evaluation trial”で一つの結論がもたらされ、安定疾患でのステント治療無施行は安全であるという、パラダイムがもたらされた。

 亜区域肺塞栓に関して、同様のパラダイムが待ち受けているか?


2012年2月16日木曜日

がん化学療法中静脈血栓予防:セムロパリン予防投与

進行癌患者は静脈血栓・血栓塞栓リスク増加をがんそのものから、もしくは治療から生じる。その単眼状態において、重大出血事故リスク増加に影響を与えず、セムロパリンが血栓塞栓頻度を減らすことが示された。

関連:
・ SAVE ONCO :超低分子ヘパリンセムロパリン がん化学療法治療中深部静脈血栓予防治験 2011年 06月 08日


Semuloparin for Thromboprophylaxis in Patients Receiving Chemotherapy for Cancer

Giancarlo Agnelli, M.D., Daniel J. George, M.D., Ajay K. Kakkar, M.B., B.S., Ph.D., William Fisher, M.D., Michael R. Lassen, M.D., Patrick Mismetti, M.D., Patrick Mouret, M.D., Umesh Chaudhari, M.D., Francesca Lawson, M.D., and Alexander G.G. Turpie, M.D. for the SAVE-ONCO Investigators



転移あり、あるいは、局所的に進展している固形がんをランダムに割り付け
・皮下投与 セムロパリン 20mg×1回
・プラシーボ

プライマリ有効性アウトカムは有症状深部静脈血栓・非致死性肺塞栓・静脈塞栓血栓の組み合わせ

3.5ヶ月の治療期間中央値

静脈血栓塞栓 セムロパリン群   20 / 1608 (1.2%) vs プラシーボ 55 / 1604 (3.4%) 
(ハザード比, 0.36; 95% 信頼区間 [CI], 0.21 ~ 0.60; P<0.001)
ベースラインリスクや癌発生母地・ステージによる再定義サブグループでも一致した効果。

臨床的に明瞭な出血頻度は、それぞれ、2.8% vs 2.0% 
(ハザード比, 1.40; 95% CI, 0.89 ~ 2.21).

大出血 19 / 1589 (1.2%) vs 18 / 1583 (1.1%) 
(ハザード比, 1.05; 95% CI, 0.55 ~ 1.99)

他のすべての副事象イベント頻度は同等


2012年2月14日火曜日

抗凝固・血栓予防:ACCPエビデンスに基づく臨床実践ガイドライン ;水分補給などエビデンス無し

Antithrombotic Therapy and Prevention of Thrombosis, 9th ed: American College of Chest Physicians Evidence-Based Clinical Practice Guidelines

http://chestjournal.chestpubs.org/content/141/2_suppl





解説:http://www.chestnet.org/accp/article/new-dvt-guidelines-no-evidence-support-economy-class-syndrome




経口避妊薬、 窓側着席、加齢、妊娠を含むリスク要素

エコノミー・クラスでの旅行が深部静脈血栓を生じることを支持する明確なエビデンスは存在せず、”, remaining immobile for long periods of time”(長時間寡動継続)が問題。



長距離旅行のDVT/PEリスク要素: 
DVT/PE既往や既知の血栓性疾患、悪性疾患、直近の手術・外傷、無動、加齢、経口避妊を含むエストロゲン、妊娠、窓際座位、肥満


脱水、アルコール摂取、エコノミー・クラス座位のリスク増加に関わる明確なエビデンス存在しないことを示唆。


長距離旅行でのDVT/PE予防推奨
頻回名歩行、ふくらはぎの筋肉ストレッチング、可能なら通路側座位、膝下graduated compression stockings (GCS)の使用を勧める
DVT/PEリスク増加のないひとでの長距離旅行は、GCS使用推奨せず

長距離旅行DVT/PE予防のためのアスピリンあるいは抗凝固療法使用は勧めず
DVT/PE高リスクに限って、ベネフィットを上回る副作用のため、抗凝固療法を個別的に考慮する。

“有症状 DVT/PE は、長距離旅行からの帰還では稀。しかし、8-10時間を越える旅行での飛行機旅行との関連性はある。発症者の多くは一つ以上のリスクを有する人たち”

600を超える推奨が、予防・診断・治療の側面から記載されている。

患者にフォーカスを当てたガイドライン

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