COPDにおける市中肺炎において、COPD無しの場合の市中肺炎と、炎症性パターンが異なるか、検討。
・入院日において、COPD基礎疾患あると、TNF-α、IL-1、IL-6は有意に低値
・IL-6低濃度は吸入ステロイド患者のみ
・入院時TNF-αは、COLD基礎疾患患者で低値「これらの炎症反応の違いは、臨床経過に決定的役割を果たしていそうも無いが、早期炎症反応の違いが示された。その意義に関して相関性を前向きに考慮する必要がある」と筆者等の考察。
Systemic Inflammatory Pattern of Patients With Community-Acquired Pneumonia With and Without COPD
Chest. 2013; 143(4):1009-1017. doi:10.1378/chest.12-1684
背景: 市中肺炎(CAP)を有するCOPDの役割を臨床研究で評価。全身性炎症反応を、CAP+COPDと、COPDなし(CAP only)で比較
方法: 367名の臨床的、微生物学的、免疫学的データを367名の入院から前向き3年間集積。比較分析を行った(CAP+COPD n=117, CAP only n= 250)、吸入ステロイド使用、経口ステロイド治療有無で解析
結果: 臨床的重症度・予後(入院時、30日、90日時点での死亡率)の詳細特性は、両群同様。
再入院・肺炎既往頻度は、CAP+COPD群で、高い。
入院日(day 1)において、CAP+COPD患者は、CAP-onlyに比べ、血中TNF-α、IL-1、IL-6濃度は有意に低く、 残りの臨床マーカー(CRP、 IL-8、 IL-10)はday 1 、day 3で同様。
ICSと経口ステロイドの在宅使用患者除外後、CAP+COPD患者で、day 1のTNF-α低値。
IL-6の低濃度は、ICS使用COPD患者でのみ見られた。
結論: 後顧的研究で、CAP患者において、COPD有無患者間で、疾患特異的早期炎症マーカーパターンの差が示された。これらの所見は、勧善にステロイド介入によるもののみとも言いがたい。