2014年1月14日火曜日

緑茶連日摂取で、β遮断系降圧剤血中濃度減少

BBC(http://www.bbc.co.uk/news/health-25716708)に、緑茶が降圧剤効果減弱として報道されている。


有機アニオン輸送ポリペプチド:organic anion transporting polypeptide (OATP) 


 OAT1の基質には, cAMP, cGMP, プロスタグランジンE2, 尿酸, ジカルボン酸などの内因性有機アニオン, βラクタム系抗生物質, 利尿薬, NSAIDs, メトトレキセートなどのアニオン性薬物, 各種抱合体, 環境異物など多様な有機アニオンが含まれる.
http://plaza.umin.ac.jp/JPS1927/fpj/issue/TOC01-117(3)/00-117-177.html 

 ジュース成分はOATP(OATP-B、OATP-Aなどの関与が考えられている)、P糖タンパク質によるフェキソフェナジンの輸送を阻害する。OATPは消化管管腔から血液側(いわゆる吸収)へ、P糖タンパク質は血液側から消化管管腔側(いわゆる分泌)への輸送を担っているため相反する阻害作用であるが、前者への阻害効果が強く、全体としては吸収阻害となり、血中濃度が増加すると考えられる。ジュースに含まれるバイオフラボノイド(ナリンジン、ヘスペリジン、ナリンゲニン、ヘスペリチン、ケルセチンなど)、フラノクマリン 類、メトキシフラボン類などがOATPの阻害物質と考えられている。果物ジュースと相互作用して、OATPを介した吸収が低下する薬物として、セレクトール〈セリプロロール塩酸塩〉、テノーミン〈アテノロール〉などが知られている。
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/contents/brouse/t_184710.pdf

緑茶と、β遮断系降圧剤:ナディック
 ↓
緑茶(700ml/日)14日間摂取で、β遮断剤である、ナドロール(ナディック)の血中濃度を激減させることが分かった(Cmax 85.3%、AUC0-48 85.0%減少 (P < 0.01) )
OATP1A2 (Km=84.3 μM)がナドロールを基質として抑制し、OATP1A2-mediated nadolol 摂取を抑制する。

Green tea ingestion greatly reduces plasma concentrations of nadolol in healthy subjects
S Misaka ,et. al.
Clinical Pharmacology & Therapeutics (13 January 2014) 
doi:10.1038/clpt.2013.241


果たして、β遮断剤だけなのだろうか?


Green tea and irinotecan metabolismGreen tea and irinotecan metabolism
Clinical Pharmacology & Therapeutics 75, P36 (February 2004) 
doi:10.1016/j.clpt.2003.11.136

カフェイン:記銘後摂取で効果 ・・・ 200mgで効果頭打ち

コーヒー、紅茶、緑茶、ココア、いずれに関わらず、カフェインは、記憶改善につながる

画像シリーズを閲覧させ、その後、コーヒーストロングカップほどの量である200mgのカフェインをその後服用。翌日被験者に記憶検査。
 被験者は16名の健康者で、カフェイン製品定期接種歴無し

 多くの研究で、認知機能促進効果検討がなされているが、長期記憶改善効果検討は詳細にはなかった。特に、学習前にカフェイン投与というのが通常だったが、学習後にカフェイン服用検討は詳細にはなされてない。記憶への影響は、覚醒、警戒、注意、処理速度などと関連する。故に、post-study designにて検討

 オリジナルな絵から、若干異なるアイテムを正確に指摘できるかというもので、例えば、ラバーダックが短いあるいは太ってるなどの違い。
 カフェインの量を100mg、300mgと比較すると、100mgではメモリー機能boost効果認めず、300mgでは200mgほどの効果無く、至適投与量は100mgだろうと・・・エスプレッソの典型例は80mgで、2杯ほどでで事足りる。


Post-study caffeine administration enhances memory consolidation in humans
Daniel Borota, et. al.
Nature Neuroscience    (2014)    doi:10.1038/nn.3623




コーヒー:60 mg/ 100ml
インスタントコーヒー: 57mg/ 100ml
紅茶: 30mg/ 100ml
せん茶: 20 mg/ 100mL
http://www.fsc.go.jp/sonota/factsheets/caffeine.pdf

米国予防医療専門委員会:妊娠糖尿病スクリーニング 24週−26週にて推奨

USPSTF (米国予防医療専門委員会) レベルB推奨
U.S. PSTF Screening for Gestational Diabetes Mellitus
http://www.uspreventiveservicestaskforce.org/uspstf/uspsgdm.htm


妊娠24週後無症状妊婦に対する妊娠糖尿病スクリーニング検査

AASE(米国内分泌学会)、ADA(米国糖尿病学会)、ACOG(米国産科婦人科学会)の関係学会の意向に沿ったもの




米国内で最頻用の検査は、妊娠24−48週、50gOGCTで、閾値を130、135、140mg/dLが多い。GDMは設定閾値を一つでも超過した場合に診断が行われる。


推奨B:タスクフォース推奨としては、50g経口ブドウ糖負荷検査(OGCT)を24−28週に行い、閾値としての130を超えるなら、100gOGCT、2時間後をフォローアップする。

ステートメントI:24週未満の無症状妊娠者における、GDMスクリーニングのベネフィット・ハームバランスのエビデンス不十分


他のオプションとしては、空腹時血糖もしくは他のリスク要素に基づく検診があるが、これら代替的アプローチはエビデンス乏しい。


Screening for Gestational Diabetes Mellitus: U.S. Preventive Services Task Force Recommendation StatementVirginia A. Moyer,  et. al.
Ann Intern Med. Published online 14 January 2014 
doi:10.7326/M13-2905 


Primary source: Annals of Internal Medicine
Source reference: Donovan L, et al "Screening tests for gestational diabetes: A systematic review for the U.S. Preventive Services Task Force" Ann Intern Med 2013; 159.

Additional source: Annals of Internal Medicine
Source reference: Hartling L, et al "Benefits and harms of treating gestational diabetes mellitus: A systematic review and meta-analysis for the U.S. Preventive Services Task Force and the National Institutes of Health Office of Medical Applications of Research" Ann Intern Med 2013;159.

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