2013年1月11日金曜日

米国FDA : 田辺三菱創薬のSGLT阻害剤カナグリフロジン 同系統薬として初めて承認

SGLT2阻害剤 ヤンセンからのcanagliflozin (Invokana)(田辺三菱創製)のFDA助言委員会承認


http://www.fda.gov/AdvisoryCommittees/Calendar/ucm331503.htm
http://www.fda.gov/downloads/AdvisoryCommittees/CommitteesMeetingMaterials/Drugs/EndocrinologicandMetabolicDrugsAdvisoryCommittee/UCM334551.pdf


インスリンのメカニズムに無関係の新しいメカニズムで、この種の薬剤として初めて上市される。他のSGLT2阻害剤であるdapaglifozinは、乳がん・膀胱癌リスクで否決された。
(ヨーロッパでは承認:http://www.astrazeneca.com/Media/Press-releases/Article/20121114--forxiga-eu-approval-type-2-diabetes



9つのpII、pIIIトライアルで、300mg、100mgベースで有意にプラシーボより減少、アマリール・ジャヌビアに対し非劣性が示された。

LDLコレステロール、早期心血管イベント、卒中への安全性に関して疑念は明らかにされてない。



http://www.medpagetoday.com/Washington-Watch/FDAGeneral/36802


日本国内承認も間近らしい、第一三共と提携して販売とのこと
http://www.yakuji.co.jp/entry25772.html

DPP4阻害剤との合剤うんぬんという噂も・・・

多岐にわたるビスフェノール有害性 ・・・ 小児腎障害への影響も・・・

のろまな厚労省・・・調査及び対策はまだ?

ビスフェノールAについてのQ&A
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kigu/topics/080707-1.html
このQ&A記載H22年改訂後も、様々な疫学調査結果が累積されてる。
日本国政府は、この有害性に関する情報をそのまま知らぬ存ぜぬで、済ますつもりなのだろうか?


他の環境ゴロ運動と混同してる人もいるようだが、レフリーのある一定の評価有る雑誌に掲載されている、ビスフェノールAの有害性報告。 


Bisphenol A exposure is associated with low-grade urinary albumin excretion in children of the United States
Kidney International , (9 January 2013) | doi:10.1038/ki.2012.422


尿中ビスフェノール A :Urinary bisphenol A (BPA)はBPAの暴露バイオマーカー
中国成人では検査値上の心代謝系問題と関連し、軽度アルブミン尿と関連報告
さらに、子供での大人にはない化学物質環境的暴露への脆弱性が知られてるが、子供での尿中BPAとアルブミン尿との関連性検討はない。

BPA暴露は米国内住民でも広がってるおり、National Health and Nutrition Examination Survey  2009-2010の710名のデータを検討、尿中BPA測定、Crを含む初回の朝尿サンプル
社会住民統計・環境リスク要素、インスリン抵抗、コレステロール高値を広く補正したところ、尿中BPA最小4分位に比べ、最高4分位では、有意にアルブミン/Cr比 0.91 mg/g高値(尿中BPA濃度補正後)

多変量因子モデルでBPA連続変数再構成したところ、アルブミン/Cr比 0.28 mg/g増加毎、尿中BPAのlog unit増加を認めた。

低レベルアルブミン尿と相関するBPA暴露の関連性は、以前の中国人の成人研究と一致した結果で、米国内子供での記載とも一致する結果である。

この結果で、血管内皮機能障害に起因する軽度アルブミン尿を含むBPAの悪影響の範囲を広げ、有害暴露予防のための努力すべきということが示された。



出生前BPA暴露:子供の行動に影響を与えている? 男女で異なる行動異常 H24/04/28
http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/04/bpa.html


肥満・過体重子供に蓄積する尿中ビスフェノールA 健康への懸念 H24/09/19
http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/09/a.html


尿中ビスフェノールA濃度と、冠動脈疾患に相関 h24/02/29
http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/02/blog-post_7371.html


缶入りスープとビスフェノールA暴露b 2011年 11月 24日
http://intmed.exblog.jp/14061907/


衛生仮説:トリクロサン高濃度ほど小児のアレルギー疾患増加、成人ではBPAによる免疫系へ影響? 2010年 11月 29日
http://intmed.exblog.jp/11633850/

乳がん抗がん剤治験:薬剤有利な結果なら副作用を目立たせず、薬剤不利な結果なら良いところをあえて表記・・・ バイアスだらけの報告

乳がんのトライアルに限らず、そうだと思う。

・ 薬剤有利なプライマリアウトカム認めた場合 → なるべく目立つよう要約にも表記+毒性表記はなるべく目立たぬよう表記

・ 薬剤有利なプライマリアウトカム認めない場合 → セカンダリアウトカムで薬剤有利な部分を要約表記





Bias in reporting of end points of efficacy and toxicity in randomized, clinical trials for women with breast cancer
Ann Oncol (2013) doi: 10.1093/annonc/mds636 First published online: January 9, 2013

乳がんにおける1995-2011年までのRCTを調査し、 primary end point (PE) と毒性の報告の品質評価を行った

164のトライアルにて、バイアスは、PE報告で33%、毒性報告で67%

PEに関しては、実験群により都合の良い有意差報告の時のみ、要約に表記する傾向がある。
ネガティブなPEの場合の92トライアル中59%では。実験群に有利なセカンダリアウトカムを持ち出している。

Grade3、4毒性頻度を表記したのはわずか32%

薬剤有利なPEの場合、毒性報告少ない。



いわずもがない、これこれこういう論文があるではなく、それがどのようなプライマリアウトカムで、どのように目隠しされ、判定はどこで行われ、信頼 区間でどの程度の差があり、絶対的リスク減少率はどの程度で有り、NNTはどれほどか、そしてそれが臨床的最小意義を上回るものなのかを吟味する必要があ る。

抗がん剤などは死亡率がプライマリアウトカムだからまだしも、その他の分野では、ある薬剤で臨床検査値が優秀だったとかのセカンダリエンドポイントで宣伝している方が多い、この世の中。

誤診多いパーキンソン病診断:下口唇唾液腺生検による異常たんぱく検出が役立つ?

Adler C, et al "Salivary gland biopsy as a diagnostic test for Parkinson's disease" AAN 2013.

AANって、事前のPress Releaseが盛ん・・・
 http://www.aan.com/press/index.cfm?fuseaction=release.view&release=1130


パーキンソン病の15名、罹病平均12年間 平均68歳で、パーキンソン病治療を認めた症例で、唾液腺疾患既往ない患者を対象。

2つの異なる唾液腺から生検、より下顎からと、下口唇小唾液腺から採取。
異常パーキンソン蛋白の存在を検討

下顎唾液腺 からの4例では十分な検討に値するサンプル採取出来ず、11例中9例で、異常パーキンソン蛋白を認めた。

さらに検討すべきだが、下口唇標本が下顎唾液腺より蛋白検出率高い可能性がでてきた。
侵襲的な治療、手術や遺伝子治療などの場合、パーキンソン病の存在を確認するためには有意義かもしれない

早期パーキンソン病では、30%ほどの誤診率が考えられている。客観的検査所見の存在は診断正確性を増すため役立つ。






Mayo Clinic News :Medical and Scientific News and Stories about Mayo Clinic
http://newsblog.mayoclinic.org/2013/01/10/a-saliva-gland-test-for-parkinsons-disease/


異常たんぱくって、α-synuclein、DJ-1(Brain (2011) doi: 10.1093/brain/awr015 First published online: February 24, 201)


OFDI画像システムは正確に肺病変を描出できる

Optical frequency domain imaging (OFDI)、Swept Source OCTとも言われるシステム

OFDI(Optical Frequency-Domain Imaging)
2008 年11 月、マサチューセッツ総合病院の研究者らが、Optical Frequency-domain
Imaging(OFDI:光周波数領域画像技術)と呼ばれる技術を使って、ヒト冠状動脈内の細部を画像化する試みに成功したことが発表された。この技術では、患者の冠状動脈内のさ
まざまな場所の微細形状を3D 画像化し、炎症部位や血小板沈降部位を目で確認することができるという。OFDI は光コヒーレンストモグラフィ(OCT)13と呼ばれる技術を基にして開発されたが、光コヒーレンストモグラフィが1 度に一ヵ所の組織しか検査できないのと比べ、OFDI では1,000 以上の異なる場所を同時に検査することができる。OFDI では、光ファイバ製のプローブが利用される。このプローブの中では、恒常的に回転を続けるレーザーチップが、絶え間なく波長の変化する光線を放射する。プローブが画像化対象となる部位を通過する際に、放射されたそれぞれの波長がどのように反射して戻ってくるかを測定することにより、詳細な微細画像を生成するために必要なデータが素早く取得される。
OFDI では、データの取得速度が上がったことにより、動脈内微細構造の3D 画像を数秒間で取得できるだけでなく、血液による信号干渉も改善されるという。血液による影響は、これまで光コヒーレンストモグラフィ技術における問題点であった。
http://www.nedo.go.jp/content/100105656.pdf


 Volumetric Optical Frequency Domain Imaging of Pulmonary Pathology With Precise Correlation to Histopathology
Lida P. Hariri, et. al.
CHEST. 2013;143(1):64-74. doi:10.1378/chest.11-2797


Optical frequency domain imaging (OFDI)は組織微小構造に近い状態を描出できるので、診断正確性を増すことが出来る。
肺がん診断において、顕微鏡スケールの肺病変を評価するための解像度が必要だったが、従来のレントゲン・気管支鏡所見ではなかなか困難だった。

in vivoによる評価が気管支鏡OFDIで可能となっていたが、未だ、組織学的な相関性が明らかで無かった。

22のex vivo肺試料で、中心気道と肺実質2つのアプローチで評価

正常気道のOFDIでは、上皮・固有層・軟骨・肺胞attachmentの視覚化可能
がんでは、構造的な乱れ、正常気道・肺胞構造の喪失、急激な光学的減衰が見られた。
扁平上皮がんでは、巣性の構造が示された。
異常腺構造が腺癌で見られ、唾液腺性のがんでは均一なさく状腺構造がみられた。
間質性線維化がsignal-dense組織として視覚化され、軽度間質性線維疾患での間質分布やびまん性の胸膜下パターンで、UIPでは嚢胞スペース形成を示した。

“がん”だけで無く、気道系病変、限局的肺病変、びまん性肺病変、血管性病変に応用出来そう。

独創性はないが、金だけはある研究者にとって、福音ですな

noteへ実験的移行

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