2018年12月20日木曜日

高血圧:運動は降圧剤治療に匹敵?

運動 vs 降圧剤というガチンコ検討なされてないし、また、運動による降圧効果検証は高血圧患者に対して検証不十分

利用できるデータで推定すれば、表題如く、通常の降圧治療に匹敵するのではないかというご賢察


How does exercise treatment compare with antihypertensive medications?
A network meta-analysis of 391 randomised controlled trials assessing exercise and medication effects on systolic blood pressure
Naci H, et al.
Br J Sports Med 2018;0:1–12.
doi:10.1136/bjsports-2018-099921
https://bjsm.bmj.com/content/bjsports/early/2018/12/05/bjsports-2018-099921.full.pdf

目的:収縮期血圧への運動regimenと薬物の効果比較

Data sources: Medline (via PubMed) and the Cochrane
Library.

登録クライテリア:ACE-i、ARB、、β遮断剤、CCB、利尿剤を含むRCT
運動介入の発表済メタ解析をアップデートし、endurance、dynamic resistance、isometric resistance、enduranceとresistance exercise組み合わせの収縮期血圧降下効果検証 (up to September 2018)

デザイン:ランダム効果ネットワークメタアナリシス

アウトカム:ベースライン収縮期血圧平均値比較:95%信頼区間(95% Crl)、mmHg表示

結果:RCT総数 391、運動介入評価 197(被検者10,461)、降圧剤評価(被検者 29,281)
運動 vs 薬物直接比較RCTはなし
薬物療法全ては高血圧患者、運動トライアル 56だけが高血圧患者( 140 mm以上)で、比較 3508人。10%ランダムサンプルのうちバイアスリスク型各ブライド化不十分、アウトカムデータ不十分のためとされた
連結解析ベースライン収縮期血圧は降圧剤では運動介入に比べ低下
差平均 −3.96mmHg, 95% CrI −5.02 to −2.9

対照に比較して、タイプを問わない全ての運動(enduranceとresistanceの組み合わせ含む)と全てのクラスの降圧剤ではベースライン収縮期血圧低下は効果的

高血圧患者において、enduranceあるいはdynamic resistance運動と比較したとき、ACE-i、ARB、β遮断剤、利尿剤での収縮期血圧低下の検出可能な差は認めず
直接・間接比較間で検出可能な不一致性は認めず
small-study effectのエビデンスあったが、薬物療法、運動療法共に認められた

結論:収縮期血圧への運動の効果はまだ研究不十分のままで、特に高血圧患者においての検証不十分
すべての住民群横断的に、軽度だが、一定の収縮期血圧低下については一致して確認できたが、構造化運動レジメンに比べ薬物療法群で収縮期血圧低下をもたらす

同等再現推定と仮定すると、高血圧患者の運動による降圧効果は通常の降圧薬物治療と同等になるのではないか?リアルワールドの臨床状況でこの知見が一般化されるか評価されるべき








2型糖尿病もそうだけど、メーカーなどのスポンサーの少ないトライアルは数も質も乏しくなる

noteへ実験的移行

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