2012年5月30日水曜日

フランス:交通事故 若年、飲酒、眠気が三悪 ・・・ 運転能力影響薬剤の影響は全体では少ない

フランスの交通事故の原因詳細報告。飲酒運転や違法薬物の比率が高いのに驚く。

日本側から見れば、運転能力に影響を与えル薬剤(DADA)の影響 に興味が向く。


Drugs affecting driving ability (DADA)とリスク疾患示唆は、段階別ピクトグラムの4レベル(0,1,2,3)の標準化分類。フランスの警察データベースで、level 2、level 3薬剤とドライバーによるリスク増加を検討。


Drugs affecting driving ability (DADAs)
Orriols L, Delorme B, Gadegbeku B,  et al; CESIR Research Group.  Prescription medicines and the risk of road traffic crashes: a French registry-based study.  PLoS Med. 2010;7(11):e1000366

この影響は明らかでは無かったということ。非DADAに比べれば若干リスク増加のみということ。

                                                                                                                                 

ONLINE FIRST
Factors Associated With Serious Traffic Crashes: A Prospective Study in Southwest France ONLINE FIRST
Sylvie Blazejewski, et.al.  for the CESIR Group
Arch Intern Med. 2012;():1-2. doi:10.1001/archinternmed.2012.1695




679名の患者が含まれ、平均年齢(SD)36.5(14.7)歳、85.0%は55歳未満で、83.0%は男性。このうち、53.3%は対オートバイ、33.1%が対車、10.3%が対自転車

衝突事故の77%が午前6:00から午後8:00

夜間の衝突事故は対55歳以上(7.1%)に比べ、18-29歳(28.1%)では4倍、30-54歳で(14.6%)では2倍超(P<.06)

衝突事故1週間前に一つでも服薬49.0%、24時間以内服薬31.5%(中枢神経系薬剤11.0%、心血管薬剤9%)。この半数がDADA(Drugs affecting driving ability)薬剤服用。352名のアルコール濃度(BAC)患者の内、68.5%がBAC<0.5 g/L、1.7%が0.5-0.8 g/L、29.8%が0.8g/L。ドライバーの28.9%が衝突事故当日に飲酒、衝突事故前6時間は20.2%。
事故当日のアルコール摂取報告とBAC0.5g/L以上所見は一致性が高い(κ=0.63)

衝突事故当日アルコール摂取報告は男性(31.7%)、女性(14.8%)
衝突前6時間内の薬物使用は2.5%で、特に大麻が多い。7%は医薬品・薬物、アルコール24時間内ごちゃ混ぜ。

衝突事故前1週間の毎日7時間超の睡眠は約50%で、前日睡眠7-9時間は59.5%。

運転中の眠気リスクは3.85で、女性(17.4%)より男性(27.7%)で多く(P=.02)、若年者に多く(29.5%、18-29歳) vs 26.3%(30-54歳)、14.3%(55歳以上)

多変量解析にて、18-29歳、車の運転、飲酒、運転中眠気が独立した自動車衝突事故の要素

薬物服用は原因としては低リスク。非DADAsに比べ、DADAsは若干リスク増加(ハザード比 1.24;95%CI,0.56-2.77)






参考:Orriols L, Delorme B, Gadegbeku B,  et al; CESIR Research Group.  Prescription medicines and the risk of road traffic crashes: a French registry-based study.  PLoS Med. 2010;7(11):e1000366




そろそろ、チャンピックス服用時運転に関してなんらかの アクションないのだろうか?
都市部では全く無関心だろうが・・・田舎での禁煙指導の障害となっている。

耳鳴治療:臨床心理・運動療法を含む専門家治療ベースでQOL、耳鳴り重症度・障害改善効果

耳鳴りは成人の21%まで発症し、不快で聴覚的問題と関連するが、コスト的問題の無い薬物手段や標準的手法は存在せず、問題の長期化が存在する。



Specialised treatment based on cognitive behaviour therapy versus usual care for tinnitus: a randomised controlled trial
The Lancet, Volume 379, Issue 9830, Pages 1951 - 1959, 26 May 2012

耳鳴の重症度・聴力障害で層別化
4つのブロック化
・音に焦点を当てた耳鳴再訓練治療を伴う認知行動療法の特異化ケア
・通常ケア
コンピュータ割り付け1:1

患者・評価者には割り付けマスク

プライマリアウトカムはHRQOL、耳鳴重症度(アンケートスコア)、耳鳴による障害程度(耳鳴ハンディキャップ一覧スコア)、治療開始前、3ヶ月後、8ヶ月後、12ヶ月後


2007年9月から2011年1月まで、741名のスクリーニング患者のうち492(66%)を登録・治療。

通常ケア割り付け 247名。245名特異的ケア割り付け

特異ケアにて、12ヶ月でHRQOL改善 (群間差 0.059, 95% CI 0.025 ~ 0.094; effect size of Cohen's d=0.24; p=0.0009)、耳鳴重症度減少 (−8.062, −10.829 ~ −5.295; d=0.43; p<0.0001) 、耳鳴障害改善 (−7.506, −10.661 ~ −4.352; d=0.45; p<0.0001)

治療は初期の耳鳴重症度と関連無く有効なようで、このトライアルでは副事象認めず

通常ケアと書かれてはいるが、耳科学的リハビリテーション、耳科学的フォローアップやsocial workとそのフォローアップを含むケアである。
一方介入群は、多職種的チーム医療、臨床心理士、運動療法士を含む介入である

こういう Multidisciplinary team 医療ってのは、日本のもっとも不得意な分野、医療制度上も資格制度上も・・・

こうやって、耳鳴りの訴え放置される事例多数・・・

noteへ実験的移行

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