Optical frequency domain imaging (OFDI)、Swept Source OCTとも言われるシステム
OFDI(Optical Frequency-Domain Imaging)
2008 年11 月、マサチューセッツ総合病院の研究者らが、Optical Frequency-domain
Imaging(OFDI:光周波数領域画像技術)と呼ばれる技術を使って、ヒト冠状動脈内の細部を画像化する試みに成功したことが発表された。この技術では、患者の冠状動脈内のさ
まざまな場所の微細形状を3D 画像化し、炎症部位や血小板沈降部位を目で確認することができるという。OFDI は光コヒーレンストモグラフィ(OCT)13と呼ばれる技術を基にして開発されたが、光コヒーレンストモグラフィが1 度に一ヵ所の組織しか検査できないのと比べ、OFDI では1,000 以上の異なる場所を同時に検査することができる。OFDI では、光ファイバ製のプローブが利用される。このプローブの中では、恒常的に回転を続けるレーザーチップが、絶え間なく波長の変化する光線を放射する。プローブが画像化対象となる部位を通過する際に、放射されたそれぞれの波長がどのように反射して戻ってくるかを測定することにより、詳細な微細画像を生成するために必要なデータが素早く取得される。
OFDI では、データの取得速度が上がったことにより、動脈内微細構造の3D 画像を数秒間で取得できるだけでなく、血液による信号干渉も改善されるという。血液による影響は、これまで光コヒーレンストモグラフィ技術における問題点であった。
http://www.nedo.go.jp/content/100105656.pdf
Volumetric Optical Frequency Domain Imaging of Pulmonary Pathology With Precise Correlation to Histopathology
Lida P. Hariri, et. al.
CHEST. 2013;143(1):64-74. doi:10.1378/chest.11-2797
Optical frequency domain imaging (OFDI)は組織微小構造に近い状態を描出できるので、診断正確性を増すことが出来る。
肺がん診断において、顕微鏡スケールの肺病変を評価するための解像度が必要だったが、従来のレントゲン・気管支鏡所見ではなかなか困難だった。
in vivoによる評価が気管支鏡OFDIで可能となっていたが、未だ、組織学的な相関性が明らかで無かった。
22のex vivo肺試料で、中心気道と肺実質2つのアプローチで評価
正常気道のOFDIでは、上皮・固有層・軟骨・肺胞attachmentの視覚化可能
がんでは、構造的な乱れ、正常気道・肺胞構造の喪失、急激な光学的減衰が見られた。
扁平上皮がんでは、巣性の構造が示された。
異常腺構造が腺癌で見られ、唾液腺性のがんでは均一なさく状腺構造がみられた。
間質性線維化がsignal-dense組織として視覚化され、軽度間質性線維疾患での間質分布やびまん性の胸膜下パターンで、UIPでは嚢胞スペース形成を示した。
“がん”だけで無く、気道系病変、限局的肺病変、びまん性肺病変、血管性病変に応用出来そう。
独創性はないが、金だけはある研究者にとって、福音ですな