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2022年1月14日金曜日

サルコペニア:早期介入の意義 or 過剰診断 (昔、懐かしいパワーリハという言葉を思い出した)

 日本という東アジアの一地域のごく一部でしか通用しない”ロコモティブシンドローム”という概念があるらしい(ロコモティブ症候群 - Wikipedia)が・・・(一昔前、パワーリハとかいうパテントまみれの行政を巻き込みかけた(巻き込んだ)利権に群がる活動の変形版だと私は思っている 参考:パワーリハビリ反対!!! : 内科開業医のお勉強日記 (exblog.jp):懐かしいなぁ)


" Sarcopeni:サルコペニア"はよりユニバーサルな概念で、国際疾病分類(ICD-10-CM、ICD-11へ引き継ぎ中)でコードを与えられているが、それでも色々議論はある。


Sarcopenia: early prevention or overdiagnosis?
BMJ 2022; 376 doi: https://doi.org/10.1136/bmj-2019-052592 (Published 13 January 2022)
Cite this as: BMJ 2022;376:e052592

  • 臨床背景-サルコペニアは、加齢に伴う筋肉量と機能の低下と定義され、罹患率と死亡率の上昇に関連しています。高齢者の増加に伴い、この疾患や治療法に関する関心が高まっている。
  • 診断の変化-サルコペニアは、1989年に、高齢になるにつれて除脂肪体重が減少する現象として初めて報告されました。1997年に疾患としてのサルコペニアが提唱された。2010年から2014年にかけて、6つのコンセンサス定義により、身体機能の評価へと焦点が変更されました。2016年、サルコペニアは国際疾病分類(ICD-10-CM)でコードM62.84を付与された
  • 変更の理由-サルコペニアの専門家グループは、ICD-10の診断があれば、疾患に対する認識と認知度が高まり、資金提供者やスポンサーが研究資源を配分することを促進し、新しい治療法の開発を支援できると主張した。
  • 飛躍的な進歩-サルコペニアの早期発見と治療により、罹患率と死亡率が減少し、QOLが向上する。
  • 有病率への影響:サルコペニアの最も一般的な定義に基づくと、60~70歳では5~13%、80歳以上では11~50%と推定されます。2050年までの世界的な有病率は20億人に達する可能性がある。
  • 過剰診断の証拠-サルコペニアのスクリーニングに関する研究を含む現在の文献では、過剰診断のリスクは明確に考慮されていません。今のところ、治療は一般的な健康上の推奨と変わらないため、過剰診断は避けられない。
  • 過剰診断による害-サルコペニアと診断されることによって、人々がどのような影響を受けるかについて調査した研究はない。間接的な証拠によると、罹患率や死亡率のリスクを高めるような診断名を付けられることは、心理的な負担になることが示されている。
  • エビデンスの限界-サルコペニアの診断が予後を改善することは示されていない。サルコペニアの治療が、運動や食事に関する一般的な推奨事項よりも良い結果をもたらすことは示されていない。さらに、性別や地域の調整を含む現在の診断カットオフポイントは恣意的であり、妥当性が確認されていない。加齢に伴う筋肉量の減少を正常なものと病的なものとに区別することはできない。

2018年11月30日金曜日

血中Cr/シスタチンCはいくつかのCOPD特性と相関し、COPD入院予測因子として利用可能

Sarcopenia Index (SI) は新しい筋肉量推定法 血中クレアチニン/シスタチンC(主に筋肉にて産生される物質/有核細胞数全てで産生される物質)

A sarcopenia index based on serum creatinine and cystatin C cannot accurately detect either low muscle mass or sarcopenia in urban community-dwelling older people
Scientific Reportsvolume 8, Article number: 11534 (2018)
これを見ると腎機能正常という条件付きで、まあまあの指標という評価なのだが・・・




The Ratio Serum Creatinine/Serum Cystatin C (a Surrogate Marker of Muscle Mass) as a Predictor of Hospitalization in Chronic Obstructive Pulmonary Disease Outpatients
Respiration
https://doi.org/10.1159/000494296



目的: 安定COPD患者のサルコペニア指数(SI)を健康対照と比較、COPDオーバーラップ重要臨床特性との関連性定量化し、COPD重症度、入院予後予測に役立つか検討

方法:18名の健康対照と65名の安定COPD外来患者;前向きフォローアップ1年間

結果 COPD患者は対照に比べSI低値で筋肉量少ない。
さらにmMRC呼吸困難スコア 2以上、CAT 10以上患者、急性増悪リスク高い患者ではこれらの臨床特性の無い場合に比べSI低値
SIは、 FEV1 (r = 0.491, p < 0.001)、 6-min walking test (r = 0.560, p = 0.001)、Fat-Free Mass Index (r = 0.431, p = 0.017)と相関
単変量・多変量Cox比例リスク解析にて、低SIは有意にCOPD外来患者のその後1年間の入院の独立予測因子である r (HR 5.16, p = 0.025)

結論:血中Cr/シスタチンCはいくつかのCOPD特性と相関し、COPD入院予測因子として利用可能





他の指標


New Skeletal Muscle Mass Index in Diagnosis of Sarcopenia
J Bone Metab. 2018 Feb; 25(1): 15–21.


2018年3月13日火曜日

運動機能障害高齢者において、推奨量以上の蛋白摂取は不要

運動機能障害老人において、除脂肪体重維持のためには、蛋白摂取は必要量以上とる必要はない。腎障害など有害性も考慮必要となるだろう

(金の亡者)くそNHKなどメディアが変なあおりをするから誤解が広まる
高齢者こそ肉を?! ~見過ごされる高齢者の“栄養失調”~ http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3429/1.html


Effect of Protein Intake on Lean Body Mass in Functionally Limited Older Men
A Randomized Clinical Trial
Shalender Bhasin,  et al.
JAMA Intern Med. Published online March 12, 2018. doi:10.1001/jamainternmed.2018.0008

ランダム化2×2トライアル

92名の機能障害を有する92名
RDA(recommended dietary allowance)) 0.83 g/kg/d同等以下摂取

介入としては6ヶ月 間

  • 蛋白 0.8g /kg/d+プラシーボ
  • 蛋白 1.3/kg/d+プラシーボ
  • 蛋白 0.8g/kg/d+エナント酸テストステロン (100 mg/週)
  • 蛋白 1.3g/kg+テストステロン


プライマリ・アウトカム LBM(lean body mass)
セカンダリ・アウトカム 筋力、パワー、機能評価、健康関連QOL、affect balance、well-being


【結果】
92名の男性 平均年齢[SD] 73.0 [5.8]歳、4研究グループでベースライン特性同等


  • ベースラインからの変化は蛋白割り付け 0.8 vs 1.3 g/kg/dと同等
  • LBM (0.31 kg; 95% CI, −0.46 to 1.08 kg; P = .43)
  • 付属肢 (0.04 kg; 95% CI, −0.48 to 0.55 kg; P = .89) 
  • 体幹 (0.24 kg; 95% CI, −0.17 to 0.66 kg; P = .24) 
  • lean mass、筋力、パワー、筋力、パワー、歩行速度、階段登坂力、健康関連QOL、疲労、well-being

そして、テストステロン投与有無でも同等

 脂肪量は蛋白高摂取割り付け群で低下するも、RDA投与された群では不変、群間有意差あり -1.12 kg; 95% CI, -2.04 〜 -0.21 , p=0.02

【結論と知見】 身体機能制限のある高齢者において、推奨量内の蛋白摂取者と比較して、推奨量超過量の蛋白摂取では、除脂肪体重、筋パフォーマンス、身体機能、well-being指標、テストステロン増強的アナボリックス作用に増強作用無し


 LBM維持において蛋白推奨量で十分で、RDAはLBMのさらなる増加やテストステロン増強作用を認めない





図譜見ると、テストステロンというのは、歩行距離や負荷付き階段上りなどにとって無力・無効というのを改めて・・・ ボディビルの悪口ではないけど・・・



2017年9月2日土曜日

健康老人:寝る前のプロテイン摂取は骨格筋増強の可能性

あくまでも健康な老人だが、寝る前にプロテインを摂取するすると、蛋白同化的、特に筋線維蛋白合成促進的な可能性あり

 有意差が微妙だったり、副事象検討されてなかったりなので・・・慎重な解釈必要とは思うが・・・面白い提案だと思った


蛋白摂取しても蛋白同化鈍化することが加齢に於ける骨格筋量低下の一因と考えられるが、睡眠前のプロテイン摂取が同化作用抵抗への補正的効果あるか?


平均72歳(±1歳)の48名の高齢者に対するランダム化二重盲検平行群トライアル
睡眠前
40 g casein (PRO40)
20 g casein (PRO20)
20 g casein plus 1.5 g leucine (PRO20+LEU)
placebo

内在的 l-[1-13C]-フェニルアラニンと l-[1-13C]-ロイシン標識蛋白を静注的 l-[ring-2H5]-フェニルアラニンと l-[1-13C]-ロイシン注入による睡眠中同位体標識による蛋白質合成評価


Protein Ingestion before Sleep Increases Overnight Muscle Protein Synthesis Rates in Healthy Older Men: A Randomized Controlled Trial
Imre WK Kouw , et. al.
First published August 30, 2017, doi: 10.3945/​jn.117.254532
J. Nutr. jn254532
http://jn.nutrition.org/content/early/2017/08/30/jn.117.254532.abstract


蛋白摂取後内在的フェニルアラニン出現率は増加するも、PR20、PRO20+LEUにくらべPRO40の増加レベル大きい
 l-[ring-2H5]-フェニルアラニンに基づく、終夜筋線維たんぱく質合成率は、プラシーボ、PRO20、PRO20+LEU、PRO40でそれぞれ 033% ± 0.002%/h、0.037% ± 0.003%/h、0.039% ± 0.002%/h、0.044% ± 0.003%/h
 l-[1-13C]-ロイシン・トレーサーでも同様;プラシーボ 0.047% ± 0.004%/h、PRO40 0.058% ± 0.003%/h, P = 0.08
 蛋白由来アミノ酸( l-[1-13C]-フェニルアラニン)の筋線維蛋白へのとりこみはPRO20よりPRO40で増加  0.033 ± 0.002 vs 0.019 ± 0.002 (MPE, mole percent excess)






HPVワクチンをめぐる日本の"失われた8年"と、私たちが検証すべきこと

「子宮頸がんワクチン」という呼び方に、以前から違和感があります。 HPVワクチンが子宮頸がん予防に重要であることは間違いありません。日本では女子への定期接種として導入され、子宮頸がん予防を中心に説明されてきたため、この名称が広まった経緯も理解できます。 しかし、このワクチンが...