2015年11月28日土曜日

食行動:男は女性と食事すると食事全体の量、不健康食の量とも増える

日本にそんな男残ってるのだろうか? ・・・ 女性と食事するとき、多食・過食となる男。

このフィールド研究だと、女性は男と食事しても食事量の差は無いが、自分では過食していると思い込んでいる。


日本に当てはまるか、ちょっと疑問。


Eating Heavily: Men Eat More in the Company of Women
Kevin M. Kniffin , Ozge Sigirci, Brian Wansink
Evolutionary Psychological Science pp 1-9 First online: 10 November 2015
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs40806-015-0035-3








進歩的心理学者たちは女性に於ける摂食障害にのみ興味を示し研究対象に性差が存在、男性による食事問題行動に関心が向けられてない。
フィールド研究として、男性とともにシェアする食事の時より女性と共にシェアする食事の時に、男性は食事量が多いことを見いだした。
特に、男性は、女性と共に食事をとると、不健康食(e.g. ピザ)や健康食(e.g. サラダ)ともにその量が多くなる。女性と共にいると男性はピザを93%多く(1.44スライス多く食べる)、サラダを86%多く摂食する。
加えて、女性は夕食パートナーの性別機能関連無く食事の差を認めない。ただ、女性は男性と食事すると自己分析として多く食事をしてると推定する傾向があり、早食い・大食いしているとの感覚の自己分析傾向あり。女性の摂食行動へ研究注目されてきたが、今後は女性の存在下での男性の摂食行動問題も研究テーマ?

2015年11月27日金曜日

Flash glucose monitoring (FGM)日本導入へ


 Abbott社、Flash glucose monitoringというキーワードで検索すると・・・

ADC's Flash Glucose Monitoring (FGM)という概念
http://diatribe.org/issues/58/new-now-next/6
http://www.freestylelibre.co.uk/default/uk/index.html



プロユースのCGMからFGMへという次第か?








脂肪細胞は自律的に脂肪燃焼しないような要素(sLR11)を産生する・・・ダイエットは元々難しいことの仕組み 

太ってるほど脂肪燃焼を阻害する蛋白産生物を作り出し、脂肪組織の燃焼を抑制する。
肥満は、元々、やせにくいようにメカニズムが働いているようだ。


Soluble LR11/SorLA represses thermogenesis in adipose tissue and correlates with BMI in humans
Andrew J. Whittle, et. al.
Nature Communications 6, Article number: 8951 doi:10.1038/ncomms9951

褐色脂肪組織(BAT)の熱発生はほ乳類にとってエネルギー消費の重要な要素

BATの生理学的調整が、代謝性疾患治療戦略の要となり得る。

LDL受容体関連、LR11/SorLA (sLR11)が細胞自立的に脂肪組織の熱発生を抑制する。LR11欠損マウスでは食事由来肥満を抑制することとなり、白色脂肪組織の褐色細胞化増加し、代謝促進的となる

sLR11の脂肪細胞処理により、 bone morphogenetic protein/TGFβ signalling pathwayによる熱産生を阻害し、Smadリン酸化を減少する

加えて、ヒトsLR11濃度はBMI、adiposityと相関することが示された。
エネルギー消費能力高い組織のtight regulationがあれば、LR11がエネルギー保存的役割をしているところで、肥満状態の悪化をもたらすと提示した。





東邦大学共同研究で、解説記事
https://www.cam.ac.uk/research/news/stored-fat-fights-against-the-bodys-attempts-to-lose-weight

慢性心房細動:消化管出血したからといって抗凝固治療再開しないと・・・

心情的には、抗血栓治療中消化管出血生じた場合、再開したくないのも分かる
この調査でも1/3程度で、抗凝固治療再開されてない



だが、その選択は、その後に重大なアウトカム悪化となる



Stroke and recurrent haemorrhage associated with antithrombotic treatment after gastrointestinal bleeding in patients with atrial fibrillation: nationwide cohort study
BMJ 2015; 351 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h5876 (Published 16 November 2015)
Cite this as: BMJ 2015;351:h5876





累積発生頻度:全原因死亡、血栓塞栓、重大出血、消化管出血:ベースライン群層別化後


青:再開せず

慢性高山病:卵円孔開存下で重症

慢性高山病では夜間睡眠障害・低酸素状況はより重症で、高血圧・肺高血圧を生じる
ベースにPFOあればより重症・・・という結論

CMSでは血管機能障害を併発することが多く、一方、標高髙地では睡眠呼吸障害(SDB)を生じることも知られる。標高低地での睡眠呼吸障害では血管機能障害の原因となる。
SDBにおける右心系血圧増加はPFO存在下で右→左シャントの原因。さらに低酸素性血管攣縮、さらには肺高血圧を引き起こしやすい状態となる。


髙地居住、CMS、SDB、夜間低酸素血症、血管機能障害の組み合わせ検討




Sleep disordered breathing and vascular function in patients with chronic mountain sickness and healthy high-altitude dwellers
Emrush Rexhaj,  et. al.
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.15-1450


主要新規知

CMS患者では
a) 健常対照と比べ、SDB・夜間低酸素血症はより重症 (P<0 .01="" blockquote="">
(apnea/hypopnea index, AHI, 38.9±25.5 vs. 14.3±7.8[nb/h]; SaO2, 80.2±3.6 vs. 86.8±1.7[%], CMS vs. controls)

b) AHI は、収縮期血圧 (r=0.5216, P=0.001) と肺動脈圧(r=0.4497, P=0.024)と直接相関

PFOは、より重症SDB (AHI 48.8±24.7 vs. 14.8±7.3[nb/h], P=0.013, PFO vs. no PFO) と低酸素血症と相関



卒中、いわゆる奇異性塞栓の頻度は? 
無呼吸に伴う努力呼吸がPFOのFlap valve機能に影響を与えることも考えられる?

COPD:CAT、mMRCを同等に扱うのは当然ながら誤り

GOLDのガイドラインのうち、この複合評価項目は以前から疑義が投げかけられている。




" CAT or mMRC "となっているが、CATの項目見れば同列に評価できるはずもない
http://www.catestonline.org/english/indexEN.htm




The COPD Assessment Test: what do we know so far?:
A systematic review and meta-analysis about clinical outcomes prediction and classification of patients into GOLD stages
Manuela Karloh, et. al.
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.15-1752


一致性 κ 0.13〜0.77


CATはCOPD急性増悪、健康状態の異常、うつ、死亡率予測臨床スケールであるが、メタアナリシスでは、CAT 10以上のカットオフ値と、mMRC 2以上を同等に扱えるはずもない


mMRCとCATの不一致性は以前から報告あるし、日常的に経験している




Little agreement in GOLD category using CAT and mMRC in 450 primary care COPD patients in New Zealand
Shaun Holt, et. al.
npj Primary Care Respiratory Medicine 24,

ヘロイン吸引は40歳で最重症肺気腫に・・・

もちろん、sensitiveなphenotypeについてではあるが・・・

The Association Between Heroin Inhalation and Early Onset Emphysema
Paul P. Walker,et.al.
Chest. 2015;148(5):1156-1163. doi:10.1378/chest.15-0236


ヘロイン吸引者73名のコホートデータ

臨床医診断・スパイロメトリ確認症例、40歳前発症例

診断時グループ内全員の平均年齢 41歳、14年間ヘロイン吸引、平均FEV1 1.08L(31.5%予測比)、 平均 FEV1/FVC 0.4

40歳ちょっとで最重症に近い重症例


HRCT気腫スコア: 2.3 (5%−25%気腫)
上葉気腫スコア3以上(25%−50%気腫)は47%
拡散能中央値は、予測比48%

2015年11月26日木曜日

SPRINT研究

SPRINT:50歳以上高リスク高血圧 強化高圧目標により効果
http://kaigyoi.blogspot.jp/2015/09/sprint50.html


これの論文

A Randomized Trial of Intensive versus Standard Blood-Pressure Control
The SPRINT Research Group
N Engl J Med 2015; 373:2103-2116November 26, 2015
DOI: 10.1056/NEJMoa1511939




今後、内科医で、SPRINTとEMPA-REG 知らなきゃ 馬鹿だと言われそうな 予感

EMPA-REG OUTCOME

血糖降下治療は、いままで、かなり長期のフォローアップでやっと軽度心血管アウトカムがなんとか・・・という程度であった。心血管アウトカムに関する格段の話だと思う。

EMPA-REG OUTCOME研究論文



Empagliflozin, Cardiovascular Outcomes, and Mortality in Type 2 Diabetes
Bernard Zinman, et. al.. for the EMPA-REG OUTCOME Investigators
N Engl J Med 2015; 373:2117-2128November 26, 2015

総数7020名治療、観察期間中央値 3.1年間 
プライマリアウトカム(心血管死・非致死性心筋梗塞・非致死性卒中) 
Empagliflozin群 490/4687 (10.5%)
プラシーボ群 282/2333 patients (12.1%)
(Empagliflozinハザード比, 0.86; 95.02% 信頼区間, 0.74 to 0.99; P=0.04 for superiority)

心筋梗塞 or 卒中の群間有意差無し
だが、
Empagliflozin群では心血管原因死亡率有意低値 (3.7%, vs. プラシーボ群 5.9%; 38% 相対リスク減少)
心不全入院 (2.7%  vs. 4.1%; 35%  相対リスク減少)
全原因死 (5.7%  vs. 8.3%; 32%  相対リスク減少)

セカンダリアウトカム(プライマリアウトカム+不安定狭心症入院)で有意差無し(P=0.08 for superiority)

Empagliflozin投与群内で、性器感染増加あり、他の副事象イベント増加認めず





各種心血管アウトカムと死亡率
A. 非致死性心筋梗塞・非致死性卒中累積頻度
B. 心血管死亡累積頻度
C. 全原因死亡:Kaplan-Meier
D. 心不全入院累積頻度



日本人のための2型糖尿病3年後発症予測式

国立国際医療研究センター臨床研究センターの報告


Development of Risk Score for Predicting 3-Year Incidence of Type 2 Diabetes: Japan Epidemiology Collaboration on Occupational Health Study
Akiko Nanri , et. al. for the Japan Epidemiology Collaboration on Occupational Health Study Group
PLOSone Published: November 11, 2015DOI: 10.1371/journal.pone.0142779

年齢、性別、BMI、ウェスト径、高血圧、喫煙状態といった(採血を用いない)非侵襲的モデルでは、AUC/ROC 0.717 (95% CI, 0.703–0.731).

空腹時血糖とHbA1c追加の侵襲的モデルでは、 0.893 (95% CI, 0.883–0.902)

 確認としてvalidation cohortにこのリスクスコア適応、AUC/ROC(95%CI)は、非侵襲的スコア、侵襲的スコアでそれぞれ 0.734 (0.715–0.753)、 0.882 (0.868–0.895)

非侵襲性スコア 15以上、侵襲性スコア 19以上の場合の2型糖尿病3年以内発症の予測リスクは それぞれ20%超、50%超







2015年11月25日水曜日

RCT:アトピー性皮膚炎と睡眠障害を有する子供へのメラトニン・サプリメント投与 入眠遅延改善・疾患重症度改善

アトピー性皮膚炎と睡眠障害を有する子供へのメラトニン・サプリメント投与



Melatonin Supplementation for Children With Atopic Dermatitis and Sleep Disturbance A Randomized Clinical Trial
 Yung-Sen Chang, et. al.
JAMA Pediatr. Published online November 16, 2015. doi:10.1001/jamapediatrics.2015.3092


2重盲検プラシーボ対照交差デザインランダム化臨床トライアル
73名、1-18歳の医師診断5%以上皮膚表面積アトピー性皮膚炎患児

メラトニン 3mg/日、 プラシーボ 4週間 → 2週間Washout期間後交差介入4週間


48名の子供へのメラトニン治療後、 Scoring Atopic Dermatitis (SCORAD) indexは、プラシーボ比較で 9.1減少 (95% CI, −13.7 to −4.6; P < .001)、平均 (SD)  49.1 (24.3) vs 40.2 (20.9)


さらに、プラシーボ治療後に比べ、メラトニン後入眠遅延は、21.4分短縮 (95% CI, −38.6 to −4.2; P = .02)

SCORAD indexの改善は、入眠遅延の変化と有意相関認めず (r = −0.04; P = .85)


副事象イベントによる治療中断はなく、副事象イベントも研究期間を通じて報告無し


プロカルシトニンによる7日齢から91日齢乳児重度細菌感染検出有用性

プロカルシトニン(PCT)による侵襲性細菌感染:IBI, invasive bacterial infeciton同定のため用いられているが、新生児から若年乳児に関するPCTアッセイのデータ不十分であった

15のフランス小児ED、有熱受診7-91日齢乳児前向きコホート

なお、SBI:severe bacterial infectionの定義は「血液・CSF・便中培養での細菌性病原性検出、尿試料だけは膿尿(>5WBCs/HPF)での単一病原菌が5万 CFUs/mL以上 and/or 顕微鏡細菌尿 or 白血球エステラーゼ・亜硝酸塩dipstickテスト陽性」



Use of Procalcitonin Assays to Predict Serious Bacterial Infection in Young Febrile Infants
Karen Milcent, et. al.
JAMA Pediatr. Published online November 23, 2015. doi:10.1001/jamapediatrics.2015.3210


2047名乳児中、SBI(重症細菌感染)診断 139(6.8%)、IBI診断 21(1.0%)、血液培養(n = 1258) 1.7%


SBI検出目的にて、AUC/ROCカーブはPCT分析と、CRP濃度のそれは類似  (AUC, 0.81; 95% CI, 0.75-0.86; vs AUC, 0.80; 95% CI, 0.75-0.85; P = 0.70)

IBI検出目的にて、PCIのそれは、CRP濃度のそれより有意に高値 (AUC, 0.91; 95% CI, 0.83-0.99; vs AUC, 0.77; 95% CI, 0.65-0.89; P = 0.002)



カットオフ値をそれぞれ、PCTにおいて 0.3 ng/mL、 CRPにおいて 20 mg/Lとすると、陰性尤度比はSBI検出において 0.3 (95% CI, 0.2 - 0.5)、IBI検出において  0.1 (95% CI, 0.03-0.4) と0.3 (95% CI, 0.2-0.7) 


類似結果が1ヶ月齢未満群でも、そして発熱継続時間6時間未満齢でも示された。





成人・敗血症においては、感度・特異度とも0.7程度
これに患者の運命をゆだねる気になる???
http://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(12)70323-7/abstract

2015年11月24日火曜日

メタアナリシス:一般住民:安静時心拍は全死亡率・心血管死亡率の予後因子となるか?

心拍や脈が遅いことを心配する向きもある。だが、一般には脈は遅いと・・・予後はよろしい



虚血性心疾患の安静時心拍、運動の影響…ゾウとネズミの関係は人間内でもあるのか
2010年 01月 13日


一般化したメタアナリシス



安静心拍は、一般住民にとって全原因・心血管死亡率と相関し、従来の心血管疾患と独立したリスク要素であるが、現在のところ、研究バリエーション補正や共役要素、研究の異質性・出版バイアスを考えると、関連性を決定づけるほどには至らない。

一般住民臨床トライアルに於ける、心拍減少による、心血管イベントへの影響、運動のような他の介入により死亡率への影響判明により、心拍もリスク要素となり得るか分かるだろう。 安静時心拍と古典的心血管リスク要素ともに医師にとって臨床に於ける使用となりえるかで今後予測アルゴリズム開発にさらなる研究が必要。




Resting heart rate and all-cause and cardiovascular mortality in the general population: a meta-analysis
Dongfeng Zhang, et. al.
CMAJ November 23, 2015 First published November 23, 2015,
 doi: 10.1503/cmaj.150535


46研究、1,246,203名中全原因死 78,349、848,320名、心血管死亡 25,800

安静時心拍 10拍/分増加毎、全原因死亡率相対リスク 1.09 (95% CI 1.07-1.12)、心血管死亡率相対リスク 1.08 (95% CI 1.06-1.10)

最小カテゴリーに比べ、安静時心拍 60−80拍/分では、全原因死亡率相対リスク 1.12 (95% CI 1.07-1.17) 、 心血管死亡率相対リスク 1.08 (95% CI 0.99-1.17) f
さらに、安静時心拍80拍超/分では、全原因死亡率相対リスク 1.45 (95% CI 1.34-1.57) 、1.33 (95% CI 1.19-1.47)


全体的には、従来の心血管疾患に関わるリスク要素補正後も結果変化無し

45拍/分と比べ、全原因死亡率のリスクは、線形パターンで安静時心拍数増加毎有意に増加。しかし、有意な心血管リスクは90拍/分から増加が見られる。

有意なheterogeneity、publication biasあり




CRISPR技術によるマラリア蚊撲滅 いよいよ実用化?

CRISPR (Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeat; クリスパー)は「、プラスミドやファージといった外来の遺伝性因子に対する抵抗性に寄与」しており、遺伝子操作技術を用いて、系世代的にマラリアに感染しない蚊をエンジニア化する手法。

エンジニア化された遺伝子が子孫のほぼすべての広がる・・・野火のように野生種に広がることが可能になったとのPNAS報告


Gantz, V. M. et alProc. Natl Acad. Sci. USA http://dx.doi.org/10.1073/pnas.1521077112(2015).





'Gene drive' mosquitoes engineered to fight malaria
Mutant mozzies could rapidly spread through wild populations.
Heidi Ledford& Ewen Callaway
23 November 2015
http://www.nature.com/news/gene-drive-mosquitoes-engineered-to-fight-malaria-1.18858




GM農産物だけでも大騒ぎ集団が騒ぎそう・・・

2015年11月20日金曜日

COPD:吸入ステロイド中止で肺炎イベントリスク減少、フルチカゾンで著明

Journal Watchで取り上げられている報告


1990−2005年吸入ステロイド:ICS治療COPD、2007年までフォローアップもしくは重大肺炎イベントまで観察



Discontinuation of Inhaled Corticosteroids in COPD and the Risk Reduction of Pneumonia
Samy Suissa,  et. al.
Chest. 2015;148(5):1177-1183. doi:10.1378/chest.15-0627


ICS使用症例103,386名
フォローアップ4.9年間、重大肺炎イベント14,020(発生頻度、100人年2.8)
ICS中止後は、重大肺炎発生率37%減少 (rate ratio [RR], 0.63; 95% CI, 0.60-0.66)

リスク減少は急激で、初月20%、4ヶ月後で50%

リスク減少は特にフルチカゾンで著明(RR, 0.58; 95% CI, 0.54-0.61) 、ブデソニドでは若干 (RR, 0.87; 95% CI, 0.78-0.97)





WISDOM研究:COPD 3種吸入からステロイドを離脱すると・・・
http://kaigyoi.blogspot.jp/2014/09/wisdomcopd3.html


これとの整合性は・・・

院内心肺蘇生:主要基礎疾患有りの場合、長期予後かなり悪い


慢性疾患を有する高齢者の場合、心肺蘇生後のアウトカム、おそらく悪いだろうとは思うが、今まで不明だったとのこと



Long-term Outcomes After In-Hospital CPR in Older Adults With Chronic Illness
Renee D. Stapleton, et. al.
Chest. 2014;146(5):1214-1225. doi:10.1378/chest.13-2110


COPD、進行期悪性疾患では生存退院確率低く、それぞれ 14.8%、11.3%
対し、慢性疾患(6つの主要慢性疾患:COPD、うっ血性心不全、CKD、悪性腫瘍、糖尿病、肝硬変)を有しない場合は17.3%

生存退院中、慢性疾患患者は長期観察生存期間中央値短い
e.g. 進行期COPD 5.0ヶ月、 悪性疾患 3.5ヶ月、肝硬変 2.8ヶ月vs 慢性疾患無し 26.7ヶ月

慢性疾患無しのCPRを受けた7.2%は自宅退院・6ヶ月以上再入院無し事例は7.2%対して、進行性COPD、うっ血性心不全、悪性疾患、肝硬変では2.0%以下
慢性疾患サブグループの大部分は病院退院生存率低く、退院生存者の内多くが自宅退院なく、再入院多く、生存期間も悪い







Figure 1 –  Long-term survival among CPR recipients who survived to hospital discharge, grouped by chronic illness. A-F, Survival in patients with COPD (A), CHF (B), CKD (C), malignancy (D), diabetes (E), and cirrhosis (F). In these cases, survival is significantly reduced for patients with each chronic disease compared with those without that chronic disease (P < .001). CHF = congestive heart failure; CKD = chronic kidney disease.

2015年11月19日木曜日

小児近視:低濃度アトロピン

アトロピン点眼の適応外使用で、小児近視の進行を抑えられるかも・・・


6−12歳5年間フォローアップ
0.01%濃度のアトロピン vs 高濃度のアトロピンで同等効果
高濃度での副作用みとめず 



2年後
・0.5%群 −4.6D
・0.1%群 −4.8D
・0.01%群 -4.9D

Nearsightedness Progression in Children Slowed Down by Medicated Eye Drops

Researchers present findings on five-year clinical trial of low-dose atropine for myopia at AAO 2015, the American Academy of Ophthalmology’s annual meeting

http://www.aao.org/newsroom/news-releases/detail/nearsightedness-progression-in-children-slowed-dow



日本、UKでも低用量アトロピントライアルスケジュール化とのこと

女性無症候性細菌尿への抗生剤投与の危険性:有症状感染症増加・耐性増加

反復尿路感染女性では無症候性細菌尿(asymptomatic bacteriuria (AB))へルーチン治療がなされることがある
この治療により結果抗生剤耐性生じる可能性がある

ランダム化
グループA:非治療群
グループB:治療群


Asymptomatic Bacteriuria Treatment Is Associated With a Higher Prevalence of Antibiotic Resistant Strains in Women With Urinary Tract Infections
Tommaso Cai, et. al.
Clinical Infectious Diseases Volume 61, Issue 11Pp. 1655-1661.


673名の女性、123名フォローアップ期間受診無し

フォローアップ(6ヶ月毎基本受診)終了時、再発率 グループA 97(37.7%)、グループB 204(69.6%)


グループBからの大腸菌分離では、アモキシシリン/クラブラン酸 (P = 0.03)、トリメトプリム/サルファメトキサゾール (P = 0.01)、シプロキサン耐性菌がグループA群 (P = 0.03)のそれより多い



"group B experienced statistically significantly more symptomatic UTIs than group A":治療群であるB群の方が、非治療群であるA群より有症状尿路感染症が多い・・・一見矛盾する事実



アクトスなどチアゾリジン系:女性骨折リスク増加は中止後減衰

アクトスなどチアゾリジンは、女性において骨折リスク増出させるが、中止後の影響は不明であった

ACCORD-Bone研究の長軸観察コホート研究で、終始後各2−4ヶ月クリニック受診フォロ−アップ、時間変位共役指数モデル化評価



Effects of TZD Use and Discontinuation on Fracture Rates in ACCORD Bone Study
Ann V. Schwartz, et. al.
JCEM :DOI: http://dx.doi.org/10.1210/jc.2015-1215


平均年齢 62.4 (SD, 6.6) 歳; 糖尿病罹病期間平均 11.1 (SD, 7.8) 歳
Rosiglitazone 74%、 pioglitazone 13%
フォローアップ平均期間 4.8 (SD, 1.5)年間
非椎体骨折1回以上経験 男性 262、 女性 287名

女性において骨折率は、非使用に比べ、TZD使用1−2年で高率  (ハザード比 [HR] = 2.32; 95% 信頼区間 [CI], 1.49, 3.62) or TZD使用 > 2年間(HR = 2.01; 95% CI, 1.35, 2.98)

骨折率は、非使用者比較で、TZD使用中止後1−2年間で減少  (HR = 0.57; 95% CI, 0.35, 0.92) or 中止後>2年間  (HR = 0.42; 95% CI, 0.24, 0.74)

TZD使用と中止は、男性において非椎体骨折と関連性認めず


アクトスは添付文書見ると販売1999年で、ジェネリック多数存在
発売してかなり経過しているのに、未知の副作用が明らかになる
糖尿病治療薬に関して明確なアウトカムベネフィットを示す薬剤すくないため、副事象・副作用の存在は意義が大きい

利権にしか興味の無い学会のお偉いさんたちは、こういった副作用に関して興味が無いのだろう・・・



こっそりと副作用「骨折」記載
https://www.takedamed.com/content/medicine/newsdoc/130410act.pdf

季節性情動障害:認知行動療法 > Light Therapy

季節性情動障害:Seasonal Affective Disorder(SAD)への、認知行動療法 vs Light Therapy(光療法)のランダム化比較




Outcomes One and Two Winters Following Cognitive-Behavioral Therapy or Light Therapy for Seasonal Affective Disorder
Kelly J. Rohan, et. al.
Am. J. Psychiatry
http://dx.doi.org/10.1176/appi.ajp.2015.15060773

地域居住成人、大うつ、季節性パターン反復、n=177を1−2の冬フォローアップ後ランダム化認知行動療法 n=88、Light therapy n=89前向きフォローアップ受診、各1月もしくは2月、大うつ状態は10月と12月初年電話評価プライマリアウトカム: Structured Interview Guide for the Hamilton Depression Rating Scale-Seasonal Affective Disorder Version (SIGH-SAD)の冬季うつ反復状態他のアウトカムは、SIGH-SADうつ重症度項目、Beck Depression Inventory-Second Edition (BDI-II)、大うつ所見


フォローアップ1年間ではすべてのアウトカム、治療群の差認めず

第2冬期、CBT-SADは、SIGH-SAD再発患者比率低下 (27.3% compared with 45.6%)、両測定項目とも重症度低下、BDI-IIスコア8以下定義再発低下大幅低下  (68.3% compared with 44.5%)

 CBT-SAD群において、次の冬季非再発は第2冬季非再発と相関 (relative risk=5.12) 、Light Therapyでは relative risk=1.92





2015年11月18日水曜日

小児反復重度下気道感染:アジスロマイシンの早期予防的アジスロマイシン投与有効

抗生剤乱用・薬剤抵抗性問題など抗生剤使用に関しては自制的使用が望まれる。だが、抗生剤使用には大いなるベネフィットがあ。


マクロライド系少量持続療法に関して、浅学な医療関係者の無責任な発言で、その使用を止めてしまった患者さんたちもいる。昨日のNHK(治る病気が治らない!? ~抗生物質クライシス~)の放送内容に偏りは無かったのだろうか?

さらに、薬剤耐性に関しては、医療機関側の問題だけではないことも示唆される。


下気道感染(LTI)のうち、重度反復症例という限られた症例に限っての話だが・・・就学前児童・繰り返し重度下気道感染対象者に対して、重度下気道感染発症前のアジスロマイシン投与開始でその発症を予防できるか?


Early Administration of Azithromycin and Prevention of Severe Lower Respiratory Tract Illnesses in Preschool Children With a History of Such Illnesses
A Randomized Clinical Trial
Leonard B. Bacharier, et. al.; for the National Heart, Lung, and Blood Institute’s AsthmaNet
JAMA. 2015;314(19):2034-2044. doi:10.1001/jama.2015.13896.





デザイン・セッティング・被検者  ランダム化、二重盲検、プラシーボ対照、平行群トライアル、9ヶ所の米国内学術医療センター( National Heart, Lung, and Blood Institute’s AsthmaNet network)、2011年4月登録開始、2014年12月までフォローアップ完遂。12歳の子供607名、71ヶ月間反復、重度下気道感染病歴、障害日差変動のすくない症例

介入  ランダム割り付け・アジスロマイシン (12 mg/kg/d for 5 days; n = 307) ・マッチング・プラシーボ (n = 300)個別アクションプランにしたがい、事前定義RTI期間早期(LRTI発症前徴候・症状)に治療開始、12−18ヶ月間。

主要アウトカム・測定項目  プライマリアウトカム測定は、医療機関での経口ステロイド処方トリガーとなるであろう、重度LRTIに至らないRTI数、RTIのレベル測定副事象イベントとともに、口腔咽頭サンプルでのアジスロマイシン耐性菌の存在をセカンダリアウトカムとする

結果  RTI治療総数937名(アジスロマイシン群, 473; プラシーボ群, 464)で、重度LTRIs 92を含む事例 443 名 (アジスロマイシン群, 223; プラシーボ群, 220)アジスロマイシン群では、プラシーボ群比較で、重度LRTI発症リスク減少 (ハザード比, 0.64 [95% CI, 0.41-0.98], P = .04; 初回RTI絶対的リスク: 0.05 for azithromycin, 0.08 for placebo; リスク差, 0.03 [95% CI, 0.00-0.06])アジスロマイシン耐性細菌誘導・副事象イベントは頻回に見られず

結論と知見  反復重度LRTIsの病歴小児において、アジスロマイシンを臨床的明確なRTI早期に使用することは、プラシーボ使用に比べ、重度LRTI尤度減少を示す。この戦略に於ける抗生剤耐性発症に関してはさらなる情報が必要


2015年11月17日火曜日

畜産における非治療的抗生剤使用:小児科へのインパクト

2012年米国内抗生剤販売の総量の約80%は動物使用目的で、そのうち60%はヒト用にも重要な薬品
長期間健康な動物の食品中に抗生剤少量長期使用することで成長を促進し、飼料効果を促進し、疾患予防に役立つとされる。
この報告は、畜産での非治療的抗生剤使用が薬剤耐性にいかに寄与するかのメカニズムの検討



Nontherapeutic Use of Antimicrobial Agents in Animal Agriculture: Implications for Pediatrics
Jerome A. Paulson, Theoklis E. Zaoutis, THE COUNCIL ON ENVIRONMENTAL HEALTH, THE COMMITTEE ON INFECTIOUS DISEASES
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2015/11/11/peds.2015-3630


ヒトへの伝播:農場や加工過程などで感染もしくは混入の可能性
一般住民に比べて、畜産業労働者、農夫、その家族、出入りの訪問者たちは感染リスクが一般より多いN Engl J Med.1976;295(11):583588pmid:950974
糞便、汚水、環境的感染で広まり、病原性・薬剤抵抗性遺伝子の環境保有に繋がる。
野菜、果物へのcross-contaminationは穀物灌水用水からの汚染が生じ、水揚げされる魚も汚染水から暴露される。
実際、表層水や河川土砂にアクティブな抗生剤検出され、豚汚染水に薬剤耐性遺伝子同定され、土壌微生物にも見られた。

・サルモネラ属菌:非チフス・サルモネラの5%が5剤以上の抗生剤耐性、3%に第一選択薬であるCeftriaxone耐性が見られる
・カンピロバクター属菌:シプロキサンへの耐性が見られ、1997年の13%から2011年の25%へ。FDAは子供への適応承認していない状況となった。
・黄色ブドウ球菌:地域に存在するMRSクローンは、家禽と関連し、世界中で認められる。オランダ、デンマークは特にMRSA関連家禽の存在が目だつ。


AAP Highlights Danger to Kids From Antibiotics Use in Food Producing Animals
11/16/2015
https://www.aap.org/en-us/about-the-aap/aap-press-room/Pages/AAP-Highlights-Danger-to-Kids-From-Antibiotics-Use-in-Food-Producing-Animals.aspx




2015年11月16日月曜日

中心性肥満は心血管・総死亡率増加の原因:ウェストヒップ比再び・・・

先祖返り? 腹囲基準って各国で基準が違うし、日本での性差矛盾など、無理筋の基準。

ウェスト径では表現できない、脂肪の体分布


メタボリックシンドローム基準設定はあまりに不可思議なことが多い





ここでは、ウェストヒップ比を指標としている・・・クレバーな選択!



11月9日発表のMayo Clinicの研究者報告の大規模新規研究、平均14年間フォローアップ、the Third National Health and Nutrition Examination Survey (1988–1994) で、8.5 - 24.9の米国での正常BMIで、中心性肥満(WHOウェスト/ヒップ比 女性 0.85以上、男性 0.90以上)では、BMI如何に関わらず脂肪分布均等の場合に比べ生存予後悪い




Normal-Weight Central Obesity: Implications for Total and Cardiovascular Mortality
Karine R. Sahakyan,  et. al.
Ann Intern Med. Published online 10 November 2015 doi:10.7326/M14-2525




18−90歳、15184名成人、女性比 52.3%


男性において、正常体重中心性肥満では、生存率最も悪い

例えば、BMI 22 kg/m2&中心性肥満群では、同じBMI&中心性肥満無し群との比較で、ハザード比 1.87 [95% CI, 1.53 - 2.29)

これは、BMI基準による判断の”過体重・肥満”群の死亡リスク 2倍 (HR, 2.24 [CI, 1.52 to 3.32] and 2.42 [CI, 1.30 to 4.53]



女性において、正常体重・中心性肥満では正常BMI・非中心性肥満に比べ死亡率リスク高く (HR, 1.48 [CI, 1.35 to 1.62]) BMI基準肥満のみに比べても死亡率リスク高い (HR, 1.32 [CI, 1.15 to 1.51])


年齢、BMI補正時、中心性肥満での予測生存率は低い





2015年11月13日金曜日

糖尿病:失明・下肢切断絶対リスク予測式




Welcome to QDiabetes®(Amputation and blindness)-2015
http://qdiabetes.org/amputation-blindness


英国内GPデータ収集前向きコホート: QResearch and Clinical Practice Research Datalink (CPRD) database





Development and validation of risk prediction equations to estimate future risk of blindness and lower limb amputation in patients with diabetes: cohort study
BMJ 2015; 351 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h5441 (Published 11 November 2015)






MRSA抗生剤誘導mecA誘導はペプチドグリカン構造変化に伴う免疫病原性が関与


βラクタム抗生剤耐性関与蛋白、 (mecA geneでencodeされた)ペニシリン結合蛋白2Aが、ダイレクトにMRSA感染中の病原性に直接寄与するという知見


Poorly Cross-Linked Peptidoglycan in MRSA Due to mecA Induction Activates the Inflammasome and Exacerbates Immunopathology
Sabrina Müller, Andrea J. Wolf, Iliyan D. Iliev, Bethany L. Berg, David M. Underhill3correspondenceemail, George Y. Liu3correspondenceemail
3Co-senior author
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.chom.2015.10.011 


MecAは、ペプチドグリカンのcross-linking減少させ、貪食細胞による分解・検出を促進し、豊富なIL-1β産生をもたらす。βラクタム暴露MRSAから分離されたペプチドグリカンは、マクロファージ内NLRP3 inflammasomeを誘導するが、この効果は可溶化に伴い喪失する。
自然発生変位MRSA細菌はペプチドグリカンcross-linkを減少させ、in vitroでのIL-1β高値となり、in vivoでの病原性を増加させる。MRSA皮膚感染βラクタム治療は免疫病原性を増悪させるが、これはIL-1依存的作用である。
MRSA抗生剤誘導mecA誘導はペプチドグリカン構造変化に伴う免疫病原性が関与する

多剤耐性菌は国を渡って流れ込む

Multidrug-resistant organisms (MDRO):多剤耐性菌は、各国間の問題。国毎にその頻度差がある代表はバンコマイシン耐性腸球菌。MRSAは米国、日本、ギリシャで多いく、オランダ、スカンジナビア諸国では頻度極めてすくない。ただ、グラム陽性菌の耐性頻度はさほど分布の偏り少ない。やはり、多剤耐性グラム陰性菌:multidrug-resistant Gram-negatives (MDR-GN) の分布にばらつきが目立つ。


国家間のMDRD移動リスクについて検討





Influx of multidrug-resistant organisms by country-to-country transfer of patients
Nico T. Mutters ,et. al.
BMC Infectious Diseases 2015, 15:466 doi:10.1186/s12879-015-1173-8

2012-2013年において、MDRO(MRSA 4.1%、 バンコマイシン耐性腸球菌 2.9%、 多剤耐性グラム陰性菌 12.8%、広範囲薬剤耐性:extensively drug-resistant グラム陰性菌 3.4%)

グラム陰性菌はOXA、VIM、KPC、NDMを含むcarbapenemaseの一種を有する


MDROコロナイズ患者では、入院期間を、非コロナイズ患者比較で 77.2%延長する (p<0 .0001="" p="">


Distribution of multidrug–resistance among isolates of colonized patients;
Country of origin of screened patients


Area code
Number / Percent
Middle East
238 / 57.5
Non-EU-Europe
74 / 17.9
EU
54 / 13.0
Africa
35 / 8.5
Asia
10 / 2.4
Americas a
2 / 0.5
Australia a
1 / 0.2
Total
414
EU (including EFTA [European Free Trade Association] countries Switzerland & Norway); Non-EU-Europe (including Russia)
a :excluded from the logistic regression analysis
Mutters et al.

Mutters et al. BMC Infectious Diseases 2015 15:466   doi:10.1186/s12879-015-1173-8








中東、非EUヨーロッパ、EUからの旅行者・移民には多剤耐性菌、注意が必要なのかもしれない

2015年11月12日木曜日

新しいACCORDデータ ACCORDION:糖尿病強化治療 × 糖尿病強化治療&降圧標準治療 × 糖尿病標準治療&光圧強化治療 ○

SPRINTトライアルにて収縮期血圧<120mmHgの強化療法にて、高CVDリスク群でのベネフィット示されたわけだが・・・
http://kaigyoi.blogspot.jp/2015/09/sprint50.html (H27.9.12 )





ACOORDにおいて糖尿患者に拡大できるか?

SPRINT:50歳以上高リスク高血圧 強化高圧目標により効果
http://kaigyoi.blogspot.jp/2015/09/sprint50.html

糖尿病強化治療 × 
糖尿病強化治療&降圧標準治療 × 
糖尿病標準治療&光圧強化治療 ○

・・・ 


心血管疾患(CV)リスク増加T2DM患者では、強化血圧治療では、致死性・非致死性重大CVイベント、死亡率、フォローアップ中央値8.8年間において減少できず。

しかしながら、Cushmanは、長期フォローアップにより、血圧と血糖相互作用により有意な関連性が示される(P for interaction 0.037)して、標準的血糖治療ランダム化患者において、強化降圧治療でベネフィット(HR 0.79、 95% CI 0.65-0.96)証明されたと述べている



ACCORD Follow-On (ACCORDION) study



Cushman WC, Evans GW, Cutler JA. Long-term cardiovascular effects of 4.9 years of intensive blood pressure control in type 2 diabetes mellitus: The Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes follow-on blood-pressure study. American Heart Association 2015 Scientific Sessions; November 10, 2015; Orlando, FL. Abstract


総数3957、ACCORD終了時点生存87%をトライアル終了までフォロー
ACCORDION 被検者は、非治験者より若年でより健康。
トライアルclose-out時点で、平均血圧 強化群 119 vs 標準群 134 mmHg
群間差14.5 mm Hg
トライアル終了後2から5年で、平均収縮期血圧は、強化群 130 vs 標準群 134 mm Hgで、群間差 4.2 mm Hg

ランダム化後フォローアップ期間中央値8.8年間で、プライマリアウトカム年次発生率は、強化群 2.03% vs 標準群 2.22%

強化群vs標準治療群割り当て発生アウトカムハザード比(CI, p value)は、プライマリアウトカム 0.91 (0.79, 1.05, p=0.19) 、 死亡 1.04 (0.91, 1.19,p=0.59) 、非致死性MI 0.87 (0.72, 1.06, p=0.16) 、卒中 0.85 (0.66, 1.10, p=0.22) 、CV死亡 0.96 (0.75, 1.23, p=0.74)


後付け的な感じもするが・・・

「自然」「ナチュラル」とは・・・?

有機、減農薬、オーガニックとか、「自然」とか「ナチュラル」とか食品などに使われているが、その定義は曖昧。

米国FDAなどもその取り扱いに困ってるようだ、「逆に聴こう」という次第か・・・
特に、
・「ナチュラル」という用語の定義は何が適切か?
・適切だとすれば、「ナチュラル」の定義を、当局側は、いかに行ううべきか?
・食品表示の適正用語の決定の手法はいかになされるべきか?

パブリックコメント募集中らしい

FDA Requests Comments on Use of the Term "Natural" on Food Labeling
http://www.fda.gov/Food/NewsEvents/ConstituentUpdates/ucm471919.htm





自然食品ではないが、コマーシャル広告では、自然・自然と・・・宣伝している


肝障害認めたため、専門医に紹介したら、「にんにく卵黄」によると思われる薬物性肝障害だったらしい・・・

2012年雑誌「肝臓」報告されている症例もある
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kanzo/53/11/53_748/_article/-char/ja/



永続インフルエンザワクチン: mini-HA抗体

毎年のワクチン接種は過去のものとなるのかもしれない



Science

Science
Vol. 349 no. 6254 pp. 1301-1306  DOI: 10.1126/science.aac7263


A stable trimeric influenza hemagglutinin stem as a broadly protective immunogen

ヒト広域中和抗体 (bnAb)で、H1サブタイプ配列を元にした、 stable HA stem antigen (“mini-HAs”)を設計。

致死的ヘテロ、ヘテロサブタイプ暴露マウスモデルで完全防御された



Nature.




5−10年で上梓できるのではないかと・・・
http://kron4.com/2015/11/11/permanent-flu-vaccine-in-the-works/

標的超音波手法: 血液脳関門のドア突破しトロイの木馬を仕掛ける手法

脳腫瘍治療だけでなく、アルツハイマー病やパーキンソン病への治療に、この手法用いることができるかもしれない。画期的な手法と評価されている。


血液脳関門を特定の分子、アルコール、ニコチンなどは通過し、特定の酵素・超音波・名の分子は通過する。動物モデルでこの血液脳関門のドアを開ける手法。

ターゲット化超音波を用い気泡に加圧・減圧を与え、血管から脳内へ流入する手法で、可逆性である。




Breaking through the barrier
http://www.rsc.org/chemistryworld/Issues/2011/June/BreakingThroughTheBarrier.asp


他解説:

Gfycat GIF

http://www.popsci.com/bubbles-burst-blood-brain-barrier-beneficial-or-bad

2015年11月11日水曜日

スタチン治療:医師・患者ともにインセンティブ与えるとアドヒアランス・治療効果改善

これは全ての医療で共有なのかもしれない

医師・患者共にインセンティブを与えたときだけ、薬物アドヒアランス改善→薬物効果反映、医師だけ、患者だけにインセンティブを与えても統計学的有意な影響は示せなかった。




Effect of Financial Incentives to Physicians, Patients, or Both on Lipid Levels
A Randomized Clinical Trial
David A. Asch, et. al.
JAMA. 2015;314(18):1926-1935. doi:10.1001/jama.2015.14850.



介入  プライマリケア医をランダム割り付け
・対照:アウトカムに応じたインセンティブ無しだが、トライアル参加者に$355配布
・医師のみインセンティブ;physician incentive:医師はLDL目標合致患者毎$1024を受け取る
・患者のみインセンティブ:patient incentive:LDL同目標合致、薬物アドヒアランスに応じた日毎くじを配布
・医師患者インセンティブ共有:shared physician-patient incentive:これらインセンティブをシェアする

主要アウトカム測定  12ヶ月時点LDL値の変化
結果  医師・患者インセンティブ共有群では、LDL-C平均減少量 33.6 mg/dL (95% CI, 30.1-37.1; ベースライン, 160.1 mg/dL; 12 ヶ月時点, 126.4 mg/dL)  

医師のみインセンティブ群では、LDL-C平均減少量 27.9 mg/dL (95% CI, 24.9-31.0; ベースライン, 159.9 mg/dL; 12 ヶ月, 132.0 mg/dL); 

患者インセンティブ群では、LDL-C平均減少量 25.1 mg/dL (95% CI, 21.6-28.5; ベースライン, 160.6 mg/dL; 12 ヶ月, 135.5 mg/dL); 

対照群では、LDL-C平均減少量 25.1 mg/dL (95% CI, 21.7-28.5; ベースライン, 161.5 mg/dL; 12 ヶ月, 136.4 mg/dL;全4群比較 P < .001

医師・患者インセンティブ共有群患者のみが、他群比較において、LDL−コレステロール統計学的有意差あり(8.5 mg/dL; 95% CI, 3.8-13.3; P = .002).





この一文も認めない人たちがいるだろうなぁ。
Poor adherence is associated with worse outcomes, higher hospitalization and mortality rates, and increased health care costs among patients with CVD.


Jackevicius  CA, Mamdani  M, Tu  JV.  Adherence with statin therapy in elderly patients with and without acute coronary syndromes. JAMA. 2002;288(4):462-467.
PubMed   |  Link to Article
Ho  PM, Spertus  JA, Masoudi  FA,  et al.  Impact of medication therapy discontinuation on mortality after myocardial infarction. Arch Intern Med. 2006;166(17):1842-1847.
PubMed   |  Link to Article
Rasmussen  JN, Chong  A, Alter  DA.  Relationship between adherence to evidence-based pharmacotherapy and long-term mortality after acute myocardial infarction. JAMA. 2007;297(2):177-186.
PubMed   |  Link to Article
Blackburn  DF, Dobson  RT, Blackburn  JL, Wilson  TW, Stang  MR, Semchuk  WM.  Adherence to statins, beta-blockers and angiotensin-converting enzyme inhibitors following a first cardiovascular event: a retrospective cohort study. Can J Cardiol. 2005;21(6):485-488.
PubMed


2015年11月10日火曜日

エナージードリンク:血圧・アドレナリン増加、心血管リスク増加

エナージー・ドリンクの宣伝動画・・・かなり問題あると思う


Energy drink consumption in Europe: a review of the risks, adverse health effects, and policy options to respond
Front. Public Health, 14 October 2014
http://dx.doi.org/10.3389/fpubh.2014.00134


本来は、行政のRegulationが必要・・・消費者庁とかいう変な役所、日本政府、作ってなかったっけ?



エナージードリンクは、若年成人において有意に血圧とカテコラミンを増加させ、急性血行動態、アドレナリン作動性変化に関して心血管リスク増加の可能性を示唆。



A Randomized Trial of Cardiovascular Responses to Energy Drink Consumption in Healthy Adults
Anna Svatikova, et. al.
JAMA. Published online November 08, 2015. doi:10.1001/jama.2015.13744

25名の健康被検者(男性14名)、 29歳平均(95%CI, 26−31歳)、BMI 25

エナージードリンクにて収縮期血圧 6.2%増加 (vs プラシーボ 3.1%)、 拡張期血圧 6.8%増加 (vs プラシーボ 1.0%)、 平均血圧はエナージードリンク摂取後6.4%増加(vs プラシーボ 1.0%)、心拍変化に群間差無し。エナージードリンクは、ストレス刺激の種類を問わず血行動態反応促進認めず

エナージードリンク摂取後、平均ノルエピネフリン濃度 149.8 pg/mL (95% CI, 126.3-173.4 pg/mL) → 249.8 pg/mL (214.9-284.7 pg/mL)、対しプラシーボは、 139.9 pg/mL (95% CI, 116.3-163.5 pg/mL) → 178.6 (95% CI, 143.7-213.5 pg/mL (change rate: 73.6% [95% CI, 53.9%-93.2%] vs 30.9% [95% CI, 11.3%-50.6%]  P =  0.003 )



Levels of Caffeine, Glucose, and Norepinephrine Before and After Energy Drink Consumption



Changes in Hemodynamic Data Before and After Energy Drink Consumption (N = 24)


米国:尿中金属と糖尿病の関連

糖尿病と食事由来金属元素
https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/56/12/56_919/_pdf
・・・鉄、クロム、マグネシウム、亜鉛、銅にのみ言及


よりレアな金属についての検討



Metals in Urine and Diabetes in United States Adults
Andy Menke, et. al.
Diabetes, Published online before print November 5, 2015, 
doi: 10.2337/db15-0316


1999−2010 National Health and Nutrition Examination Survey横断研究データ

スポット尿で金属測定、糖尿病状況を、事前診断、A1c6.5%以上で判断

多変量補正後最大4分位/最小4分位オッズ比(95%信頼区間)

バリウム 0.86 (0.66-1.12) (p-trend=0.13)
カドミウム  0.74 (0.51-1.09) (p-trend=0.35)
コバルト 1.21 (0.85-1.72) (p-trend=0.59)
セシウム 1.31 (0.90-1.91) (p-trend=0.29)
モリブデン 1.76 (1.24-2.50) (p-trend=0.01)
鉛 0.79 (0.56-1.13) (p-trend=0.10)
アンチモニー 1.72 (1.27-2.33) (p-trend< 0.001)
タリウム 0.76 (0.51-1.13) (p-trend=0.13)
タングステン 2.18 (1.51-3.15) (p-trend< 0.001)
ウラニウム 1.46 (1.09-1.96) (p-trend=0.02)



補正後HOMA-Rと関連する最大4分位増加は
・バリウム
・モリブデン
・アンチモニー

米国内では比較的低レベルであっても、モリブデン、アンチモニー、タングステン、ウラニウムは、 糖尿病と相関。


前向き研究が必要


米国でのPCI:適正使用クライテリア発表・情報公開にて非急性期PCI量減少・不適正PCI減少に成功

2009年 “Appropriate Use Criteria for Coronary Revascularization”
2009年ACC/AHAは他の専門集団とともに、PCIの患者選択についてクリティカルな検討と質の改善、過剰使用を懸念して、上記クライテリアを発表した

従来の検討では、非急性期PCIの6例に1例は不適切、"rarely appropriate"として分類され、リスクを上回るベネフィット無しの例である。

米国では、2011年、National Cardiovascular Data Registry’s CathPCI registry (NCDR CathPCI) によりPCI適正パフォーマンス情報提供がなされるようになった。

さらに、
ACCF/SCAI/STS/AATS/AHA/ASNC/HFSA/SCCT 2012 Appropriate Use Criteria for Coronary Revascularization Focused Update A Report of the American College of Cardiology Foundation Appropriate Use Criteria Task Force, Society for Cardiovascular Angiography and Interventions, Society of Thoracic Surgeons, American Association for Thoracic Surgery, American Heart Association, American Society of Nuclear Cardiology, and the Society of Cardiovascular Computed Tomography
http://content.onlinejacc.org/article.aspx?articleid=1201161



そういうPCI適正に関するトレンドの中で、米国国内の包括的調査はなされておらず、今回その報告。

2009年以降、明らかに非急性期PCIの量的減少、不適正比率減少した



Appropriate Use Criteria for Coronary Revascularization and Trends in Utilization, Patient Selection, and Appropriateness of Percutaneous Coronary Intervention
Nihar R. Desai,  et. al.
JAMA. Published online November 09, 2015. doi:10.1001/jama.2015.13764



急性期、非急性期PCI比率/病院レベルでの不適正適応









適正、不適正、不明PCI比率の推移




2015年11月9日月曜日

SOCRATES-REDUCEDランダム化トライアル EF低下慢性心不全 可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤 Vericiguat PII研究


a soluble guanylate cyclase stimulatorまたはsGCモジュレーター・・・Vericiguat

用量設定を含む、pII研究








Nitric oxide signaling pathway. NO indicates nitric oxide; sGC, soluble guanylate cyclase; GTP, Guanine triphosphate; cGMP, cyclic Guanine monophosphate; PDE, phosphodiesterase; PKG, protein kinase G.








Effect of Vericiguat, a Soluble Guanylate Cyclase Stimulator, on Natriuretic Peptide Levels in Patients With Worsening Chronic Heart Failure and Reduced Ejection Fraction
The SOCRATES-REDUCED Randomized Trial
Mihai Gheorghiade, et. al. ; for the SOCRATES-REDUCED Investigators and Coordinators
JAMA. Published online November 08, 2015. doi:10.1001/jama.2015.15734



全体で、351名研究完遂

一次解析にて、ベースラインから12週目のLog変換NT-proBNP値変化はvericiguat群と、プラシーボに有意差を認めず 
Vericiguat群: Log変換 ベースライン 7.969; 12 週, 7.567; 差, −0.402; 幾何平均: ベースライン, 2890 pg/mL; 12週 1932 pg/mL)
プラシーボ群: ベースライン, 8.283; 12 週, 8.002; 差, −0.280; 幾何平均: ベースライン, 3955 pg/mL; 12 週, 2988 pg/mL) (平均差, −0.122; 90% CI, −0.32 〜 0.07; 幾何平均比率 , 0.885, 90% CI, 0.73-1.08; P = .15)




探査的二次解析にて、vericiguat量とNT-proBNP値減少程度とに量依存関係を示唆 (P < .02)。

副作用比率は、プラシーボ 77.2%、vericiguat 10mg群 71.4%





どういう設定に持ってくるかが・・・課題



PAD間欠性跛行ランダム化トライアル:血管内再建+指導下運動療法は指導下運動療法に比べ歩行距離延長

Uptodateをみると、薬物療法は2つに分けてあり、リスク修正薬剤と症状改善薬剤に分類されている。前者に抗血小板剤、アスピリン、クロピドグレル、Vlrapaxa、後者にシロスタゾール、Naftidrofurylである。製薬メーカーはこれをごまかしてまるでシロスタゾールだけがPAD薬剤であるかのごとき宣伝を見聞きした。そして、副作用から考えるとNaftidrofuryl効果不十分の時にシロスタゾールを使用するよう記述。


非薬物療法として、supervised vs unsupervised exercise、運動処方、禁煙、他のリスク修正介入などが記載されている。


血行再建には経皮的、手術的再建法があるが、新刊の局在・広がり、患者リスクにより適正判断が必要。TASC IIなどガイドラインでは、Type Aにおいてendovascular therapy選択、Type Dでは、手術療法など、適応に関してはいろいろ考慮事項あるようだ。



で、


間欠性跛行を有する症例への、血管内再建術+supervised exercise(併用治療群)と、supervised ecerciseの比較ランダム研究

プライマリアウトカムは12ヶ月後の最大トレッドミル歩行距離



Endovascular Revascularization and Supervised Exercise for Peripheral Artery Disease and Intermittent Claudication
A Randomized Clinical Trial
Farzin Fakhry,  et. al.
JAMA. 2015;314(18):1936-1944. doi:10.1001/jama.2015.14851.



血管内再建+supervised exercise (併用治療群) は、supervised exercise群と比較し、最大歩行距離は有意改善  (  264 m →1501 m:1237 m改善) vs supervised exercise only group (285 m → 1240 m :955 m改善) (群間差平均, 282 m; 99% CI, 60-505 m) 、無痛歩行距離 ( 117 m → 1237 m: 1120 m vs  135 m → 847 m :712 m改善) (mean difference, 408 m; 99% CI, 195-622 m)


同様に、疾患特異的 VascuQol score改善 (併用治療群 1.34 [99% CI, 1.04-1.64] in the combination therapy group vs 運動単独群 0.73 [99% CI, 0.43-1.03]  ; 群間差平均, 0.62 [99% CI, 0.20-1.03]) 、SF-36 physical functioningスコア (22.4 [99% CI, 16.3-28.5] vs 12.6 [99% CI, 6.3-18.9; 群間差平均 9.8 [99% CI, 1.4-18.2])


physical role functioning、SF-36ドメイン、全般健康自覚指標において有意差認めず




2015年11月6日金曜日

変形性膝関節症:コンドロイチン硫酸+グルコサミン塩酸 有効って・・・

変形性関節症に対して、コンドロイチン硫酸(CS)+グルコサミン塩酸(GH)の有効性安全性が話題になってたらしい

MOVES研究では、セレコキシブとの比較で、6ヶ月後疼痛・拘縮・機能制限、関節腫脹・液貯留の要素で非劣性。重篤な副作用無く、知見に意味がある報告とも解釈される。

ただ、プラシーボを用いてない非劣性証明は、 Long-term Evaluation of Glucosamine Sulfate (LEGS) studyについて言及していない。
すなわち、臨床症状について有意差が認められなかった。


2つの知見から、CS+GHの有効性を語るのは時期尚早と私は思うのだが・・・
;全面的に同じ意見じゃないけど・・・同様趣旨と思われる解説あり

プラシーボ対照で、2年間で関節裂隙狭小化 0.1mm予防

Glucosamine and chondroitin for knee osteoarthritis: a double-blind randomised placebo-controlled clinical trial evaluating single and combination regimens
Marlene Fransen, et. al.

1日1回以下ランダム化

  • glucosamine sulfate 1500 mg (n=152)
  • chondroitin sulfate 800 mg (n=151)
  • both dietary supplements (n=151)
  • matching placebo capsules (n=151)
介入2年後関節空隙狭小化:joint space narrowing (JSN)の減少、僅か0.1mm(95% CI 0.002 mm to 0.20 mm)有意差を持って示された。疼痛効果は群間差認めず





二重盲検:Multicentre Osteoarthritis interVEntion trial with SYSADOA (MOVES)


Combined chondroitin sulfate and glucosamine for painful knee osteoarthritis: a multicentre, randomised, double-blind, non-inferiority trial versus celecoxib


Marc C Hochberg, et. al.,  on behalf of the MOVES Investigation Group
Ann Rheum Dis doi:10.1136/annrheumdis-2014-206792


コンドロイチン硫酸:CS 400 mg CS + グルコサミン:GH 500 mg×3/日
vs
セレコキシブ 200mg ×1/日

プライマリアウトカムは、ベースラインから6ヶ月間でのWOMAC(Western Ontario and McMaster osteoarthritis index ) 疼痛平均減少。セカンダリアウトカムはWOMAC疼痛平均減少機能、stiffness、疼痛VAS、関節腫脹/液の存在、レスキュー薬剤消費。
Rheumatology Clinical TrialsとOsteoarthritis Research Society International (OMERACT-OARSI) criteria 、 EuroQoL-5Dのアウトカム測定





WOMAC疼痛スコア補正平均差(95%CI)は、CS+GH −185.7 (−200.3 to −171.1) (50.1% decrease) 、セレコキシブ −186.8 (−201.7 to −171.9) (50.2% decrease) 、非劣性マージン −40: −1.11 (−22.0 to 19.8; p=0.92)



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