すこしは改善したのだろうか、尿路結石や高尿酸血症に関して、日本の医療は世界とずいぶん異なる。ガラパゴスの世界。痛風既往なし・無症候性高尿酸血症への対処が一番の違い。 無症候性高尿酸血症に対しては、”It is not considered beneficial or cost-effective and, generally, is not recommended. ”ってのが典型的スタンス。
このため、サイアザイドに関するスタンスにずいぶんな違いができてしまった。
諸外国ではサイアザイドの副作用として、低カリウム血症、低ナトリウム血症などの電解質異常、一部、血糖増加が問題になるけど、尿酸値に関してはあまり問題にされない。一部、ビタミンCより強い、尿酸の抗酸化作用で、ありがたがる論説まである。
However, humans lack the enzyme uricase, resulting in higher blood uric acid levels (Hediger et al., 2005). They might provide humans a survival advantage over the other primates because of the function of uric acid as antioxidant (Mc Lean, 2003). ).
日本の高尿酸血症はその根本的スタンスが違う。結果なのか、bystanderなのかの議論はせず、高尿酸値が動脈硬化アウトカムと関係するとしると鬼の首をとったかのように尿酸悪者説を再興の兆しがある。
サイアザイドも悪者、高尿酸血症もひたすら悪者の日本では、サイアザイドで尿路結石再発予防しようとするなんて、思いもつかないだろう。
バイオマーカーで尿路結石再発リスク推定不能ってのも重要。
Medical Management to Prevent Recurrent Nephrolithiasis in Adults: A Systematic Review for an American College of Physicians Clinical Guideline
Howard A. Fink, et. al.
Ann Intern Med. 2 April 2013;158(7):535-543
低強度エビデンス:1回のカルシウム系結石患者で、飲水増加は無治療に比べ、複合結石再発半減(相対リスク [RR], 0.45 [95% CI, 0.24 〜 0.84])
低強度エビデンス:ソフトドリンク消費減少は、症候性卒中リスク減少 (RR, 0.83 [CI, 0.71 〜 0.98])
中等度エビデンス:多発性カルシウム結石患者では、飲水量増加した多くの患者で、サイアザイド( RR, 0.52, 95%CI, 0.39-0.69]、クエン酸(RR 0.25 95%CI, 01.4-0.44)、アロプリノール(RR, 0.59 95%CI, 0.42-0.84)による、複合結石再発リスク減少が、プラシーボ・対照比較での確認された。しかし、アロプリノールは、ベースラインでの高尿酸血液濃度・高尿酸尿中濃度限定的であった。
ほかのベースライン生化学指標では、治療有効性の予測できず
低強度エビデンス:クエン酸も、アロプリノールもサイアザイド併用では、サイアザイド単独より優れてない。
水分量増加患者での離脱少なく、ほかの食事介入やサイアザイド・クエン酸では離脱多い。
副作用報告は乏しい。