2013年6月18日火曜日

高齢・運動不活発者:食後ウォーキングで、より効果的な食後血糖減少効果

高齢者や運動不活発な対象者で、中等度強度歩行を朝行うのと、食後行う場合には24時間血糖コントロール改善する。歩行しないベースラインの日に比べ、朝もしくは食後3METS運動は、有意に血糖コントロールを改善する。

食後ウォーイングのほうが朝のウォーキング、午後のウォーキングより有意に食後3時間の血糖低下させる。


Three 15-min Bouts of Moderate Postmeal Walking Significantly Improves 24-h Glycemic Control in Older People at Risk for Impaired Glucose Tolerance
Published online before print June 11, 2013, doi: 10.2337/dc13-0084 
Diabetes Care June 11, 2013 

運動不活発な老人(60歳以上)の被験者(n=10)
非喫煙、BMI < 35 、FBS 105-125mg/dL
ランダム順にン道プロトコールを4週間毎に施行 
どのプロトコールもwhole-room calorimeter48時間stay構成
1)食後15分、45分間の持続歩行
2)am 10:30
3)pm  4:30
3METS強度のウォーキング 
CGMで48時間のinterstitial gluclose concetratioを記録

朝の持続歩行 127 ± 23 vs 118 ± 14 mg/dL
食後歩行 128 ± 24 vs 116 ± 13 mg/dL
ともに対照日比較で24時間血糖コントロール有意改善 
さらに食後歩行は、朝の持続的歩行あるいは午後のそれよりより、対照あるいは被検日の間の食後3時間後血糖低下という意味で効果的 
高齢者において、食後高血糖コントロール目的にの場合、食後ウォーキングを間欠的に行う方が有効

4年間レッドミート摂取量1日0.5サービング増加で2型糖尿病リスク5割増し、 レッドミート減少で2割減少

red meat :レッドミート 

http://www.fitday.com/fitness-articles/nutrition/healthy-eating/white-meat-vs-red-meat.html
white meatは、red meatと逆で軽い食事という印象で主に豚肉由来の薄い色の部分の肉のことであり、豚の暗い部分の肉との区別に使う。学術的に使うのはどうかと思われ、文化面、時代、地域によってそのとらえ方が違う。一般に「ウサギ肉」・「鶏肉」をwhite meatと呼ぶ。マトンやビーフなどの大型ほ乳類の肉由来をred meatと呼び、グースやダックもred meatと考えられていることからややこしい。white meatの重大な鑑別点は脂肪含有が少ないと考えられているところだが、変わりないという話も・・・学術的にレッドミートなんて使って良いのだろうか?

レッドミート摂取量4年間増加すると、その後の4年間の2型糖尿病発症リスク5割増し
逆に、減少すると、2割弱リスク減少。


Changes in Red Meat Consumption and Subsequent Risk of Type 2 Diabetes Mellitus
Three Cohorts of US Men and Women
JAMA Intern Med. 2013;():1-8. doi:10.1001/jamainternmed.2013.6633.

重要性 レッドミート摂取量は、2型糖尿病のリスク増加と関連。しかし、レッドミート摂取の変更によりその後の2型糖尿病リスクが関連するかは不明。
目的 レッドミート消費量4年間の変化と、その後4年間の2型糖尿病の関連性評価(米国成人)
デザイン・セッティング 米国男女3つの前向きコホート研究
被験者 Health Professionals Follow-up Study (1986-2006 )男性 26 357 、 Nurses' Health Study (1986-2006) 女性 48 709 、 Nurses' Health Study II (1991-2007) 女性74 077 名
食事は有効食事回数アンケート評価し、各4年毎アップデート
時間依存Cox比例ハザード回帰モデルで、年齢・華族令・人種・婚姻情愛・初回レッドミート消費量・喫煙状態・他のライフスタイル要素(運動、アルコール、総エネルギー摂取、食事の質)で補正。コホート横断的結果を、逆変数加重、fixed-effectメタアナリシスによりpool化
主要アウトカム・測定 2型糖尿病発症例を追加アンケートで評価
結果 フォローアップ1,965,824人年中、2型糖尿病発症7540
多変量補正モデルにおいて、4年間のレッドミート摂取増加は、それぞれのコホートのその後の4年間の2型糖尿病リスク増加と関連 (all P < .001 for trend)
レッドミート摂取不変を参照群とする比較では、レッドミート1日あたり0.5サービング増加毎 その後4年間のリスク48%増加と関連(pooled ハザード比 1.48 ;95%CI、1.37-1.59)
初回BMI補正、同時体重増加補正後は、そのリスク増加は減衰  (1.30; 95% CI, 1.21-1.41)
レッドミート摂取 1日あたり0.50サービング超減少だと、その後の2型糖尿病 14%減少(pooled ハザード非, 0.86; 95% CI, 0.80-0.93)
結論・新知見: 年ごとのレッドミート摂取量増加は、その後の2型糖尿病リスク増加と相関、一部は体重増加が寄与。
この結果、年数毎レッドミート増加制限が2型糖尿病予防にベネフィットを与えるものと思われる。

AMA評議会:BMI定義による肥満定義否定 肥満は公衆衛生上問題であり疾患ではない →結局は「肥満は病気へ」

American Medical Association (AMA) council は、肥満を定義しがたく、診断しがたく、全てが疾患ではないとした報告を行った。
解説記事:http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/AMA/39918

シカゴで開かれた、年次会議 AMA’s policy-making House of Delegates での議論
「肥満は疾患と認識して良いか?」
http://www.ama-assn.org/assets/meeting/2013a/a13-addendum-refcomm-d.pdf


BMIを代理指標や肥満としてすることがstand-alone過ぎる。肥満を疾患と呼ぶことは、予防努力をおろそかにすることにつながり、治療へインパクトも限られているという主張。

この部分・・・
"Without a single, clear, authoritative, and widely accepted definition of disease, it is difficult to determine conclusively whether or not obesity is a medical disease state" the council told the AMA's policy-making House of Delegates. "Similarly, a sensitive and clinically practical diagnostic indicator of obesity remains elusive."

「単一性、明快性、権威化、受け入れ可能性のない診断定義となってしまう恐れがあり、肥満の有無だけで結論的に医学的疾患状態と判断するのは困難」「同様に、感度のある臨床実地的診断指標に関しては未だ見いだされてない」と評議会が米国医師連盟政策米国下院へ述べている。
 という訳で良いのだろうか?

唐突な感じだが・・・ BMI指標による肥満診断の否定

今回のAMAポリシーは、肥満を公衆衛生的重大問題としているが、疾患名と呼ぶのをやめようというもの

”肥満=疾患”支持者たちは当然ながらこの報告に反対。AAFPやAACEは、多代謝性、内分泌疾患であるエビデンスを主張。肥満を疾患と呼ばない評議会支持報告は、糖分摂取を増加させ、運動を減らし、肥満率を増加させるもの。一方肥満を疾患とすれば、雇用者は肥満者を特殊考慮するはず。

肥満だから有害性・合併症を経験するとは言いがたい、肥満は疾患定義の一部とはなりえると、AMA公衆衛生評議員メンバー Ilse Levin, DO(American Society of Addiction Medicine)は述べている。

肥満の疾患定義化は治療管理上実際の変化はさほどもたらさないと述べている。

「支払い側は、肥満を重大な医療事象と判断し、メディケアも減量手術をカバーしている。BMI 40を超えるとさすがに障害があり、疾患と呼ぶべきであろう」


【追記】

AMA House vs AMA Council on Science and Public Health


Houseとは総会になるのだろうか?
総会での投票で、評議会の意見とは異なり、「肥満は単なる病態ではなく、疾患」となったようだ。60%の承認で、 「Council on Science and Public Health」の推奨に反対の決議。

AMA House Votes Against Council, Calls Obesity a Disease
http://www.medpagetoday.com/MeetingCoverage/AMA/39952


こういう意見がAMA評議会から出たことは興味深い。
肥満症というのが病気なのか、病気の前提の病態なのか議論が必要なことは確かだ。

低脂肪・低GI食で、アルツハイマー病関連物質減少 ・・・食事介入と認知症発症リスクの関連性明らかに

Low dietと称する 低脂肪、低炭水化物食は、Lipid-depleted βアミロイドペプチドの濃度を変化させることが小さな臨床トライアルで認め荒れた。このことで、食事ライフスタイルがアルツハイマー病のリスクに影響を与えることの説明となり得る。
Low diet4週間で、lipid-depleted 42-merβアミロイド(AG42) log 0.34減少。


家族性ではない、散発性アルツハイマー病(AD)は、βアミロイド(Aβ)ペプチドのbreakdown productのクリアランス減少が原因で、Lipid-depleted アポリポ蛋白は、Aβに結合/クリアする場合無効。LD Aβペプチドはニューロンにとってより毒性の可能性がある。しかし、これら蛋白のヒト脳脊髄液中脂質特性については未知 であった。



アポリポ蛋白とAβペプチドの脳内lipidation特性は、APOE genotypeと認知診断に伴い変化する。これらの濃度は食事で影響される。

この発見は、アポリポ蛋白E4や不健康食がアルツハイマー病リスクへ影響を与える可能性を示唆する。


Effect of Apolipoprotein E Genotype and Diet on Apolipoprotein E Lipidation and Amyloid Peptides
Randomized Clinical Trial
JAMA Neurol. 2013;():1-9. doi:10.1001/jamaneurol.2013.396.

VAMC(在郷軍人メディカルセンター)、20名の正常認知機能(平均 {SD}、60[7]歳)、27名の物忘れMCI(67 [6]歳)

以下ランダム化割り付け
・高飽和脂肪酸含有、高Glycemic index (High diet ; 飽和脂肪酸のカロリー25%超を含むカロリー中45%脂肪食、 炭水化物 35-40%、平均GI値>70、 蛋白 15%-20%)
・低飽和脂肪酸含有量、低GI食(Low diet; 飽和脂肪酸7%未満の総カロリー25%未満の脂肪食、炭水化物 55%-60%、平均GI値<55、蛋白 15%-20%)

主要アウトカム・測定: 脳脊髄液中 Lipid-depleted Aβ42 and Aβ40 と apolipoprotein E
正常認知機能成人と比べ、MCI成人では、LD Aβのベースラインレベル高値  (LD Aβ42, P = .05; LD Aβ40, P = .01)
この結果は、LDアポリポ蛋白高値である、MCI成人、ε4 allele では、認知症診断とより強い関連  (P < .001)
Low dietは、LD Aβ濃度減少 するが、High dietはこれらの区分リポ蛋白を増加する (LD Aβ42, P = .01; LD Aβ40, P = .15)

Low Dietに伴うLD Aβ濃度は、インスリンの脳脊髄液中濃度変化と逆相関する   (LD Aβ42 and insulin, r = −0.68 [P = .01]; LD Aβ40 and insulin, r = −0.78 [P = .002])

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