2013年8月17日土曜日

糖尿病患者:キノロン使用時血糖異常

台湾での住民ベース発端者コホート(2006年1月から2007年11月)

レボフロキサシン、シプロフロキサシン、モキシフロキサシン(アベロックス)、セファロスポリン、マクロライド経口薬剤新規使用者


ほかのレスピラトリー・キノロン全般に注意が必要だが、特に、アベロックスに注意が必要で、インスリン併用時特に注意必要。


Risk of Severe Dysglycemia Among Diabetic Patients Receiving Levofloxacin, Ciprofloxacin, or Moxifloxacin in Taiwan
Clin Infect Dis. (2013) doi: 10.1093/cid/cit439 First published online: August 14, 2013

78,433名抗生剤服用糖尿病患者

1000人あたりの高血糖絶対リスク
・モキシフロキサシン 6.9
・マクロライド 1.6


1000人あたりの低血糖リスク
・モキシフロキサシン 10
・マクロライド 3.7


マクロライドと比較した補正オッズ比(AORs)と95%信頼区間(CIs)
高血糖に関して
レボフロキサシン 1.75 (1.12–2.73)
シプロキサシン 1.87 (1.20–2.93)
モキシフロキサシン 2.48 (1.50–4.12)
低血糖に関して
レボフロキサシン 1.79 (1.33–2.42)
シプロキサシン 1.46 (1.07–2.00)
モキシフロキサシン 2.13 (1.44–3.14)


モキシフロキサシン服用患者が、シプロフロキサシン服用者より、リスク優位に高い。


低血糖リスクの有意増加は、モキシフロキサシンとインスリン併用でみられる (AOR, 2.28; 95% CI, 1.22–4.24)




Mediterranean DietとGlycaemic Index考慮食事は糖尿病発症を予防させる

単にカロリーだけでなく、食事内容を問題とする「Mediterranean dietとグリセミック指数 Glycemic Index ( GI )(参考) 」。これらが糖尿病発症予防にどれほどのインパクトを持つか・・・コホートを利用した研究。



"Mediterranean diet and glycaemic load in relation to incidence of type 2 diabetes: results from the Greek cohort of the population-based European prospective investigation into cancer and nutrition (EPIC)
Rossi M, et al
Diabetologia 2013; DOI: 10.1007/s00125-013-3013-y.(pdf)

実は、糖尿病予防のための食事の役割はわかっていない。この研究は、2つの食事内容、Mediterranean dietとGlycaemic load(GL)アドヒアランスと糖尿病発症との関連性研究

ギリシャのコホート(European Prospective Investigation into Cancer and Nutrition :EPC)、22,295名(アクティブ・フォローアップ 中央値 11.34年間、 2型糖尿病発症 2,330例)


10ポイントMediterranean Dietスコア(MDS)高値は、糖尿病リスクと逆相関
(MDS6点以上 vs MDS6点以下比較 ハザード比 0.88 [95% CI, 0.78-0.99] )

Glycaemic Load(GL)は糖尿病発症と正相関(HR 1.21 [95% CI, 1.04-1.40])



有意な糖尿病発症抑制に関し、20%ほど高Mediterranean Dietスコアと低Glycaemic Loadが役割を果たす。 





糖を多く摂取すると競争力低下・・・領地・子孫など獲得不能

 ヒトでも通常考えられるレベルの糖成分の多い食事・水分摂取での検討なので動物実験だが説得力がある。糖を多くとると、競争力低下し、テリトリーも子孫獲得にも悪影響がでる。

ヒトでは、毎日3回ソーダを飲むことに匹敵する状況の全部の25%まで高フルクトース・コーンシロップに糖類を混合した糖食をマウスにあたえ、対照は健康食と考える餌・全粒麦ベース餌投与の比較。
高フルクトース・ブドウ糖混合物投与マウスではテリトリー・リソース・仲間のためたたかなければならない半自然な囲い込みを入手する。一方、メスでは、高糖含有食マウスでは、死亡率2倍、子孫形成減少を示す。
一方、高糖含有食オスでは、健康食オスに比べ、テリトリーを保持できず、囲い込み領域を保持できず、1・4しか子孫を残せない。いとこレベル交配でも同様インパクト。


Human-relevant levels of added sugar consump tion increase female mortality and lower male fitness in mice
James S. Ruff,  et. al.
Nature Communications 4, Article number: 2245 doi:10.1038/ncomms3245Received 23 December 2012 Accepted 05 July 2013 Published 13 August 2013

糖を加えた食事はここ数十年増加し、この状況は、無数の疾患と関連している。 げっ歯類モデルで典型的ヒト通常量を超えた場合の毒性メカニズムが明らかになっている。
比較的少ないレベルでも、糖を加えることは、マウスの生存、競争能力、生殖へ確実なnegative effectがある。 
 Organismal Performance Assay、すなわち、ヒト投与に相当する量の糖添加(フルクトース・ブドウ糖混合物を25% kcal、フルクトースコーンシロップ高用量モデル)投与マウス vs 対照マウスで、半自然なテリトリー・リソース・仲間の囲い込みで、フルクトース・ブドウ糖餌のメス・マウスは2倍の死亡率増加。そして、フルクトース・ブドウ糖餌のオス・マウス対照に比べ、テリトリー26%少なく、子孫25%減少となる。

これらの所見から、糖をあまりすくなくすると、ほ乳類の健康へ悪影響を与えることとなると考えられる。フルクトース・ブドウ糖餌マウスの臨床的障害はブドウ糖クリアランスの低下、空腹時コレステロールの増加である。臨床的異常はマイナーだが、生理学的副事象が示唆される。


Organismal Performance Assayは有望なテクニックで、toxicantのネガティブな影響をunmaskする方法である。

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