いろんなところで解説が試みられている
e.g.) http://www.nikkei.com/article/DGXMZO79123750R31C14A0000000/
高齢者に於ける吸入コントローラ薬剤のアドヒアランスは流動性知能との相関性明らかでなく、わかりやすい指導やタスクによりある程度克服できるかも・・・という話
Health Literacy, Cognitive Function, Proper Use, and Adherence to Inhaled Asthma Controller Medications Among Older Adults With Asthma
Rachel O’Conor, et. al.
Chest. 2015;147(5):1307-1315. doi:10.1378/chest.14-0914
背景: 喘息を有する高齢者において、認知的スキルの程度により健康リテラシーと喘息関連薬剤使用の関連性が説明できると考えてきた。
研究方法: 8つの外来クリニック(プライマリケア、高齢外来、呼吸器、アレルギー、免疫)60歳以上の患者を構造化、個別インタビューを、 Asthma Beliefs and Literacy in the Elderly (ABLE) study (n = 425)の一環として登録。
薬物使用関連行動を検討、処方レジメンアドヒアランス、MDIテクニック、DPIテクニックを含めた検討。
健康リテラシーをShort Test of Functional Health Literacy in Adultsで調査。
認知機能評価は、fluid (working memory、 processing speed、 executive function) と crystallized (verbal) abilityで評価
結果: 被験者の年齢平均は68歳;ヒスパニック 40%、 非ヒスパニック黒人 30%
コントローラー薬剤へのアドヒアランスは、38%、DPI適切使用は 53%、 MDI適切使用は38%
多変量解析にて、リテラシー不足がコントローラー使用のアドヒアランス低下と関連 (OR、 2.3; 95% CI, 1.29-4.08) 、同様、DPI使用スキル不適正とも関連 (OR、 3.51; 95% CI、 1.81-6.83) 、 MDI使用スキル不適切さも同様 (OR, 1.64; 95% CI, 1.01-2.65)
Fluid and crystallized abilities :流動性知能と結晶性知能は医療行動に対して独立性相関を認めるが、このモデルにFluid abilitiesを加えると、リテラシーによる相関性は減少する
結論: 喘息高齢において、薬剤使用適正さをプロモートする介入は、“認知負荷という問題”や“セルフケアにおける最適でない状況のパフォーマンス”を克服するべく、タスクや患者の役割を単純化して行うべき
高齢者への吸入指導は、簡単に諦めてはならないと言うことか・・・