2018年12月21日金曜日

ナッツ類摂食:男性では小細胞癌リスク減少

種実(ナッツ):クルミ、カシューナッツ、アーモンド、マカダミアナッツ、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、ココナッツなど

これらと肺癌リスクの関連



Nut and peanut butter consumption and the risk of lung cancer and its subtypes: A prospective cohort study
Lisette Nieuwenhuis , et al.
Lung Cancer
Open Access
DOI: https://doi.org/10.1016/j.lungcan.2018.12.018 
https://www.lungcancerjournal.info/article/S0169-5002(18)30715-3/pdf



フォローアップ 20.3年間
1986年、55-69歳の120,852名の食事・ライフスタイル習慣アンケート
多変量コホート解析

ナッツ総摂取量は、男女とも、癌リスクと有意相関認めず
小細胞癌では、ナッツ総摂取量と有意逆相関が、詳細な喫煙習慣補正後男性で観察 (HR (95%CI) for 10+ g/day vs. 対非摂食 : 0.62 (0.43-0.89), p-trend: 0.024)

小細胞癌の逆相関が、男性においてはtree nutとピーナッツ摂食の連続指標解析で見られた  (1日5g量増加毎 HR (95%CI) : 0.70 (0.53-0.93) 、 0.93 (0.88-0.98))

他の肺癌サブタイプでは、男性では有意な相関認めず

女性ではナッツ摂食は肺癌サブタイプのリスクと相関認めず、ピーナッツバター摂食での相関は両性で見られず


結論:ナッツ摂食増加により小細胞癌予防効果の可能性が男性では存在。他の肺癌サブタイプでは相関見られず、女性、ピーナッツでも相関認めず。



乳製品全体は全死亡・脳血管疾患死亡リスク低下するも、ミルクは心血管疾患リスク増加と関連

脳血管に関してはミルクを含め乳製品は死亡率低下と関連
だが、ミルクだけに限れば心臓疾患死亡リスク増加と関連の可能性


Consumption Of Dairy Product And Its Association With Total And Cause Specific Mortality - A Population-Based Cohort Study And Meta-Analysis
Moshen Mazidi , et al,  on behalf of the Lipid and Blood Pressure Meta-analysis Collaboration (LBPMC) Group
Clinical Nutrition 
DOI: https://doi.org/10.1016/j.clnu.2018.12.015

NHANESデータ データセット:24474名、 フォローアップ中死亡 3520名

多変量補正Coxモデルにて総死亡率は、乳製品とミルク合算摂取量で、4分位top(Q4)では最小(Q1)に比べ、脳血管死亡率リスクは低い (ハザード比 [HR] 0.98, 95% 信頼区間 [CI]: 0.95-0.99)
そして、チーズ摂取でも同様 HR: 0.92, 95%CI: 0.87-0.97)

同じモデルで、乳製品摂取量とミルク摂取量は、各々も脳血管死亡率は負の相関 (HR: 0.96, 95%CI: 0.94-0.98, HR: 0.93, 95%CI: 0.91-0.96)
一方、ミルク摂取量は心血管疾患死亡率増加と相関 (HR: 1.04, 95%CI: 1.02-1.06)

636,726名のメタアナリシスでは、発酵乳製品と総死亡率の負の相関示唆 (RR: 0.97, 95%CI: 0.96-0.99)
一方、ミルク摂取は心血管疾患死亡率増加と関連 (RR: 1.04, 95%CI: 1.01-1.05)



これら知見は感度分析でも確認

結論:米国成人において、乳製品全体ではその摂取量増加は死亡率全体、脳血管疾患死亡率低下と関連する、一方、ミルク摂取は心血管疾患リスク増加と関連
米国内公衆衛生助言としては、乳製品全体の摂取量を減らすことは含まれるべきでない。しかし、ミルク摂取と心血管リスクの関連性は今後検討されるべき



以前の報告から・・・牛乳摂取で懸念されていた具体的記述

牛乳摂取量と炎症性サイトカインの関連性
セイブンとしてのD-ガラクトースが実験的には加齢モデルとして用いられ、酸化ストレス障害、慢性炎症、神経炎症、免疫応答低下、遺伝子転写への影響をもたらし、D-ガラクトース皮下注は100 mg/kg、ヒトにおいては1−2杯の牛乳に相当。

Milk intake and risk of mortality and fractures in women and men: cohort studies
BMJ 2014; 349 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.g6015 (Published 28 October 2014)
Cite this as: BMJ 2014;349:g6015
https://www.bmj.com/content/349/bmj.g6015






SGLT-2阻害剤:一過性腎機能低下、長期的腎機能保護作用

SGLT2阻害剤投与後一過性eGFR低下は1−6週間続くが、予防的手立てはあるのだろうか? 飲水による予防効果に関してはcontrovertialと思うが・・・


The Renoprotective Effects of SGLT2 Inhibitors versus Placebo in Patients with Type 2 Diabetes with or without Prevalent Kidney Disease: A Systematic Review and Meta-analysis
Chen Wang, et al.
Diabetes, Obesity and Metabolism December 20, 2018
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1111/dom.13620?referrer_access_token=KPEhpLyi_E842d5rDEv7oota6bR2k8jH0KrdpFOxC67Yg6okzr0oIGUxUtJEZA8uyKt-14stKIXcMliYXhXP5SyhevPwsRyqNP0e0Q3mF5WQdKPMzjuUloGl276jrxtp

被検者43721名を含む25研究
治療早期、eGFRの軽度低下(WMD -4.63; 95% CI, -6.08〜 -3.19 mL/min/1.73 m2その後1−6週間観察されるが、その後経時的に影響狭まり、長期には減少から防御的となる (WMD, 3.82; 95% CI, 2.80 to 4.85 mL/min/1.73 m2)

SGLT2阻害剤はアルブミン尿を遅延  (RR, 0.71; 95%CI, 0.66 to 0.76) し、アルブミン尿改善を促進 (RR,1.71; 95%CI, 1.54 to 1.90)、eGFR減少・腎機能置換療法必要性、腎疾患死亡率の組み合わせアウトカムを改善 (RR,0.57; 95%CI, 0.49 to 0.66)し、全死亡率減少 (RR,0.84; 95%CI, 0.75 to 0.94)
一方、性器感染リスク増加する  (RR,3.43; 95%CI, 2.87 to 4.10)
メタ回帰解析にて、eGFR-保護効果は、患者の基本特性(年齢、BMI、HbA1c、eGFR値)と相関せず、薬剤投与要素(SGLT2阻害剤の治療期間、タイプ、投与量)にて影響を受ける
サブグループ解析にて、対プラシーボ腎アウトカムへの関連影響はeGFRサブグループ横断的に同等(P heterogeneity > 0.05)



Forest plot for incidence of renal composite (a composite of a sustained 40% reduction in eGFR, the need for renal-replacement therapy and death from renal causes). The left favours SGLT2is and the right favours placebo. Abbreviations: CI, confidence interval; RR, risk ratio.


noteへ実験的移行

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