2014年3月31日月曜日

胸痛患者心筋梗塞:高感度cTnT 陰性的中率ほぼ100%

高感度トロポニンT(TnT hs)の、rule-in、 rule-out、 observational zone分析 http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/08/tnt-hsrule-in-rule-out-observational.html

・・・という以前の報告


高感度心臓トロポニン(hs-cTnT) 5ng/L、虚血性所見のCGなら、ED受診の心筋梗塞 除外可能か?


胸痛訴えで、hs-cTnT解析1回でも行った患者を検討



Undetectable High Sensitivity Cardiac Troponin T Level in the Emergency Department and Risk of Myocardial Infarction
Nadia Bandstein, et. al.
J Am Coll Cardiol. 2014;():. doi:10.1016/j.jacc.2014.03.017
初回 hs-cTnT < 5 ng/L未満の8907名(61%)、 5 - 14 ng/L 21%、 >14 ng/L 18%を含む、14,636名検討。

フォローアップ30日間において、検出不応レベル hs-cTnT患者39名(0.44%)で心筋梗塞、15名(0.17%)で、虚血性ECG変化を有さない。


hs-cTnT非検出及び心電図変化無しの場合の、30日内心筋梗塞に関する陰性的中率:negative predictive valueは   99.8% (95% 信頼区間 (CI) 99.7-99.9)


死亡に関する、 negative predictive value は 100% (95% CI 99.9-100)



宣伝サイト:
http://www.cubet.com/douou/syouroku/110121sinkinkousokutotoroponin.pdf 


PPV、NPVに関しては → http://www.medcalc.org/calc/diagnostic_test.php


COPD頻拍問題:高感度心筋troponin T (cTnT) と急性増悪死亡率との相関
2011年 08月 30日

ソマトスタチン系薬剤・パソレオチド:クッシング病に対し、不十分コントロールでも、血圧・体重・腹囲・脂質特性など改善効果

パシレオチド(pasireotide,)は「独特で広範なソマトスタチン受容体結合プロファイルを有し,ソマトスタチン受容体サブタイプ 5 に対する結合親和性が高い薬剤



クッシング病治療用量2種類の二重盲験ランダム化pIIIトライアル

尿中コルチゾール値低下しない不十分コントロールでも、血圧・体重・腹囲・脂質特性など改善効果


Pasireotide treatment significantly improves clinical signs and symptoms in patients with Cushing's disease: results from a Phase III study
Rosario Pivonello et. al. ; on behalf of the Pasireotide B2305 Study Group
Clin Endocrinol 2014; DOI: 10.1111/cen.12431.
Article first published online: 27 MAR 2014
DOI: 10.1111/cen.12431


尿中遊離コルチゾール:UFTを正常上限1.5倍以上維持している、持続・再発性あるいは、de novo Cushing病患者


3ヶ月時点で、 UFC ULN2倍以下の患者と、ベースライン値を超えない場合にランダム化時点の投与量を継続 ; その他は 300 μg bid uptitration。
6ヶ月後時点で、12ヶ月目までオープンラベル6名患者(最大投与量1200μg bid)
12ヶ月超治療継続での高血圧所見・症状変化や測定値をUFTコントロールに対応する形で評価。


完全UFTコントロールに至らない場合でも血圧減少し、降圧治療してない患者でその効果が大きい。
UFTコントロール到達患者では、総コレステロール・LDLコレステロール減少著明有意。


完全UFTコントロール出ない場合でも、BMI、体重、ウェスト径減少


副作用は、高血糖関連イベント72.8%で報告。 

CORP2: 再発性心外膜炎:コルヒチン追加治療効果

多数回再発患者の心外膜炎再発コルヒチンを追加することで、その後の再発減少させる。

北部イタリア4つの一般病院対施設二重盲験
240名登録、120名ずつ割り付け(プラシーボ vs コルヒチン 70kg超の場合 0.5mg×2回 6ヶ月、70kg以下 0.5mg1回)+通常抗炎症治療(アスピリン、イブプロフェン、インドメタシン)



"Efficacy and safety of colchicine for treatment of multiple recurrences of pericarditis (CORP-2): A multicenter, double-blind, placebo-controlled, randomised trial"  
Imazio M, et al.
Lancet 2014; DOI: 10.1016/S0140-6736(13)62709-9.

コルヒチン群vsプラシーボ群の再発比率  26 (21·6%) / 120 vs 51 (42·5%) / 120 (relative risk 0·49; 95% CI 0·24—0·65; p=0·0009; number needed to treat 5)


副作用・中止率は、両群同様。再頻度副作用は胃腸不耐(コルヒチン群 9 vs プラシーボ群 9)、肝毒性(3 vs 1)。重篤副作用無し。


CORPトライアル: コルヒチン 再発性心膜炎予防トライアル 2011年 08月 31日

2014年3月29日土曜日

アンジオテンシンII type2 遮断剤・アゴニストは果たしてどう働くか?

“AII受容体はAT1とAT2の2つがあり、AIIの大部分はAT1に結合して上記のような作用を発現する”。そのうち、AT1受容体アンタゴニスト、すなわち、サルタン系(sartans)は、高血圧・糖尿病腎症・うっ血性心不全に対し薬物的に用いられる。



一方、アンジオテンシンII受容体 type2、 angiotensin II receptor type 2 (AT2)は、血圧作用無く、商品開発上も無視され続けてきた。




As drug target reemerges, the question is to block or stimulate it
Cassandra Willyard
Nature Medicine 20, 222 (2014) doi:10.1038/nm0314-222
Published online 04 March 2014


アンギオテンシンII




EMA401というAT2結合物質は阻害的作用で、帯状疱疹ウィルスによる遷延神経障害改善示唆。ヘルペス後疼痛治療への期待。


逆に、AT2アゴニストの開発、心発作・卒中後外傷ご受容体増加し、組織修復機転の可能性有り
LP2-3は、AT2アゴニストで、胎児慢性肺疾患マウスモデル肺障害に対する防御効果発表。Compound 21 (C21)と呼ばれる物質はラット脊髄損傷モデルでの修復回復報告。Vicore社は肺線維症治療に焦点を当ててる。

AT2受容体に対して、日本の三菱田辺は、MP-157とよばれるアゴニスト開発。p1トライアル検証中。
C21のようなアゴニストは血管拡張性に働くが、血圧効果を示すものでもない。しかも、雄動物モデルでの研究で、雌ではAT2受容体が多く、性差効果に差の出る可能性がある。

ATII type 1 受容体遮断時の影響もあり、type 2薬剤が働く作用に関して未だ不明。


心房細動患者管理ガイドライン 2014 AHA/ACC/HRS

新規薬剤である、プラダキサ(ダビガトラン)、イグザレルト(リバロキサバン)、エリキュース(アピキサバン) が現在ワルファリンと共に、非弁膜症性心房細動患者・卒中・TIA及びそれらリスク高い場合用いられている。新規薬剤間比較 のエビデンスは現時点で存在しない。故に、薬剤コスト、冠者耐用性、好み、薬剤の潜在的可能性で選択せざる得ない状況にある。



2014 AHA/ACC/HRS Guideline for the Management of Patients With Atrial Fibrillation
A Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Practice Guidelines and the Heart Rhythm Society
http://content.onlinejacc.org/article.aspx?articleid=1854231

http://content.onlinejacc.org/data/Journals/JAC/0/03021.pdf


2006年 ACC/AHA/ESCガイドラインとその後2011年の2つのアップデートのさらに改訂にあたる。

4つの新しい推奨が改訂の主
・非弁膜症性心房細動RFA治療 :カテーテル焼灼術の推奨としては、構造異常を認めないかほとんど無い、若年発作性心房細動患者へ最も推奨され、経験豊富なセンターでの施行が推奨される。
・治療オプション:3つの抗凝固治療オプション(dabigatran, rivaroxaban and apixaban)の推奨 :ガチンコ比較治験なされてないため、優越性は不明。
・アスピリン使用を減らす :低リスク状態患者での使用エビデンス少ないため、処方機会を減少へ
・CHAD2DS2-VASc calculatorによる包括的血栓塞栓リスク評価:CHADS2から変更へ
CHA2DS2VASc acronym
うっ血性心不全 1
高血圧症 1
年齢75歳以上 2
(スコア0/1による卒中リスク層別化 0% vs 1.3%)

CHADS2 acronym
うっ血性HF 1
高血圧症 1
年齢75歳以上 1
糖尿病 1
卒中/TIA/血栓塞栓
(卒中リスク層別化 0〜6にて、 1.9% , 2.8%, 4.0%, 5.9%, 8.5%, 12.5%, 18.2%)


・機械式人工弁の場合は、ワルファリン推奨し、INRを2.0〜3.0、もしくは2.5〜3.5としたターゲットをその種類・装具の一により分ける




日本循環器学会のClass 1の適応は、「高度の左室肥大や高度の左室機能低下を認めず、かつ重症肺疾患のない薬物治療抵抗性の優勝構成の発作性心房細動で、年間50零以上の心房細動アブレーションを実施している施設で行われる場合」

2014年3月28日金曜日

IDHOCO研究:白衣高血圧は無治療群で意味があり、治療群では意義少ない。仮面高血圧は無治療・既治療ともに意義が高い。

JSH2014
http://www.jpnsh.jp/jsh2014.html


家庭血圧がクローズアップされ、診察室血圧より優先される・・・まぁそういう流れなのだろう。



Epidemiology/Population
 Prognosis of White-Coat and Masked Hypertension International Database of Home Blood Pressure in Relation to Cardiovascular Outcome
 George S. Stergiou, et. al.
the International Database on HOme blood pressure in relation to Cardiovascular Outcome (IDHOCO) Investigators


家庭内血圧モニタリングは白衣高血圧、仮面高血圧検出のため有用。高血圧疑診断・治療のため推奨される。

白衣甌穴厚・仮面高血圧の予後重要性のため6458名(5つ住民群:IDHOCO研究群)


フォローアップ中央期間8.3年間、714名の致死的・非致死性心血管イベント発生


無治療群で、心血管リスクは、正常血圧群に比べ、白衣高血圧(補正ハザード比 1.42; 95% CI [1.06–1.91]; P=0.02)、仮面高血圧 (1.55; 95% CI [1.12–2.14]; P< 0.01)、高血圧維持群 (2.13; 95% CI [1.66–2.73]; P < 0.0001)


治療群 (n=1451)では、診察室血圧高値 ・家庭内血圧低値(白衣高血圧)と治療コントロール下症例(診察室・家庭内とも血圧低値)では差を認めない; 1.16; 95% CI [0.79–1.72]; P=0.45)


しかし、仮面高血圧(診察室血圧低値・家庭血圧高値 )では 1.76; 95% CI [1.23–2.53]; P=0.002) 、血圧未コントロール (診察室血圧高値 ・家庭内血圧高値 ; 1.40; 95% CI [1.02–1.94]; P=0.04)どもに、コントロール下患者に比べ心血管疾患リスク高い。




結論:白衣高血圧(家庭内測定評価)は、無治療群では心血管リスク要素だが、治療下患者では、おそらく、診察室ベースの効果的治療を受けているためそのリスク増加を認めない。
一方、仮面高血圧未コントロール群では、無治療・治療患者とも心血管リスク増加と関連する。それはおそらく、共に診察室血圧低値のため無治療となりやすいためだろう。

抗不安薬・睡眠薬による超過死亡 7年間100名あたり4名余計に死ぬ

ベンゾジアゼピン系を中心とした抗不安薬・睡眠薬処方有害性に対する医師たちの認識に驚くことが多い、昨今。


向精神薬 多剤処方を制限…診療報酬認めず
http://kaigyoi.blogspot.jp/2014/03/blog-post_8664.html

これで、少しは目が覚めるか?馬鹿医師ども


 
「睡眠薬の適切使用を」 初の指針 → ベンゾジアゼピン系・向精神薬全体の問題なのに・・・限定的に問題化する恣意性を感じる 
http://kaigyoi.blogspot.jp/2013/06/blog-post_13.html

睡眠薬と死亡率の関連 ;年18回分処方ですら死亡率増加 
http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/02/18.html

ベンゾジアゼピン系使用で認知症リスク増加
http://kaigyoi.blogspot.jp/2012/10/blog-post_3248.html

  
Effect of anxiolytic and hypnotic drug prescriptions on mortality hazards: retrospective cohort study
BMJ 2014; 348 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.g1996 (Published 19 March 2014)
Cite this as: BMJ 2014;348:g1996
英国の大規模コホート(34727名、273UKプライマリケア医)

身体・精神疾患合併症と、研究非対象薬剤は、対照群と比べ、研究対象薬剤間で多い。
全研究フォローアップ期間の年齢補正死亡率ハザードは登録後1年間で3.46(95% 信頼区間、 3.34−3.59)、、他の寄与要素補正後 3.32(3.19−3.45)

量依存関連性は、研究対象薬剤3クラス(ベンゾジアゼピン、Z薬剤(ザレプロン、ゾルピデム、ゾピクロン)、多薬剤)全てで見られる。


1年間死亡除外後、7年間の初回処方後、100人あたりの薬剤関連超過死亡は4例

二酸化塩素:空間除菌標榜グッズ ・・・ 商品合理的根拠示さず逃げ得

社会的責任負わない17社


行政追求は、これで終わり?



空間除菌」宣伝に根拠なし 消費者庁、17社に措置命令 共同通信デジタル
2014年3月27日(木)18時47分配信
http://news.nicovideo.jp/watch/nw1005882
 二酸化塩素を発生させる商品を部屋に置いたり首に掛けたりするだけで「空間を除菌できる」とうたった宣伝には根拠がなく、景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、消費者庁は27日、販売する17社に、再発防止などを求める措置命令を出した。
 消費者庁によると、対象は据え置き型が大幸薬品(大阪市)の「クレベリンゲル」など10商品で、携帯型が中京医薬品(愛知県半田市)の「クイックシールドエアーマスク」など15商品。
 17社はホームページや新聞の広告欄で「ポンとおくだけ! 空間に浮遊するウイルス・菌・ニオイを除去」などと効果を宣伝していた。

消費者庁
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/140327premiums_2.pdf
携帯型:
「空間除菌ブロッカーL-M50」「ERA空気除菌グッズ」ハイパー・ブロック」「ウィルオフバリア」及び「ウィルオフポケット」「携帯用エアドクター台紙セット(エアドクターポータブル)」「ウィルスブロッカーノヴァ」「スペースウォッシャー」「ハイパー・バリア」「ES-01エコムエアマスク」及び「ES-02エコムエアマスク」「クイックシールドエアーマスク」「ウイルスガード」エアースクリーン」及び「ウイルハント」
据え置き型:
「ウィルオフスタンド」「空間除菌AirDoctor(ゲルタイプ)150g」「ウィクリア
GEL」「クレベリンゲル」及び「クレベリンマイスティック」「クイックシールド置き型」「ウイルスガード・ゲル」「ウィルキルG」「ウイルバッシュホルダー」「パルエックスG」


















https://www.google.co.jp/search?q=二酸化塩素



まだ、こんなのを放置している新聞

エアーマスク 首から下げるだけで菌を除去
http://www.saga-s.co.jp/news/saga.0.2642045.article.html
エアーマスク 首から下げるだけで菌を除去
 「首から下げておくだけで風邪やインフルエンザ、花粉症の予防効果がある」と注目を集めているクイックシールドエアーマスク(中京医薬品)。佐賀市本庄 町のミズ空港通り店ではインフルエンザが流行し始めた1月以降引き合いが急増。前年同月の3~4倍を売り上げている。
 薬剤が空気中の水分に反応し、二酸化塩素を放出。その酸化作用により空間を浮遊するウイルスや菌を除去する仕組みで、即効性があり強力な除菌、消臭力を持つのが特長だ。
 薬剤の入ったタブレット(国際特許商品)を専用ケースに入れておくと、約2カ月間効能が持続。安全性が高く、家族で共用することもできる。
 「花粉シーズンも始まり、ビジネスマンを中心にリピーターも多い。汗や加齢臭などの消臭効果もあり通年で利用できる」と同店の中原沙織さん(24)。店頭価格はホルダー付きで1280円(税込み)。薬剤のみで1100円(同)。
2014年03月04日更新

COPD急性増悪時経口ステロイド5日間基本へ?

多くの臨床医は、COPD急性増悪対応時、それまでの推奨にかかわらずステロイド治療期間短く設定してると思う。REDUCEトライアルの知見がGOLDへ組み入れられるよう試みられている


http://www.medpagetoday.com/resource-center/advances-in-copd/steroid-therapy/a/44368


・急性増悪時ステロイド治療5日間は1−2週間治療より非効果的とは言えない
すなわち、ほとんどのCOPD急性増悪では5日間治療を基本とする
:REDUCEトライアル
Leuppi JD, Schuetz P, Bingisser R, et al. Short-term vs conventional glucocorticoid therapy in acute exacerbations of chronic obstructive pulmonary disease: the REDUCE randomized clinical trial. JAMA. 2013;309:2223-2231. 
GOLD2014

プレドニゾロン 40mg×5日間推奨(エビデンスレベル B)
(至適ステロイド治療期間結論に関するデータ不十分)

ブデソニド・ネブライザーのみが急性増悪時経口ステロイド代替的(但し高額)
・Cochrane 2011では、経口ステロイド 7日超 vs 7日未満で臨床的有意な差は認めなかったが、結論導けないと記述
Walters JA, Wang W, Morley C, et al. Different durations of corticosteroid therapy for exacerbations of chronic obstructive pulmonary disease. Cochrane Database Syst Rev. 2011 Oct 5;(10):CD006897.


・急性増悪は、入院、肺機能減少、死亡原因
・ステロイドは、数週間投与すると、高血糖・体重増加・不眠
Davies L, Angus RM, Calverley PM. Oral corticosteroids in patients admitted to hospital with exacerbations of chronic obstructive pulmonary disease: a prospective randomised controlled trial. Lancet. 1999;354:456-460.
・大部分は、1年に1回程度で、2回以上の急性増悪は10%。累積的リスクは大きい。
Groenewegen KH, Schols AM, Wouters EF. Mortality and mortality-related factors after hospitalization for acute exacerbation of COPD. Chest. 2003;124:459-467. 
Sin DD, Park HY. Steroids for treatment of COPD exacerbations: less is clearly more. JAMA. 2013;309:2272-2273.

2014年3月27日木曜日

【論文撤回希望とのこと】Androgen Study Group:テストステロン補充療法死亡率増加 

我が意を得たり・・・という報告だったのにぃ・・・著者等は報告自体を撤回希望。
1)生データ使用でなく、Kaplan-Meirer結果のみの報告
2)100名の女性データが含まれるなど症例除外が適切に行われてなかった

Group Wants Testosterone Study Retracted Published: Mar 26, 2014
http://www.medpagetoday.com/Endocrinology/GeneralEndocrinology/44952

In the Original Investigation entitled “Association of Testosterone Therapy With Mortality, Myocardial Infarction, and Stroke in Men With Low Testosterone Levels” published in the November 6, 2013, issue of JAMA (2012;310[17]1829-1836. doi:10.1001/jama.2013.280386), incorrect language was used.

【男性更年期・ホルモン補充を煽る愚劣な人々への警告】テストステロン補充療法:死亡率・心筋梗塞・卒中への影響 H25.11.6
Association of Testosterone Therapy With Mortality, Myocardial Infarction, and Stroke in Men With Low Testosterone Levels
Rebecca Vigen, ; Colin I. O’Donnell, ; Anna E. Barón, ; Gary K. Grunwald, ; Thomas M. Maddox, ; Steven M. Bradley, ; Al Barqawi, ; Glenn Woning, ; Margaret E. Wierman ; Mary E. Plomondon, ; John S. Rumsfeld, ; P. Michael Ho,
JAMA. 2013;310(17):1829-1836. doi:10.1001/jama.2013.280386

訂正らしい。

4番目センテンス:
冠動脈造影3年後時点で、Kaplan-Meierにてイベント累積率へ、テストステロン治療群で19.9% vs テストステロン群で 25.7%;絶対的リスク差  5.8% (95% CI, −1.4% to 13.1%)

結果セクションの第3パラグラフ5番目センテンス:
Kaplan-Meierにて冠動脈造影後1年時点で、非テストステロン群 vs テストステロン群にて10.1% vs 11,3%、2年時点で 15.4% vs 18.5%、3年時点で 19.9% vs 25.7%





食事とは、炎症を生じさせること ・・・ すなわち、食事回数多いほど炎症惹起 → 多食は動脈硬化など悪影響の可能性

1回の食事量をへらして、なるべく多く食べること・・・と、したり顔で指導してた私は恥ずかしい


代謝的健康な、非肥満・肥満を対象とし、一度の食事サイズ少なく、頻回とすることが果たして正しいことか検討。

食事内容においては、高脂肪食は腸内細菌経由で全身性炎症の原因となることも知られている(低Carb.をやたら勧める風潮を嘆きたい)。一方、食事行為そのものが熱を産生し、小食ならそのエネルギー消費量も減少となる。考察すると訳が分からなくなる。


実際の交差横断研究24名のBMI22.9程度の普通と36程度の肥満でエネルギー消費量24時間を測定(whole body room calorimeter、2時間毎採血:血中エンドトキシン、インスリン、脂質)

代謝的に健康な場合、食事回数多いこと、すなわち、炎症リスク、血中エンドトキシンやトリグリセライド増加させ、特に就寝時にその悪影響増加

"Meal size and frequency influences metabolic endotoxaemia and inflammatory risk but has no effect on diet induced thermogenesis in either lean or obese subjects" Piya MK, et al
SfEBES 2014.
http://www.endocrine-abstracts.org/ea/0034/ea0034P226.htm



肥満者では、非肥満者に比較して、インスリン、血糖、HOMA-IR、TGのAUC増加(p < 0.01) 
TGとともに空腹時エンドトキシンと相関(r = 0.32, P < 0.06) 
エンドトキシンとTGのAUCは、5回食では相関する( r = 0.44, P < 0.05)。2回食では相関しない。 
最後の21時血液検査では、エンドトキシンは特に5回食においてその濃度が有意に高い(p = 0.05) しかし、2回食では有意で無い。 食事回数では24時間エネルギー消費に影響与えず、肥満群・非肥満群でも同様 (2124±312 vs 2142±365 Kcal/day) or lean group (1724±160 vs 1683±166 Kcal/day)

進行期非小細胞肺がん(ALK再配列含有)へのセリチニブ効果はかなり良好

Ceritinib in ALK-Rearranged Non–Small-Cell Lung Cancer
Alice T. Shaw, et. al.
N Engl J Med 2014; 370:1189-1197March 27, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1311107

用量設定治験時相59名、最大耐用量は750mg/日、用量毒性限界イベントは下痢、嘔吐、脱水、アミノトランスフェラーゼ増加、低リン血症


この後、治験時相を続け、71名を追加、130名の総数


NSCLC 患者、セリチニブ 400mg/日治療のうち、奏功率全体では58% (95% 信頼区間 [CI], 48 to 67)

クリゾチニブ治療既往80名中、奏功率56% (95% CI, 45 to 67)


ALKの様々な治療抵抗変異患者、変異認めない患者でも、奏功が見られた。


セリチニブ 400mg/日最小投与量患者のうち、無進行生存期間中央値は7.0ヶ月 (95% CI, 5.6 to 9.5)


低リン血症があるんだ・・・

2014年3月26日水曜日

糖尿病・心血管疾患既往無し住民でのHbA1c予測価値乏しい

序文:糖化ヘモグロビン(HbA1c)測定値、心血管イベント予測価値についてはその意味不明の状況(だが、糖尿病の専門家たちは、各地講演会でまるで関連するごとく、アホな医師たちを前に講演をする。具体的には、久山町のHbA1c値の心血管疾患発症リスク予測的価値は心血管疾患再発を含む二次予防念頭の予測であるが、これを拡大的に話すおっさんたちが居る。)

結論としては、 既知心血管疾患や糖尿病のない場合、HbA1c評価を加えることの、CVDリスク予測・付加的価値少ない。


Glycated Hemoglobin Measurement and Prediction of Cardiovascular Disease
The Emerging Risk Factors Collaboration
JAMA. 2014;311(12):1225-1233. doi:10.1001/jama.2014.1873.

問題飲酒Webベーススクリーニングと簡易インタビュー介入効果:偶発飲酒量減少軽度のみ

国内Webベース・アルコールスクリーニングと、簡易インタビュープログラムによる大学学生への飲酒行動への介入効果・・・ 偶発飲酒のみ軽度飲酒量減少しただけ

Web-Based Alcohol Screening and Brief Intervention for University Students
A Randomized Trial
Kypros Kypri, et. al.
JAMA. 2014;311(12):1218-1224. doi:10.1001/jama.2014.2138



10-item World Health Organization Alcohol Use Disorder Identification Test (AUDIT)
10-item Leeds Dependence Questionnaire (LDQ) 







ICU重症患者気管切開タイミング:挿管後気管切開までの長短で、臨床的アウトカム差認めず

長期人工呼吸患者気管切開のタイミング


早期(ET)::喉頭挿管(<注意>原文直訳)10日内 vs 後期(LT):喉頭挿管 10日超過



Timing of Tracheostomy in Critically Ill Patients: A Meta-Analysis
Huibin Huang,et. al.
PLOSone Published: March 25, 2014 DOI: 10.1371/journal.pone.0092981




メタアナリシス評価(9つのRCT 2072被験者)

LT/PI比較して、ETでは短期死亡率有意差無し   [relative risks (RR) = 0.91; 95% 信頼区間(CIs) = 0.81–1.03; p = 0.14]、また長期死亡率でも有意差無し (RR = 0.90; 95% CI = 0.76–1.08; p = 0.27)

加えて、ETではICU滞在期間著明減少と相関せず  [加重平均差 (WMD) = −4.41 日間; 95% CI = −13.44–4.63  日間; p = 0.34]、ventilator-associated pneumonia (VAP) (RR = 0.88; 95% CI = 0.71–1.10; p = 0.27) 、人工呼吸期間 (WMD = − 2.91 日間; 95% CI = −7.21–1.40  日間; p = 0.19)ともに有意相関せず。

2014年3月25日火曜日

クロルヘキシジン口腔ケアの規則的使用:心臓手術と非心臓手術で有意差間に違い

クロルヘキシジン口腔ケアの規則的使用は、人工呼吸患者の標準ケアであるが、人工呼吸関連肺炎リスク減少示唆するメタアナリシスにより行われているが、心臓手術と非心臓手術間の差に関して考慮無く、ミスリーディングの可能性も出現する。


以下の報告では、心臓手術vs非心臓手術での下気道感染発生に関して有意差間に差が生じている。死亡率では結果的にはどちらも差を認めない。

Reappraisal of Routine Oral Care With Chlorhexidine Gluconate for Patients Receiving Mechanical VentilationSystematic Review and Meta-Analysis
Michael Klompas, et. al.
JAMA Intern Med. Published online March 24, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.359 

心臓手術患者での下気道感染は、クロルヘキシジンランダム化割り付け患者で減少 (相対リスク [RR], 0.56 [95% CI, 0.41-0.77]) するが、非心臓手術患者2重盲験では人工呼吸関連肺炎有意差なし (RR, 0.88 [95% CI, 0.66-1.16])


クロルヘキシジンとプラシーボ間の死亡率有意差なし  (RR, 0.88 [95% CI, 0.25-2.14]) 、非心臓手術での死亡率増加有意差無し  (RR, 1.13 [95% CI, 0.99-1.29])


人工呼吸平均期間、ICU期間有意差なし


入院期間・抗生剤処方データ少ない




クロルヘキシジン浴がMICUの感染予防に役立つ2009年 08月 31日
重症乳幼児への連日クロルヘキシジン浴は細菌血症に有効 2013年1月
人工呼吸患者肺炎予防:歯磨きは無効、クロルヘキシジンは有効 2009年 09月 04日

米国予防医学作業部会(USPSTF):高齢者認知機能検診推奨せず

日本にはびこる都市伝説;“検診=善”という妄想

介入効果明確でない領域では無駄に終わることが多く、結果的に、行政コストの損失をもたらす。


USPSTFは、全高齢者への認知症検診推奨せず、検診心酢鶴面と正確性検証の55の研究、にに機能低下緩徐化・停止目的130超の介入研究レビューした結果、クリアなベネフィット存在せずと判断。


"Screening for cognitive impairment in older adults: U.S. preventive services task force recommendation statement"
Moyer V, et al
Ann Internal Med 2014.
http://annals.org/article.aspx?articleid=1850963



http://www.uspreventiveservicestaskforce.org/uspstf14/dementia/dementiadraftfact.pdf

青年期・肥満者では、ナトリウム過剰摂取にてテロメアの長さ短縮させる・・・青年期肥満は後年に悪影響をもたらす

10代青年期において、正常体重ではみられない影響が、過体重・肥満者において、ナトリウム過剰摂取によるテロメア長の短縮作用が報告された。

肥満・過体重+塩分過剰摂取の重畳効果は、若年から後戻りできない老化加速をもたらす。

Combo of overweight, high sodium intake speeds cell aging in teens
American Heart Association Meeting Report Abstract MP64
March 20, 2014
http://newsroom.heart.org/news/combo-of-overweight-high-sodium-intake-speeds-cell-aging-in-teens


加齢と共に短縮するテロメアだが、喫煙にて加速し、運動不足、体脂肪量増加などがテロメア長短縮促進と関連することが知られている。 
青年期ナトリウム摂取とテロメア長短縮の関連性報告 
766名(14−18歳)を、ナトリウム摂取2分割、 2.388 mg/d vs 4.142 mg/d(AHA推奨量は、塩 2/3 ティースプーン、 1,500 mg/day最大に比べ両群とも多い)

過体重/肥満10代において、テロメア長は、有意に、高ナトリウム摂取(T/S比 1.24 vs 1.32)比較で、短縮
T/S比は、テロメア長さ/単一遺伝子あたりの長さの比率で、正常体重10代において、テロメアは高ナトリウム摂取とに有意差認めず  (T/S ratio of 1.29 vs. 1.30)




2014年3月24日月曜日

妊娠高血圧症薬物治療:成人ガイドライン・クリティカルレビュー

 妊娠と高血圧に関するまとめ
http://www.okusuri110.com/kinki/ninpukin/ninpukin_04-130.html

 添付文書と、種々ガイドラインが複雑にからむ世界。


Drug treatment of hypertension in pregnancy: a critical review of adult guideline recommendations
Al Khaja, et. al.
Journal of Hypertension:March 2014 - Volume 32 - Issue 3 - p 454-463


妊娠中・非重症・重症高血圧に関して、経口剤 メチルドーパ(トランデートアルドメット)と、非経口ラベタロールが選択肢。
長時間作動ニフェジピンが、非重症・重症 第1・第2選択薬代替として使用推奨されている。
β遮断剤の安全性において、特にアテノロールが、妊娠早期・後期安全性解決されてない;いつくかのガイドラインでは使用禁忌とされている。
母体・胎児アウトカムにおいて、利尿剤関連有害作用は議論過程であり、妊娠中使用は勧められてない。
 
胎児への副作用リスク最小化のため、 妊娠可能年齢・性的活動状況にある青年期・成人女性のような特定グループの高血圧治療への特異的ガイドライン開発重要。
降圧剤クラス、推奨薬剤、投与ルートなど明らかでないガイドラインもいくつもある。
臨床状況でのガイドラインユーティリティ・信頼性促進のため、将来ガイドライン改訂に関して着眼すべきで、不明の点を明らかにすべき。




・First choice
1) αβ‑blocker トランデート (1:5) 300 ~ 450mg/分 3/day or ローガン (1:1) 40‑60mg/分 2/day
アセタノール and/or ミニプレス (褐色細胞腫など)
2) Ca‑blocker ぺルジピンLA 40‑80mg/分2/day or アダラートCR40‑60mg/分1/day
・ (妊娠 20 週まで) トランデート or アルドメット(一般名:メチルドーパ) , and/or アプレゾリン (一般名ヒドララジン)無効なら 2) 
(2011年12月)
 http://www.jsog.or.jp/PDF/63/6312-261.pdf


「妊娠高血圧症候群(PIH)ガイドライン2014」
http://jsshp.umin.jp/i_7.html

2014年3月20日木曜日

直腸結腸癌検診感度 92%というあたらしい非侵襲性糞便検査


非侵襲的、マルチターゲット便DNA検査(FIT : fecal immunochemical test)は、定量的分子アッセイ(KRAS 変異、 aberrant NDRG4、 BMP3メチル化、βアクチン、+ヘモグロビン免疫アッセイ)を含む



Multitarget Stool DNA Testing for Colorectal-Cancer Screening
March 19, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1311194

9989名被検可能のうち、65(0.7%)で直腸結腸がん、757(7.6%)が、前がん病変(進行性選手、 sessile serrated polyp 1cmを超える最大次元)

直腸結腸癌感度はDNA 検査で92.3%、 FITで 73.8% ( p = 0.002)
進行性前がん状態病変検知感度は DNA検査で 42.4%、 FITで 23.8%


高齢者うつ:視床下部・下垂体・副腎系異常

HPA axis and aging in depression: Systematic review and meta-analysis
Martino Belvederi et. al.
Psychoneuroendocrinology Volume 41, Complete , Pages 46-62, March 2014


うつのバイオロジーの一致性の高い所見として、視床下部・下垂体・副腎(HPA)系活動性変化であるが、この問題に関するデータは、高齢者について検証されてない。
システマティック・レビュー&メタアナリシスにて、60歳超うつ患者では、血中コルチゾール、ACTH、CRHベースに検証し、健康対照者と比較。
20研究にて、HPA系機能指標、総数比較43。
うつでは、コーチゾル基礎量へ有意変化を示す (Hedges’ g)(朝 0.89、 午後 0.83、 夜 1.39)が、持続的コーチゾルへの変化量へは軽度(0.51)
うつの影響は、デキサメサゾン後コーチゾルとして高値 (3.22)、一方、朝ACTH、CRH濃度に関して有意差を認めない。
 サブグループ解析によれば、種々方法論的・臨床的要素で研究結果影響を与えることが示唆される。
 全体的には、うつに悩む高齢者被験者では、HPA系活動性の機能障害程度高度で、若年成人との差を認める。このことは、様々なメカニズム、身体的異常、中枢神経・免疫/婦負分泌系異常を来す状況によることを意味する。さらに、研究が必要で、高齢者HPA系活動性変化について示唆を明瞭にすることで、うつ高齢者病理身体的特徴検証有効となり新しい薬物アプローチにつながり、臨床的アウトカム改善が目指せるかもしれない。

雑感:さらばベッド

全く個人的な話ですが、平成7年1月、神戸・淡路地区大地震発生直後、無床診療所として、私のところは、診療所開設しました。変わってると言われたのは、無床診療所ながら、管理栄養士を雇用したことでした。その後平成8年11月に有床診療所としました。
その当時、なんで、ベッドを持つの?という同業者や関連業者からの疑問を投げかけられました。理由は、自分でやりたい医療をするためには入院施設の利用が必要だったこと。例えば、COPD急性増悪で抗生剤点滴すべき症例、糖尿病教育入院必要な症例などです。その後、次第に重症患者もケアするようになり、看取り数も結構な数となっていきました。その後、新幹線居眠り報道の1年前の平成14年睡眠時無呼吸症候群診療のため睡眠ポリグラフィーを導入し、平成17年に非侵襲的人工呼吸のBiPAP導入し、切迫性CO2ナルコーシス状態の重症喘息・COPDの医療も行って参りました。平成18年に呼吸リハビリテーション健保適応なりましたがそれ以前よりリハビリテーションを行い、比較的包括的な呼吸器医療を行ったつもりです。

有床診療所の取り巻く環境は厳しくなっております。高度医療機関と同じニーズを要求されるのは利用者としては当然なのでしょう。行政からの人的基準要求も、施設基準要求も報酬に見合うものではなくなってきております。有床診療所の火災事故、食中毒関連、医療安全問題、感染症対策問題、労災及び雇用受給問題など枚挙にいとま無く、零細事業所管理者としての側面でも大きな負担となってます。

今後、経営者サイドとして、有床診療所をシステミックに残すのなら、チェーンやグループ経営しか将来性はないと私は見ています。1人のスピリッツとして、救急医療や重症患者診療する形態には限界があると身をもって感じました。

そういうことで、私が理事長である医療法人・診療所は、本日を最後に、無床(休床)となります。

支えてくれた、職員のみなさんたち、ありがとう!そして、利用してくれた患者さんたちに感謝。

慢性E型肝炎にリバビリン有効

慢性HEV感染治療として、リバビリン有効

臓器移植患者での後顧的多施設研究

3ヶ月継続にて、SVR 78%という成績

"Ribavirin for chronic hepatitis E virus infection in transplant recipients" 
Kamar N, et al 
NEJM 2014; 370: 1111-20.

高齢者:過体重と死亡率相関性なし、

高齢者でのやせは、かえって、死亡率増加につながる可能性有り。

メタボ健診で、高齢者にまえやせを強要する今のシステムは?



BMI and all-cause mortality in older adults: a meta-analysis
Jane E Winter , et. al.
Am J Clin Nutr March 2014 ajcn.068122
First published January 22, 2014, doi: 10.3945/​ajcn.113.068122

参照クライテリア32の研究;これらには197,940名、12年間平均フォローアップ
BMI 23.0 - 23.9 kg/m2  を参照値として、死亡率リスク増加
BMI 21.0 - 21.9 12%;HR (95% CI): 1.12 (1.10, 1.13)
BMI 20.0 - 20.9 19%;HR (95% CI): 1.19 (1.17, 1.22)]


BMI増加側に関しては、33.0以上で初めてリスク増加 [BMI of 33.0–33.9; HR (95% CI): 1.08 (1.00, 1.15)]

自己測定体型計測、介在要素補正、早期死亡・疾患既往補正後、相関補正著明変化せず、しかし、絶対的非喫煙に関して軽度減衰

2014年3月19日水曜日

タミフル早期治療は死亡率減少寄与 但し、小児では証明されず・・・

抗インフルエンザ薬は、単に熱を1日早く下げるだけ・・・って話もあったが、早期治療に限っては、死亡リスク減少効果が示された。

Effectiveness of neuraminidase inhibitors in reducing mortality in patients admitted to hospital with influenza A H1N1pdm09 virus infection: a meta-analysis of individual participant data
http://dx.doi.org/10.1016/S2213-2600(14)70041-41


2009年1月2日から2011年3月14日までの78研究、29234名のデータで、ニューラミニデース阻害剤 vs 無治療比較で、死亡率減少 (補正オッズ比 0.81, 95% CI, 0.70 - 0.93 ; p = 0.024)

治療遅れに比べ早期治療(発症2日間内)では、死亡リスク減少と関連(補正オッズ比 0.48 ; 95% CI, 0.41 - 0.56)
早期治療vs無治療でも、同様減少(補正オッズ比 0.50;95% CI 0.37 - 0.67 p< 0.0001)
 この死亡率減少相関性は、小児では明確でない。日ごと治療の遅れは、その死亡率増加と関連する(1日遅れる毎ハザード比 1.23、 1.18−1.28)

市中発症・市中獲得・院内発症:血流感染とも黄色ブドウ球菌重要

血流感染(Bloodstream Infection)疑い患者でのエンピリカル治療の質と死亡率は関連する
 ↓
Impact of Inadequate Empirical Therapy on the Mortality of Patients with Bloodstream Infections: a Propensity Score-Based Analysis
Antimicrob.
Pilar Retamar, et. al.
Agents Chemother. January 2012 vol. 56 no. 1 472-478


多施設コホート研究にて、地域病院での血流感染の多施設後顧的研究。38%の患者が不適切治療(27%〜71%)。

Source reference: Anderson D, et al
"Bloodstream infections in community hospitals in the 21st century: A multicenter cohort study"
PLOS One 2014; 9: e91713.
http://www.medpagetoday.com/HospitalBasedMedicine/GeneralHospitalPractice/44816
・市中発症・医療関連(CO-HCA):入院後48時間未満;入院・手術・カテーテルなど侵襲的デバイス施工前、長期ケア施設住居前
・市中獲得(CA):入院後48時間未満・医療関連リスク要素無し
・院内発症・医療関連(HO-HCA):入院後48時間

血流感染の56%は市中発症・医療関連、市中感染は29%、院内感染は24%

最も多いのは黄色ブドウ球菌 28%、大腸菌 24%、多剤耐性は23%で、MRSAが最多。




 CA = community-acquired, CO-HCA = community-onset, healthcare-associate, HO-HCA; hospital-onset, healthcare-associated, CoNS = coagulase negative Staphylococci.


「地域病院で黄色ブドウ球菌・MRSAは治療必要性無しという誤った概念があるが、これらの知見から考えればmythと言わざる得ない」と書かれている。


「一般的にCA-MRSAは、臨床的には入院歴や透析、カテーテル挿入、抗菌薬の使用など院内感染に関連するリスクがない人から分離されるMRSAとしてとらえられている。。ただし細菌学的な特徴では、SCCmecの遺伝子型でHA-MRSAは主にⅡ型(Ⅰ、Ⅲ型を含む)であるのに対し、CA-MRSAは主にⅣ型(Ⅴ型を含む)に分類される。CA-MRSAは主に小児や若年層の健常人が感染し、学校などでの流行が認められる」
http://www.kansensho.or.jp/news/gakkai/pdf/guideline_mrsa.pdf


type I-IIIが古典的なHA-MRSA、type IV,VがCA-MRSA主。後者は耐性著明で内。

Genomic Basis for Methicillin Resistance in Staphylococcus aureus
http://www.icjournal.org/DOIx.php?id=10.3947/ic.2013.45.2.117

肥満遺伝子ある場合、揚げ物で太りやすい

システマティック・レビュー&メタアナリシス:冠動脈性心疾患:飽和脂肪酸制限ガイドラインでアドボケートするほどの現行エビデンスは存在せず 2014/03/18


重大イベントと飽和脂肪酸摂取との関連性に関するエビデンス乏しいという報告だったが、以下は、遺伝によっては揚げ物は肥満に繋がるよという話。







遺伝的リスクスコア上位1/3では、揚げ物食品週4回以上摂食だと、1回摂食に比べ、BMIの差は女性で1.0、男性で0.7の差が出現する。

対して、下位リスクのものは、男性0.5、女性0.4


"Fried food consumption, genetic risk, and body mass index: gene-diet interaction analysis in three US cohort studies" Qi Q, et al
BMJ 2014; 348: g1610.

9,623 women from the Nurses' Health Study 9623名女性、Health Professionals Follow-up Study 6379名男性、さらに、 Women's Genome Health Study 21,421名女性

既知のBMI関連遺伝子変異32ベースにリスク評価
10のリスクalleleあたりBMIの差は、揚げ物 週1回 1.1、 週1−3回 1.6、 週4回以上で2.2
肥満リスク3次分析では、それぞれ、1.61 (95% CI 1.40 to 1.87) 、2.12 (95% CI 1.73 to 2.59) 、2.72 (95% CI 2.12 to 3.48)

中枢神経作用として働くあるいは近傍遺伝子で、揚げ物食品との有意相互関連性有り、FTO(fat ass- and obesity-associated)変異が特に関連性強い。

Source reference:Blakemore A, et al "Obesity, genetic risk, and environment" BMJ 2014; 348: g1900.

肺塞栓効率的除外のため、年齢補正D-ダイマーカットオフ値利用を!

D-ダイマー測定は臨床的急性肺塞栓症疑い例に対する診断戦略上重要なステップ

ここでは、年齢補正D-ダイマーとして、年齢×10(50歳以上)としてその、高齢者D-ダイマーの診断的価値検証。

D-ダイマー固定指標 500μg/Lより年齢補正カットオフ値使用の方が、臨床的VTE尤度低値例除外診断価値高める


Age-Adjusted D-Dimer Cutoff Levels to Rule Out Pulmonary Embolism
The ADJUST-PE Study
Marc Righini, et. al.
JAMA. 2014;311(11):1117-1124. doi:10.1001/jama.2014.2135.



プライマリアウトカムは、診断戦略失敗率(年齢補正D-ダイマーカットオフ結果陰性の、フォローアップ3ヶ月間に血栓塞栓イベント近傍状況となった場合)
3346名のPE疑い例(revised Geneva score or the 2-level Wells score for PE)、PE頻度19%

臨床的可能性高くない、あるいは、可能性低い例は、2898名のうち、817名(28.2%)はD−ダイマー 500μ/L未満(95% CI, 26.6% - 29.9%)、339名(11.6%)は500〜年齢補正D-ダイマーカットオフ値(95% CI, 10.5% - 12.9%)

3ヶ月予測失敗率は、500μg/L超で高いが、年齢補正カットオフ値未満では1/331(0.3% [95% CI, 0.1% - 1.7%])

75歳以上766名の患者のなかで、<500 μg/L未満という非高度臨床的可能性の673名、年齢指標を使用すると、除外可能患者が偽陰性所見無しで増加する ;43 / 673 (6.4% [95% CI, 4.8%-8.5%)  → 200 /673 (29.7% [95% CI, 26.4%-33.3%)



急性冠症候群性差:女性は検査・治療機会逸することが多い

急性冠症候群(ACS)後死の男女差、特に若年ほど大きい。この性差を医療機関受診アクセスの差として評価。

急性冠症候群救急受診若年者は、心電図をタイムリーに受けることが少なく、結果、血栓溶解療法適切に受ける機会を逸している。特に、STEMI比率は女性で少なく、その機会を逃すことが多い。


Sex-related differences in access to care among patients with premature acute coronary syndrome
Roxanne Pelletier et. al.
CMAJ March 17, 2014 cmaj.131450
http://www.cmaj.ca/content/early/2014/03/17/cmaj.131450.full.pdf+html

GENESIS-PRAXYコホート、1123名(18-55歳)
アウトカム測定は、ドア−心電図時間、心臓カテーテル施行比率、細管流・非プライマリPCI


女性は男性より、心電図ベンチマーク時間内の施行数少ない(10分内: 29% vs38%、 P = 0.02)、さらに、フィブリン溶解ベンチマーク内時間(30分: 32% vs 57%  P = 0.01)


ST上昇型心筋梗塞(STEMI)比率は男性より女性で少ない(83% vs 91% P=0.01)

非ST上昇型心筋梗塞や不安定狭心症女性は、男性より、非プライマリPCI施行率低い (48% vs 66% P < 0.001)

Timeliness and Use of Procedures in ACS Men and Women
VariableWomenMenp
Median door-to-ECG time (min)2115<0 .001="" td="">
Median door-to-needle time (min)36280.02
Median door-to-balloon time (min)196930.7
Use of cardiac catheterization in non-STEMI (%)88880.9
Use of reperfusion in STEMI (%)83910.01
Use of nonprimary PCI in non-STEMI/unstable angina4866<0 .001="" td="">
http://www.medscape.com/viewarticle/822147


医療機関へのアクセス状況不良なのは、不安、リスク要素数が多いこと、胸痛存在しないことが要素。性差関連要素は、パーソナリティー特性、ハウスワークのresponsibilityによる。



2014年3月18日火曜日

Flu Watch cohort study:インフルエンザ症状でるのは感染者の4分の1、医療機関受診は17%のみ

季節性インフルエンザ・2009H1N1 インフルエンザパンデミックの時、約5名に1人が感染し、感染者の23%だけが症状有り、わずか17%のみが医療機関受診。

Comparative community burden and severity of seasonal and pandemic influenza: results of the Flu Watch cohort study
The Lancet Respiratory Medicine, Early Online Publication, 17 March 2014

背景

感染リスク、感染時症状、疾患重症度、コンサルテーション回数を含め、住民のインフルエンザへの影響評価が、将来のコントロール・予防情報のために必要。季節性・パンデミックインフルエンザのコミュニティーバーデンや重症度を、異なる年齢群毎、研究年、比較、そして、従来のサーベイランスがこの領域で過小票アしている部分について考察を追加。

方法

プレシーズン、ポストシーズン血清診断、週報、鼻ぬぐい液RP-PCR同定インフルエンザで、季節性・パンデミックインフルエンザを5連続コホートで施行 (England 2006—11; 5448 person-seasons' follow-up).

結果
ウィルス種特異的血清診断4倍抗体をベースに判断すると、非ワクチン接種者においては、毎冬 18%(95% CI, 16-22%)罹患。
これら感染者のうち、ヒト・インフルエンザ季節100人・季節毎、69、インフルエンザ非感染100人・季節では44。
感染時年齢補正寄与疾患比率が100人季節23(13−34)であることは、多くのインフルエンザ感染が無症状デ有ることを意味する。
血清学上確認感染者全例の25%(18-35)で、PCR確認疾患。PCR確認の17%(10−26)が医療機関受診の病態。
これらの状況からは、パンデミックと季節性インフルエンザ比較上有意な差はない。PCR確認診断のうち、2009パンデミックウィルス種感染事例では、季節性H3N2感染に比べ、より極端に重症症状が少ない。

解釈

季節性インフルエンザ・2009パンデミックインフルエンザの特性は、無症状感染率が同程度で、多くの有症状例は自己管理し、両機関受診無かった。コミュニティーにおいて、2009パンデミックは、季節性より軽症であった。



インフルエンザ疫学を医療機関データだけに頼るのは無理がある


臨床症状無しのインフルエンザが高頻度ということは、軽症・無症状インフルエンザ感染が伝播に関わる

三次喫煙(THS):ヒト細胞DNA損傷をもたらす → 発がん可能性など

セカンドハンドスモークにはない、長期的存在故に影響をもたらす、サードハンドスモーク独特の毒性機序が示された。


Wiki
「三次喫煙」(third-hand smoke) という言葉は、ダナ・ファーバー癌研究所によって作りだされた新語であり二次喫煙」が終わった後の喫煙を指す。喫煙者が自身の肺に吸い込む「一次喫煙」(first-hand smoke) に対して、喫煙者が吐き出した煙や保持するタバコの先から立ち上る煙などが大気を経由して他人に吸入されることが「二次喫煙」(second-hand smoke) である。三次喫煙は、受動喫煙が終わった後も表面上にまだ残る有害物質を吸入することである



NNA(4-(Methylnitrosamino)-4-(3-pyridyl)-butanal)は、DNAと接触して発がん性化学物質を形成する、NNK 4-(methylnitrosamino)-1-(3-pyridyl)-1-butanone))は、DNAをbreak-downする。DNAへのダメージは、脂肪増生となり、がん性腫瘍形成となる。


Thirdhand smoke causes DNA damage in human cells
Bo Hang et. al.
Mutagenesis (2013) 28 (4): 381-391.

THSは高リスクであることが最近報告されはじめた。エビデンスとして、屋内環境で広がることが知られているが、の遺伝子毒性可能性、特に、リスク評価意義側面として現実的には検証されてなかった。THSの重大な特性は年齢と共に科学的なtransformationが示され、屋内環境NO(HONO)と反応する吸収されたニコチンによりタバコ特異的ニトロソアミン(TSNAs)、例えば、4−(メチルニトロソアミノ)−4−(3−ピリジル)(NNA)と、4-(メチルニトロソアミノ)−1−(3−ピリヂル)-1 - ブタノン(NNK)を形成する。 
2つのin vitroアッセイで、ヒトセルライン上のTHSの遺伝子毒性評価

THSは研究室システムにて、短期(急性)−及び長期(慢性)暴露を形成。液状クロマトグラフィー・タンデム・スペクトロメトリー解析にて、セルロース器質へしみこましたTHS抽出TSNAsと通常のタバコアルカロイドを定量化。
ヒトHepG2細胞にTHS急性・慢性暴露させ、24時間後alkaline Comet asseyでDNAストランドのbrakeが有意に増加。NNA単独暴露細胞培養にて、有意に、DNA損傷高レベル示された。NNAはセカンドハンド喫煙からのフレッシュな状況では見られず。喫煙がなされた後、HONOとニコチンは長く反応し、THSで合成されるTSNAが主に形成される。
long amplicon-定量PCRアッセイ定量化にて、未処置細胞に比較して、慢性THS24時間暴露後のヒト培養細胞のhypoxanthine phosphoribosyltransferase 1 (HPRT) とpolymerase β (POLB) geneのoxidative DNA傷害レベル定量的に有意に高値となる、このことで、THS暴露が酸化ストレス増加と関連し、HTS-媒介毒性に関して重要な寄与要素であることが示された。

THSがヒト細胞ラインでのgenotoxicに働くことを示した最初の研究。



田舎のタクシー乗ると、タバコの匂いぷんぷん!

システマティック・レビュー&メタアナリシス:冠動脈性心疾患:飽和脂肪酸制限ガイドラインでアドボケートするほどの現行エビデンスは存在せず

メディアの関心も高いようだ
http://goo.gl/cM0zAu

今までは“飽和脂肪酸=悪”という訳だったわけだから、その根拠がないなどとなると・・・驚く


国際共同研究解析にて、コホート・RCTにおいて、冠動脈疾患と飽和脂肪酸摂取の関連性に関して驚くべき報告がなされた。

ガイドラインでは、脂肪酸摂取変容をアドボケートしているが、多価飽和脂肪酸の高摂取制限や、総飽和脂肪酸制限と冠動脈疾患との関連性を示唆するエビデンスは存在しない


飽和脂肪酸摂取制限は悪いことではないだろうが、ガイドラインでアドボケートするほどの現行エビデンスは存在しない



Association of Dietary, Circulating, and Supplement Fatty Acids With Coronary Risk: A Systematic Review and Meta-analysis
Rajiv Chowdhury, et. a.
Ann Intern Med. 2014;160(6):398-406-406. doi:10.7326/M13-1788


脂肪酸食事摂取に関する32の観察研究(530,525名)、脂肪酸バイオマーカー17観察研究(25,721名)、脂肪酸サプリメント・ランダム化対照トライアル27(103,052名)

観察研究にて、ベースライン食事脂肪酸摂取量トップvsボトム3分位比較 冠動脈相対リスク :飽和脂肪酸  1.02 (95% CI, 0.97 to 1.07) 、 単不飽和脂肪酸  0.99 (CI, 0.89 to 1.09)、 長鎖ω3不飽和脂肪酸  0.93 (CI, 0.84 to 1.02)、  ω6不飽和脂肪酸  1.01 (CI, 0.96 to 1.07) 、  トランス型脂肪酸  1.16 (CI, 1.06 to 1.27)

血中脂肪酸推定では、それぞれ、 1.06 (CI, 0.86 to 1.30)、  1.06 (CI, 0.97 to 1.17)、   0.84 (CI, 0.63 to 1.11)、   0.94 (CI, 0.84 to 1.06)、  1.05 (CI, 0.76 to 1.44)

個別血中脂肪酸値と冠動脈性心疾患との相関に関しheterogeneityあり
ランダム化対照トライアルにて、冠動脈疾患相対リスクは、α-linolenic 0.97 (CI, 0.69 to 1.36)、 長鎖ω3PUFA 0.94 (CI, 0.86 to 1.03)、 ω6PUFAサプリメント 0.89 (CI, 0.71 to 1.12)




Calculator-gate問題など、脂質再考する良い時期なのかもしれない

悪玉コレステロール低下のため飽和脂肪酸摂取制限するというのは、不正確なことで、飽和脂肪酸のみ非難することは、結果的に炭水化物摂取やω6PUFA増加をもたらすことになるのではないかと・・・
https://soundcloud.com/bmjpodcasts/replacing-saturated-fats-are/s-iBi03


http://www.cbc.ca/news/health/saturated-fat-alone-doesn-t-predict-heart-disease-risk-1.2576252


2014年3月17日月曜日

PBC・非アルコール性脂肪肝炎:オペチコール酸

オベチコール酸(INT747、DSP-1747)




Global PBC Study Group (the 'PBC Supergroup')
Intercept Announces Positive Pivotal Phase 3 POISE Trial (NCT01473524)Results
 -OCA Meets Primary Endpoint With High Statistical Significance of  < 0.0001
http://ir.interceptpharma.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=833072
検査値をプライマリアウトカムとしている(T.bil、ALP)


FLINT(The Farnesoid X Receptor Ligand Obeticholic Acid in Nonalc
oholic Steatohepatitis Treatment)トライアル
http://ir.interceptpharma.com/releasedetail.cfm?ReleaseID=818119
病理組織学的改善効果をプライマリアウトカムとしている




米バイオ医薬品企業インターセプトの劇的変化  2014年 1月 15日 15:49 JST
マーク・プルザンスキー氏(46)は10年前、インターセプト・ファーマシューティカルズをニューヨークのウェストビレッジのマンションで1人で経営していた。負債額は10万ドル。同社の当座勘定には一時4.41ドルしかなかったこともあった。週金曜の時点で、従業員45人のインターセプトはバイオ医薬品業界で最も注目される企業となり、その時価総額はこの1週間で14億から68億ドルへと6倍 以上に膨らんだ。米国立衛生研究所(NIH)が資金提供して実施された臨床試験(治験)で肝臓の治験薬が予想を上回る結果が10日に明らかになったため だ。・・・

伝染性あくび:共感ではなさそう、個別的に感受性のある人がいる

contagious yawning :人から人に伝染するあくび

共感: empathyによる伝染という話があったが、真っ向否定の報告
犬のあくび:ヒトからうつる :empathy(共感)の能力 2008年 08月 06日
いぬの飼い主からのあくび伝染は共感に基づくものである 2013年8月10日

ヒトゲノム変異研究センターの研究報告とうことでなんだか違和感を感じるが、今までの研究が健康ボランティア健康成人でのあくび感受性要素での報告であったり、個人間の研究であった。内容を見ると、結論ありきで無く、落ち着いた研究のようだ。


被験者328名、3分間のあくび動画、認知バッテリー、共感に関する総合的質問、情緒的 contagion、概日リズム、眠気について評価。



Duke Center for Human Genome Variation


伝染性あくびについて、個別測定値は非常に検証セッション横断的安定性が高く、検査室での検証、オンラインリモート下検証でも、結果は安定し、特定の健康被験者において伝染性あくびの感受性が少ないことが確認された。

加え、多くの人では、伝染性のあくびを提示できず、単純に、あくび伝染性が抑制されているという分けでも無く、刺激反応からあくびのようフィーリングさえも報告されない。


共感、1日の回数、インテリジェンスが伝染性のあくび感受性に影響を与えるという従来の報告と異なり、今回の研究報告では被験者年齢影響認めず、被験者は加齢と共に伝染性が増すということも示されず、40歳未満限定でさえ示されなかった。しかし、年齢が伝染性あくびに関する変数としては8%で唯一説明変数となった。
極端安定特性の大部分は不明で、インヘリタンス研究には注意が必要である。


Individual Variation in Contagious Yawning Susceptibility Is Highly Stable and Largely Unexplained by Empathy or Other Known Factors
Alex J. Bartholomew,  et .al.
PLOSone Published: March 14, 2014 DOI: 10.1371/journal.pone.0091773 


伝染性あくびについて、個別測定値は非常に検証セッション横断的安定性が高く、検査室での検証、オンラインリモート下検証でも、結果は安定し、特定の健康被験者において伝染性あくびの感受性が少ないことが確認された。
加え、多くの人では、伝染性のあくびを提示できず、単純に、あくび伝染性が抑制されているという分けでも無く、刺激反応からあくびのようフィーリングさえも報告されない。

共感、1日の回数、インテリジェンスが伝染性のあくび感受性に影響を与えるという従来の報告と異なり、今回の研究報告では被験者年齢影響認めず、被験者は加齢と共に伝染性が増すということも示されず、40歳未満限定でさえ示されなかった。しかし、年齢が伝染性あくびに関する変数としては8%で唯一説明変数となった。
極端安定特性の大部分は不明で、インヘリタンス研究には注意が必要である。 



この話は退屈であくびがでるかもしれない・・・という見出しで始まる解説記事。

http://www.usatoday.com/story/news/nation/2014/03/14/yawning-contagious-study/6420133/






以下の記事には、「 あくびの伝染はヒトとチンパンジーのみ」という記載もある・・・これは研究してないだろ!

http://www.upi.com/Health_News/2014/03/16/Study-Contagious-yawning-not-linked-to-empathy/UPI-14201394997347/

2014年3月15日土曜日

女性オルガスム:超音波検査にて2種類


Pilot Echographic Study of the Differences in Clitoral Involvement following Clitoral or Vaginal Sexual Stimulation
The Journal of Sexual MedicineVolume 10, Issue 11, pages 2734–2740, November 2013 




Women Experience 2 Types of Orgasms; Now Sonographs Reveal How Clitoral And Vaginal Climaxes Cause Different Sensations By Lizette Borreli | Mar 14, 2014 01:47 PM EDT
 http://www.medicaldaily.com/women-experience-2-types-orgasms-now-sonographs-reveal-how-clitoral-and-vaginal-climaxes-cause




クリトリスと膣の2つと記載されるが、超音波にて、 clitorourethrovaginal (CUV) complexを画像化

クリトリス神経システムの視覚化で、外的及びクリトリスへの直接刺激の間と、膣刺激の間の2つを提示した

床に落ちた食べ物:3秒(5秒)ルールはユニバーサル?

Researchers prove the five second rule is real
http://www.aston.ac.uk/about/news/releases/2014/march/five-second-food-rule-does-exist/

大腸菌と黄色ブドウ球菌といった細菌伝播をモニター。室内の様々なタイプ、カーペット、ラミネート、タイル化表面といったもので評価。そして、被検食べ物はトースト、パスタ、ビスケット、粘性スイートを3−30秒間接触させて実験。


・接触時間が重要な要素である
・フローリングのタイプは影響が有り、最も伝播しやがたいのはカーペット表面、しやすいのラミネート化やタイル表面で、水気の多い食品で、5秒を超えると増加する。


意識実態調査では
87%の人は床に落ちた食べ物を食べる
床に置いた食べ物を今後も食べる、あるいは食べた経験のある55%は女性
床に落ちた食べ物を食べる女性の81%は5秒ルールに従う

単一被験者ランダム化(n-of-1)トライアル:スタチン筋痛例投与発症有意差無し

スタチン関連筋痛は、他の原因による筋痛と区別困難で、スタチン治療中止に繋がるという面で重要な症状。

3つの二重盲験交差比較(3週間wash-out period) の単一被験者ランダム化研究法:N-of-1トライアル
スタチン筋痛症既往患者を対象にした研究、被験者数確保期待できない対象のため、N-of-1トライアル施行


N-of-1 (Single-Patient) Trials for Statin-Related Myalgia
Tisha R. Joy, et. al.
Ann Intern Med. 2014;160(5):301-310-310. doi:10.7326/M13-1921

8名の患者(平均年齢、66歳[SD, 8歳]; 88% 女性、10年次Framingham心血管リスク高スコア)を被験者に  n-of-1トライアル
7名患者は3つの治療ペア完遂、1例は2つの治療ペア完遂
どのn-of-1トライアルでも、スタチンvsプラシーボ間に、統計学的なVAS筋痛スコア、症状特異的VASスコア、疼痛干渉スコア、疼痛重症度スコアに、差をみとめず。

5名のopen-label治療復帰、トライアル終了後中央期間10ヶ月。

n-of-1トライアル
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3118090/

様々な事例記述されている

スタチンによる無症候性肝障害リスク

ACC/AHAガイドラインを、製薬メーカー関連講演会やMR活動で以下に取り扱われるか。
スタチン適用推奨拡大問題・AHA/ACCガイドライン 欧州での議論 :http://kaigyoi.blogspot.jp/2014/03/ahaacc.html

日本語解説では、このゴタゴタ記述無いため、米国などで起きている論争しらない医師が多いはず(不勉強な医師が多すぎる)
 e.g.
ACC/AHA  脂質管理GL改訂 糖尿病患者へLDL-C値によらずスタチン投与を推奨
https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/46332/Default.aspx


製薬メーカーからの情報に頼る、情けない日本の医師たち




以下の英国居住研究者メタアナリシスは、一次・二次予防8万3千患者のデータで、プラシーボよりスタチンへのランダム割り付け群で、無症状肝障害絶対数比率を増加したというもの。
多くは、筋症状、疲労、筋痛、横紋筋融解症が多く、プラシーボよりスタチンが多いと言うことは無かった。

What proportion of symptomatic side effects in patients taking statins are genuinely caused by the drug? Systematic review of randomized placebo-controlled trials to aid individual patient choice
European Journal of Preventive Cardiology March 12, 2014 2047487314525531

14の一次予防トライアル(46,262名)のうち、スタチン治療で糖尿病絶対的リスク0.5%(994% CI, 0.1 to -1% , p = 0.012)で増加するが、死亡率減少 : −0.5% (−0.9 to −0.2%, p = 0.003)

15の二次予防トライアルRCT(37,618)では、死亡率減少 1.4% ( -1.2 to - 0.7%, p < 0.001)

他のスタチン寄与症状は無く、無症状肝機能増加は、全トライアル横断的に0.4%頻度増加。重度副事象イベント・中止例は両群で同様。







2014年3月14日金曜日

【卒中】早期心肺蘇生せず方針を徹底すると、悪い病院の評価をもらうことになる

心肺蘇生せず:DNR判断を早期に行うことは、患者にとっても無為な時間や医療行為を削減するためにも正当なこと。だが、この方針を徹底すると、逆に悪い病院と判断されることになる。


カリフォルニアの病院にて行われるDNR(心肺蘇生せず)指示にばらつきがあることが報告された。そして、早期DNR判断に対し適切な理解がなされないなら、早期DNR判断する病院は死亡率の高い病院と判断され、悪い病院に分類されてしまう危険性がある。


Variation in Do-Not-Resuscitate Orders for Patients With Ischemic Stroke
Implications for National Hospital Comparisons
Adam G. Kelly, et.al.
Stroke.2014; 45: 822-827



355の病院、252,368症例、 33,672(13.3%)早期DNR(入院24時間内DNR)

病院レベルの補正DNRにばらつき広範囲(5分位、 最小 2.2% vs  最大  23.2%)
早期DNR多い病院ほど、2倍、入院死亡率高い(最小5分位 4.2% vs 最大 8.7%)

DNRオーダーに合わせ補正されないことから、死亡率の高い病院を含むランク・スペクトラムの病院再分類される。

フジテレビのチームなんたらというのをチラ見してしまった。時代錯誤そのもので、「オピオイドを積極的に使い痛みに対する現代の緩和ケア」を愚弄しているとしか思えない内容で、胸くそ悪い。そもそも「バチスタ」をドラマ名にしてることこそが、愚かさの証明なのだが・・・。


プロスポーツ選手脳卒中:復帰判断など有益な指標となる血中総tau、s-100カルシウム結合蛋白B

脳ダメージの客観的マーカーが無いため、急性診断や即時プレー再開可能か臨床的意思決定に支障を来す。

プロアイスオッケープレイヤーのスポーツ関連脳卒中、急性軸索・神経膠細胞傷害と関連し、それぞれの血中バイオマーカーである、総タウ、S-100 calcium-binding protein Bが脳卒中直後より増加し、プレイ復帰などの意思決定補助として有用であることがわかった。

Original Investigation March 13, 2014
Blood Biomarkers for Brain Injury in Concussed Professional Ice Hockey Players
Pashtun Shahim, et. al.
JAMA Neurol. Published online March 13, 2014. doi:10.1001/jamaneurol.2014.367

デザイン・状況・被験者:多施設前向きコホート研究(トッププロアイスホッケーリーグ12チーム、スウェーデン・ホッケーリーグ)
288名のアイスホッケープレイヤー(2012−2013)、全プレイヤーを脳震とうに関わる評価プレシーズンに臨床検査施行。
12アイスホッケーチーム2チームの47のプレイヤーにてシーズン開始前に血液サンプリング。45名脳震とう(2012年9月13日から2013年1月31日まで)発生。28回繰り返しサンプリング(1、12、36、144時間、そしてプレー再開時)

主要アウトカム・測定項目: 総tau、s-100カルシウム結合蛋白B、ニューロン特異的enolase濃度(血漿・血清)


結論: プレイヤーはプレシーズン期間中値より、軸索障害:axonal injury のbiomarker 総タウ増加 (median, 10.0 pg/mL; range, 2.0-102 pg/m vs 4.5 pg/mL; range, 0.06-22.7 pg/mL) (P < .001)

正常膠細胞障害astroglial injuryの biomarker S-100 calcium-binding protein Bも増加(median, 0.075 μg/L; range, 0.037-0.24 μg/L vs 0.045 μg/L; range, 0.005-0.45 μg/L) (P < .001)

脳震とう直後、総Tau、S-100 calcium-binding protein B値最高値で、リハビリテーション期間は減少。
プレシーズン中から脳震とう後、neuron-specific enolase(肺がんでおなじみのNSEかぁ)は有意変化検出できず( median, 6.5 μg/L; range, 3.45-18.0 μg/L → 6.1 μg/L; range, 3.6-12.8 μg/L) (P = .10)





ボクシングやサッカーなどでも検討されるべきだと思う、プロだけで無く、若年スポーツにも

2014年3月13日木曜日

2型糖尿病腎症も、塩分制限、利尿剤、RAAS系遮断薬剤の効果を増強し、併用がさらに効果的

非糖尿病性腎症において、食事性塩分制限や利尿剤投与は、RAAS blockade増加させる。2型糖尿病腎症・residual アルブミン尿患者へのRAAS blockadeに、塩分制限、ヒドロクロロサイアザイド利尿剤を加えることによる影響検討

多施設二重盲験プラシーボ対照交差ランダム治験

Effects of sodium restriction and hydrochlorothiazide on RAAS blockade efficacy in diabetic nephropathy: a randomised clinical trial
Arjan J Kwakernaak,et. al.
The Lancet Diabetes & Endocrinology, Early Online Publication, 5 March 2014

微量アルブミン・マクロアルブミン・前年6 mL/min未満のCCr 30 mL/min以上、


ナトリウム制限とヒドロクロロサイアザイド(50mg/日)+ACE阻害剤(lisinopril 40mg/日)のアルブミン尿への効果(プライマリエンドポイント)


4治療期間(6週間)中、ヒドロクロロサイアザイド(50mg/日)vs プラシーボ投与
通常のナトリウム食とnatoriumuseigenn(目標 50 mmol Na+/日)
 randam順で6週間治療群はそれぞれ行われる
2名患者ブロックでランダム化


 89名の登録患者中、45名。
ナトリウム制限・ヒドロクロロサイアザイドは共に、治療シークエンスに関係なくアルブミン尿減少。
ベースライン治療による残存的幾何平均アルブミン尿は711mg/日(95 % CI, 485 - 1043)。



 ナトリウム制限n(393 mg /日 [258—599], p=0·0002)、ヒドロクロロサイアザイド(434 mg per day [306—618], p=0·0003)ともに有意減少。
併用がもっとも大きい効果(305 mg/day [203—461], p<0 p="">




ヒドロクロロサイアザイドの低カリウム血症、耐糖能への影響、尿酸への影響をスペアするほどの価値があるのかは、まだ分からないが、塩分制限と加え、腎症への効果は認められる。

DNAメチル化とBMI:GWA

DNAメチル化変異とBMIの初期システマティック解析

459名からのDNAサンプル、35万1千超部位のメチル化値を検証

HIF3A遺伝子近傍の3つのメチル化部位と強い相関性あり、体重変化に関連するDNA
変化と考えられる。



DNA methylation and body-mass index: a genome-wide analysis
Katherine J Dick, et. al.
The Lancet, Early Online Publication, 13 March 2014


HIF:Hypoxia Inducible Factor: 低酸素誘導因子
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/gene/64344

部分引用だけど示唆を感じる(http://vril.blog.so-net.ne.jp/2011-03-09)
肥大した肥満細胞における酸素需給不均衡により、組織低酸素が起こり、組織中の炎症性アディポカインが増える。その結果、マクロファージが集積し、慢性的に軽度の炎症がくすぶることになり、インスリン抵抗性が増強する。以上のように、臨床的にも低酸素症が炎症を促進する

下肢静脈潰瘍・血栓後症候群に、圧迫ストッキングは有効か?

深部静脈血栓症では静脈弁不全が発生し、慢性的な下腿腫脹や皮膚障害きたす血栓後症候群が生ずることがある。それに対し予防的な圧迫ストッキングやバンド法比較報告だが、実際には劇的に有効というわけではないようだ。


下肢静脈潰瘍に対し、2層compression hosiery(圧迫ストッキング(類)) は、 4層compression bandage(圧迫バンド)の代替となりえるが、より頻回に交換が必要で、全患者には不適切。

Clinical and cost-effectiveness of compression hosiery versus compression bandages in treatment of venous leg ulcers (Venous leg Ulcer Study IV, VenUS IV): a randomised controlled trial
Rebecca L Ashby, et. al.
The Lancet, Volume 383, Issue 9920, Pages 871 - 879, 8 March 2014 

潰瘍治療中央時間は、圧迫ストッキング群で99日間(95% CI, 84 - 126日間)、圧迫バンド群98日間(85 - 112日間)潰瘍治療比率は2群で同様  (70·9% hosiery 、 70·4% bandage)
より圧迫ストッキング群の治療部位変更多い (38·3% hosiery vs 27·0% bandage; p=0·02) 
300例、895の副事象イベント、9.5%,85イベントが重度と判断されたが、トライアル治療とは関連せず

血栓症後症候群は多くやっかいなDVT合併症。今までのトライアルから、可塑性圧迫ストッキング(ECS)が予防に役立つというプラシーボ対照小規模単一研究は存在する。PTS予防プラシーボストッキング比較のECS効果を検証。
 ↓
多施設ランダム化プラシーボ対照化トライアル
Compression stockings to prevent post-thrombotic syndrome: a randomised placebo-controlled trial
Susan R Kahn, et. al.
for the SOX trial investigators

The Lancet, Volume 383, Issue 9920, Pages 880 - 888, 8 March 2014

PTS累積頻度は、active群で14.2%、プラシーボESC群で 12.7%(センター毎ハザード比 1.13, 95% CI 0.73 - 1.76 ; p =0.58)
結果は、事前設定プロトコール解析にて同等。

運動量低下はCOPD急性増悪リスク増加に繋がる


運動習慣スローダウンしたら、その後COPD急性増悪入院回数増加させる

"Influence of changes in physical activity on frequency of hospitalization in chronic obstructive pulmonary disease"
Esteban C, et al
Respirology 2014; DOI: 10.1111/resp.12239.


1日ほぼ2マイル歩行からゼロへ、2から4マイルからそれ以下へ減ると、高度運動活動性維持群に比べ、3年時点で、COPD急性増悪入院オッズ 2.49倍

 高度運動活動性から運動活動低カテゴリー減少となった場合、その後のリスクが倍となる  (OR 2.13, P=0.017),

 この関連性は、年齢、肺機能、急性増悪入院既往と関連無し


身体運動習慣の小さい変化が入院というアウトカムに重大な影響を与える






COPDという診断 されず、単に、気道感染にて入院し、入院にて安静を強要され、それまでの運動習慣がゼロになる・・・そして、さらに急性増悪を繰り返す。


そういう症例をやまとみてきた・・・


重症好酸球性喘息:抗IL-5アンタゴニストモノクローナル抗体注射mepolizumabにて重度急性増悪減少、必要経口ステロイド量減少

重度好酸球性喘息治療:抗IL-5アンタゴニストモノクローナル抗体注射製剤:mepolizumab第3相治験結果

http://www.gsk.com/media/press-releases/2014/gsk-announce-positive-results-from-phase-iii-studies-for-mepoliz.html

MEA115588:重度好酸球喘息の2つのレジメン:静注(IV) 75mg、皮下注(SC) 100mg、プラシーボ 4週毎
プライマリ・エンドポイントは、臨床重要急性増悪回数比較で、 iv 75m 、 sc 100mgでそれぞれ、47%、53%減少 (p < 0.001)

副事象は全治療群で、同等。

メタアナリシス:正常高値血圧は、低レンジでも、高レンジでも、卒中増加をもたらす

prehypertension:正常高値血圧で、表題のごときメタアナリシスが新たに報告された。


しかし、注意すべきは、正常高値血圧という状況が卒中リスク増加と関連する現象であって、正常高値血圧への積極薬物治療が卒中治療を減少させるということを示しているのではないということ!

例えば、内臓肥満などのメタボリックな要素が寄与要素として補正されていたのだろうかという疑念はこれでは払拭できない。


さらに、介入報告プール解析としては

故に、これはさほどの意義をもたない報告なのかもしれない。


Prehypertension and the risk of stroke: A meta-analysis
Yuli Huang,et.al.
Neurology 10.1212/WNL.0000000000000268; published ahead of print March 12, 2014

目的: メタアナリシスによる、正常高値血圧と卒中リスクの相関関係評価を試みる。
方法: 正常高値血圧と卒中に関するデータを有する研究のPubMed、EMBASEデータベースを検索。2名の独立したレビューアがレポートと抽出データを評価。前向き研究は、卒中と正常高値血圧あるいは2つのサブレンジ(比較的低レンジ正常高値血圧:120-129/80-84 mm Hg; 高レンジ正常高値血圧 130-139/85-89 mmHg)と、卒中の関連性多変量補正相対リスク(RRs)と95%信頼区間(CIs)が報告された場合検討として含む。
血圧レンジ、卒中病型、エンドポイント、年齢、性、民族、研究特性に基づくサブグループ解析

結果: プール化データには、19の前向きコホート研究、762,393被験者を含む。正常高値血圧は、至適血圧(<120/80 mm Hg)に比べ、卒中リスク増加を示す (RR 1.66; 95% CI 1.51–1.81)
セカンダリアウトカム解析にて、低レンジ正常高値血圧(120-129/80-84)でさえ卒中リスク増加と関連  (RR 1.44; 95% CI 1.27–1.63)し、正常高値血圧(130-139/85-89 )はさらにリスク増加 (RR 1.95; 95% CI 1.73–2.21)
相対リスク(RR)は低レンジ正常高値血圧より高レンジ正常高値血圧で高い (p < 0.001)どのサブグループ解析でも、有意な差を認めず (all p > 0.05)

結論: 多心血管リスク要素補正後、正常高値血圧は、卒中合併症と相関。高レンジ正常高値血圧の部分が大いに卒中リスク増加をもたらすが、低レンジ正常高値血圧もリスク増加をもたらす。


WGS:臨床応用まだまだ

ヒトゲノム解析は1990年開始され、270億万米ドルかけて、2003年完遂

以降、今日、1千米ドル、数日で、Whole Genome Sequencing(WGS)は完遂できる状況。

今日、JAMA誌の掲載は、3つの問題が指摘されている

Clinical Interpretation and Implications of Whole-Genome Sequencing
Frederick E. Dewey, et. al.
JAMA. 2014;311(10):1035-1045. doi:10.1001/jama.2014.1717.

1)遺伝的疾患遺伝子のWGSカバー率は不完全、家族内の疾患のゲノムの重大部分のマップを正確に作成しなければ、ゲノムの他の部分のマッピングより困難。
2)研究者たちは、検出遺伝子変異全てを再現することができず、変異のタイプが疾患にどれが重要か不明。
3)実は、WGS結果不一致こそ最も重要研究対象項目で、臨床的に報告価値があるのかもしれない




シークエンシングプラットホームによれば、遺伝性疾患遺伝子の10%〜19%は、1塩基対変異発見の一般に認められたスタンダードでカバーされてないもの
1塩基対遺伝子変異記載と遺伝子型一致性が高い(99% 〜 100%)が、small insertion/delition変異は低い(53%〜59%)。
それぞれの被験者あたりの90-127のcurationは、中央値54分間(5-223分間)/遺伝子変異毎必要。専門者間の分類一致度中等度 (Gross κ, 0.52; 95% CI, 0.40-0.64)で、不明・有意性認めない変異と遺伝子データベースとカテゴライズ再分類されたのは遺伝子変異の69%。
BRCA1遺伝子1つのframeshift欠損を含む、6個別的疾患リスク候補中2つはどの被験者でも検出
遺伝子配列所見の医師レビューは、メディアンとして3つの1つが初期診断検査・被験者毎の参照として示唆され、臨床的フォローアップのためWGS所見のsuitabilityに関してはfair interrater agreementであったFleiss κ, 0.24; P  < 001)



これを見ると日本のこの方面実地研究、かなり遅れをとってるというのを実感する。
http://mbrdb.nibio.go.jp/data/20130118/20130118_a_WGS.pdf

右中大脳動脈領域梗塞は左同病変と比べ、歩行緩徐・歩行非対称性めだつ、そして、非梗塞病変灰白質容積大きいほど機能は温存

右中大脳動脈内領域(MCA)脳障害は、特に、mediolateral postural stabilizationへの障害をもたらす。横断的研究にて、慢性右中大脳動脈領域梗塞(左病変と比較)が、より緩徐歩行・より両側非対称性となる仮説、そして、慢性右MCA領域病変において、MCA領域外に存在する運動制御脳を含む、脳非梗塞領域内の灰白質により依存するという仮説検証。


結論は、左中大脳動脈領域梗塞と比べ、右MCA領域内慢性病変では、歩行緩徐化、非対称性がめだつ。梗塞領域外の病変内の灰白質容積が大きいほど、locomotor control温存する。




Infarct hemisphere and noninfarcted brain volumes affect locomotor performance following stroke
I-Hsuan Chen, et. al.
http://www.neurology.org/content/early/2014/01/31/WNL.0000000000000186.abstract


2014年3月12日水曜日

寄生虫学者・藤田紘一郎名誉教授 薬事法違反 ドグマ主義者の行き着くところ

見逃してたのだが・・・
プロポリス、がんに効く」 藤田名誉教授を書類送検
http://www.asahi.com/articles/ASG3B46BBG3BULOB00L.html
「プロポリスでがん細胞が自滅」などと紹介 「カイチュウ先生」を書類送検 神奈川県警 2014.3.10
http://sankei.jp.msn.com/region/news/140310/kng14031019120004-n1.htm
この方、終始一貫、「寄生虫の世界からみた、衛生仮説主義者」ドグマ主義者である。

正しい部分もあるが、実証されてない部分まで猛進している気質の持ち主のようだ。

http://blog.goo.ne.jp/nanbanandeya/e/86bb879f17894c0ba25f63901f2afc3f
藤田氏は、日本に帰った'72年から研究に没頭。その年、回虫とアレルギーの関係について初発表した。そして'77年には、回虫のアレルギー抑制物質を解明した。 実は、回虫の排せつ物中の『分子量2万の物質(ESC)』が人体においてIgE抗体をつくる機能を活性化させているのだそうだ。

ESCを調べると・・・確かにFcεRII/CD23発現促進する部分が有り、TH2サイトカイン 産生促進的に働く研究のラストネームがある。
Purified excretory-secretory component of filarial parasite enhances Fc epsilon RII/CD23 expression on human splenic B and T cells and IgE synthesis while potentiating T-helper type 2-related cytokine generation from T cells
 1994 Apr;81(4):507-12.

ただ、衛生仮説は、オーストラリアの疫学者の1989年David Strachanが述べたのが最初ということになってるはずで、このおっさんは最初から、変形版主張してたのだが、当時「寄生虫博士」として著作物が売れ、メディアで名前が売れてたため、日本ではこの藤田先生変形版説も有名となってしまった。







藤田紘一郎https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E7%94%B0%E7%B4%98%E4%B8%80%E9%83%8E

この人も、低Carb.ダイエット布教活動してたのかぁ
  • 『50歳からは「炭水化物」をやめなさい。』大和書房 2012/9
  • 50歳から始める 炭水化物ぬきレシピ [単行本(ソフトカバー)]


ノーベル賞2回のポーリング博士の行き着くところは「ビタミンC」健康万能ドグマだったから、研究者というのはそういうものなのかもしれない

noteへ実験的移行

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