2014年1月9日木曜日

Inspire (TM) UAS治療:閉塞型無呼吸症候群への上気道刺激デバイス

閉塞型無呼吸症候群(OSA)における、標準治療であるnCPAPは、そのアドヒアランスが問題。

upper-airway stimulation device を植え込む治療法に関するトライアル
対照設定しないコホート研究

このトライアルのスポンサーである、Inspire Medical Systemsの upper-airway stimulation system

http://www.inspiresleep.com/inspire-system.php
 Inspire therapyは生理学的タイミングで軽度の刺激で舌下神経を刺激し、気道閉塞を予防するデバイス


Upper-Airway Stimulation for Obstructive Sleep Apnea
Patrick J. Strollo,  et. al.
for the STAR Trial Group
N Engl J Med 2014; 370:139-149January 9, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1308659

12ヶ月後の治療の有効性・安全性評価 
126名の中等症以上のOSA被験者(男性比率 83%、平均年齢 54.5歳、BMI 平均28.4 )
多施設前向き単一群コホートデザイン 
 
プライマリアウトカム:AHIとODI(4%以上低下)
12ヶ月後AHIスコア中央値 68%減少、29.3/H →9.0/H (P < 0.001)
ODI スコア70%減少  25.4/H →7.4/H (P < 0.001)

セカンダリアウトカム測定(EPS、FOSQ、酸素飽和度90%未満睡眠時間比率)により、睡眠時無呼吸の影響低下し、QOL改善が示された。

ランダム化phaseにおいて、治療維持群23名では、平均AHIスコアは、非ランダム化時の12ヶ月時点のスコアと有意差認めず(8.9 、 7.2イベント/H);治療断念群23名(すなわちより重症群)AHIスコアは有意に高値  (25.8 vs. 7.6 events per hour, P<0 .001="" br="">ODIの結果も同様。

治療関連重篤副事象は2%未満


CHiP研究:小児重症ICU患者:厳格血糖コントロールと通常コントロールで主要臨床アウトカム差認めず、でも、コスト軽減あり

小児重症ICU患者で、厳格血糖目標管理は重大な臨床的アウトカムに影響を与えないという結論だが・・・結果を見ると、コストでは厳格コントロール群の方が良好なのだが・・・


A Randomized Trial of Hyperglycemic Control in Pediatric Intensive Care
Duncan Macrae, et. al.
for the CHiP Investigators
N Engl J Med 2014; 370:107-118January 9, 2014
DOI: 10.1056/NEJMoa1302564


【背景】 重篤な小児高血糖tight control のためインスリン注を行うべきか、不明。

【方法】 16歳以下の小児ICU、12時間以内人工呼吸必要・昇圧剤必要見込み
・tight 血糖コントロール:目標 72-126 mg/dL
・通常血糖コントロール:目標 216 mg/dL未満

プライマリアウトカムは、ランダム化後30日での生存日数と人工呼吸無使用
難治例除外心臓手術後主要事前層別サブグループ解析
病院及び地域医療サービスのコストも評価

【結果】 イギリス13センター総数1369名をランダム化:tight血糖コントロール 694、通常コントロール 675:60%は心臓手術

30日目生存日数・人工呼吸不要・群間差平均は、0.36日 (95% 信頼区間l [CI], −0.42 to 1.14);  サブグループ毎の差影響認めず

重度低血糖( < 36 mg/dL)は、tight コントロール群で、通常コントロール群より多い(7.3% vs 1.5% p < 0.001)

平均12ヶ月間コストは、tightコントロール群で低コスト、心臓手術後のサブグループに限っては12ヶ月間コストは同等。心臓手術外ではtightコントロール群が通常群より13120米ドル少ない  (95% CI, −$24,682 to −$1,559)


【結論】この多施設ランダム化トライアルでは、重度小児疾患ICU患者において厳格血糖コントロールは主要臨床的アウトカムに影響を与えず、低血糖については厳格コントロールで発生頻度多い。
(Funded by the National Institute for Health Research, Health Technology Assessment Program, U.K. National Health Service; CHiP Current Controlled Trials number, ISRCTN61735247.)

石器時代:糖類豊富なナッツ類採取から虫歯は広がった

peanut or tree nut (P/TN) allergyの疾病率増加しているがその原因は不明。

妊娠前後の豆類摂取が、その子供のアレルギー発症に関わるという話がある。


Prospective Study of Peripregnancy Consumption of Peanuts or Tree Nuts by Mothers and the Risk of Peanut or Tree Nut Allergy in Their Offspring
A. Lindsay Frazier,  et. al.,
JAMA Pediatr. Published online December 23, 2013. doi:10.1001/jamapediatrics.2013.4139


これは現代の話だが、ナッツ類と人間の関わりは古く、starchy plant(糖類豊富な食物)としてのナッツ類は、人間の口腔内細菌叢に変化をもたらし、虫歯などを生じさせた。


Earliest evidence for caries and exploitation of starchy plant foods in Pleistocene hunter-gatherers from Morocco
Louise T. Humphreya, et. al.
PNAS  doi: 10.1073/pnas.1318176111


 時代を大幅にさかのぼって考えると、栽培・畜産へ人類がその技術を獲得すると共に、発酵盛んな栽培食品が多くなり、虫歯の原因ともなっている。狩猟・採取食品から、栽培食物への移行が口腔微生物成分を変容させた。

 更新世(Pleistocene)時代の北アフリカでの虫歯高率原因となる野生食物が虫歯高頻度と結びつく。モロッコのGrotte des Pigeonの洞窟遺跡で、中石器時代から後の石器時代(luberomarurusian)で、Maghrebとして知られる埋葬がなされていたことが見いだされている。
 Macrobotanical残存物、食物残留物に、職業の痕跡があり、BP(年代測定)1万5千年から1万3千500年のことで、システマティックに、ドングリや松の実など野生植物採取・処理を行ってる。口腔病理検討によると、この時代に現代の先進国と同様の虫歯有病率を有し、51.2%というもの。発酵性糖質と、口腔内細菌叢病的変化は、この野生植物採取・加工との関わり合いで出現した。


noteへ実験的移行

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