2013年7月25日木曜日

肥満差別:非肥満・肥満者にもその後の肥満リスク増加をもたらす



weight discriminationをどう訳すか・・・「肥満差別」と訳した方が良さそうな気もしたが、直語的訳として「体重差別」(weight discrimination)を採用した。


肥満者は、怠惰で、成功者とは見えず、意志が弱いものとしばしば認識され、この思考はしばしばネガティブに、そして、差別的、言語身体的暴力となることもある。
重度な心理的後遺症、うつや自尊心、自己受容性、人生満足度に影響を与え、体重バイアスは、審理的機能への影響に限局せず、あらゆる個人の人生に影響を与える。雇用、給与差、人間関係、医療供給システム、さらに、多種差別、肥満差別は身体的健康へも影響を与えるのかもしれない。



Perceived Weight Discrimination and Obesity.
Sutin AR, Terracciano A (2013)
PLoS ONE 8(7): e70048. doi:10.1371/journal.pone.0070048

1) 体重差別(weight discrimination)が、ベースラインで肥満でない人が、肥満となるリスクと相関するか?
2) 体重差別(weight discrimination)は、ベースラインで肥満の人たちが、フォローアップ中肥満のままであることと相関するか?


米国内地域住民居住者の代表的長軸研究 Health and Retirement Study

5157被験者(女性 58.6%)で、体重差別(weight discrimination)測定を行い、体重・身長を測定

体重差別(weight discrimination)経験被験者は、フォローアップ中2.5倍肥満となりやすい (OR = 2.54, 95% CI = 1.58–4.08)
体重差別(weight discrimination)経験者は、ベースラインで肥満であった被験者は、そういう経験のない場合に比べ、3倍肥満であり続ける尤度OR = 3.20, 95% CI = 2.06–4.97) 
この影響は、住民統計指標(年齢、性別、民族、教育)補正、ベースラインBMIを共役要素としたときも影響持続。

この影響は、また、体重差別(weight discrimination)に特異的で有り、他の差別(e.g. 性別・人種など)ではフォローアップ中肥満リスクと関連認めず。

【結論】この研究では、不良なメンタル医療アウトカムに加え、体重差別(weight discrimination)は、肥満を引き起こす元であるということが示された。減量へのモチベーションづけというより、肥満リスク増加そのものとして働く。



体重偏見と、食問題行動や運動回避などを含む一定数の対処行動の文献は増加し、高校などで体重による虐待を受けると、運動を避け、体育などを嫌う。そして、食事の量増加する報告もある。この影響は高校に限らず、社会でも肥満に対するステレオタイプなネガティブな対処行動のメカニズムとして体重差別経験がある。

問題行動のメカニズムは、食事や運動回避への偏見とともに心理学的メカニズムが多分にある。心理学的ストレスはHPA系に影響を与え、コルチゾール遊離のトリガーとなる。糖質コルチコステロイドで食欲亢進するよう、食事摂取量増加へ傾くのだろう。

妊娠中母体喫煙は子供の行為障害へ影響を与える:遺伝的要素独立コホート研究で証明

遺伝的感度研究デザイン成分のある3つのコホートを用いて、妊娠中喫煙歴という環境用品が、遺伝的要因と独立して、子供の後遺障害に影響を与えているときれいに示した報告。母胎環境が子供の行為障害へ直接影響をあたえたことを証明した報告。

Maternal Smoking During Pregnancy and Offspring Conduct Problems
Evidence From 3 Independent Genetically Sensitive Research Designs ONLINE FIRST
Darya Gaysina,  et. al.
JAMA Psychiatry. 2013;():-. doi:10.1001/jamapsychiatry.2013.127.

妊娠中母体喫煙と、子供の行為障害(conduct disorder)の関連性に関して今までも報告があるが、ばらばらな出産前環境状況において遺伝的・生後環境の影響のエビデンス困難であった。
以下の3つのコホートで検討 
・生物学的子供・養子を含む長軸コホート:Christchurch Health and Development
・誕生時養子長軸コホート:Early Growth and Development Study
・遺伝的関連家族と遺伝的無関連家族の受胎時養子研究:Cardiff IVF (In Vitro Fertilization) Study
妊娠中母体喫煙は1日あたりの喫煙数平均(0、1-9、10以上)を測定値とする

status. 妊娠中母体喫煙と子供の後遺障害の有意相関性が、遺伝関連母・遺伝無関連母背景ともに、観察される。
メタアナリシス結果でも、pooled study sample横断的にこの関連性確認

ランダム化トライアル:可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬:慢性血栓塞栓性肺高血圧・肺動脈高血圧 運動耐用性改善、肺血管抵抗改善

2つのランダム化トライアルで、慢性血栓塞栓性肺高血圧、肺動脈高血圧症患者をプラシーボと、新規可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC: soluble guanylate cyclase)刺激薬
(参照:http://byl.bayer.co.jp/scripts/pages/jp/press_release/press_detail.php?file_path=2010%2Fnews2010-06-11.html

2つのトライアルとも、有意に、6分間歩行距離試験、肺血管抵抗値改善が示された。



Riociguat for Chronic Pulmonary Hypertension
Hossein-Ardeschir Ghofrani,  et. al.
for the CHEST-1 Study Group
N Engl J Med 2013; 369:319-329July 25, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1209657

Riciguat、可溶性guanylate cyclase stimulatorである新しい合成物は、今までの臨床研究から慢性血栓塞栓性肺高血圧への有用性が示されている。
p3多施設ランダム化二重盲験プラシーボ対照化研究、慢性血栓塞栓性肺高血圧症 261名

プライマリエンドポイントである16週後の6分間歩行距離で有意改善示され、
セカンダリエンドポイントであるうちの、肺血管抵抗改善


Riociguat for Pulmonary Arterial Hypertension
Hossein-Ardeschir Ghofrani,  et. al.
for the PATENT-1 Study Group

Ricoguat、可溶性guanylate cyclase stimulatorによる肺動脈高血圧症治療ベネフィット検討 pIIトライアル
プライマリエンドポイントである12週時点での6分間歩行距離のベースラインから改善は有意で、二次有効性エンドポイント(肺血管抵抗、NT-proBNP値、WHO機能分類、臨床的悪化までの期間、Borg呼吸困難スケール)で改善も見られた。
他の、QOL指標、安全性に関しては要約内記載無し
プラシーボ群でも、2.5mg最大群でも失神が最大で、4%、1%







http://www.nejm.org/action/clickThrough?id=5335&url=%2Fdoi%2Ffull%2F10.1056%2FNEJMoa1209657%3Fquery%3Dfeatured_home&loc=%2F


肺高血圧症に関わる新しいカリウムチャンネル異常

新しいカリウムチャンネル遺伝子変異で、肺高血圧症の一原因となることが示された。

potassium channel subfamily K member 3 (KCNK3)

非家族性の1.3%、特発例の3.2%で独立して検出

新しいphospholipase inhibitorによるin vitro実験で、特定の変異のため、カリウムチャンネル電流のrestoreが生じることが示された。


"A novel channelopathy in pulmonary arterial hypertension"
Ma L, et al
N Engl J Med 2013; 369: 351-361.

noteへ実験的移行

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