全ての年齢層で血管イベント減少効果はある
問題は、75歳以上の一次予防・・・というのが結論か?
Efficacy and safety of statin therapy in older people: A meta-analysis of individual participant data from 28 randomized controlled trials
The Lancet — Armitage J, et al. | February 04, 2019
Open AccessPublished:February 02, 2019DOI:https://doi.org/10.1016/S0140-6736(18)31942-1
【背景】スタチン治療は広い対象において重大血管イベント及び血管原因死亡減少をもたらすことが示されているが、高齢者に於ける有効性安全性については不明確。
大規模スタチントライアルからのデータメタアナリシスで異なる年齢でスタチン治療の有効性比較
【研究方法】 このメタアナリシスでは、2年以上の期間1千名以上登録予定のスタチン治療のランダム化トライアル
スタチン治療 vs 対照の22トライアル(n=134,537)の個別データと強化治療 vs 非強化スタチン治療の1つのトライアルと詳細サマリーデータ(n=12 705)解析+強化治療 vs 非強化治療比較の5つのトライアル(n=39 612)の個別データ
6つの年齢群(55歳以下、56-60歳、61-65歳、66-70歳、71−75歳、75歳超)に分けた
LDL 1.0 mmol/L減少毎の 重大血管イベント(ie, 重大冠動脈イベント、卒中、冠動脈再建)、原因別死亡率、がん発生率への影響推定
(訳註:LDLコレステロール LDL LDL Cholesterol mg/dL x0.02586 mmol/L)
2群以上の群の場合2群傾向比較heterogeneity検証のため標準χ2検定を利用し年齢群毎比例リスク減少比較
【結果】ランダム施行時 186 854被検者中 14 483(8%)が75歳超、フォローアップ中央値 4.9年間。
全体的に、スタチン強化以上の治療レジメン以上はLDL 1.0 mmol/L減少毎重大血管イベント 21%減少 (RR 0.79, 95% CI, 0.77 - 0.81)
重大血管イベント減少は全ての年齢群で観察される。
重大結果にベント比例減少は年齢とともに軽度元素府、この傾向は統計学的に有意ではない (ptrend=0·06)
全体的に、スタチン強化治療以上では、LDL 1.0 mmol/L減少毎 冠動脈疾患比例減少率 24% (RR 0.76, 95% CI, 0.73 - 0.79)で、年齢増加毎重大冠動脈イベントの比例減少率小さくなる傾向がある(p = 0.009)
スタチン強化治療以上では、LDL 1.0 mmol/L減少毎 冠動脈再建術施行25%比例減少 (RR 0.75, 95% CI, 0.73 - 0.78)、之は年齢群横断的差は有意ではない (ptrend=0·6)
同様に、全ての病型を含む卒中の比例リスク減少(RR 0.84, 95% CI, 0.80 - 0.89)も年齢群横断的差は有意でない (p trend =0.7)
心不全・人頭石施行のみ登録の(効果性認めない)4トライアル除外後、重大冠動脈イベントに関して年齢増加毎比例リスク減少軽減傾向あり(ptrende = 0.01)、重大血管イベントでは有意差認めず (ptrend = 0.3)
年齢群で変化せず、事前血管疾患存在患者でも重大血管イベントの比例的減少は同様だが、血管疾患の知られてないより若年年齢群に比べても高齢年齢群では効果より少ないI(ptrede = 0.05)
、LDL 1.0 mmol/L減少毎 血管イベント死亡比例減少率 12%(RR 0.88 , 95% CI, 0.85-0.91)で、高齢者においてその比例減少より小規模となる傾向 (ptrend=0.004)、だが、心不全・透析トライアル除外後はその傾向は維持できず(p=0.2)
スタチン治療は、非血管性死亡率、がん死、がん発生率に対しては効果認めず
【結論】
スタチン治療は重大血管イベントに関しては年齢にかかわらず有意な減少効果を示すが、75歳超患者では、閉塞性血管疾患のエビデンスを有さない場合、ベネフィット直接エビデンス減少。今後この限界に関して将来トライアル検討
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この研究の前の証拠
このメタアナリシスの前は、高齢者におけるスタチン療法の効果に関する無作為化試験から得られた証拠は、公表された報告からの集計データのメタアナリシスでしか要約されていなかった。 1996年1月1日から2017年12月31日までの間に発行された英語の出版物をMEDLINE、Embase、およびPubMedで検索し、検索用語「statins OR HMG CoA還元酵素阻害剤」および「Elderly OR Aged」を使用して検索しました。高齢者(一般に65歳以上と定義される)の間で効力の相反する評価を用いた分析。個々の参加者データへのアクセスの欠如のために、これらの以前のメタアナリシスのいずれも、一次予防および二次予防における特定の高齢者グループ(例えば、> 75歳)内のスタチンの効果を調べることができなかった。我々は以前に年齢によるスタチンの効果のメタ分析を報告したが、これらの分析は範囲が制限されており、年配の個人を含むいくつかの大規模な無作為化試験が発表されてから報告されている。
この研究の付加価値
27件のランダム化比較試験(n = 174 149)からの個々の参加者データと1件の試験(n = 12 705)からの詳細な要約データを分析した。 4・9年間の追跡調査の間、75歳以上の14,483人の参加者を含む、1.0mmol / LのLDLコレステロールの減少あたり約5分の1まで、すべての年齢層の間で主要な血管事象はスタチン療法によって有意に減少した。ランダム化高齢のグループは心不全および透析試験(スタチン療法による全体的な利益を示さなかった)で過度に代表され、それらの試験を除外すると血管イベントおよび死亡率転帰における相対リスクの減少が減少する傾向が見られた。すべての年齢層(無作為化で75歳以上のものを含む)で主要冠動脈イベントの有意な減少が見られたが、心不全および透析試験を除外した後でも、年齢の増加とともにより小さい相対的減少の傾向は持続した。しかし、これらの事件の絶対的リスクは高齢者でより高かったので、絶対的な利益はより若くてもそうではないにしても、類似していました。以前の血管疾患を有する参加者の間で年齢に関係なく有意な有効性が観察されたが、一次予防設定では年齢の増加と共に相対リスクの減少がより小さくなる傾向があった。 。以前の懸念にもかかわらず、我々はどの年齢層においても癌または非血管死亡率に悪影響を及ぼさなかった。
利用可能なすべての証拠の意味
スタチンは年齢に関係なく、75歳以上の人々を含む血管イベントを減少させました。一次予防の設定では、75歳以上の人々の間では、スタチン療法の効果の証拠はほとんどありません。進行中の試験はこのグループを直接調査しています。