weight discriminationをどう訳すか・・・「肥満差別」と訳した方が良さそうな気もしたが、直語的訳として「体重差別」(weight discrimination)を採用した。
肥満者は、怠惰で、成功者とは見えず、意志が弱いものとしばしば認識され、この思考はしばしばネガティブに、そして、差別的、言語身体的暴力となることもある。
重度な心理的後遺症、うつや自尊心、自己受容性、人生満足度に影響を与え、体重バイアスは、審理的機能への影響に限局せず、あらゆる個人の人生に影響を与える。雇用、給与差、人間関係、医療供給システム、さらに、多種差別、肥満差別は身体的健康へも影響を与えるのかもしれない。
Perceived Weight Discrimination and Obesity.
Sutin AR, Terracciano A (2013)
PLoS ONE 8(7): e70048. doi:10.1371/journal.pone.0070048
1) 体重差別(weight discrimination)が、ベースラインで肥満でない人が、肥満となるリスクと相関するか?
2) 体重差別(weight discrimination)は、ベースラインで肥満の人たちが、フォローアップ中肥満のままであることと相関するか?
米国内地域住民居住者の代表的長軸研究 Health and Retirement Study
5157被験者(女性 58.6%)で、体重差別(weight discrimination)測定を行い、体重・身長を測定
体重差別(weight discrimination)経験被験者は、フォローアップ中2.5倍肥満となりやすい (OR = 2.54, 95% CI = 1.58–4.08)
体重差別(weight discrimination)経験者は、ベースラインで肥満であった被験者は、そういう経験のない場合に比べ、3倍肥満であり続ける尤度OR = 3.20, 95% CI = 2.06–4.97)
この影響は、住民統計指標(年齢、性別、民族、教育)補正、ベースラインBMIを共役要素としたときも影響持続。
この影響は、また、体重差別(weight discrimination)に特異的で有り、他の差別(e.g. 性別・人種など)ではフォローアップ中肥満リスクと関連認めず。
【結論】この研究では、不良なメンタル医療アウトカムに加え、体重差別(weight discrimination)は、肥満を引き起こす元であるということが示された。減量へのモチベーションづけというより、肥満リスク増加そのものとして働く。
体重偏見と、食問題行動や運動回避などを含む一定数の対処行動の文献は増加し、高校などで体重による虐待を受けると、運動を避け、体育などを嫌う。そして、食事の量増加する報告もある。この影響は高校に限らず、社会でも肥満に対するステレオタイプなネガティブな対処行動のメカニズムとして体重差別経験がある。
問題行動のメカニズムは、食事や運動回避への偏見とともに心理学的メカニズムが多分にある。心理学的ストレスはHPA系に影響を与え、コルチゾール遊離のトリガーとなる。糖質コルチコステロイドで食欲亢進するよう、食事摂取量増加へ傾くのだろう。