2016年1月20日水曜日

担がん患者終末期死亡場所、医療状況、入院費用:7先進国比較

病院死を議論するときに問題になるのは、病院と在宅の中間をどう評価しているかにより数値指標に影響があるということ


ホスピスなどの施設整備が充実していれば、がんの病院死は少なくなるだろう。そして在宅周辺環境が整っていれば・・・


先進国病院死の比較状況報告


医療費に関して言えば、カナダ・ノルウェーのような終末期医療費の高い国と、イギリス・オランダのような低い国と その中間に分けられる

医療費高くても、病院での死を選ぶ、カナダ・ノルウェー、特に北欧であるノルウェーは在宅介護充実しているという朝日新聞の喧伝からは意外。




Comparison of Site of Death, Health Care Utilization, and Hospital Expenditures for Patients Dying With Cancer in 7 Developed Countries
Justin E. Bekelman, et. al.; for the International Consortium for End-of-Life Research (ICELR)
JAMA. 2016;315(3):272-283. doi:10.1001/jama.2015.18603.


米国(65歳超死者コホート, n=211,616)、オランダ(n=7,216)が最も病院死少ない(それぞれ 22.2%、29.4%)


ベルギー、カナダ、英国、ドイツ、ノルウェーでは病院死の比率が高く、それぞれ 51.2%(n=21,054)、52.1%(n=20,818)、41.7%(n=97,099)、38.3%(n=24,434)、44.7%(n=6,636)

死亡前180日間において、米国の死亡者の40.3%ではICU入室あり、他国では18%未満。


死亡前180日間において、人頭あたり平均病院医療費は、カナダ、ノルウェー、米国で高く、それぞれ 21, 840、19 ,783 、18 ,500 米国ドル
中間は、ドイツ 16 221米ドル、ベルギー 15 699 米ドル
最小は、オランダ 10, 936 米ドル、イギリス 9,342 米ドル




二次解析でも同様



日本でも自宅死は増えているようだが、かなり少ない



都市部のめぐまれた地域で政策を作ってる役人や政治家の妄想で在宅診療の考想がねられている。地域毎の事情・実情など無視して厚生行政作るからニーズに応じられない。

にもかかわらず、役人・政治家は、都道府県を平準化しようとしている愚策を弄する状況

田舎に在住している身から考えれば、在宅療養というのはかなり恵まれた地域・家庭環境の特殊なお話。一般的には子供たちは遠隔都市部に住み、老々世帯が多い。それだけでなく、訪問診療をかなり嫌う地域も存在する。実際、訪問診療のニーズかなり乏しい。
患者の来院厳しく訪問診療を約束して居宅に向かったところ、玄関に家族に仁王立ちされてまるで押し売りに対する対応をとられたこと・・・数回

一開業医は 今までの苦い経験から在宅診療に対してやる気が起きない・・・




前向きコホート:果物・野菜

果物・野菜なら何でも良いというわけではなさそうだ・・・
この研究では、野菜摂取増加すれば高血圧発生頻度抑えられるとは言えない



Epidemiology/Population
Fruit and Vegetable Consumption and the Incidence of Hypertension in Three Prospective Cohort Studies
Lea Borgi ,et. al.
Hypertension. 2016; 67: 288-293


前向き調査による、果物(ジュース除外)と野菜摂取全量、全ての果物・野菜の消費量と、3つの縦軸コホート研究(Nurses’ Health Study (n=62 175)、 Nurses’ Health Study II (n=88 475)、Health Professionals Follow–up Study (n=36 803))における高血圧発生率の独立性調査。


結果は、果物のかなりの長期間の摂取量と、消費量増加が、高血圧発症リスクを減少するかもしれないと報告
・野菜・果物消費量を高血圧リスク要素補正後ハザード比と95%信頼区間計算
・週4サービング以下の摂取量と比較し、4サービング以上でのプール化ハザード比は、総果物摂取量では 0.92(0.87–0.97)、総野菜摂取量では  0.95(0.86–1.04)
・同様に、果物もしくは野菜消費量増加しない被検者と比較し、週7サービング以上増加の場合プール化ハザード比は、総果物摂取量では 0.94(0.90–0.97) 、総野菜摂取量では0.98(0.94–1.01)





・果物と野菜の個別的解析では異なる結果を生じている
・ブロッコリー、ニンジン、豆腐、ダイズ、レーズン、リンゴの消費量週4サービング以上では、それら総量週あたり1サービング未満に比べ、血圧リスク減少と相関する











トクホ前提の提出研究の摩訶不思議

血圧対策が出来るトクホ(特定保健用食品)のおしょうゆ
http://xn----u8t5hu57idsjxy5e8g1a.net/k_m_dps.html

としながら・・・

「特定保健用食品の評価書」では、効果ではなく、安全だと記載しているに過ぎない。
これって・・・詐欺じゃないの?
https://www.fsc.go.jp/iken-bosyu/pc10_nf40_mamechikara_240119.pdf



前述の報告のように、果物野菜の総量でやっと評価できるほどの効果しか無いのに、特定の食品だけで降圧効果を期待すること自体が間違えている。厚労省は担当省庁なのに国民に謝ったメッセージを与えている・・・クソ役所

noteへ実験的移行

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