2012年2月17日金曜日

米軍・アデノウィルスワクチンプログラム終了後、死亡例増加


米軍・アデノウィルスワクチンプログラム終了後、死亡例増加

Adenovirus-associated Deaths in US Military during Postvaccination Period, 1999–2010
http://wwwnc.cdc.gov/eid/ahead-of-print/article/18/3/11-1238_article.htm




1971年にアデノウィルス4、7へのワクチン開始し、劇的に、アデノウィルス流行減少した。
1999年に終了し、その後8名の死亡例が生じた。

死亡例:http://wwwnc.cdc.gov/eid/ahead-of-print/article/18/3/11-1238-t1.htm


1975年から1998年までアデノウィルス関連死認めていない。


2011年に生ワクチンが承認され、2011年10月再開されている。



メタアナリシス:運動と癌治療後


Physical activity for cancer survivors: meta-analysis of randomised controlled trials

BMJ 2012; 344 doi: 10.1136/bmj.e70 (Published 31 January 2012) Cite this as: BMJ 2012;344:e70

34RCT、乳がん65%(22)のメタアナリシス

22研究がエアロビック運動、4つがレジスタンスあるいはストレングストレーニング

運動平均期間なh13週(3-60週間)

多くの対照群は、安静あるいは無運動割り当て

乳がん患者の研究に基づく場合、運動は以下を改善
insulin-like growth factor-I、ベンチプレス、レッグプレス、疲労、 うつ、 QOL

 違う種類のガンを含め検討した場合、BMI、体重、酸素ピーク消費量、ピークpower output、6分間歩行距離、右握力、QOLの改善を認めた

年齢、研究の質、研究サイズ、運動の種類・期間に関してheterogeneityあり、

出版バイアスで結論不変



テリパラチド hPTH(1-34)  チップ利用・植え込みドラッグデリバリーシステム

First-in-Human Testing of a Wirelessly Controlled Drug Delivery Microchip

Published in Science Translational Medicine Rapid Publication on February 16 2012 Sci. Transl. Med. DOI: 10.1126/scitranslmed.3003276





テリパラチド(商品名:フォルテオ皮下注カート)として発売されている、ヒトPTHフラグメント [hPTH(1-34)]を、マイクロチップベース薬剤デリバリーシステムに用いた初めての臨床トライアル


間欠的あるいはpulsatileな hPTH(1-34)投与
 
個別用量凍結乾燥hPTH(1-34)を埋め込み薬剤投与マイクロチップベース・デバイスで、8名の骨粗鬆症閉経後女性に4ヶ月、1日1回投与、20日まで行った。

Medical Implant Communications Service bandで、コンピュータベースプログラマーが投与スケジュールプログラムと状況把握にて投与量調整
投与量を増加し、薬剤血行動態、安全性、耐用性、bioequivalenceを検討。

ナノ粒子経口暴露:鉄吸収に影響


Oral exposure to polystyrene nanoparticles affects iron absorption
Nature Nanotechnology (2012) doi:10.1038/nnano.2012.3 Received 03 October 2011 Accepted 06 January 2012 Published online12 February 2012 


エンジニア化されたナノ粒子の応用は、食物・薬品に及び、期待も高まっている。しかし、ヒトの健康へのナノ粒子慢性経口暴露のインパクトは不明のまま。
ポリスチレン・ナノ粒子の慢性・急性経口暴露が、腸上皮in vitroモデルやトリ腸ループモデル in vivo実験でも、鉄吸収や鉄輸送に影響を与える可能性が示された。

ナノ粒子 高用量暴露腸細胞は、細胞膜のナノ粒子による破壊で鉄輸送増加
トリでは、 carboxylated particle (直径 50 nm)の急性暴露で、非暴露・慢性暴露に比べ、鉄吸収低下。
慢性暴露は腸絨毛のリモデリングを生じ、鉄吸収面積を増加させる影響を認める。

これらのin vitro in vivoの一致した研究結果から、毒性研究として腸上皮の変化が一つ認められた。


パーキンソン病:漸増抵抗運動は長期効果あり、他の運動組み合わせより効果持続

ウェイト・トレーニングが、好気的運動・ストレッチング組み合わせ及び長期ストレッチング運動よりパーキンソン症状軽減につながりやすい。

Corcos D, et al
"24 months of exercise improves the motor symptoms in Parkinson's disease"
AAN 2012.


48名のパーキンソン病小研究

ウェイト・リフティング維持で、UPDRS(Unified Parkinson's Disease Rating Scale)スコア 7.3改善維持、 これは、レボドーパと同じeffect size

以前の報告では、ストレッチング及びレジスタンストレーニングが支持され、低強度運動、例えばウォーキングが、強度運動よりベターというものだった。

6ヶ月比較で、38名が完遂、登録者は、男性68%、平均59歳、疾患罹病期間7年

PRE(progressive resistance exercise : 漸増抵抗運動) と ‘Fitness Counts regimen of flexibility, balance, and strengthening exercises and aerobics'の比較

初回6ヶ月後、両群とも、UPDRS運動機能サブスケール臨床的に減少(P<0.0001)
ウェイト・トレーニング群は6.42、複合運動群は5.38減少(P=0.55)

しかし、PREの方が、12ヶ月時点で有意で、18ヶ月時点、12ヶ月時点まで維持されていた(P=0.023、 0.017、< 0.001)。 Fitness Counts群はベースラインに戻った。

米国:メディカルスクール入学試験 社会科学的素養・意思決定スキル項目チェックするらしい

米国メディカルスクールへの入学試験、Medical College Admission Test (MCAT)が2015年から変わるそうだ。
New MCAT: Hard Science No Longer Sole Aim By Emily P. Walker, Washington Correspondent, MedPage Today Published: February 16, 2012

生物学、物理、統計、化学集中から、心理・倫理・文化研究・哲学に関して問うことが追加されるらしい。
 

 "Psychological, Social, and Biological Foundations of Behavior"というセッション


 それに、"Critical Analysis and Reasoning Skills" というセッショも加わる。
社会科学そして、倫理・哲学・文化横断的研究・住民健康分野から情報を分析し、実際に応用する。


” having a knowledge of social sciences would lead to a better doctor-patient relationship”という発想らしい。

21名の助言委員会がMCAT試験アップデート作業を行なっている。


欧州医薬品庁:抗肥満 オルリスタット 肝障害は極めて稀と・・

Alli ( GlaxoSmithKline) や Xenical(  Roche)はを含む薬剤


BMI28以上に対しベネフィットを有するというものだが、
1997-2011年1月までに重篤な肝障害報告21例。9例が肝不全の報告があった。

European Medicines Agencyは、極めて稀なる副作用として ベネフィットに重きをおいて是認することとなったらしい
ロイター:http://www.reuters.com/article/2012/02/16/us-eu-agency-weight-loss-idUSTRE81F28W20120216




Orlistat: Obesity in adult
http://bestpractice.bmj.com/best-practice/evidence/intervention/0604/0/sr-0604-i2.html
・ 有害性:胃腸症状(下痢、鼓腸など)




FDA:Questions and Answers: Orlistat and Severe Liver Injury
http://www.fda.gov/Drugs/DrugSafety/PostmarketDrugSafetyInformationforPatientsandProviders/ucm213040.htm



個人輸入のサイトが目立つが・・・少なからず副作用と関連する薬剤なので自重すべき、行政の方は違法なサイトを放置すべきではない

CADUCEUS:心臓由来細胞による自家増殖細胞肝動脈内注 損傷部位縮小・可動領域拡大


Intracoronary cardiosphere-derived cells for heart regeneration after myocardial infarction (CADUCEUS): a prospective, randomised phase 1 trial
The Lancet, Early Online Publication, 14 February 2012


Cardiosphere-derived cell (CDC) :心臓由来細胞を用いて、心筋梗塞後瘢痕領域縮小、心筋機能回復増加などが臨床前モデルとして検討されている。

心筋梗塞後左室機能障害患者へのアプローチ

前向きランダム化:心筋梗塞後2-4週(LVEF 25-45%)・2施設、2:1割付
endomyocardial biopsy培養増殖自家細胞 を梗塞関連動脈へ1.5-3ヶ月時点で注入
プライマリエンドポイントは、細胞注入後心室性頻拍、心室粗動・予期不可能突然死・心筋梗塞による6ヶ月以内の死亡 、心臓腫瘍MRI同定、心血管重大イベント (MACE; composite of death and hospital admission for heart failure or non-fatal recurrent myocardial infarction)

31名の被験者をランダム割付、25名をper-protocol解析として、17名CDC群、8名を標準治療群とした。
平均ベースライン左室駆出率は39%(SD 12)、scarは左室容積の24%
生検サンプル36(SD 6)日内採取
CDC注入24時間以内の合併症認めず

6ヶ月まで患者死亡なし、心臓腫瘍・MACEなし

重篤副事象 CDC群 4名、対照群1  (13%; p=1·00)

6ヶ月時点での対照比較で、MRI検討で、CDCによりscar容積減少  (p=0·001)、可動心筋容積増加 (p=0·01)、 区域収縮増加 (p=0·02)、区域収縮期壁肥厚(p=0·015)

しかし、6ヶ月時点で、拡張期終末期容積、収縮期終末期容積、左室駆出率に群間差みとめず

例数が少なく、ばらつきが目立つ報告で、今後追試確認が必要。
将来性・現実性から多くのメディアが、2-3日前から報道している。

解説: http://www.medpagetoday.com/Cardiology/MyocardialInfarction/31183



抗凝固・血栓予防ACCPガイドライン :冠動脈項目

抗凝固・血栓予防:ACCPエビデンスに基づく臨床実践ガイドライン ;水分補給などエビデンス無し


上記で、ガイドラインの存在と主に長期フライト・旅行に関する抗血栓予防に関して触れたが・・・



Guyatt GH, Akl EA, Crowther M, et al. Antithrombotic Therapy and Prevention of Thrombosis, 9th ed: American College of Chest Physicians evidence-based clinical practice guidelines. Chest 2012; 141(2)(Suppl):7S-47S.
http://chestjournal.chestpubs.org/content/141/2_suppl



冠動脈疾患についての解説: http://www.theheart.org/article/1357911.do#bib_1

アスピリンによるがんリスク減少・死亡率減少を含む
包括的ベネフィットによる選択を薦めている


ピニオンリーダーの影響をなるべく少なく:専門家の意見はあまりに閉鎖的で、"intellectural and/or financial conflict"が問題。


抗血栓治療を勧めるエビデンス強度は以前より少なくなっており、すべてが抗血栓治療すべきものではないという認識が広まり、多くは血栓のリスクは小さすぎ、出血リスクとのバランス、コスト・不便性とのバランスで考慮されるべき。

trade-offとして、ひとつの卒中、3つの出血が同じと考えると、 Guyatt(ガイドライン作成委員会のトップ)

卒中低リスクの心房細動(AF)患者を例にすると、1年に1%の卒中リスクで、ひとつの卒中予防に200名の治療が必要。しかし、出血リスクは3%で、200名で6名の発生。
これでバランスがとれていると考えているわけである。

卒中6%と出血3%の場合、抗血栓治療が正当と考えられる。

第一選択として、CHDSスコアを採用し、CHA2DS2-VASc scoreを採用してない。価値・患者の選択を考慮する必要がある。ワーファリン外を考慮する人も良しとする柔軟性のあるガイドラインとなっている。
長距離旅行に関してリスク要素がない場合は、抗血栓予防推奨せず。
静脈血栓塞栓のリスクが1000に一つなら、そのリスクは極めて少ない。 しかし、100に一つなら、50に一つなら、考慮すべき。




心房細動に対するDabigatran推奨
ワーファリン代替としての新規経口抗凝固薬。CHDSスコア1以上のとき、重篤な腎障害がなければ、ワーファリンよりdabigatranを推奨。



“ダビガトラン(プラザキサ)とワーファリンの使い分け”が昨年日循で議論があった。ガイドラインで、リスクスコア明確化・非腎障害例でのプラザキサと一気に傾くかもしれない。
プラザキサの副作用情報だけが臨床の現場には入ってきている。あんまり積極的に使おうとは思わない状況だが、その状況が変わるかも?

noteへ実験的移行

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