2014年3月14日金曜日

【卒中】早期心肺蘇生せず方針を徹底すると、悪い病院の評価をもらうことになる

心肺蘇生せず:DNR判断を早期に行うことは、患者にとっても無為な時間や医療行為を削減するためにも正当なこと。だが、この方針を徹底すると、逆に悪い病院と判断されることになる。


カリフォルニアの病院にて行われるDNR(心肺蘇生せず)指示にばらつきがあることが報告された。そして、早期DNR判断に対し適切な理解がなされないなら、早期DNR判断する病院は死亡率の高い病院と判断され、悪い病院に分類されてしまう危険性がある。


Variation in Do-Not-Resuscitate Orders for Patients With Ischemic Stroke
Implications for National Hospital Comparisons
Adam G. Kelly, et.al.
Stroke.2014; 45: 822-827



355の病院、252,368症例、 33,672(13.3%)早期DNR(入院24時間内DNR)

病院レベルの補正DNRにばらつき広範囲(5分位、 最小 2.2% vs  最大  23.2%)
早期DNR多い病院ほど、2倍、入院死亡率高い(最小5分位 4.2% vs 最大 8.7%)

DNRオーダーに合わせ補正されないことから、死亡率の高い病院を含むランク・スペクトラムの病院再分類される。

フジテレビのチームなんたらというのをチラ見してしまった。時代錯誤そのもので、「オピオイドを積極的に使い痛みに対する現代の緩和ケア」を愚弄しているとしか思えない内容で、胸くそ悪い。そもそも「バチスタ」をドラマ名にしてることこそが、愚かさの証明なのだが・・・。


プロスポーツ選手脳卒中:復帰判断など有益な指標となる血中総tau、s-100カルシウム結合蛋白B

脳ダメージの客観的マーカーが無いため、急性診断や即時プレー再開可能か臨床的意思決定に支障を来す。

プロアイスオッケープレイヤーのスポーツ関連脳卒中、急性軸索・神経膠細胞傷害と関連し、それぞれの血中バイオマーカーである、総タウ、S-100 calcium-binding protein Bが脳卒中直後より増加し、プレイ復帰などの意思決定補助として有用であることがわかった。

Original Investigation March 13, 2014
Blood Biomarkers for Brain Injury in Concussed Professional Ice Hockey Players
Pashtun Shahim, et. al.
JAMA Neurol. Published online March 13, 2014. doi:10.1001/jamaneurol.2014.367

デザイン・状況・被験者:多施設前向きコホート研究(トッププロアイスホッケーリーグ12チーム、スウェーデン・ホッケーリーグ)
288名のアイスホッケープレイヤー(2012−2013)、全プレイヤーを脳震とうに関わる評価プレシーズンに臨床検査施行。
12アイスホッケーチーム2チームの47のプレイヤーにてシーズン開始前に血液サンプリング。45名脳震とう(2012年9月13日から2013年1月31日まで)発生。28回繰り返しサンプリング(1、12、36、144時間、そしてプレー再開時)

主要アウトカム・測定項目: 総tau、s-100カルシウム結合蛋白B、ニューロン特異的enolase濃度(血漿・血清)


結論: プレイヤーはプレシーズン期間中値より、軸索障害:axonal injury のbiomarker 総タウ増加 (median, 10.0 pg/mL; range, 2.0-102 pg/m vs 4.5 pg/mL; range, 0.06-22.7 pg/mL) (P < .001)

正常膠細胞障害astroglial injuryの biomarker S-100 calcium-binding protein Bも増加(median, 0.075 μg/L; range, 0.037-0.24 μg/L vs 0.045 μg/L; range, 0.005-0.45 μg/L) (P < .001)

脳震とう直後、総Tau、S-100 calcium-binding protein B値最高値で、リハビリテーション期間は減少。
プレシーズン中から脳震とう後、neuron-specific enolase(肺がんでおなじみのNSEかぁ)は有意変化検出できず( median, 6.5 μg/L; range, 3.45-18.0 μg/L → 6.1 μg/L; range, 3.6-12.8 μg/L) (P = .10)





ボクシングやサッカーなどでも検討されるべきだと思う、プロだけで無く、若年スポーツにも

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note