2013年3月15日金曜日

緑茶かコーヒー 1日1杯で脳卒中減

NHKニュースでみた
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130315/k10013215761000.html


The Impact of Green Tea and Coffee Consumption on the Reduced Risk of Stroke Incidence in Japanese Population
The Japan Public Health Center-Based Study Cohort
Yoshihiro Kokubo, et. al.
STROKEAHA.111.677500 Published online before print March 14, 2013, doi: 10.1161/​STROKEAHA.111.677500


Cohort I(1995)、Cohort II(1998)の13年間平均フォローアップ
83,469名の日本人(45-74歳)、心血管疾患・がんなし

1,066,718人年フォローアップにて、
卒中(n-3425)、冠動脈疾患(n=910)

緑茶滅多に飲まない群を対照とすると、全卒中の多変量補正ハザード比率(95%信頼区間)は
緑茶2−3杯日 0.86(0.78-0.95)、4杯以上/日 0.80(0.73-0.89)
緑茶摂取多いほど、心血管疾患リスク、卒中サブタイプリスクと逆相関

コーヒー滅多に飲まない群を対照にすると、全卒中の多変量補正ハザード(95%信頼区間)は、コーヒー3−6回/週 0.89(0.80-0.99)、1回/日 0.80(0.72-0.90)、2回以上/日 ) 0.81 (0.72-0.91)
コーヒー摂取は、CVD・脳梗塞リスク逆相関あり

緑茶・コーヒー高摂取量は、CVD・卒中サブタイプリスク減少と関連(特に、頭蓋内出血、緑茶・コーヒーの相関 p=0.04)

冠動性心疾患では、有意相関認めず



緑茶かコーヒー 1日1杯で脳卒中減
3月15日 9時54分

緑茶を毎日、またはコーヒーを週に1杯以上飲む人は、脳出血や脳梗塞を発症するリスクが1割以上低くなるという研究結果を、国立がん研究センターなどがまとめました。
国立がん研究センターなどで作る研究班は、全国の45歳から74歳の男女、およそ8万人に緑茶やコーヒーを飲む習慣を尋ね、その後、最長で13年間追跡して病気との関連を分析しました。
その結果、緑茶を毎日2杯から3杯飲む人では、全く飲まない人に比べ脳卒中を発症する割合が0.86倍とリスクが1割以上低くなっていることが分かりました。
毎日4杯以上飲む人では、リスクが0.8倍にまで下がり、さらに、脳出血にかぎると、毎日1杯で発症のリスクが下がり始め、4杯以上で0.65倍になっていました。
一方、コーヒーも1週間に3杯以上飲む人で全く飲まない人に比べ脳卒中のリスクが1割以上下がり、特に脳梗塞にかぎると、週に1杯以上で0.86倍と低くなっていました。
研究班では、緑茶やコーヒーに含まれる血管を保護する物質や血糖値を抑える物質が脳卒中のリスクの低下に関係しているのではないかとしてます。
研究をまとめた国立循環器病研究センターの小久保喜弘医長は「たくさん飲めば良い、というものではないが、飲み物を緑茶やコーヒーに変えればある程度、脳卒中の予防が期待できると思う」と話しています。
abc news radioでも流れたみたい
http://www.610kvnu.com/health/75e964c88d89adc73de02ec6a1f44f2e

ジゴキシン復権?:高齢者駆出率低下型心不全:死亡率減少せず、入院率減少

Ahmed A, et al "Digoxin reduces 30-day all-cause hospital admission in ambulatory older patients with chronic heart failure and reduced ejection fraction" ACC 2013.

http://www.cardiosource.org/News-Media/Media-Center/News-Releases/2013/03/DIG.aspx

 ジゴキシンという薬は、評価の忙しい薬で、inotropic actionあると言われたり、無いと言われてあり、死亡率増やすだの、減らすだの・・・(http://www.aafp.org/afp/2006/0815/p613.html)。DIG研究からは、軽症・中等症のみ限定とさえ言われ・・・


今は、慢性心不全・低駆出率(HFrEF)高齢者の全原因入院尤度低下させるというのが評価らしい ACCでの報告。

HFrEF 6800名のDIG(Digitalis Investigation Group )で、ポンプ不全で息切れ・疲労感ある症例で、入院・再入院リスク状態の患者で、ジゴキシンの30日全原因入院率を21−95歳で、比較。結果、65歳以上で、入院半減したという報告。

ジゴキシンは、30日間入院率を34%減少。心筋収縮力を高める正のinotrope作用あり、ポンプ機能改善させた。他のinotropic薬剤と違い、死亡率増加背せず、低用量で、ニューロホルモンブロック効果が示された。全原因死亡率増加を示さなかったことも追記。

NYHA III-IVのような高リスクグループでの効果であり、ポンプ機能不全・血流へのジゴキシンの作用が良かったのだろうと解説。


閉経後ホルモン補充療法:7学会コンセンサス ・・・年齢・閉経後期間限定適応、個別リスク適応の上使用推奨

これを報じるメディアはミスリードする気・・・満々
なんせ、「Timing Is Everything」と本文と真逆のことをタイトル化している。
http://www.webmd.com/menopause/news/20130314/hrt-menopause-symptoms-timing


コンセンサス( American Society for Reproductive Medicine,  Asia Pacific Menopause Federation,  Endocrine Society,  European Menopause and Andropause Society,  International Menopause Society,  International Osteoporosis Foundation,  North American Menopause Society署名)
国際閉経学会(2012年11月、パリ)


 journals Climacteric 4月号に全文掲載予定

・60歳未満 or 閉経後10年内女性では、エストロゲン単独ホルモン標準量補充療法は、冠動脈性心疾患、全原因死亡率減少する可能性
この対象では、エストロゲン+プロゲストゲンは心血管リスク増加・減少するか明らかでない
・閉経症状が膣乾燥感や性交時不快女性では、局所性の低用量エストロゲンの適応
・エストロゲン単独HRTは子宮摘出後女性に良い適応で、他はエストロゲン+プロゲストゲンすべき
・静脈血栓塞栓・虚血性卒中リスクは、経口HRTで増加するが、60歳未満での絶対リスクは低い。経皮治療より少ない可能性。
・HRTは乳がん既往者には推奨しない
・Bioidentical hormone replacement therapy (BHRT)、自然ホルモン療法は推奨せず
 静脈血栓、卒中、心疾患、乳がんなど適応について個別リスク評価が必要。

ホルモン補充療法に関してやりたがり屋さんたちのバイアスがあると思う。

昨年のUSPSTF推奨以降に新たな高品質エビデンスが追加されたとは思えないので・・・
USPSTF:ホルモン補充療法ベネフィットよりリスクが上回る 2013/05/29
米国FDAでの短期治療適応としては、血管運動性hot flash、尿路・生殖器萎縮、骨粗鬆症の予防(短期は明確にしてないが、根拠となるWISDOM研究は10年間)
結論: エストロゲン+プロゲスチン併用、エストロゲン単独ともに、骨折リスク減少するが、卒中、血栓塞栓イベント、胆嚢疾患、尿失禁リスク増加。エストロゲン+プロゲスチンは乳がんリスク・認知症リスク増加するが、エストロゲン単独では乳がんリスク減少。 
これを見ると、10年を超える治療に関しては根拠がない。60歳を超える場合や、閉経後10年超える場合のHRTに関しては推奨できるはずもない。

小児・若年者:パンデミックワクチンとナルコレプシー 5万名に1名の発症リスク増加の可能性

昨年もこの話題あった
インフルエンザ・ワクチンは、ナルコレプシー発症リスク著明増加? 2012/03/29
ナルコレプシーはご存じ、HLA-DR2とDQ1との関連性があり、免疫機序の関与が示唆されているため、比較的合理性があるため、話題となっている。


アジュバントパンデミックA/H1N1 2009ワクチン(Pandemix)とイギリスの小児・青年におけるナルコレプシーリスクを後顧的評価、2011年8月から2012年2月調査で、245名の小児・思春期青年をレビュー

症例対照後顧的研究なので、けちはいくらでもつけられるが・・

Risk of narcolepsy in children and young people receiving AS03 adjuvanted pandemic A/H1N1 2009 influenza vaccine: retrospective analysis
BMJ 2013; 346 
doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f794 (Published 26 February 2013)
Cite this as: BMJ 2013;346:f794

2008年1月以降発症ナルコレプシー症例 75(カタプレキシー 56) 
発症前 11名、 6ヶ月以内 7名
2011年6月までの診断に対し、発症前のワクチンタイミング不問時、オッズ比 14.4(95% 信頼区間 4.3-48.5)
発症前5ヶ月内のワクチン接種タイミングでは、オッズ比 16.2(3.1-84.5)

2008年10月から2010年12月までの発症例内の2011年11月診断例における自己対照症例シリーズからの相対頻度は、 9.9(2.1〜47.9)
寄与リスクは57,500例中1例から52,000例中1例

ナルコレプシーは昼間の過剰眠気を伴う疾患で、中には、強い感情的変化ひきがねの一過性筋力低下をともなうカタプレキシーが存在する。推定頻度は10万対25−50で、発症は10−19歳が多いがどの年代でも発症しうる。

精神疾患患者の殺人被害リスクは約5倍 ・・・ 誤訳のため削除

誤訳のため、当該記事削除しました。関係各位に、ご迷惑をおかけしました。

「精神疾患患者の殺人加害リスク」ではなく、「精神疾患患者の殺人被害リスク増加」に関わる報告です。

訂正し、お詫び申し上げます。




加害側のリスクに関しては以下のレビューが存在します。
Risk of homicide and major mental disorders: a critical review
Encephale. 2009 Dec;35(6):521-30. doi: 10.1016/j.encep.2008.10.009.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20004282

研究に関して方法論的な問題や人種・民族的背景などの影響はあるものの、加害側に関するリスクも、やはり存在し、リスク比として10倍以上という記載も存在し、訂正とともに、追記いたします。



軽度頭部外傷を生じやすい遺伝的要素が存在する

繰り返しの頭部外傷と関連する脳のダメージは、画像やマーカーなどでその因果関係否定できない。
広汎脱分極所見:頭部外傷後アウトカムを予測 2011年 11月 05日
フットボールにもボクシングのような反復頭部外傷による認知機能、軸性障害など・・・遅発性明らかに 2010年 09月 24日
スポーツ:反復軽度頭部打撃→血液脳関門破壊→自己抗体出現→認知機能低下の可能性 2013年03月07日
脳しんとう:FA高値は神経可塑性を示し、その後の予後改善と関連する 2012年11月27日

しかし、「軽度頭部外傷により認知機能低下をもたらす」という仮説にだけとらわれていたのかもしれない。住民レベルで見ると、「頭部外傷を生じやすい認知機能低下をもたらす遺伝的要素が存在する」という事実が浮かび上がってきた。


Cognitive function and other risk factors for mild traumatic brain injury in young men: nationwide cohort study
BMJ 2013; 346 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f723 (Published 13 March 2013)
Cite this as: BMJ 2013;346:f723
【目的】 若年者の軽度頭部外傷後の認知機能・他のリスク要素調査

【デザイン】 Nationwide prospective cohort study.

【セッティング】 Sweden.

【被験者】 1989-1994年徴兵305 885 名の男性

【主要アウトカム測定】 徴兵時及びフォローアップ時の認知機能及び他の寄与リスク要素と関連する軽度頭部外傷

【結果】軽度頭部外傷1回を有する男性で、認知機能検査前2年内 n=1988、認知機能後 n=2214 では、総合的認知機能スコアが、フォローアップ中外傷無しの男性に比べ、5.5%ほど低下する  (p< 0.001 for both)

さらに、軽度頭部外傷2回以上男性 n=795では、非外傷経験男性に比べ、総合的認知機能スコア15%低下  (p< 0.001)

認知機能検査後、1回以上の軽度頭部外傷に対し、強力な独立リスク要素(p< 1× 10 -10)は、総合的認知機能低下、頭部外傷既往、中毒による入院、低レベルの教育状況・社会経済状況

認知機能検査前に軽度頭部外傷を双生児一人経験している、双生児サブコホート(n=63)では、双生児両方とも、頭部外傷既往内総コホート男性に比べ、ロジカルなパフォーマンス、テクニカルなパフォーマンス低レベル(p< 0.05)

【結論】低レベル認知機能、社会経済状況に関わる要素は、男性の軽度頭部外傷に対する独立したリスク要素である。
 軽度頭部外傷不一致双生児で双生児両方とも認知機能低下していることは、そのような外傷を起こしやすい認知機能低下を有する遺伝的な要素が示唆される。
この研究は男性に限定したものであり、女性での関連性には十分注意が必要。 


頭部外傷と認知機能との関連性検討の時は、遺伝的要素を除外する必要性がある。

閉塞型無呼吸肥満・平均動脈圧:CPAP治療+減量併用効果がそれぞれの単独に勝る

一般的に、循環器・高血圧の専門家って、肥満には興味あるけど、無呼吸には興味無いようで、肥満・糖尿病有無チェックには熱心だが、 高血圧の初回アセスメント・フォローアップアセスメントに無呼吸症候群評価が含まれないことが多い。確かに、無呼吸治療は血圧コントロールに役立つかどうか懐疑的な報告も多く、無呼吸診療する側も熱心でない部分も有った。

以下の報告は、高血圧診療へも示唆を含む

閉塞型無呼吸(OSA)肥満患者では、CPAPと減量の併用で、それぞれの単独使用より、さらに降圧効果増加を認める。重要な示唆を有する知見である。


"Effect of CPAP, weight loss, or both on peripheral and central blood pressure in obese subjects with OSA"
Chirinos JA, et al
ACC 2013.
J Am Coll Cardiol. 2013;61(10_S):. doi:10.1016/S0735-1097(13)61384-4

【背景】肥満と閉塞型睡眠時無呼吸(OSA)は共存状態傾向になりやすく、高血圧とも関連する傾向にある。減量とCPAPの血圧への影響は以前から個別に研究されているが、OSA肥満者への、併用治療、単独治療に関わるベネフィットは不明
【方法】139名の肥満(BMI 30超)と中等度・重度OSA(AHI 15以上)をランダム割り付け
1)CPAP治療(n=44)
2)減量(n=48)
3)CPAP+減量併用 (n=47)
24週間

評価として、平均動脈圧(MAP)と中心脈圧(cPP,carotid tonometry測定)
【結果】ITT解析にて、減量では、MAP減少と相関せず、CPAP (−3.70 mmHg; 95%CI=-6.86 〜 −0.53; P=0.02) 、併用(−6.94 mmHg; 95%CI=-10.22 〜 −3.66; p< 0.0001)では有意に減少
減量+CPAP併用は、減量単独より優越   (グループ間差  MAP=5.12 mmHg; 95%CI: 9.86 〜 0.38; P=0.03)

割り当て群でのコンプライアンス限定的事前決定層別解析では、 MAPに関し、
併用群で特に24週後かなりの効果認める  (−9.14 mmHg; 95%CI=-13.01 〜 −5.27; p< 0.0001)一方、CPAP単独ではその効果やや少ない(−3.14 mmHg; −6.27 〜 −0.02; P=0.049) 、減量単独では有意差認めず(−1.89 mmHg; 95%CI=-5.79 〜 2.01; P=0.34)

コンプライアンス被験者では、併用治療では、減量単独介入やCPAP単独介入に比べ、MAPより減少  (グループ間差 -7.25 mmHg; 95%CI=-12.75 〜 −1.75; P=0.01、 =6.00 mmHg; 95%CI=1.02 〜 10.97; P=0.019)

ITT解析では、cPPは3介入群とも減少  (−3.53 mmHg; 95%CI=-6.23 〜 −0.84; P=0.01)、群間差に有意差認めず

ARMYDA-9 CAROTID研究:頸動脈ステント:プラビックス+スタチン虚血性イベント予防効果

頸動脈ステント患者に対するクロピドグレル(プラビックス)+アトルバスタチン(リピトール)にて、神経防御的効果


"Strategies of clopidogrel load and atorvastatin reload to prevent ischemic cerebral events in patients undergoing protected carotid stenting: Results of the ARMYDA-9 CAROTID Study"
Patti G, et al. ACC 2013.
J Am Coll Cardiol. 2013;():. doi:10.1016/j.jacc.2013.01.015

頸動脈ステント中クロピドグレル指摘投与量は不明

156名を2×2区分デザイン割り付け
クロピドグレル 600mg(n=78)、 300mg(n=78):ステント6時間前投与
アトルバスタチン再投与(n=76, 80mg+ステント6時間前+40mg投与) vs スタチン非投与 n=80


プライマリエンドポイントは、30日目の一過性脳虚血/卒中+脳diffusion weightedMRI所見上の新規虚血病変

プライマリアウトカム発生はクロピドグレル600mg群で有意に減少( 18% vs 300mg群 35.9% ; p=0.019)
アトルバスタチン再投与群で減少(18.4% vs スタチン非投与群 35.0%; p=0.031)


高用量クロピドグレルは、30日TIA/卒中率有意に減少(0% vs 9%, p=0.01)し、出血リスク認めず


かなりの明瞭な予防効果が示されている。
現時点で、日本では、冠動脈形成術後 プラビックス 300mg投与認可されているが、今後頸動脈ステントにおいても、プラビックスとスタチン投与認可考慮されるべきだろう。
同時に、投与量が妥当かどうかも・・・

noteへ実験的移行

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