2013年4月10日水曜日

再発性尿路結石予防医学管理:ACPガイドライン・システマチックレビュー ;サイアザイド、クエン酸、アロプリノール(条件下)効果


すこしは改善したのだろうか、尿路結石や高尿酸血症に関して、日本の医療は世界とずいぶん異なる。ガラパゴスの世界。痛風既往なし・無症候性高尿酸血症への対処が一番の違い。 無症候性高尿酸血症に対しては、”It is not considered beneficial or cost-effective and, generally, is not recommended. ”ってのが典型的スタンス。

このため、サイアザイドに関するスタンスにずいぶんな違いができてしまった。
諸外国ではサイアザイドの副作用として、低カリウム血症、低ナトリウム血症などの電解質異常、一部、血糖増加が問題になるけど、尿酸値に関してはあまり問題にされない。一部、ビタミンCより強い、尿酸の抗酸化作用で、ありがたがる論説まである。


However, humans lack the enzyme uricase, resulting in higher blood uric acid levels (Hediger et al., 2005). They might provide humans a survival advantage over the other primates because of the function of uric acid as antioxidant (Mc Lean, 2003). ). 

日本の高尿酸血症はその根本的スタンスが違う。結果なのか、bystanderなのかの議論はせず、高尿酸値が動脈硬化アウトカムと関係するとしると鬼の首をとったかのように尿酸悪者説を再興の兆しがある。

サイアザイドも悪者、高尿酸血症もひたすら悪者の日本では、サイアザイドで尿路結石再発予防しようとするなんて、思いもつかないだろう

バイオマーカーで尿路結石再発リスク推定不能ってのも重要。

Medical Management to Prevent Recurrent Nephrolithiasis in Adults: A Systematic Review for an American College of Physicians Clinical Guideline
Howard A. Fink, et. al.
Ann Intern Med. 2 April 2013;158(7):535-543

低強度エビデンス:1回のカルシウム系結石患者で、飲水増加は無治療に比べ、複合結石再発半減(相対リスク [RR], 0.45 [95% CI, 0.24 〜 0.84])
低強度エビデンス:ソフトドリンク消費減少は、症候性卒中リスク減少 (RR, 0.83 [CI, 0.71 〜 0.98])
中等度エビデンス:多発性カルシウム結石患者では、飲水量増加した多くの患者で、サイアザイド( RR, 0.52, 95%CI, 0.39-0.69]、クエン酸(RR 0.25 95%CI, 01.4-0.44)、アロプリノール(RR, 0.59 95%CI, 0.42-0.84)による、複合結石再発リスク減少が、プラシーボ・対照比較での確認された。しかし、アロプリノールは、ベースラインでの高尿酸血液濃度・高尿酸尿中濃度限定的であった。 

ほかのベースライン生化学指標では、治療有効性の予測できず

 
低強度エビデンス:クエン酸も、アロプリノールもサイアザイド併用では、サイアザイド単独より優れてない。
水分量増加患者での離脱少なく、ほかの食事介入やサイアザイド・クエン酸では離脱多い。
副作用報告は乏しい。

今時の薬剤情報 ・・・ イグザレルト

イグザレルト(リバーロキサバン)も、この5月から、長期使用可能になるので、そろそろ、ワーファリンから変更した方がよい症例は考慮した方がよいのかもしれない。


対ワルファリン 有効性安全性を、二重盲験で、日本人でのエビデンスありというわけだし・・・
J-ROCKET AF


・・・ということで、この商品のウェブページみると、その充実ぶりに素直に驚いた

http://www.xarelto.jp/ja/home/

診断仮キュレータ
http://www.xarelto.jp/ja/home/medical-support-area/medical-care-calculator/

これなんぞ、windows、Macだけでなく、iPad・iPhoneアプリ付き


投与前フローチャート


適正使用ガイドが、会員登録でなきゃだめってのが惜しいなぁ






バイオマーカー:ω3長鎖不飽和脂肪酸の高低は死亡率と関連


長鎖ω3不飽和脂肪酸(ω3-PUFA)は、EPA(20:5ω-3)、DPA (22:5ω-3)、DHA (22:6ω-3)を含み、心血管リスク減少と関連するとされるが、疾患特異的・全原因死亡率と量反応関係はcontrovertial。

EPA、DPA、DHA濃度がこれら死亡率低下と関連するという報告
 
Plasma Phospholipid Long-Chain ω-3 Fatty Acids and Total and Cause-Specific Mortality in Older Adults: A Cohort Study
Dariush Mozaffarian, et. al.
Ann Intern Med. 2 April 2013;158(7):515-525 
30,829 人年において、死亡  1625 deaths (心血管死 570)、致死性CVD 359、非致死性CVD 371 、致死性卒中 130、非致死性卒中 276
補正後、バイオマーカーとしてのω3-PUFAは、全原因死亡率減少と関連
両端5分位ハザード比は
EPA 0.83 (95% CI, 0.71 to 0.98; P for trend = 0.005)
DPA 0.77 (CI, 0.66 to 0.90; P for trend = 0.008)
DHA 0.80 for DHA (CI, 0.67 to 0.94; P for trend = 0.006
総ω3-PUFAでは、  0.73  (CI, 0.61 to 0.86; P for trend < 0.001)
65歳以降では、平均ω3PUFA濃度が最高5分位であり続ける人は、最小5分位に比べ、2.22年長生き  (CI, 0.75 〜 3.13 歳) 


介入試験じゃなくて、コホート観察研究
寄与要素は補正しきれてない可能性が高い。特に、同時摂取食品などに・・・

2型糖尿病患者肥満治療:6年後、完全寛解24%、部分寛解 26%という報告


"NHKが放送した”糖尿病が手術で治る” ・・・ 明らかに間違い 2012/11/29"とは矛盾しないと思うが、2型糖尿病に関して、肥満手術が一つの治療法ではある。

NHKの問題点は、エビデンス限定的であると、手術肯定的記載が目立つ、American Association of Clinical Endocrinologistsのガイドラインでさえ警告をしている。
公共放送であるはずの、NHKが、一線を踏み出して、一部の研究者だけの主張で、Pro &Con無視して放送するその姿勢に問題があるのだ。


以下の報告だって、治癒とは書かれてない、あくまでも寛解なのだ・・・

IDFステートメント(2011)では、2型糖尿病の肥満手術に関して・・・

Type 2 diabetes. It is an effective, safe and cost-effective therapy for obese Type 2 diabetes. Surgery can be considered an appropriate treatment for people with Type 2 diabetes and obesity not achieving recommended treatment targets with medical therapies, especially in the presence of other major co-morbidities

賛否意見:観点:技術上観点、長期栄養問題合併症、減量初期効果・持続効果、肥満関連合併症への影響、個別的患者選択・手術選択の問題
Quick fix or long-term cure? Pros and cons of bariatric surgeryF1000 Med Rep. 2012; 4: 19.
Published online 2012 October 2. doi:  10.3410/M4-19


肥満治療で、2型糖尿病患者が、6年後も完全・部分寛解維持しているという報告。

2004−2007年、肥満手術2型糖尿病 217名

完全寛解定義(HbA1c 6%未満、空腹時血糖 100 mg/dL 1年間以上持続、合併症なし)該当は 、24%
部分寛解定義(HbA1c 6%-6.4%、空腹時血糖 100-125 mg/dL、抗糖尿病薬なしで1年以上持続)該当は、26%

現時点では、2型糖尿病というだけでは、肥満治療の適応でなく合併症としての2型糖尿病対象研究。IDFは、BMI 30-35・糖尿病患者に適応を推進している状況。
American Association of Clinical Endocrinologistsのガイドライン、Obesity Society, and the American Society for Bariatric and Metabolic Surgery でも、エビデンスはまだ少ないという警告付きで、これらの患者への適応を許可している。



Brethauer SA, et al "Can diabetes be surgically cured? Long term metabolic effects of bariatric surgery in obese patients with type 2 diabetes" ASA 2013.

統合失調症に関連する遺伝子

統合失調症に関連する遺伝子

family-based replication study
参照:http://allanmcrae.com/publications/benya_p_09.pdf

神経系はもちろん、免疫系に関わる遺伝子の関連性が示された。

A Comprehensive Family-Based Replication Study of Schizophrenia Genes
Karolina A. Aberg,  et. al.
JAMA Psychiatry. 2013;():1-9

レプリケーションの結果、P値小さいSNPs
p < .01のレプリケーションのうち、GWAS meta-analysisと同様のeffect directionのSNPs比率は、人種混合的には89%、 ヨーロッパ人民族だけの場合は93%


ヨーロッパ人種では、MHC領域でレプリケーション値包括的増加3.7倍

TCF4 (P = 2.53 × 10−10
)、NOTCH4 (P = 3.16 × 10−7) のSNPsレプリケーションを行い、これは、統合失調症に最も多い

より興味深いのは、 POM121L2 (P = 3.51 × 10−7
)、AS3MT (P = 9.01 × 10−7)、 CNNM2 (P = 6.07 × 10−7)、NT5C2 (P = 4.09 × 10−7)が含まれること


多くのsmall effect研究のため、pathway analysis施行。多くの有意なニューロン機能(axonal guidance、ニューロンシステム、L1接着分子相互作用)に関わるpathway、免疫系と関連するpathway(抗原プロセシング、T細胞との細胞癒着、免疫系シナプスへのtranslocation)との関連が示された。



遅発発症アルツハイマー病:アフリカ系アメリカ人;大きな影響を与える  ABCA7遺伝子 :欧州人種 APOε4に匹敵


遅発発症アルツハイマーに関して、ヨーロッパ人種では報告のあった遺伝子の影響
アフリカ系アメリカ人からのデータのメタ・アナリシスで、ABCA7変異との関連性が示された。
白人のAPOε4変異と同程度の影響で、ABCA7遺伝子は、遅発性アルツハイマー病リスク79%増加させる。

Variants in the ATP-Binding Cassette Transporter (ABCA7), Apolipoprotein E ϵ4,and the Risk of Late-Onset Alzheimer Disease in African Americans
Christiane Reitz, et. al.
for the Alzheimer Disease Genetics Consortium
JAMA. 2013;309(14):1483-1492. doi:10.1001/jama.2013.2973.

完全補正モデルGenome-wide研究
ヨーロッパ人種で報告のあった リンケージ不均衡 SNPs である ABCA7の(rs115550680, allele = G; 頻度, 症例 0.09  vs 対照 0.06 ; オッズ比  [OR], 1.79 [95% CI, 1.47-2.12]; P = 2.2 × 10−9)
アフリカ系人種でのABCA7 SNPのeffect sizeは、ヨーロッパ人種のAPOE ε4-決定SNP  rs429358とcomparable (allele = C; frequency, 症例 0.30 vs 対照 0.18 ; OR, 2.31 [95% CI, 2.19-2.42]; P = 5.5 × 10−47).
いくつかのアルツハイマー病関連locusは、GWAで有意差に到達しなかったが、マーカーと遺伝子ごとの検査数補正とのlinkage不均衡(CR1, BIN1, EPHA1, CD33; 0.0005


今まで、Apoε関連に注目が集まっていたが、今回注目されているABCA7遺伝子は、コレステロール代謝に影響を与える、HDLのbiogenesisを仲介する、ATP結合 cassette transporterで、細胞脂質、helical apolipoproteinと関連する。apolipoprotein A1に結合し、アポリポ蛋白とコレステロール efflux(くみ出し)に関連する。

メタジェノミスク:培養不要Shiga毒素産生大腸菌検査


培養せずに、ダイレクトに、Shiga毒素産生性E. coli 104:H4 DNA検出

以前も、メタジェノミクス診断に関して記載してた

新生代のDNA sequencerで、100メガ塩基のDNA配列を決定できるようになり、Sangerのsequencingで用いられた方法に取って代わられるようになっている。下痢便サンプルを用いて、unbiased high-throughput DNA sequencingによる原因病原微生物同定の報告。



従来の微生物のゲノム解析では単一菌種の分離・培養過程を経てゲノムDNAを調製していたが、メタゲノム解析は単一菌種の分離・培養過程を経ずに、微生物の集団から直接そのゲノムDNAを調製し、そのヘテロなゲノムDNAをそのままシークエンシングする。


Shiga毒素産生大腸菌検出の報告

A Culture-Independent Sequence-Based Metagenomics Approach to the Investigation of an Outbreak of Shiga-Toxigenic Escherichia coli O104:H4
Nicholas J. Loman,  et. al.

後顧的検討で、45サンプル
phase 1 (流行株のdraft genome de novo assemly approach)、phase 2(流行株genomeのcavarage深度測定)、phase 3(流行種細菌株と既知細菌株のsequence検出比較)
【phase 1】
STEC流行株のdraft geneome検出成功
【phase 2】
流行株genomeの10サンプルからの10倍のcoverageでの回収、26サンプルからは1倍位以上のcoverage
Shiga毒素遺伝子のsequenceを STEC陽性サンプルから検出 27・40 (67%)
【phase 3】
C. difficileからのsequence、Campylobacter jejuni、 Campylobacter concisus、Salmonella entericaのsequence

迅速な検出が可能となり、感染コントロール上有用

noteへ実験的移行

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