2013年1月22日火曜日

H.ピロリ除菌:シーケンシャル法が除菌率成功率高い

ヘリコバクター・ピロリ除菌法として、シークエンシャルにやるほうが成績が良い

Sequential versus triple therapy for the first-line treatment of Helicobacter pylori: a multicentre, open-label, randomised trial
Jyh-Ming Liou et. al.
The Lancet, Volume 381, Issue 9862, Pages 205 - 213, 19 January 2013

sequential治療10日間、14日間 vs 14日間3剤併用
1:1:1
・ sequential treatment (7日間 lansoprazole 30 mg + amoxicillin 1 g → 次の7日間lansoprazole 30 mg+clarithromycin 500 mg+metronidazole 500 mg;すべて×2回/日)
これの10日間 (S-10) or 14日間 (S-14),

・ 3剤14日間 (T-14; lansoprazole 30 mg+amoxicillin 1 g+clarithromycin 500 mg ×14日間;すべて ×2)


除菌率
S-14群 90.7% (95% CI 87.4—94.0; 272 / 300 )
S-10群 87.0% (83.2—90.8; 261 / 300 )
T-14群 82.3% (78.0—86.6; 247 / 300 )

治療有効性は、T-14群に比べS-14群で良好
(ITT解析でも、perprotocolでも有意で、NNTはそれぞれ 12.0 [95% CI 7.2—34.5]; p=0.003) 、13.7 [8.3—40], p=0.003)

群間の副作用イベントの有意差認めず

ABC研究;高齢者の聴覚異常は認知機能低下・認知障害発症と関連

聴覚障害の存在は、どの後の認知機能障害発症と直線的に関連する。


Hearing Loss and Cognitive Decline in Older Adults
Frank R. Lin, MD,  et. al.
for the Health ABC Study Group
JAMA Intern Med. 2013;():1-7. doi:10.1001/jamainternmed.2013.1868.
平均年齢77.4歳、1984名の Health ABC Study


認知機能低下無し (Modified Mini-Mental State Examination [3MS] score, ≥80) の被験者
6年間フォローアップ  
聴覚障害を最良耳で、4kHzで0.5と純音平均閾値で定義
トータルで、1162名のベースラインでの聴覚障害  (pure-tone average >25 dB)
この群の3MS・ Digit Symbol Substitution test score年次減衰率は、正常聴覚のヒトに比べ減少率41%、32%急激。

3MSでは、年次変化は −0.65 (95% CI, −0.73 to −0.56) vs −0.46 (95% CI, −0.55 to −0.36)ポイント/年(P = .004)

Digit Symbol Substitution testでは、年次スコア変化は −0.83 (95% CI, −0.94 to −0.73) vs −0.63 (95% CI, −0.75 to −0.51) ポイント/年 (P = .02)


正常聴覚に比べ、ベースラインの聴覚障害のある人は、認知機能障害のリスク増加24% (hazard ratio, 1.24; 95% CI, 1.05-1.48)

認知機能減少率、認知障害発症頻度リスクは線形的に個別の聴覚障害と相関した。




家族と食事してると、耳が遠くなってることに気付き、会話に入れなくなってると・・・自分の親。
ある日、自分で決断し、補聴器を買った。その後、家族内の会話に自然と入り込むことができてると満足しているのを見るにつけ、それまでの疎外感に気付いあげられなかった。

そういう経験を想い出した報告。

ワクチンスケジュール未遵守小児 ・・・ 受診回数少なく、入院リスク増加の可能性 

 ワクチン接種を受けないということではなく、接種予定日を1日以上怠ったというもの。

 日本では、左翼運動を主体とした一部団体と、それを正当であるかのごとくねじまげた報道を繰り返していた。それは1980年代後半から21世紀となっても続いていた。そのため、ワクチンスケジュール未遵守に関して国民も寛容だし、医師にも遵守させようとする危害が少ない。

 話をもどすと、日本に比べると厳しいようだが、ワクチンスケジュール遵守率は49%というもので、日米のスタンスの違いに驚く。
 その米国でも、10%以上で、特定の予防接種間隔を遅らせたり、摂取量を減らしたり、代替ワクチンを要求するなどの行動を示すとのこと。専門家や政府からはその安全性を危惧されている。


 後ろ向きコホートで、これらの安全性の検討をするため、後ろ向きながら分析を行った。
ワクチンスケジュール未遵守の場合、受診率が少ないが、入院率が高い(IRR 1.21)ことがわかった。一方、親の選択でワクチンスケジュール未遵守の場合、救急受診や入院率が少ない。予防接種遵守に拒否的な両親を持つ子供と、そうでないこともでは有意差は認めなかった(有意さが無い)。


A Population-Based Cohort Study of Undervaccination in 8 Managed Care Organizations Across the United States
Jason M. Glanz, et. al.
JAMA Pediatr. 2013;():1-8. doi:10.1001/jamapediatrics.2013.502.


後顧的マッチ化コホート研究:2004-2008年出生児

2-24ヶ月のワクチン接種未遵守小児のパターンと傾向を調査
ワクチン接種未遵守小児と年齢的に適正なワクチン接種済み小児で、医療利用パターンの比較。

Vaccine Safety Datalinkの8つのマネージドケア機構

ワクチン記録を用い、ワクチン接種未遵守日数平均を算出
・ 理由が有りで、ワクチン接種出来なかった子供を1とし
・ 親の選択で、ワクチン接種しなかった子供を1とし
2つのマッチ化コホートを作成

他条件により年齢適正ワクチン接種マッチ化


2004-2008年誕生の323247名の子供で、24ヶ月例以前で、1日のワクチン接種未遵守率 48.7%

ワクチン未遵守頻度及び未遵守特異的パターンは時と共に増加 (P < .001)

マッチ化コホート解析で、未遵守小児は、年齢的に適正なワクチン接種遵守小児に比べ、外来受診数が少ない (incidence rate ratio [IRR], 0.89; 95% CI, 0.89- 0.90).

逆に、未遵守小児は、入院率が多い  (IRR, 1.21; 95% CI, 1.18-1.23)

二次マッチ化コホートでは、両親によるワクチン未遵守子供は外来受診率が少なく  (IRR, 0.94; 95% CI, 0.93-0.95)、救急外来数も少ない(IRR, 0.91; 95% CI, 0.88-0.94)

ワクチン未遵守比率増加し、未遵守小児はワクチン適正接種児童に比べ医療利用パターンが異なるようである


左翼運動家達は、おそらく、両親選択によるワクチンスケジュール未遵守が、遵守群に比べ有意さが無いことだけにフォーカスし、ワクチン無効論を展開することだろう

最終的には、科学的エビデンスを構築し、両親がその効果を理解出来るようになることが一番だが、あやまったプロパガンダに洗脳された日本国民のほとんどが、正しくワクチンスケジュール遵守できるまでは道は遠い。



親のワクチン拒否にどう対応するか! 2009年 10月 22日

ワクチン拒否者について 2009年 05月 07日


アスピリン使用と加齢黄斑変性症の関連性・・・ 

オーストラリアの研究で、15年間の前向きコホートデータ解析加齢黄斑変性症(AMD)で、アスピリン定期使用との関連性指摘された。

他の研究報告とは必ずしも一致してないこと。しかしながら、可能性があるとしたら、高コストな副作用でありコスト効用から考え直さないといけない可能性もあり、アスピリンが心血管疾患二次予防として広く用いられていることから困惑気味。


前向き研究で今後検討しなければならないことは確かなようだ。

The Association of Aspirin Use With Age-Related Macular Degeneration ONLINE FIRST
Gerald Liew,  et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():1-7. doi:10.1001/jamainternmed.2013.1583.

2389名のフォローアップデータ
アスピリン定期使用 257(10.8%)
血管新生AMD 63(24.5%)

アスピリン定期使用では血管新生AMD発症多い
アスピリン定期使用 9.3%
アスピリン定期未使用 3.7%

年齢、性、喫煙、心血管病歴、収縮期血圧、BMI補正後、アスピリン定期使用は、血管新生AMD発症リスク高い (オッズ比 [OR], 2.46; 95% CI, 1.25-4.83)

用量依存関連性認める  (multivariate-adjusted P = .01 for trend)

アスピリン使用は、地図状萎縮発生頻度とは関連せず (多変量補正 OR, 0.99; 95% CI, 0.59-1.65).

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