LABA/LAMA併用時心血管疾患合併の評価と、対処法としてのβ遮断の重要性示唆
Combining Dual Bronchodilation and β-Blockade in Patients With an Overlap Between COPD and Cardiovascular Diseases
CHEST Vol. 153, No 6, 1289-1291
DOI: https://doi.org/10.1016/j.chest.2018.01.032
COPD患者に於ける長時間作用性気管支拡張剤の開発により有益な薬剤が出現し、スピオルト出現以降臨床研究も様々報告があったとは言え、心血管イベントに関わる循環器系薬剤に比べ重度アウトカムの有益性検討十分とは言えない。長時間作用性β2刺激薬(LABA)と長時間作用性ムスカリニック拮抗剤(LAMA)はその組み合わせで各々の単剤よりより大きな気管支拡張作用が得られる。ただ心臓への影響の可能性が示唆され、LABAまたはLAMAの新規使用により治療開始後30日内にCVDリスクが1.5倍増加する報告がある。
COPDと心血管疾患(CVD)の合併も多く、危惧されるところであるが、LABA/LAMA併用で、air-trapping減弱し、心臓への拡張機能障害改善をもたらす可能性もある。
long-acting muscarinic antagonist (LAMA)/long-acting β2-agonist (LABA) fixed-dose combinations (FDCs)メタアナリシス (CHEST 2016Volume 149, Issue 5, Pages 1181–1196)では安定期COPD治療で優れた心血管安全性特性が示され、単剤に比べCVリスク保護作用を示唆。
心房細動刺激を防ぐため、慢性虚血性心疾患、高血圧症、特に心不全を有するCOPD患者ではβ遮断剤が魅力的オプションとなる。血中アドレナリンはG蛋白-coupled receptor kinase(GRK2)介在リン酸化にて、β2-arrestin結合・受容体intermalizationをもたらす。これの抑制にβ遮断薬が有用。
実際、β2agonistとβ1blockerの同時投与が心リモデリングへ影響(Br J Pharmacol. 2015 Jul;172(14):3627-37.)。インダカテロールとメトプロロール併用はHFラットの高速サイズを縮小、心拍・血圧低下、駆出率低下改善、左室収縮期・拡張期内径の減少、 β1-AR mRNA expression減少、cardiac cyclic AMP 値低下、 GRK2 expression減少、カテコラミン値、ANP、BNP、collagen I mRNA値低下
これらの知見は、β1-AR活性化により心筋細胞肥大、アポトーシス、心筋壊死、心筋リモデリング活性を心不全早期に生じるためクリティカルな話である
”カルベジロール” の禁忌:気管支喘息・・・
故に、メインテート(その後発)しか使えない
2018年6月7日木曜日
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