2015年5月20日水曜日

特発性肺線維症:肺機能低下してもピレスパなど治療継続すべき?

私は個人的には特発性肺線維症と診断後積極的に治療を勧める方だが、FVC低下し続ける症例に対してやはりネガティブな気分になることがある


ATSの報告をみると、そういう考えは良くないのかもしれない・・・



FVC減少していく場合でも特発性肺線維症治療継続しましょう
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ATS/51613


NathanらのASCENDCAPACITY研究  1247名、ピルフェニドン 34名、プラーボグン 68名で、治療開始6ヶ月間にFVC10%以上低下した症例に注目したデータ解析


ピルフェニドン群患者のうち、58.8%がFVC減少なし
プラシーボ群では 38.2% (p=0.059)

on-treatment解析結果も同様。ピルフェニドン群1例、プラシーボ群15例でFVC10%以上減少もしくは死亡で、相対的差 83.3% (p=0.032)




電子タバコは咳反射を抑制;気道感染症リスク増加の可能性

ATS2015 

E-Cig(電子タバコ)の蒸気は咳嗽反射感度を有意に減少
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/ATS/51600


カプサイシン咳嗽暴露試験での閾値C5(咳嗽5回誘発)評価にて、LogC5 ベースライン 0.5〜暴露後15分にて、0.79へ増加


元々咳嗽メカニズムは気道感染防御的機能、電子タバコが感染防御機能を低下させている証。



ただ、24時間後は、C5 0.55とベースライン近くに戻る




急性坐骨神経痛への経口ステロイド機能改善効果、だが疼痛抑制効果認めず

椎間板ヘルニアによる急性坐骨神経痛へ短期経口ステロイドが機能面への効果が示された。しかし、疼痛への効果は認めてない。


鎮痛剤との比較なされてない、何故なされてないか疑問という意見も・・・。
疼痛への効果と運動障害への効果に解離が見られることの意味合いは議論が必要。




腰部椎間板ヘルニアによる急性坐骨神経痛への経口ステロイド投与

ランダム化二重盲検プラシーボ対照臨床トライアル

2008年から2013年、大規模集約的医療提供システム(北カリフォルニア)
3ヶ月以下の根性疼痛を有する、Oswestry Disability Index (ODI) スコア30以上(レンジ, 0-100; スコア高値ほど機能障害高度 )成人(n=269)、MRIにてヘルニア病変評価した269名成人



Oral Steroids for Acute Radiculopathy Due to a Herniated Lumbar Disk
A Randomized Clinical Trial
Harley Goldberg,  et. al.
JAMA. 2015;313(19):1915-1923. doi:10.1001/jama.2015.4468.


介入:経口ステロイド15日間、60mg×5日間→40mg×5日間→20mg×5日間、累積総投与量 600mg、 n=181) or マッチングプラシーボ

主要アウトカム: プライマリアウトカムは、3週後ODI変化量、セカンダリアウトカムは1年後ODI変化量、下肢疼痛変化(0-10スケール;数値大ほど疼痛悪化)、 Short Form 36 Health Survey (SF-36) Physical Component Summary (PCS) 、Mental Component Summary (MCS) scores (0-100 scale; higher scores better)


ベースライン及び3週め平均ODIはそれぞれ
プレドニゾン群 51.2、32.2
プラシーボ群 51.2、 37.5

プレドニゾン治療群は補正平均としてODIスコア 3週間後 プラシーボより 補正平均 6.4ポイント (95% CI, 1.9-10.9; P =  0.006) 改善、 52週後 補正平均 7.4ポイント (95% CI, 2.2-12.5; P =  0.005) 改善、有意差有り


疼痛スケールに関して、プラシーボと比較して、プレドニン群では、3週間後 補正平均 0.3ポイント減少 (95% CI, −0.4 to 1 0.0; P = .34)、 52週後 0.6ポイント減少t (95% CI, −0.2 to 1.3; P = .15)で、有意差無し


SF-36PCSスコアに関して、3週後補正平均3.3ポイント改善(95% CI, 1.3-5.2; P =  0.001) 、52週後有意差無し(mean, 2.5; 95% CI, −0.3 to 5.4; P =  0.08)

SF-36MCSスコアに関して、3週後補正平均差認めず (mean, 2.2; 95% CI, −0.4 to 4.8; P = .10)、52週後3.6ポイント改善t (95% CI, 0.6-6.7; P =  0.02)


52週後手術率に差を認めない

3週めの副事象1イベント異常はプレドニゾロン群で多い (49.2% vs 23.9%; P <  0.001)




Scores on the Oswestry Disability Index and Pain Numerical Rating Scale

noteへ実験的移行

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