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2021年1月29日金曜日

Covid-19:「疼痛症状」と「神経症状」

Covid-19に於る「疼痛症状」と「神経症状」

痛み:頭痛・咽頭痛・筋肉/関節痛多く、胸痛・腹痛は比較的少ない

神経障害:院内死亡率の増加と退院の確率の低下が観察され、最も一般的なのは、中毒性/代謝性脳症(6.8%)、発作(1.6%)、脳卒中(1.9%)、低酸素/虚血性障害(1.4%)

2020年9月28日月曜日

遅発性腺機能低下男性:テストステロン補充による体性痛・メンタルヘルス有用性示唆

遅発性LOH男性においてテストステロン補充療法によるbodily pain(BP)スケール、Mental Helth(MH)スケール改善示唆


ただ、後顧的研究なので エビデンスレベルとしては限定的

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遅発性腺機能低下症(LOH)男性の慢性疼痛症候群の治療にテストステロン補充療法(TRT)を6ヶ月間投与することが有効であるかどうかを検討

慢性疼痛症候群を有する60名の性腺機能低下症患者(TRT群31名、対照29名)を日本で実施した無作為化比較試験から抽出

慢性疼痛はShort-form (36) Health Survey (SF-36)のbodily pain (BP)サブスケールに基づいて評価し、スコア50.0以下の患者を慢性疼痛に悩まされているものとして定義

その結果、6ヶ月間のTRTはBP、SF-36のメンタルヘルス、睡眠障害(Aging Male Symptoms question 4)の有意な改善につながる可能性が示唆された。

全体として、著者らは、慢性疼痛を有する LOH男性において、6ヵ月間のTRTは疼痛と生活の質のいくつかの側面を改善することができると結論づけしている。



Efficacy of testosterone replacement therapy on pain in hypogonadal men with chronic pain syndrome: A subanalysis of a prospective randomised controlled study in Japan (EARTH study)
Yuki Kato  Kazuyoshi Shigehara  Shohei Kawaguchi  Kouji Izumi  Yoshifumi Kadono  Atsushi Mizokami
First published: 24 July 2020 https://doi.org/10.1111/and.13768





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遅発性腺機能低下症(LOH)は、様々な臨床症状として現れ、高齢男性においてはテストステロン値の低下を伴う病態が併発している(Lunenfeldら、2015年)。多くの高齢男性は、腰痛やomarthralgia(型関節痛)などの慢性疼痛症候群に悩まされることが多く、これらはLOH症候群の特徴的な症状として認識されてきた。'慢性疼痛'は、身体的・精神的健康の指標として広く用いられているSF-36スコアの身体的苦痛(BP)サブスケールに含まれている(Fukuhara, Ware, Kosinski, Wada, & Gandek, 1998)。 男性の健康関連QOL(Quality of Life)を評価するための貴重なツールであるAging Male Symptoms(AMS)スケールには、LOH症候群の臨床症状としての慢性疼痛の評価に関する質問も含まれている(Heinemann et al. 動物を用いたいくつかの先行実験研究では、テストステロンが疼痛感覚に有意な影響を与えることが実証されており、テストステロン欠乏症と慢性疼痛との関連性が性腺機能低下症患者において示唆されている(Fanton, Macedo, Torres-Chavez, Fischer, & Tambeli, 2017)。 
テストステロン補充療法(TRT)は、LOH症候群の高齢男性において適切なQOLを維持するために広く投与されており、死亡リスクの低下に寄与すると報告されている(Lunenfeld, Arver, Moncada, Rees, & Schulte, 2012)。しかし、性腺機能低下男性の慢性疼痛症候群に対するTRTの臨床的効果は現在のところ検討されていない。
以前、日本の性腺機能低下男性の身体的・精神的健康に対するTRTの1年間の効果を調査した無作為化比較試験(RCT; EARTH study)があった(Konaka et al. 現在の研究では、EARTH試験のサブアナリシスを行い、慢性疼痛を訴えるLOH男性を対象に、6ヶ月間のTRTの疼痛に対する効果を評価


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discussionから・・・
テストステロンレベルは電気刺激時のヒトの中前頭前野の活性化と正の相関があり、その結果、痛みの知覚が減少し、テストステロンと神経系との相互作用を引き起こすことが示されています(Choi et al., 2011)
免疫細胞とニューロンとの相互作用によって媒介される炎症は、痛みの発生に重要な役割を果たす(Scholz & Woolf, 2007)。マクロファージ、好中球、Tリンパ球、マスト細胞などの常駐免疫細胞および循環免疫細胞は、末梢組織の損傷、炎症または神経損傷に応答して浸潤し、活性化することができる。これらの活性化された免疫細胞から放出される炎症性サイトカインやケモカインのような前頭葉の炎症性メディエーターは、侵害受容器の感作を誘導し、侵害受容器の一次求心性ニューロンの興奮性を増加させる(Gao & Ji, 2010)
テストステロンは、脂肪細胞のサイズおよび一部のサイトカインを抑制し、減少させる(Bianchi, 2019)。さらに、テストステロンは、エストラジオール中のアロマティサシオンの後、アンドロゲン受容体とエストロゲン受容体(ER)αとER-βを活性化することができ、それは抗炎症効果を有するいくつかのアディポカインとサイトカイン(レプチン、IL-6、TNF-αなど)の放出を減少させ、脂肪細胞の調節に貢献します(Bianchi、2019)

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overallな有用性、リスク評価を含む前向き対照比較研究が必要

2018年5月10日木曜日

慢性疼痛の高齢者心理的介入:グループ認知行動療法が個別より有効

慢性疼痛へ、種々サプリメント、あんま・マッサージ、カイロ、理学療法という名ばかりインチキ単調“リハビリ”など、効果的に疑念のあるものに、時間的・金銭的国家的浪費がなされている現状にあるなか、昨日、反日・親中共テレビ局ではあるが、NHKは、ためしてガッテンでやったらしい
http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20180509/index.html?c=health

少しだけ褒めたい

側坐核とは「禁煙外来」の説明でルーチンに使用する用語なのだが、メカニズムを一つに絞るのはなぁ、ちょっと拙速な印象


グループ認知行動療法なら、コスト的に落ち着くのかもしれない



慢性疼痛の高齢者における心理的介入の有効性を検討

(序文)慢性疼痛は60歳以上に特に多い、結果的には機能障害や医療コストを生じる病態で、加齢的な生理学的変化、治療オプションを受け入れがたい障壁となる合併症や患者側障壁(医薬品の副作用を恐れるなど)、薬物的治療の多くに見られる大きなウェイトを占める副作用特性、それに治療ガイドラインが少ないことなどが問題。オピオイド・エピデミックと言うべき広範利用、認知行動療法使用の非薬物的治療、認知restructuring、行動活性化テクニックなど慢性疼痛への治療として関心が向けられている。

高齢者慢性疼痛への認知功労療法ベースアプローチのシステマティック・レビュー&メタアナリシス


Association Between Psychological Interventions and Chronic Pain Outcomes in Older Adults
A Systematic Review and Meta-analysis
Bahar Niknejad, et. al.
JAMA Intern Med. Published online May 7, 2018. doi:10.1001/jamainternmed.2018.0756
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2680318


MEDLINE、Embase、PsycINFO、Cochrane Library(2017年3月29日まで)ベース
検討文献クライテリア
(1)無作為化試験デザイン
(2)認知行動様式の評価、認知行動療法単独または他の戦略との組み合わせ
(3)平均年齢60歳以上、慢性疼痛(3ヵ月以上の疼痛)
(4)介入前および介入後定量的データで報告

アウトカム治療効果は、混合モデルのメタ分析評価


主要アウトカムは疼痛強度

副次的結果には、pain interference、抑うつ症状、不安、catastrophizing belief、疼痛自己管理効力感、身体機能および身体的健康


結果
2,608人の参加者(1,799人(69.0%)の女性)、22研究分析、平均年齢 71.9歳

治療後標準化平均差(dD)

  • 疼痛強度 -0.128, p=0.006
  • pain interference -0.133、P = .12
  • 抑うつ症状 不安  -0.205、P = .09
  • catastrophizing belief -0.184、P = .046
  • 疼痛自己管理効力感 0.193、P = .02
  • 身体機能  0.006、P = .96
  • 身体健康  0.160、P = .24

観察すると治療後評価を上回る効果が持続された (dD-0.251、P = .002)

moderated analysisで、治療モード(グループ vs 個人)ではグルーブベースの治療が有効な治療


2018年3月7日水曜日

慢性疼痛:腰痛・変形性膝・股関節症へのオピオイド処方は非オピオイド比較して有効とは言えない




Effect of Opioid vs Nonopioid Medications on Pain-Related Function in Patients With Chronic Back Pain or Hip or Knee Osteoarthritis Pain
The SPACE Randomized Clinical Trial
Erin E. Krebs,  et al.
JAMA. 2018;319(9):872-882. doi:10.1001/jama.2018.0899
https://jamanetwork.com/journals/jama/article-abstract/2673971

慢性腰痛、股部・膝変形性関節症の中等度以上重症疼痛患者に対して、オピオイド系 vs 非オピオイド処方の疼痛関連機能改善効果の比較

RCT、240名

Nonopioid Prescribing Strategy
  • Step 1 was acetamino- phen (paracetamol) and nonsteroidal anti-inflammatory drugs (NSAIDs).
  • Step 2 included adjuvant oral medications (ie, nortriptyline, amitriptyline, gabapentin) and topical analgesics (ie, capsaicin, lidocaine). 
  • Step 3 included drugs requiring prior authorization from the VA clinic (ie, pregabalin, duloxetine) and tramadol. 
Patients were initially prescribed a step 1 medication, unless all were clinically inap- propriate. Subsequent changes included titrating, replacing, or adding medications.

Opioid Prescribing Strategy
Per protocol, patients in the opioid group started taking immediate-release (IR) opioids.
  • Step 1 was morphine IRhydrocodone/acetaminophen, and oxycodone IR. 
  • Step 2 was morphine sustained-action (SA) and oxycodone SA. 
  • Step 3 was transdermal fentanyl. 
Single-opioid therapy was preferred, but dual therapy with a scheduled SA opioid and as-needed IR opioid was considered based on patient needs and preferences.
Opioids were titrated to a maximum daily dosage of 100 morphine-equivalent (ME) mg.
If dosages were titrated to 60 ME mg/d without a response, rotation to another opioid was considered before dosage escalation.


プライマリアウトカム:12ヶ月時点での疼痛関連機能  (Brief Pain Inventory [BPI] interference scale) :1ポイント改善で臨床的意義
www.npcrc.org/files/news/briefpain_short.pdf
プライマリ・副作用アウトカム:薬品関連症状(患者報告チェックリスト:range 0-19)

平均年齢 58.3歳、女性 32(13.0%)、トライアル完遂 234 (97.5%)
疼痛関連機能について群間差12ヶ月時点で認めない 、全体 P = 0.58
平均12ヶ月BPI interferenceは オピオイド群 3.4 、非オピオイド 3.3 (差 0.1 ,95% cI, -0.5 to 0.7)
疼痛強度は12ヶ月間、非オピオイド群で有意に良好  (overall P = .03); mean 12-month BPI 重症度 オピオイド群 4.0 vs 非オピオイド群  3.5  (差, 0.5 [95% CI, 0.0 to 1.0])

薬剤副作用症状はオピオイド群が12ヶ月間常に多い  (overall P = .03); 平均薬剤関連症状 オピオイド群 1.8 、非オピオイド群 0.9  (差, 0.9 [95% CI, 0.3 to 1.5])



オピオイド系薬剤使いすぎじゃないかと思われるケースを散見する


NSAIDsによる心血管疾患イベント増加、腎障害、いわゆるアスピリン喘息などを考えると、NSAIDs忌避傾向は当然なのかもしれない

だが、オピオイド系が安全というわけでもない
さらに、有効性も今ひとつとなると、オピオイド薬剤のbenefit/harmバランス再考必要





2017年12月22日金曜日

雨と腰痛関節痛の関連性:確たるエビデンスは無い!

雨と関節痛・腰痛の関わりについて、まるで、確定的であるかのような記述や話を見聞きする。

BMJクリスマス記事なので・・・話半分だが・・・確定的な話ではなさそうだ


Research Christmas 2017: Natural Phenomena
Association between rainfall and diagnoses of joint or back pain: retrospective claims analysis
BMJ 2017; 359 doi: https://doi.org/10.1136/bmj.j5326
(Published 13 December 2017)

2008年ー2012年の一般内科受診外来患者65歳以上 11,673,392名 (1,552,842名中)のいわゆるbig data

関節痛・腰痛関連病態(関節リウマチ、変形性関節症、脊椎症、脊椎板障害、椎間板障害、非外傷性関節障害)の外来受診比率を、降雨日と非降雨日で比較(患者特性、慢性疾患、地理的fixed effect(同一地域内の降雨日と非降雨日の外来受診関連関節痛・腰痛率比較)

メディケア保険による外来受診 11,673,392のうち、降雨日 2,095,761(18.0%) 
非補正・補正解析にて、受診比率 非補正 降雨日 6.23% vs 非降雨 6.42%  P<0 .001="" 6.35="" 6.39="" nbsp="" p="0.05<br" vs="">有意差ありそうだが臨床的意義はない 
外来受診の週のうちの雨の比率と関節痛・腰痛の訴え比率の相関性の統計学的有意差無し 
リウマチ患者のサブグループ内で相関性認めず


定説とは異なる結果


論文のdiscussion記載でも、小規模限定的研究ばかりとのこと

市井の噂にすぎない、一人歩きの"雨と腰痛・関節痛の関連性”ということらしい



2017年3月23日木曜日

プレガバリン:リリカ 坐骨神経痛に効果無し

プレガバリン:リリカ 坐骨神経痛に効果無し

大事なことなので、2度書いた





Trial of Pregabalin for Acute and Chronic Sciatica
Stephanie Mathieson, et al.
N Engl J Med 2017; 376:1111-1120March 23, 2017

ランダム化二重盲検プラシーボ対照化トライアル
プレガバリン 150mg/日;最大 600mg/日まで補正
vs プラシーボ

プライマリアウトカム:下肢痛強度(0−10ポイント) 8週目、52週目
セカンダリアウトカム:障害程度、背部痛強度、QOL(事前設定期間測定:1年間以上)


総数209名ランダム化;プレガバリン 108、プラシーボ 101

未補正下肢痛強度スコア
8週:プレガバリン 3.7 vs プラシーボ 3.1 (補正平均差, 0.5; 95% confidence interval [CI], −0.2 to 1.2; P=0.19)
52週: 3.4 vs 3.0 (補正平均差,  0.3; 95% CI, −0.5 to 1.0; P=0.46)

セカンダリアウトカム全項目:8週後、52週後 群間有意差認めず


副事象: 227 vs 124、プレガバリン群においてdizziness多い



2016年7月29日金曜日

SubP末梢性感覚神経作用:障害受容体Redox-依存的調整作用

Neuropeptide substance P (SP) は、組織ダメージによ反応する末梢性感覚ニューロンのサブセット(nociceptor:障害受容体・受容器)から産生・遊離。


SPは、中枢神経では興奮性だが、末梢SPの役割は不明であった。


以下、作用メカニズムについての説明


Redox-Dependent Modulation of T-Type Ca2+ Channels in Sensory Neurons Contributes to Acute Anti-Nociceptive Effect of Substance P
Huang Dongyang, et. al.
Antioxid. Redox Signal. August 2016, 25(5): 233-251. doi:10.1089/ars.2015.6560.
http://online.liebertpub.com/doi/10.1089/ars.2015.6560

SPの抗nociceptor作用の潜在メカニズム
SPは、pro-algesic (催疼痛)T-type Ca2+電流のROS依存的阻害作用を生じさせる
同時に、anti-algesic (抗疼痛)M-type K+電流の同時性促進作用を生じる

故に、内因性 analgesia(鎮痛)作用メカニズム理解に役立つ仕組みである


亜鉛感受性チャンネルのredox-依存tuningによりnociceptorのT-type channel活動性をmodulateするSP
この新知見のmodulatory pathwayが治療に役立つのかもしれない





2015年9月9日水曜日

下肢痛にとって体脂肪量が体重・BMIより重要

「ヒトは太ってるから膝が痛くなるのか?膝が痛いから太るのか」ではなく、「脂肪量が多いから足が痛くなる」?



The association of fat mass and adipokines with foot pain in a community cohort Tom P. Walsh, et. al.
Arthritis Care Res 2015; DOI: 10.1002/acr.22719.
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/acr.22719/abstract


目的: fat mass index (FMI)、fat-free mass index (FFMI)、血中adipokine、TNFーα、IL-6がStage 2下肢痛と関連するか、将来のStage 3下肢痛の予測要素となるか?


研究方法: 50歳以上のThe North West Adelaide Health Studyサブセット (n=1462)を検討。この住民コホートに、もし「foot pain、 aching、stiffness」のいずれかがあれば、Stage 2(2004-2006)、Stage 3(2008-2010)を質問。

Stage 2において、血中adipokines と anthropometry 測定、体組成はDEXAで評価。

これらの変数は、合併症・社会歴とともにロジスティック回帰分析でFMI、FFMI、血中adipokineと下肢痛の相関性検討


結果: 現行、将来下肢痛はそれぞれ 20.2%、 36.4%

多変量モデリング後、Stage 2下肢痛は、FMI単位増加で 8%増加 (odds ratio (OR) 1.08 [95% 信頼区間 (95% CI) 1.04–1.12]

一方将来Stage3下肢痛オッズ比は、Stage 2疼痛時点でのFMI単位増加で 6%増加  (OR 1.06, 95% CI 1.02-1.11)


TNF-α、 IL-6 、 FFMI に疼痛との相関性認めず



結論:BMIやFFMIやTNFα、IL-6ではなく、 FMI増加が現行下肢痛・将来下肢痛と関連する
結論としては、 下肢痛にとって体脂肪が体重より重要。他のadipokineの検討は将来必要。

2015年7月1日水曜日

性差:マウス疼痛モデルで明確な差が見られる ・・・ 動物実験でも取り扱い注意を!

性別により疼痛感受性レベルが異なる。マウスの実験で、疼痛反応中の免疫細胞の動態に性別相違がある。

Different immune cells mediate mechanical pain hypersensitivity in male and female mice
Robert E Sorge, et. al.
Nature Neuroscience (2015) doi:10.1038/nn.4053

microglia-to-neuron signaling が慢性疼痛過過敏に関連している。




神経障害後のメカニカルなアロディニアは、雄マウスではmicroglia抑制により可逆的。だが、雌マウスでは異なる。



雌マウスは巨大なT細胞プールを血液中に持つ




脊髄後角でのT細胞マーカー発現の雌雄差

microgliaには、メカニカルな疼痛過敏は雌マウスでは必要としない。雌マウスはTリンパ球のようなadaptive immune cellを介する疼痛過過敏と同レベルにまで到達する

故に、雌雄マウスとも同様に扱うのは、疼痛研究に用いるでは間違い



腹痛で七転八倒した過日早朝、妻は冷たく、「うつるから近寄らないで・・・」

2015年5月20日水曜日

急性坐骨神経痛への経口ステロイド機能改善効果、だが疼痛抑制効果認めず

椎間板ヘルニアによる急性坐骨神経痛へ短期経口ステロイドが機能面への効果が示された。しかし、疼痛への効果は認めてない。


鎮痛剤との比較なされてない、何故なされてないか疑問という意見も・・・。
疼痛への効果と運動障害への効果に解離が見られることの意味合いは議論が必要。




腰部椎間板ヘルニアによる急性坐骨神経痛への経口ステロイド投与

ランダム化二重盲検プラシーボ対照臨床トライアル

2008年から2013年、大規模集約的医療提供システム(北カリフォルニア)
3ヶ月以下の根性疼痛を有する、Oswestry Disability Index (ODI) スコア30以上(レンジ, 0-100; スコア高値ほど機能障害高度 )成人(n=269)、MRIにてヘルニア病変評価した269名成人



Oral Steroids for Acute Radiculopathy Due to a Herniated Lumbar Disk
A Randomized Clinical Trial
Harley Goldberg,  et. al.
JAMA. 2015;313(19):1915-1923. doi:10.1001/jama.2015.4468.


介入:経口ステロイド15日間、60mg×5日間→40mg×5日間→20mg×5日間、累積総投与量 600mg、 n=181) or マッチングプラシーボ

主要アウトカム: プライマリアウトカムは、3週後ODI変化量、セカンダリアウトカムは1年後ODI変化量、下肢疼痛変化(0-10スケール;数値大ほど疼痛悪化)、 Short Form 36 Health Survey (SF-36) Physical Component Summary (PCS) 、Mental Component Summary (MCS) scores (0-100 scale; higher scores better)


ベースライン及び3週め平均ODIはそれぞれ
プレドニゾン群 51.2、32.2
プラシーボ群 51.2、 37.5

プレドニゾン治療群は補正平均としてODIスコア 3週間後 プラシーボより 補正平均 6.4ポイント (95% CI, 1.9-10.9; P =  0.006) 改善、 52週後 補正平均 7.4ポイント (95% CI, 2.2-12.5; P =  0.005) 改善、有意差有り


疼痛スケールに関して、プラシーボと比較して、プレドニン群では、3週間後 補正平均 0.3ポイント減少 (95% CI, −0.4 to 1 0.0; P = .34)、 52週後 0.6ポイント減少t (95% CI, −0.2 to 1.3; P = .15)で、有意差無し


SF-36PCSスコアに関して、3週後補正平均3.3ポイント改善(95% CI, 1.3-5.2; P =  0.001) 、52週後有意差無し(mean, 2.5; 95% CI, −0.3 to 5.4; P =  0.08)

SF-36MCSスコアに関して、3週後補正平均差認めず (mean, 2.2; 95% CI, −0.4 to 4.8; P = .10)、52週後3.6ポイント改善t (95% CI, 0.6-6.7; P =  0.02)


52週後手術率に差を認めない

3週めの副事象1イベント異常はプレドニゾロン群で多い (49.2% vs 23.9%; P <  0.001)




Scores on the Oswestry Disability Index and Pain Numerical Rating Scale

2015年2月17日火曜日

COPDの疼痛症状は、症状・QOL評価と、負の関連性あり

COPD患者の疼痛って、胸痛と一瞬思ったが、「Patients with COPD often have multiple sources of pain, including neuropathic, muscle, inflammatory, and mechanical or compressive.」ってことで、神経・筋肉・炎症性・機械的・圧迫性疼痛など多要因疼痛のことらしい


Pain and its clinical associations in individuals with chronic obstructive pulmonary disease (COPD): a systematic review
Annemarie L. Lee , et. al.
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.14-2690

COPD疼痛は、症状・QOL評価値と臨床的にネガティブな関連がある

活動性制限的に働きそうだからか?

2014年5月9日金曜日

神経障害性疼痛:AT2R type 2受容体拮抗剤 p2二重盲験トライアルで有効性・安全性確認

ARBといえば、angiotensin II type 1 受容体拮抗剤で、主に降圧剤として使用されているのがご承知の通り。では、type 2受容体拮抗剤は・・・


アンジオテンシンII type2 遮断剤・アゴニストは果たしてどう働くか?
http://kaigyoi.blogspot.jp/2014/03/iitype2.html


EMA401は、抗選択制のAT2Rアンタゴニスト

ヘルペス感染後疼痛や、神経障害性疼痛の現行治療あるも、有効性がいいかげんなわりに、副作用が多いことが問題(特に、武田鉄矢のDTCは、期待させすぎでひどすぎる。リリカによる転倒事故や交通事故などの可能性あり、あまねく使用するには危険性を危惧する医者は多い。薬害オンブスなんたらは、なぜだまってるのだろうか?チャンピックスの方が危険性は少ない印象をもつのに・・・ 国産メーカーに甘いという印象をうけるのだが・・・)

新しい治療ターゲット新薬が欲しいところ


多施設プラシーボ対照化二重盲験ランダム化p2臨床トライアルにて、プラシーボよりヘルペス感染後疼痛に関して有効性が示された。



EMA401, an orally administered highly selective angiotensin II type 2 receptor antagonist, as a novel treatment for postherpetic neuralgia: a randomised, double-blind, placebo-controlled phase 2 clinical trial
Andrew S C Rice , et. al.
for the EMA401-003 study group
The Lancet, Volume 383, Issue 9929, Pages 1637 - 1647, 10 May 2014

EMA401 92名 vs プラシーボ 91名

プラシーボ比較し、治療群は疼痛程度減少有意(平均疼痛スコア −2.29 [SD 1.75] vs -1.69 [1.55] ; 最小自乗補正差 - 0.69 [SE 9.25] ; 95% CI, - 1.19 to - 0.20 ; p = 0.0066)

重度副作用発生はなし


全体的に、32名に56の治療関連副作用あり、対照群では45。

2014年4月26日土曜日

パラダイム・シフトとなるか!:線維筋痛症疼痛:皮膚小型神経線維ニューロパチーが原因?

線維筋痛症は、中枢神経系検査では所見認めず、心気症などと鑑別困難となる。末梢性、特に、皮膚神経末端に病理があるとしたら・・・見当違いの検査と判断が多くなされてることとなる。中枢神経系のsensitizationの問題でなく、小線維ニューロパチーがその本体の可能性の示唆が示された。


IL2-Rマーカーや皮膚生検の診断利用なども本格的に検討されるべきだろう


線維筋痛症47名連続患者と対照比較

大型線維、脱髄性末梢性多発神経症で、CIDP(chronic iflammatory demyelinating polyneuropathy:慢性炎症性脱髄性多発神経炎)類似病理所見が見られた。


ふくらはぎ及び大腿部のENDF(epidermal nerve fiber density :表皮神経線維密度)の分析を主体に検討し、対照群に比べ、線維筋痛症でのENFD減少明らかであった。


加齢だけでは説明できない所見で、とくに、ふくらはぎのENDFは、血中IL-2Rと逆走完成に減少し、おそらく、皮膚小型神経線維ニューロパチー:皮膚SFN(small fiber neuropathy)が線維筋痛症疼痛に寄与する病態と考えられる。


"Evidence of abnormal epidermal nerve fiber density in fibromyalgia: clinical and immunologic implications"
Caro X, Winter E 

Arthritis Rheum 2014; DOI: 10.1002/art.38662.





全てのFM患者は、ストッキング・パターンのhypesthesia(知覚鈍麻)


FM患者のENFD平均値は、対照群比較で、腓腹筋部、大腿部ともに低下   (5.8 ± 2.8 SD vs. 7.4 ± 1.9 SD; P < 0.0002、(9.3 ± 3.2 SD vs. 11.3 ± 2.0 SD; P < 0.0007)


FM患者において、腓腹筋部ENFDと皮膚生検のタイミングである年齢は逆相関 (r = - 0.29; P = 0.03)、対照群では相関性観察されない。


ANCOVAにて、説明因子として、加齢単独不可
血清学的評価は、FM患者では、腓腹筋部ENFDとT細胞/マクロファージ活性マーカーであるIL-2Rとの逆相関が見られた   (r = - 0.28; P = 0.04)


大腿ENFDと血中IL-2Rの相関分析では、有意差認めず   (P = 0.08)


腓腹筋部/大腿部ENFD比解析にて、FM患者でのENFD減少は、びまん性広がり、長さ広がり、プロセスともに関連していることが示された。



2014年2月7日金曜日

State of the Art : 神経障害性疼痛

人騒がせな、リリカやサインバルタのDTC広告でおなじみの、Neuropathic pain:神経障害性疼痛

Neuropathic pain: mechanisms and their clinical implications
BMJ 2014; 348 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f7656 (Published 5 February 2014)
Cite this as: BMJ 2014;348:f7656
 【要約・直訳】
 末梢から中枢神経への外傷は、神経障害性疼痛の原因となる侵害受容系内のニューロンの不適合性変化をもたらす。急性疼痛と異なり、慢性神経障害性疼痛は、それ自体が疾患であり、個別的、発展的意味合いに寄与しない。
神経障害性疼痛に関わる無数のメカニズムは、非神経障害性疼痛と他の神経学的病態ともかなりオーバーラップしていると思われる。
 疼痛のメカニズムに基づく治療は広く受け入れられているが、それは疼痛原因や経験に基づくというより、理論により広く行われている。このパラダイムが、臨床の場で導入困難となっている。

臨床症状発症前モデルにおいて、侵害受容的検査から「ヒトの疼痛」を区別可能な、慢性疼痛の異なるメカニズムの程度、感情-動機付け要素により、神経障害性疼痛が形成される。このため、医学的問題であり、社会経済的問題として考慮されなければならない。

【治療のためのメカニズムのまとめ】
  • 定義
  •  研究方法
  • 生理・分類
  • 感情的側面vs生理学的側面
  • 末梢性メカニズム(sensitization、イオンチャンネル、発現switch、感覚脱失・側副神経発芽)
  • 交感神経性維持疼痛
  • 脊髄メカニズム
  • 脊髄グルタミン作動性調整
  • glia活性化、催炎症性サイトカイン
  • 脊髄上位メカニズム
  • Disinhibition:脊髄レベル、脊髄上位レベル
  • 神経障害性vs侵害受容性疼痛:異なる病気 or 連続的疾患?
  • 新しい治療法


パラダイムシフトになっている神経障害性疼痛、臨床医として充分な勉強が必要なようだ。単に、批判するだけで無く・・・

2014年1月7日火曜日

瞑想:システマティック・レビュー&メタアナリシス:臨床医は、臨床上その限界とともに、効果も認識しておく必要がある

瞑想といっても、エビデンスレベルで検討できるのは、マインドフルネス瞑想プログラムが主なようだ。

マインドフルネスやacceptance-based therapy
参照:http://kiui.jp/pc/clinical/kiyou/data/pdf2010/02_2.pdfといったアプローチは、無欲思想への非判断的姿勢、回避や変化を求めないであるがままに経験すること( nonjudgmental attention to unwanted thoughts feelings, and bodily experiences without attempting to avoid or change them )といったことの重要性をadvocateするもの。

サティ(パーリ:sati、サンスクリット:smṛti、漢訳:「念」、英語:mindfulness)は、仏教の瞑想の実践における重要な概念のひとつ。対象に価値判断を加えることなく、中立的な立場で注意を払うことを意味し、仏教における瞑想の主要な技術の一つである。;参考wiki
マルティン・ハイデッガー(Martin Heidegger)執筆「マインドフルネス(Mindfulness)」は1938/39年で、Friedrich Wilhelm von Herrmannにょり編集され、歴史的にも長い間検討された手法。


うつ、不安、疼痛へは一定程度のエビデンスが示されている。

Meditation Programs for Psychological Stress and Well-being
A Systematic Review and Meta-analysis
Madhav Goyal,  et. al.
JAMA Intern Med. Published online January 06, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2013.13018

【研究意義】  多くのヒトは、心理学的ストレスとストレス関連医療問題軽減のために瞑想をする。適切に家運セルするため、臨床家は、エビデンスによる瞑想の健康ベネフィットの記載を知っておく必要性がある。

【目的】  ストレス関連アウトカム(不安、うつ、ストレス/distress、陽性気分、メンタル健康関連QOL、注意、薬物使用、食事習慣、睡眠、疼痛、体重)改善目的の瞑想プログラムの有効性検証を様々な臨床上の成人を対象に検証

【エビデンスレビュー】 プラシーボ効果をactive controlとしたランダム化臨床トライアルを同定(November 2012 from MEDLINE, PsycINFO, EMBASE, PsycArticles, Scopus, CINAHL, AMED, the Cochrane Library,  hand searches)

2名の独立したレビューアが引用をスクリーン、データ抽出。 4つのドメイン(bias risk、precision、 directness、consistency)を使用しエビデンス強度を分け、ベースラインからの変化を群別の相対的差として計算し、有効性の強度と方向性とする。
可能なら、標準化平均値差(SMD)を用い、メタアナリシスし、95%信頼区間のeffect sizeを推定。 

【結果】  18,753引用後、47トライアル3515名登録者。

マインドフルネス瞑想プログラム
・中等度のエビデンス(effect size)
  • 不安:8週後 0.38 [95% CI, 0.12-0.64]、  3〜6ヶ月後 0.22 [0.02-0.43] )
  • うつ:8週後 0.30 [0.00-0.59] 、 3から6ヶ月後 0.23 [0.05-0.42]
  • 疼痛: 0.33 [0.03- 0.62])
・低エビデンスでは、ストレス/distress改善、メンタルヘルス関連QOLの改善

陽性気分、注意、薬物使用、食習慣、睡眠、体重に関しては、効果のエビデンス少ないか、不十分なエビデンス

瞑想プログラムが、他のactiveな治療(例:薬物、運動、行動療法など)より良好であるというエビデンスは存在しない

【結論と知見】  臨床医は瞑想プログラムは多次元的なネガティブな次元の心理的ストレス軽減のため、軽度から中等度の効果を認めるということを認識すべき。
心理的ストレスに着眼した瞑想プログラムはありえる存在で、その役割を患者に話す準備をしておくべき。より強固なデザインの研究で、瞑想プログラム効果がメンタルヘルスやストレス関連行動への陽性次元への改善をもたらすか決定する必要がある。


2013年12月1日日曜日

院外:救急隊員による鼻腔内フェンタニル投与

院外での救急隊員による鼻腔内フェンタニル投与の安全性と有効性の検討

小児・成人の整形外科、腹痛、ニトログリセリン無効急性冠動脈症候群でデンマークの研究

被験者79%で、疼痛スコア2以上の減少を示す。ただし、フェンタニル管理が十分なされていることが条件のようだが・・・

フェンタニル 50mcg、100 mcg等よ1回で、18歳未満や65歳超では薬剤量減量し、COPD患者や脆弱患者・栄養不良患者でも同様減量で、初期投与量追加は10から25分間隔。


Article in Press
Safety of Intranasal Fentanyl in the Out-of-Hospital Setting
A Prospective Observational Study
Anders P.H. et. al.
Annals of Emergency Medicine
published online 25 November 2013. 


Medpage解説:
http://www.medpagetoday.com/Anesthesiology/PainManagement/43189


疼痛の中、はやく病院に着かないかと、やきもきしながらという不幸な状況を緩和させることは、日本でも、十分かつ早急に、検討に値することだと思う。



一方では、フェンタニル関連死が、潜在的症例は発覚例の7倍程度ではないかとCDCが報告している。ELISA法による検査が行われるべきとしている。
http://www.medpagetoday.com/Psychiatry/Addictions/41273


2013年11月14日木曜日

非心血管性胸痛:NCCP ・・・既往・症状・所見重要、GERDではPPI高用量試験有益

非心血管性胸痛(non-cardiovascular chest pain:NCCP)は医療費増加と関連するが、それに対する診断検査には十分なガイドラインが存在しない。
重要な診断指標、NCCP状況の特異的、非特異的状況の検討。

システマティック・レビュー及びメタアナリシス施行、各群30症例以下は除外




NCCPでは、その適切な診断検査とは、その既往、症状、臨床所見であり、特に、GERDでは高用量PPI反応性がもっとも重要な情報で、早期からその情報が重要。
パニック・不安障害では、underdiagnosisがしばしばで、胸痛診断に関しては様々な診断が考慮されるべき。


Diagnostic indicators of non-cardiovascular chest pain: a systematic review and meta-analysis
Maria M Wertli
BMC Medicine 2013, 11:239  doi:10.1186/1741-7015-11-239
Published: 8 November 2013


診断正確性を、尤度表現:
良好(good) LR+ 5 to 10 、LR- 0.1 to 0.2
やや良い(fair) LR+ 2 to 5、 LR- 0.2 to 0.5
不良(poor) LR+ 1 to 2、 LR- 0.5 to 1

6316文献のうち、260のフルテキスト、28を除外
GERD 20、 筋骨格筋 3、 精神疾患 5
研究の質に関して、良好なのは15、中等度は13
GERD診断は
・典型的症状で 、LR+ 2.70 から 2.75 LR- 0.42から 0.78
・非定型的症状で、LR+ 0.49、 LR- 2.71



GERD はやはりPPI試験の正の反応性と相関
(LR + 5.48, 7.13, and 8.56; LR- 0.24, 0.25, and 0.28)

6つの研究での感度  0.89 (95% credible interval, 0.28 to 1) 、特異度 0.88 (95% credible interval, 0.26 to 1)

パニック・不安スクリーニングスコアも、その後その疾患検査必要な症例では、その同定に役立つ。

筋骨格筋つうでは、陽性尤度 (LR+)はfairからmoderateとなり、陰性尤度(LR-)もその逆。
非常に良好(very good) LR+ 10超、LR- 0.1未満 


2013年10月7日月曜日

【新しい麻酔薬?】ムカデ高濃度含まれる電位開口型ナトリウムチャンネル阻害剤

Chinese redheaded centipedeというムカデは、電位開口型ナトリウムチャネル(Nav)の9種類のうち、Nav1.7は疼痛伝達において他のチャンネルと異なる挙動を示し、その阻害物質をオーストラリアのQueensland大学の研究者、Glenn Kingらが報告。

ヒトでも、Nav1.7の機能喪失変異では先天的疼痛認識欠損となる。

ムカデやサソリなどの昆虫でしか存在しないNav1.7。ムカデでは他のNavチャンネルの170倍も含まれている。これを抽出し、マウスで温熱、化学性、酸疼痛刺激したところ、モルヒネと同等の温熱・酸誘起疼痛抑制効果が示されたが、化学物質誘起疼痛への抑制はモルヒネより優れていた。

モルヒネのような行動異常や依存認めず有益性あるかもしれない。

Discovery of a selective NaV1.7 inhibitor from centipede venom with analgesic efficacy exceeding morphine in rodent pain models
Shilong Yanga, et. al.
Published online before print September 30, 2013, doi: 10.1073/pnas.1306285110 PNAS September 30, 2013

2013年10月2日水曜日

肥満手術後も慢性疼痛オピオイド中止できず、むしろ、増量必要

慢性疼痛へオピオイド使用が日本でも認可(e.g. トラマールカプセル)されはじめ、なんだか、抵抗感を感じる日常。

肥満自体が慢性非がん性疼痛と関連するとされる。この報告は、肥満患者・減肥手術患者での、慢性疼痛オピオイド使用の影響検討したもの。


Chronic Use of Opioid Medications Before and After Bariatric Surgery
Marsha A. Raebel, et. al.
JAMA. 2013;310(13):1369-1376. doi:10.1001/jama.2013.278344.

減肥手術コホートで、手術後も慢性オピオイドは1年後も、77%で継続。
むしろ、オピオイド使用量は術後の方が増加している。



原因関連性は様々考えられるが、事実として、肥満と慢性疼痛の関連性存在する。
2008−2010年ギャロップ調査、白人比率85%、高校教育率94.2%の内訳で、正常BMI 36.8%、過体重 38.3%、肥満 24.9%
過去12ヶ月間疼痛経験(背部、頸部、膝)調査したところ、過体重群(BMI 25−29)では20%、30−34では68%ほど疼痛存在。
http://www.webmd.com/pain-management/news/20120130/does-obesity-cause-pain



2013年8月3日土曜日

ドライアイ症状と疼痛感度の関連性 ・・・ ドライアイは、疼痛閾値を下げ、対疼痛耐性減弱

疼痛感度高く、疼痛耐用性が少ないこととは、涙液不足重症度、細胞ダメージ、心理的要素に加えドライアイ症状(DED)は相関する。
OED症状管理は複雑で、医師たちは眼の症状だけでなく、ホリスティックな面を考慮しなければならない。


Relationship Between Dry Eye Symptoms and Pain Sensitivity
Jelle Vehof, et. al.
JAMA Ophthalmol. 2013;():-. doi:10.1001/jamaophthalmol.2013.4399.

女性双生児1635名(20-83歳)住民ベースの横断研究
ドライアイの診断は、(1)医師によるDED診断、(2) 人工涙液処方、and/or (3)3ヶ月以上のドライアイ症状
Ocular Surface Disease Index (OSDI) アンケート689名
前腕熱刺激定量的感覚検査にて、疼痛感度 (heat pain threshold [HPT]) と疼痛耐用性 (heat pain suprathreshold [HPST])評価。

1622名中、438名(27.0%)をDEDとカテゴライズ

DED女性はHPT、HPST低下有意(p = 0.03、 0.003)。故に、DED女性はDEDの無い女性に比べ疼痛感度が高い。

OSDI上の疼痛症状と、HPT・HPSTの強い相関性あり (HPT:P = .008 、HPST:P = .003 )

加えて、中央値未満HPT被験者では、中央値以上被験者に比べ、2倍ほどDED疼痛症状を有する  (31.2% vs 20.5%;  オッズ比, 1.76; 95% CI, 1.15-2.71; P = .01)


そういえば、そうですね。ドライアイと肩こり・頸部痛の訴え同居することが多いような気がする。

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