2020年1月8日水曜日

さようなら 肺年齢

もれなく肺年齢が付いてくるスパイロメトリがある


これってありがたくもない、迷惑な存在


一般の方々に肺の健康ならびに呼吸器疾患の予防と治療の重要性を認識して頂く」ことが目的らしいが、
そもそもスパイロメトリによるスクリーニング検査に関しては USPSTFはじめあらゆる日本国外の公的表明はその効用に関して否定的なスタンスである


「肺年齢」の説明は実地診療上困難を極めていた。患者側のインパクトはあるようで、印刷物を横目で見て「私は90歳超ですかぁ・・・」と落胆した反応をされることも多い。

COPD患者では、FEV1量予測比とFEV1/FVCとの関連の説明をあらためて行わなければならないなど臨床の足手まといに過ぎない


“肺年齢に関するステートメント”が公表されている
  • 1秒量を推定する回帰式の特性から、健常者の約半数において「肺年齢」が実年齢よりも高くなること
  • 同年齢の健常者でも1秒量の測定値にはばらつきがあり
  • 許容すべき年齢範囲が考慮されていないこと


2014年のLMS法によるスパイログラム新基準値をもとに、従来の「肺年齢」に代わる「新肺年齢」コンセプトを導入する必要性があることは認めるものの、現時点で使用されている機器への修正はきわめて困難と思われる。
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余計なこと無いことしないでほしい


初めてのマラソンのためのトレーニングで血管は4歳若返る

健常者が初めてのマラソンのためのトレーニングすることで、既知心血管疾患リスクの加齢関連aortic stiffeningの可逆性につながる

ロンドンマラソンのためsuperviseなしの6ヶ月間トレーニング後、大動脈の2つのレベルの心MRIでの伸展性改善が観られた:近位上行大動脈 (average 9% increase from baseline, P=0.009)、横隔膜レベル下行大動脈 (16% increase, P=0.002)

この効果は、血管伸展性量的評価として4年間の若返りを意味している



Training for a First-Time Marathon Reverses Age-Related Aortic Stiffening
Anish N. Bhuva, et al.
Journal of the American College of Cardiology Volume 75, Issue 1, January 2020
DOI: 10.1016/j.jacc.2019.10.045
http://www.onlinejacc.org/content/75/1/60


背景:加齢はaortic stiffeningを増加させ、健康な人でも心血管リスクの原因となる。aortic stiffeningはsupervise付きのトレーニングプログラムによって軽減するが、これは容易に一般化できない。

目的:この研究の目的は、初めてのマラソンの real-world exercise trainingが加齢に伴う大動脈硬化を改善できるかどうかを判断すること。

方法:ロンドンマラソンでは、訓練を受けていない健康な人が6か月間の訓練を受けた。トレーニング前およびマラソン後2週間の評価には、心血管磁気共鳴拡張性を使用した中枢(大動脈)血圧および大動脈硬化が含まれていた。生物学的な「大動脈年齢」は、ベースラインの chronological age-stiffnessとの関連から計算された。stiffnessの変化は、肺動脈分岐部(Ao-P)および横隔膜(Ao-D)で上行大動脈(Ao-A)および下行大動脈で評価された。データは平均変化(95%信頼区間[CI])

結果:合計138人の初回マラソン完走者(21〜69歳、49%の男性)で評価され、推定トレーニングスケジュールは週6〜13マイルでした。

 ベースラインで、 chronological aging10年分はAo-A、Ao-P、Ao-Dのdsitensibility減少と相関:それぞれ 2.3、1.9、3.1 x 10-3(p <0.05 for all)
 トレーニングで、収縮期・拡張期(大動脈)血圧は それぞれ 4 mm Hg (95% CI: 2.8 to 5.5 mm Hg) 、 3 mm Hg (95% CI: 1.6 to 3.5 mm Hg)減少
 下行大動脈distensibilityは増加する (Ao-P: 9%; p = 0.009; Ao-D: 16%; p = 0.002),も、Ao-Aは不変
血管年齢(aortic age)翻訳後、Ao-P、Ao-Dは各々 3.9 歳(95% CI: 1.1 to 7.6 歳)、 4.0 歳 (95% CI: 1.7 to 8.0 歳) 若返り

高齢者ほど、よりゆっくりとしたタイムほど効果は大きい(p <0.05 for all)

<0 .05="" ao-d="" hg="" mm="" o-p="" p=""> 結論:比較的低い運動強度でもマラソンをトレーニングして完了すると、中枢血圧と大動脈の硬直が減少します。これは、血管年齢が約4年低下することに相当します。高齢の遅い人では、より大きな若返りが観察されました。





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マラソンに興味無い人たちからの批判もあるのは重々承知のうえだが、制限時間ゆっくりしたマラソン大会の存在意義ありそう



マラソンというのは別の病気につながる。即ち、それは、依存性で、2−3回参加すると次の大会にまたエントリーしないとむずむずするという病気に陥るというのはよく聞くことである




私自身は、フルマラソン7回目へのトレーニング中である

supplement tainting :サプリメント汚染 男性不妊への亜鉛・葉酸は効果無し

多くの製剤は、精子数と運動性から性欲と活力に至るまでの生殖能力に対する利点を主張しているが、米国食品医薬品局は市販後まで栄養補助食品を評価することを許可されておらず、安全性と有効性が証明されていない製品の大部分が規制されていない業界に貢献していることになる。さらに、医薬品のサプリメント汚染(supplement tainting )は、特に「性的増強」のマーケッティングなど顕著。その中で、男性の生殖能力のためのほとんどのサプリメントには、葉酸と亜鉛が含まれている



ここでは「男性不妊」への亜鉛、葉酸の効果否定の報告

という序文から分かるとおり、ある種の警告的意味も・・・




Effect of Folic Acid and Zinc Supplementation in Men on Semen Quality and Live Birth Among Couples Undergoing Infertility Treatment
A Randomized Clinical Trial
Enrique F. Schisterman, et al.
JAMA. 2020;323(1):35-48. doi:10.1001/jama.2019.18714
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2758450









Yahooがひどいが・・・ 変な広告の多い事よ



こういうタイトルを垂れ流すマスメディアよ
男性の守り神「亜鉛」 正しくとれてる?
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO11728740W7A110C1000000/




動物実験では、亜鉛投与で急性肺障害抑制の可能性

Zinc supplementation ameliorates lung injury by reducing neutrophil recruitment and activity
https://thorax.bmj.com/content/early/2020/01/08/thoraxjnl-2019-213357
こういうのも、臨床治験を経なきゃ真価分からない

noteへ実験的移行

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