2015年3月24日火曜日

抗生剤無しのにきび治療 : A/BPOゲル



アダパレン/過酸化ベンゾイル 0.3%: 0.3% adapalene/benzoyl peroxide (A/BPO)
特許:http://urx.nu/iL4i


中等症・重症ざ瘡への大規模RCTで、1/3が有意に改善



発表:Weiss J, et al "Efficacy and safety of adapalene 0.3%/benzoyl peroxide 2.5% topical gel in moderate and severe acne vulgaris" AAD 2015; Abstract 790.
https://www.aad.org/meetings/2015-annual-meeting 

二次情報:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/AAD/50621

腰背部痛:プライマリケア・ベースのReassuarance患者教育で再受診数減少効果

急性・亜急性の腰背部痛は、予後良好で、自然軽快が多く、1/3程度が医療機関受診。3日内改善は90%。医療機関受診患者は、慢性・再発性疼痛になりやすい。多くの患者は自己ケアで改善するが、多医療機関受診は持続性のため生じ、障害持続性要素は、行動適応障害性疼痛、全般的健康状態悪化、ベースラインでの機能障害など。20%程度で、慢性腰痛となる。


Reassuranceとは、日々の医療行為の核となる観点であり、「安心感を高めてあげること」
http://www.schmerz-nottwil.ch/files/pdf3/Pincus1.pdf
• Reassurance removes the fears or doubts about pain/illness- the effect is to comfort. ; 恐怖・疑念の除去
• Reassurance always takes place within the dynamics of the interaction between the caregiver who has the intention to reduce worry, and the patient who is concerned. ; 悩みを少なくしたい医療側と悩みをもつ患者との相互性へのダイナミズム内で必ず機能する
• Ultimately, reassurance is achieved if the patient changes his/her behaviour, understanding or thoughts. : 患者の行動、理解、思考に変容があれば、目標達成
• The method of ‘‘reassurance’’, on the other hand, is in the behaviour of the healthcare provider’ 言い換えれば、手法は、医療行為側の行動そのものである
Linton et al., Pain, 2008



Effect of Primary Care–Based Education on Reassurance in Patients With Acute Low Back Pain
Systematic Review and Meta-analysis ONLINE FIRST
Adrian C. Traeger, MPhty et. al.
JAMA Intern Med. Published online March 23, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.0217



4872名、14トライアルにて、患者教育介入
トライアルは、恐怖、悩み、不安、破滅化、医療機関使用

患者教育では、通常のケア/コントロール教育より、reassuranceを提供した(中等度・高度エビデンス): 短期:(標準化平均差 [SMD], −0.21; 95% CI, −0.35 〜 −0.06)  長期: (SMD, −0.15; 95% CI, −0.27 〜 −0.03)


医師による介入では、他の医療従事者(看護師・理学療法士など)より、有意にreassuranceを与えることができる。


患者教育は、通常ケア/コントロール教育より、 腰部痛関連医療機関受診数を減少させたという中等度品質エビデンス(SMD, −0.14; 95% CI, −0.28 to −0.00 ;12ヶ月時点)

1つの医療機関受診数減少のためのNNTは、17





労多くして・・・17の患者教育で1つの医療受診減少という結果。

整形外科(内科)/整骨などの腰背部痛頻回受診でどれだけの日本の医療資源浪費されているのだろう・・・Reassuaranceどころか再受診数を稼ぐようなインセンティブになっている日本の医療制度




緩和ケア状態では、スタチン中止しても安全、ベネフィットも・・・

緩和ケアなど余命限られている場合、スタチン治療を中断すべきか否か。
悩むのスタチン以外に降圧剤などの一次予防薬剤もそうだが、モデルとしてスタチンについての検討。

日本ではとうてい考えられないが、ランダム化トライアル

60日内死亡をプライマリアウトカムとして、セカンダリアウトカムは、生存率・心血管イベント・PS・QOL・症状・非スタチン医薬品数・コスト削減評価。

Safety and Benefit of Discontinuing Statin Therapy in the Setting of Advanced, Life-Limiting Illness
A Randomized Clinical Trial
Jean S. Kutner,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online March 23, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.0289

381名の総数。ランダム化にて中断 189名、 継続 192名

平均(SD)年齢 74.1(11.6)歳
被験者のうち、22.0%認知機能障害、 担癌 48.8%

中止群 vs 継続群 比較 60日内死亡率に有意差無し  (23.8% vs 20.3%; 90% CI, −3.5% to 10.5%; P = .36) 、 非劣性エンドポイントに到達せず

QOL総数は、中止群良好 (mean McGill QOL score, 7.11 vs 6.85; P = 0.04 )

心血管イベント症例が少ない (中止群 13例 vs 継続群 11例)

平均コスト効果は患者1日あたり $3.37 で、患者あたり $716 



心血管イベント数が少ないので、重度CVDリスク状態ではないことも想定される。故に、終末期や緩和ケアであまねくスタチン中止ってわけにはいかないのだろうが、スタチンを中止することで得られるベネフィットもあるらしい。・・・ 議論必要。
担がん状態では、凝固促進的であり、CVDリスク亢進が想定されるという反論もありそう。

転倒数減少にはビタミンDも運動も効果無し、運動のみが外傷性転倒数減少効果認め、ビタミンDは効果無い

ビタミンDサプリメントも運動も、高齢者転倒予防のため推奨されているが、2つの要素は矛盾するところがある。2年間のランダム化二重盲検プラシーボ対照 ビタミンD割り付けと、運動に関してはオープンのトライアル。

プライマリアウトカムは、月毎転倒数
セカンダリアウトカムは、外傷性転倒数、転倒数と外傷性転倒数
加えて、骨密度、身体活動性(筋力、バランス、運動性)、ビタミンD代謝評価


Exercise and Vitamin D in Fall Prevention Among Older Women
A Randomized Clinical Trial
Kirsti Uusi-Rasi,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online March 23, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.0225


ITT分析にて、ビタミンDも運動も転倒数減少せず

100人年転倒数は、
プラシーボ・運動無し群 118.2,
ビタミンDサプリメント・運動無し群 132.1,
プラシーボ・運動有り群 120.7
ビタミンD・運動有り群 113.1
しかし、外傷性転倒率は、それぞれ、 13.2,、12.9、 6.5、 5.0


外傷性転倒数は有意にビタミンD有無にかかわらず運動群で有意に減少
exercisers with vitamin D (0.38; 95% CI, 0.17-0.83)
without vitamin D (0.47; 95% CI, 0.23-0.99)

ビタミンDで大腿骨頸部骨密度維持的効果で、脛骨骨梁密度は軽度増加

しかし、運動だけで筋力・バランス改善。ビタミンDでは、運動の効果や身体機能改善をもたらさない



「ビタミンが・・・・に良い」という市井に固着した妄想に過ぎない これをうのみにしている栄養士や医療関係者も多く、妄想の固着増殖が続く・・・


一方、某国立体育大学の方々は転ばないために運動を・・・と、エビデンス無き妄想を市民に啓発し続けている。
上述の報告に従えば、運動は転んだときのけがや骨折軽減効果のある運動が正しいことになる

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note