2015年4月30日木曜日

北京オリンピック開催中公害人為的減少にて胎児体重増加 ・・・ 大気汚染による成長抑制の傍証

北京オリンピック期間中だけ北京に青空が戻った


この期間が本来有るべき環境で、それにより回復した者は、妊娠期間中の胎児の成長


Differences in Birth Weight Associated with the 2008 Beijing Olympic Air Pollution Reduction: Results from a Natural Experiment
David Q. Rich, et. al.
Environ Health Perspect; DOI:10.1289/ehp.1408795

2008年オリンピック中、8ヶ月の妊娠期間であった子供は、2007年から2009年同月に8ヶ月妊娠期間例であった子供と比較して、平均 23g(95%信頼区間:CI, 5g〜40g)大きい


妊娠8カ月期間中IQRは、それぞれ PM2.5 19.8 µg/m3 、 CO 0.3 ppm 、 SO2 1.8 ppb 、 NO2 13.6 ppb 
それぞれに対し、 18g (-32g, -3g)、 17g (95% CI: -28g, -6g)、 23g (95% CI: -36g, -10g)m 34g (95% CI: -70g, 3g) の体重減少


妊娠1−7ヶ月時では有意差認めない



中国の壮大な人体実験



2型糖尿病患者の禁煙:糖化Hb悪化させ3年間悪化持続 ・・・ 糖尿病・禁煙治療患者の糖コントロールは厳格に

喫煙は、2型糖尿病リスクを増加させるが、禁煙後3−6年では喫煙継続比較するとリスク増加、その後10−12年経過後非喫煙者と同等となるという報告が複数ある。
ここでは、禁煙の有無が糖尿病コントロールにどう関わるか、そしてその関連性はどの程度続くのか、体重変化に影響されるのか検討。



The Health Improvement Network :THIN研究:2型糖尿病後顧的コホート研究(2005年1月1日〜2010年12月31日)

結果は、禁煙状態にある2型糖尿病患者は、血糖コントロールを一時的に悪化し、その悪化作用は3年間継続する、微小血管障害悪化をこの間悪化。喫煙状態は2型糖尿病の合併症に決定的役割を果たすため、禁煙の方向性は間違えてないが、禁煙自体が刀痕トロールを悪化させることは十分理解しておく必要がある。



The association between smoking cessation and glycaemic control in patients with type 2 diabetes: a THIN database cohort study
Deborah Lycett, et. al.
The Lancet Diabetes & Endocrinology Published Online: 29 April 2015 
http://dx.doi.org/10.1016/S2213-8587(15)00082-0
2型糖尿病、10,692名

禁煙開始し1年後禁煙継続 3131名

寄与要素補正後、禁煙開始1年間 HbA1c 0.12%(95% CI 0·17–0·25; p < 0.001)

3年後、禁煙持続者は、持続喫煙者と比較しHbA1c減少を示す

HbA1cは、体重変化を介しなかった


禁煙時期を考慮すべきで、禁煙時期にはより厳格な血糖コントロールをすべきと臨床医は知るべきと筆者等は警告


2015年4月28日火曜日

非結核性抗酸菌症診療マニュアル

非結核性抗酸菌症診療マニュアル
http://www.amazon.co.jp/dp/4524261796/


メディカルトリビューンの解説




喀痰採取
「NTMは水道水にも存在する細菌のため、口をゆすぐときに水道水を使用しない」
「喀痰は・・・3日程度は保存可能」

「シャワーヘッドの清掃、加湿器を使用しない、鉢植え土壌からの埃を避ける」

「肺カンサシ症は治療可能な唯一の肺NTM症であるが、リファンピシンが使用できない場合、5年以内の再発率が10%と高くなっている」
「肺MAC症では①化学療法に対する反応が悪い②細菌がマクロライド耐性を獲得③喀血などの重大が合併症がある場合、手術の適応になる」


「現時点での肺MAC症に対するベストな診療の考え方」を箇条書きに・・・


生物学的製剤について・・・「菌種、病型、患者背景を念頭に置きながらBioは使用可能」





2015年4月27日月曜日

乳がん&BRCA1遺伝子変異女性では予防的卵巣摘出で死亡率減少、エストロゲン陰性乳がんの場合特に急ぐ・・・

BRCA1 あるいは BRCA2遺伝子異常乳がん女性に対する予防的卵巣摘出術の予後インパクト


Effect of Oophorectomy on Survival After Breast Cancer in BRCA1 and BRCA2 Mutation Carriers
Kelly Metcalfe,  et. al.
JAMA Oncol. Published online April 23, 2015.
676名の女性のうち、345名が乳がん診断後卵巣摘出、331名は両側卵巣保持

20年間の生存率は77.4%

卵巣摘出後女性の乳がん死亡補正ハザードは 、BRCA1キャリア  (95% CI, 0.19-0.77; P = .007) 、 BRCA2キャリア  0.57 (95% CI, 0.23-1.43; P = .23)

乳がん特異的死亡率ハザード比は エストロゲン受容体(ER)陽性乳がんでは   0.76 (95% CI, 0.32-1.78; P = .53)、ER陰性乳がん 0.07 (95% CI, 0.01-0.51; P = .009)


結論としては、乳がん・BRCA1遺伝子変異女性では、予防的卵巣摘出により死亡率減少を示し、エストロゲン受容体陰性乳がん・BRCA1遺伝子変異女性では診断後すぐに摘出術すべき・・・




あくまでも一論文でのお話 ・・・ 

サリチルアニリド系抗寄生虫薬剤は、MRSAへの新薬剤となり得るか?

ニクロサミドはWHO必須薬籠の一つらしい

これを含めたサリチルアニリド系薬剤がMRSAにも有効


Repurposing Salicylanilide Anthelmintic Drugs to Combat Drug Resistant Staphylococcus aureus
Rajmohan Rajamuthiah, et. al.
Published: April 21, 2015DOI: 10.1371/journal.pone.0124595

Time-Kill研究にて、ニクロサミドは静菌的、オキシクロザニドは殺菌的
オキシクロザニドは、細菌膜を透過するが、共に羊赤血球では毒性を示さない。
オキシクロザニドは、HepG2ヒト肝細胞癌細胞へ毒性示さず、ニクロサミドは低濃度で毒性示す。





こういう報告もある・・・糖尿病合併症治療へ
http://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/9504
ニクロサミドは現在寄生虫感染の治療に使われている薬だが、その誘導体が糖尿病の合併症を緩和することが、2型糖尿病のマウスモデルで明らかになった。
ニクロサミドは、寄生虫のミトコンドリアのATP(細胞のエネルギー源)合成能を低下させることによって、寄生虫の成長を阻害する。Victor Jinたちは、このATP合成阻害活性を2型糖尿病の治療に活用しようと、ニクロサミドの塩、ニクロサミドエタノールアミン(NEN)を遺伝性のマウスモデルと食餌性マウスモデルに投与した。するとNENが肝臓に選択的に蓄積し、肝臓でのミトコンドリアのATP合成能を低下させることが分かった。細胞のATPレベルが低下すると、シグナル分子が活性化され、肝細胞に貯蔵脂肪の燃焼量を増やすよう、情報を伝達する。


耳鳴 ・・・ 聴覚皮質を超えて脳全般に影響を与えているかも・・・ 

日常診療で「耳鳴り」の訴え多いが、診断・治療に関してお手上げ状態のため、臨床的興味を持っているが、門外漢なのでと言い訳、無理やり翻訳・・・


アイオワ大学の研究チームが開発した特有の脳モニタリング技術で、転換研究治療器具の応用らしい。
耳鳴り中の被験者の脳の活動性を検査し、弱いあるいは強いエピソードで分類。症状イミテーションを形成し脳の活動性パターンも調査。
最大の発見は、耳鳴りに関連する脳活動性は、脳の広汎部分に影響を与えることが分かったとのこと。他の神経システムへ影響を与え、さまざまな合併症もあるのではないかなどと考察される

脳内の責任領域が限定的でなく、広汎に接合した変化であるため、病巣把握困難という面もあり、経路やニューロフィードバックは複雑で、薬物治療困難と想定される。うつ、ストレス、緊張状態など困難さが関連することも多い。



Intracranial Mapping of a Cortical Tinnitus System using Residual Inhibition
William Sedley , et. al.
Open Access
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.cub.2015.02.075
http://www.cell.com/current-biology/abstract/S0960-9822(15)00278-X

耳鳴りってのは、末梢神経系へのダメージが自発的脳活動に直結し、異常音として認識されるものと考えられている。多くの脳活動異常が耳鳴りと関連して居るであろうが、ファントム音それ自体へ以下に関連するか、関与要素や二次合併症への関連も不明。
”Core”耳鳴りは、その知覚が必要勝十分条件であり、(耳鳴り認識操作可能で、検験者報告が正確である)行動的パラダイムと結合した神経活動性の正確度の高い記録が必要とされる。これが可能となった。
音響シミュレーション後の耳鳴り音知覚後の短期修正中、覚醒、行動的耳鳴り患者の広汎脳内記録
耳鳴り関連低周波(Δ)oscillationを観察し、視床内低周波burstingがトリガーと考えられた。
予想外に、これらのΔ波は聴覚皮質領域を広がり、聴覚皮質ほぼ全体にプラスして、側頭葉、頭頂葉、感覚運動、辺縁系皮質にまで広がった。
個別の聴覚、海馬傍回、下部頭頂葉”Hub”領域において、これらのΔ波Oscillationは、中間周波(α)と高周波(β、γ)活動と関連し、タイトに結合した密着したシステムを形成し、記憶野認識を含む高レベルな機能とも関連する。

PM2.5大気汚染により、住民の脳の萎縮を促進し、隠れ脳梗塞を増加させる

PM2.5は、じんわりと脳の加齢を促進、脳容積を減少させ、隠れ卒中を増加させる。


Long-Term Exposure to Fine Particulate Matter, Residential Proximity to Major Roads and Measures of Brain Structure
Elissa H. Wilker, et. al.
StrokeAHA.114.008348
Published online before print April 23, 2015,
doi: 10.1161/STROKEAHA.114.008348

【背景・研究目的】 — 大気汚染長期暴露は、脳血管疾患と認知機能障害と関連するが、脳の構造変化と関連しているかは不明。居住大気汚染長期暴露とMRIを用いた脳加齢マーカーとの関連性を検討

【方法】 — Framingham Offspring Study 、60歳以上、第7回調査、認知症・卒中なしの対象者を検討。  PM2.5暴露と主要道路近接住民という暴露と、総脳容積、海馬容積、白質高密度容積: white matter hyperintensity volume (log-transformed and extensive white matter hyperintensity volume for age)とcovert brain infarct(隠れ脳梗塞)、社会経済的地位、temporal trendを検討

【結果】 — PM2.5 2-μg/m3 増加毎に総脳容積 0.32 (95%信頼区間;95%CI、 −0.59 〜 ー0.05) % 減少と相関、隠れ脳梗塞は1.46 (95%CI、 1.10 〜 1.94)オッズ増加
4分位比較での主要道路からの距離比較で、遠距離ほど、対数変換白質高密度容積は、0.10 (95%CI, 0.01 〜 0.19)大きいが、広汎白質比較では明らかなパターンは見られない。

【結論】— PM2.5高レベルほど、脳容積総量は小さく、加齢関連脳萎縮マーカーとかくれ脳梗塞オッズ高値と関連。

これらの所見で分かったことは、大気汚染は、構造的な脳加齢、そして認知症・卒中無しの人へもじんわり悪影響を与えることになること


2015年4月25日土曜日

非喘息性好酸球性気管支炎(NAEB)はその後の慢性気道閉塞を生じない?

咳喘息でなく、非喘息性好酸球性気管支炎(NAEB)、1年のフォローアップで断定して良いのか分からないけど、その程度でこの疾患では気道慢性閉塞に至らなかったという・・・


Will nonasthmatic eosinophilic bronchitis develop chronic airway obstruction?:
A prospective, observational study
Kefang Lai, et. al.
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.14-2351



冠動脈疾患・心筋梗塞一次予防:75-94歳老人でも米国内ジェネリック・スタチンならコスト効果的

2014年75-94歳米国民へのジェネリック・スタチン投与は、CHD死亡、心筋梗塞一次予防に対しコスト効果的、しかし、高齢者に多い副作用である、筋肉痛・斤量低下症状・軽度認知機能障害を考慮すべきで、コスト効果に影響を与えるかも・・・なにせ、これら副作用は10−30%存在し、そのオフセットとなる。




Cost-Effectiveness and Population Impact of Statins for Primary Prevention in Adults Aged 75 Years or Older in the United States
Michelle C. Odden, et. al.
Ann Intern Med. 2015;162(8):533-541. doi:10.7326/M14-1430



高齢者でもスタチンによる心血管疾患一次予防肯定はされた・・・と考えて良いのだろう
ただし、安いスタチンでのみ・・・


開始閾値は、LDL<190 mg/dL, 160 mg/dL, 130 mg/dL、糖尿病の存在もしくは10年リスクスコア7.5%

認知症あれば、ベネフィット疑問という結果

2015年4月24日金曜日

ヨーグルトでは、身体メンタル項目を含む健康評価指数;ヨーグルト健康神話の否定?

Esther López-García (Autonomous University of Madrid, Spain) らは、SF-12 survey 、4445名の成人(2008−2010年)の2012年までのフォローアップにて、ヨーグルトによる健康指標、HRQLという、身体やメンタルの健康全般評価指標の改善見られなかった。





Habitual Yogurt Consumption and Health-Related Quality of Life: A Prospective Cohort Study. 
Esther Lopez-Garcia, et. al.
Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics, 2015; 115 (1): 31



理想的食事として乳製品はその要素として推奨されているが、4千名をこえるスペインの研究では、ヨーグルト摂取とHRQOLの良好さとの関連性は認めないし、身体的要素、メンタル要素でも改善項目認めない


・・・ ヨーグルトが健康というのは単なる神話に過ぎないのか?

喘息の根本原因:CaSR・・・ これで5年内に喘息の画期的新薬と自信らしい

喘息の根本原因を見つけたという、CaSR(Calcium sensing receptor)


ASTHMA
Calcium-sensing receptor antagonists abrogate airway hyperresponsiveness and inflammation in allergic asthma
Polina L. Yarova1, et. al.
Sci Transl Med 22 April 2015: Vol. 7, Issue 284, p. 284r
http://stm.sciencemag.org/content/7/284/284ra60

気道過敏性や炎症はアレルギー喘息の基本的な特徴で、特定のポリカチオン、例えばECPなどの増加をもたらし、これらの体液中カチオンが喘息重症度と関連する。ポリカチオンと細胞外カルシウム濃度増加が組み替え及びnativeなCalcium sensing receptor(CaSR)を活性化し、細胞内カルシウム移動、cAMPのBreakdownを生じ、p38 mitogen活性Protein Kinaseリン酸化を生じることを気道平滑筋細胞内で示した。


これらは、 calcilyticsという、CaSRアンタゴニストにより作用抑制可能である

健康者と異なり、喘息患者やアレルゲン感作マウスは気道平滑筋で、CaSR発現多く、Polycation誘発気管支気道過敏性をもたらす。

Calcilyticsは、アレルゲン感作マウスでの気道過敏性を減少させ、炎症を軽減する。

機能的CaSRは、喘息気道平滑筋細胞にてUp-regulationを生じ、気道過敏性や炎症を惹起するPolycation産生ターゲットとなっている。



・・・・ 故に、5年以内に画期的新薬ができあがるだろうと強気






http://www.wired.co.uk/news/archive/2015-04/22/asthma-cause-discovery
http://www.dailymail.co.uk/health/article-3050951/Major-asthma-breakthrough-scientists-discover-root-cause-condition-say-new-treatment-5-years-away.html



2015年4月23日木曜日

重症アルコール肝障害へのペントキシフィリン投与は生存予後改善せず、ステロイドは短期的効果のみ

重症アルコール肝障害へのペントキシフィリン or プレドニゾロントライアル


1103名対象とする、多施設二重盲検ランダム化2×2区分トライアル

ペントキシフィリンはアルコール性肝障害患者の予後を改善せず
プレドニゾロンは28日目の予後改善の可能性有るが、長期的には改善効果認めず

Prednisolone or Pentoxifylline for Alcoholic Hepatitis
Mark R. Thursz, et. al.
for the STOPAH Trial
N Engl J Med 2015; 372:1619-1628April 23, 2015




第28日死亡率
プラシーボ  17% (45 of 269 patients)

プレドニゾロンープラシーボ群  14% (38 of 266 patients) i
ペントキシフィリンープラシーボ群  19% (50 of 258 patients)
プレドニゾロンーペントキシフィリン群 13% (35 of 260 patients)



28日死亡率オッズ比
ペントキシフィリン  1.07 (95% confidence interval [CI], 0.77 to 1.49; P=0.69)
プレドニゾロン  0.72 (95% CI, 0.52 to 1.01; P=0.06)



90日・1年後において、群間差消失



重度感染 プレドニゾロン群 13% vs プラシーボ 7% (P=0.002)







アルコール性肝疾患に対する特異的な治療はほとんどない。アルコール性肝炎における副腎皮質ステロイドの有用性については議論されているが,これらの薬剤は最も重症の患者には有用であると思われる。線維化を減少させる薬剤(例,コルヒチン,ペニシラミン),または炎症を抑える薬剤(例,ペントキシフィリン)の有効性は証明されていない。アルコールによる肝臓の高代謝状態が推測される場合,プロピルチオウラシルがいくらか効果を示すかもしれないが,受け入れられたことはない

蚊好みの体臭は遺伝する

双生児研究で、蚊が呼び寄せられる特定の遺伝的要素があるらしい

工夫されたY字管を作り、内部の臭いで引きつけられるかどうかを検証


Heritability of Attractiveness to Mosquitoes.
Fernández-Grandon GM,  et. al.  (2015)
PLoS ONE 10(4): e0122716. doi:10.1371/journal.pone.0122716









雌の蚊は特定の人を好む傾向があり、人の体から発生する揮発性成分を検知している。体臭は遺伝的にコントロールされているが、昆虫が引き寄せられる遺伝的ベースの存在は不明。

双生児研究で、手の臭いの反応を評価する二重選択アッセイを施行
遺伝子非同一双生児では相関性が低く、10測定平均から、相対的誘引効果 0.62 (SE 0.124)、 飛翔活動性 0.67 (0.354)の、strong narrow-sense heritabilityが示された。





How to calculate heritability



血液型がどうのこうの・・・

2015年4月22日水曜日

妊娠26週以下での妊娠前半での妊娠糖尿病は、その子どもの自閉症スペクトラム・リスク

大規模多施設臨床コホートにて、妊娠26週以下の早期妊娠期の妊娠糖尿病は、その子どものASDのリスク



Association of Maternal Diabetes With Autism in Offspring
Anny H. Xiang,   et. al.
JAMA. 2015;313(14):1425-1434. doi:10.1001/jama.2015.2707.

KPSC病院での1995-2009年生まれの32万2千323の単胎誕生児の後顧的長軸コホート 
フォローアップ中、3388名、ASD診断

暴露:
2型糖尿病事前診断 115
26週未満妊娠糖尿病(GDM) 130
26週超以降のGDM 180

非暴露 2963


非補正年次ASD発生数は、2型糖尿病既往 3.26、26週未満GDM 3.02、 26週超以降のGDM 1.77、 非暴露 1.77 / 1000人年

誕生年・補正HRは 2型糖尿病既往 1.59 (95% CI, 1.29-1.95)、 26週未満GDM 1.63 (95% CI, 1.35-1.97) 、 26週以降GDM 0.98 (95% CI, 0.84-1.15)

結婚年齢、パリティー、教育、世帯収入、人種/民族、合併症既往、子供の性別補正後、、母体既往2型糖尿病では、その子どものASDリスクと相関消失  (HR, 1.21; 95% CI, 0.97-1.52) 、しかし、妊娠26週以前の GDM 診断では相関性維持  (HR, 1.42; 95% CI, 1.15-1.74)

抗糖尿病薬物暴露はASDリスクと独立的相関せず

フルコホート中の母体・兄弟のASD、喫煙状態、妊娠前BMI、妊娠体重増加補正でもこの結果維持  (n = 68 512)



妊娠中胎児脳へのエピジェネティックな変化でも起きるのだろうか?




2015年4月21日火曜日

うつ:グループ介入構成化マインドフルネス認知療法は抗うつ薬と再発イベントに差認めず

グループ介入として構成化されたマインドフルネス認知療法は薬物療法を効果の面で凌駕するか?

答えは、No!


専門家は、以下のトライアルから、「オピニオンとしてプライマリケア医はMBCTを介入の方法として認識すべきだが、MBCTはすべてのタイプのうつに効果あるわけでもなく、入院治療や自殺傾向にある重篤な人たちへの代替治療となるわけでもない」と述べている。
http://www.bbc.com/news/health-32380183


一方、「グループ介入としてのMBCTは低コストだが薬物治療と有意差がない。この研究では示せなかったが、繰り返し処方状態にある何百万名のうつ患者にとってMBCTは新しい選択になる」とも述べている。
http://www.sciencedaily.com/releases/2015/04/150420213918.htm


原文所在は以下・・・

Effectiveness and cost-effectiveness of mindfulness-based cognitive therapy compared with maintenance antidepressant treatment in the prevention of depressive relapse or recurrence (PREVENT): a randomised controlled trial
Willem Kuyken, et. al.
Published Online: 20 April 2015
Open AccessArticle has an altmetric score of 7
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/S0140-6736(14)62222-4

序文から、「うつの再発は、その後の反復うつ再燃、再発について高リスク。2年以上の抗鬱治療が現在推奨されているが、多くの患者では、代替医療に興味を示している。
マインドフルネスをベースとする認知療法(MBCT)は、通常ケアに比べ再燃・再発リスク減少が示されているが、明確なトライアルで、抗鬱治療維持療法と比べたトライアルはなされてない。」

抗うつ治療漸減・中止とともにMBCTを行うこと(MBCT-TS)は、抗うつ薬治療維持に比べ、優れているか?

単盲験・平行群ランダム化対照トライアル(PREVENT)、3回以上の大うつエピソードを有し、抗うつ薬維持療法対象者

1:1比でコンピュータ生成ランダム化

5つ個別インターバル間、プライマリアウトカムはうつの再発・反復までの期間、24ヶ月検討

2010年3月23日から2011年10月21日まで、2188名を検討、424名、95GPで評価

MBCTーTS  212名、  維持抗うつ薬 212名

鬱再燃・再発までの期間は、24ヶ月間で、2群で差認めず   (hazard ratio 0·89, 95% CI 0·67–1·18; p=0·43)、さらに、重篤副作用数も差を認めず、2名の死亡を含む5つの重篤副事象イベントで、介入群・抗うつ薬維持群ともに認めるが、介入関与の副事象は認めない。





プロトンポンプ阻害剤:高齢者急性腎障害リスク増加

オンタリオ州での住民ベース研究



Proton pump inhibitors and the risk of acute kidney injury in older patients: a population-based cohort study
Tony Antoniou, et. al.
cmajo April 16, 2015 vol. 3 no. 2 E166-E171


29万名余のPPI治療開始症例と、同数マッチ化コホート


PPI治療による急性腎障害ハザード比 2.52;95%信頼区間:CI、 2.27〜2.79 (1000人年あたり 13.49 vs 5.46)

同様に、急性間質性腎炎は3.00;95%CI, 1.47〜6.14 (1000人年あたり 0.32 vs 0.11)




サイロトロピン基準限界値はCHDリスクの理由にならない;TSH基準内ならリスク考えるな!

Thyroid Function Within the Normal Range and Risk of Coronary Heart DiseaseAn Individual Participant Data Analysis of 14 Cohorts
Bjørn O. Åsvold,  et. al.
for the Thyroid Studies Collaboration
JAMA Intern Med. Published online April 20, 2015.



【意義】  血中サイロトロピン値の現行参照範囲上限値でも異常と考えるべきと主張する専門家もおり、軽症甲状腺機能低下症を有すると細分類すべきアプローチも主張されている。血中サイロトロピン値参照範囲上限値の健康ハザードの記述少ないが、異なるエビデンスにて、サイロトロピン参照上限値は冠動脈心疾患(CHD)リスク増加と関連するとされている。


【目的】 参照値範囲内甲状腺機能値と、CHDリスクの関連性評価


【デザイン、セッティング、被験者】 14コート・ベースライン検査された個別被験者データ解析(1972年7月〜2002年4月、フォローアップ中央値3.3〜20.0年間)。55,412名、血中サイロトロピン値 0.45〜4.49 mIU/L、既知心血管疾患をベースラインで認めない


【暴露】ベースライン血中サイロトロピン値


【主要アウトカム・測定】 CHD死亡率、CHDイベントのハザード比、年齢、性別、喫煙状態にて補正


【結果】  55 412 名中、 CHD原因死亡 1813   (3.3%) / 643 183 フォローアップ人年

非致死性・致死性CHDイベント情報を有する10コホートにて、 初回CHDイベント発生 4666 /48 875名(9.5%)イベント / 533 408 フォローアップ人年


サイロトロピン値1−mIU/L増加毎、 ハザード比は
CHD死亡率    0.97 (95% CI, 0.90-1.04)
初回CHDイベント 1.00 (95% CI, 0.97-1.03)


サイロトロピンカテゴリー解析、 血中サイロトロピン 最高群 (3.50-4.49 mIU/L)  vs 最小群 (0.45-1.49 mIU/L)  CHD死亡率HR (0.94 [95% CI, 0.74-1.20])、 CHD イベントHR (0.97 [95% CI, 0.83-1.13])で、同様


【結論・知見】 正常参照値内のThyrotropin値は、CHDイベントやCHD死亡率リスクと関連しない。 これらの知見は一般住民正常参照値内の甲状腺機能値の程度によりCHDリスクに影響を与えないことがわかった。 サイロトロピン基準限界値はCHDリスクの理由付けにならない。



ペット人畜共通性感染

居宅内ペットの存在は、エモーショナルなベネフィットはたくさん有るが、やはり、Zoonotic感染には注意が必要


医師はペット関連健康リスクの問診かならずしも行わない
確かにその通りで、
・キャンピロバクター感染に於ける犬猫の役割、MRSAなども・・
・サルモネラ感染は、両生類・は虫類・鳥類と関連
・寄生虫として、ランブル鞭毛虫やクリプトスポリジウムなどが犬猫を介して伝播することがある。エキノコックスは肝不全や死亡を来すが稀。
・免疫不全や5歳未満、妊娠女性・高齢者など注意が必要




Reducing the risk of pet-associated zoonotic infections
CMAJ cmaj.141020; published ahead of print April 20, 2015,


Some general safeguards one can take against acquiring pet-associated zoonotic infections are:


  • wearing protective gloves to clean aquariums and cages
  • proper hand washing after pet contact
  • discouraging pets from face licking ;顔をなめさせないようにする
  • covering playground boxes when not in use ;未使用時ペットグラウンドボックスにカバーを
  • avoiding contact with higher risk animals such as reptiles, amphibians, and exotic animals;は虫類、両生類、外国産動物のような高リスク動物との接触回避
  • regular cleaning and disinfection of animal cages, feeding areas and bedding
  • locating litter boxes away from areas where eating and food prep occur;食事や調理区域からのリッターボックスを離す
  • waiting to acquire a new pet until immune status has improved;免疫状態が改善無ければ新しいペットを飼うことは避ける
  • regularly taking your pet to a veterinarian;定期ペット診察 


http://vet.osu.edu/research/pet-associated-zoonotic-infections







CDC : Healthy Pets Healthy People


多くの健康ベネフィットの一方、Diseases That Can Be Spread From Pets to People


Healthy Pets Healthy People

Healthy Pets Healthy People Pets Healthy People

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閉塞型無呼吸CPAP治療は心房細動有意に減少

心房細動(AF)再発に対する、閉塞型無呼吸(OSA)持続陽圧呼吸(CPAP)治療の累積効果メタ解析



Effect of Obstructive Sleep Apnea Treatment on Atrial Fibrillation Recurrence
A Meta-Analysis
Ashish Shukla,  et. al.
JACCCEP. 2015;1(1):41-51. doi:10.1016/j.jacep.2015.02.014


7つの前向きコホート研究、1087名
全患者横断的検討にて、AF再発減少 (相対リスク: 0.58、 95%信頼区間:CI、 0.51〜0.67;  heterogeneity χ二乗 p=0.91、 I2=0%)


CPAP治療ベネフィット効果は、統計学的に2群、すなわち、カテーテル焼灼(PVI: pulmonary vein isolation)と焼灼術非使用・薬物治療群とも認める。

他の研究共役変数で、AF減少アウトカムに関連する有意な因子認めず



閉塞型無呼吸:経鼻CPAP治療で、血管内皮機能改善、好中球炎症マーカー改善

閉塞型無呼吸へのnCPAPは血管内皮機能・炎症性パラメータも改善を改善する


CONTINUOUS POSITIVE AIRWAY PRESSURE THERAPY IMPROVES ENDOTHELIAL FUNCTION AND NEUTROPHIL-LYMPHOCYTE RATIO IN PATIENTS WITH OBSTRUCTIVE SLEEP APNEA SYNDROME
Jun-ichi Oyama, et. al.
J Am Coll Cardiol. 2015;65(10_S):. doi:10.1016/S0735-1097(15)62126-X


95名の閉塞型無呼吸(OSA)疑診例登録に、3ヶ月間経鼻持続陽圧呼吸(nCPAP)治療行い、 endothelial progenitor cells (EPC)、 neutrophil to lymphocyte ratio (NLR)、NO濃度(NOx)、asymmetric dimethylarginine (ADMA)(血液サンプルによるNOS内因性阻害因子)、 flow-mediated dilation (FMD) を血管内皮機能測定。

無呼吸低呼吸指数(AHI)は、FMDと逆相関、NLRと正の相関。さらに、NLRは重症OSAにおける独立したリスク要素。CPAP治療はEPC数、NOx値増加と関連、ADMA減少と関連。
CPAP治療はFMDを改善し、NLR減少する



SASという省略は国際的に通じない。日本国内の研究者は国内だけでSAS(サス)と呼び、国際的にはOSAやCSA、SDBなどと呼ぶ二枚舌を使っていると、国内学会に出席して今更ながら下らんとおもった。

2015年4月18日土曜日

代謝脳フィードバックシステム:ショ糖(砂糖の主成分)はストレス影響低下、故に、過剰摂取となりやすい;人工甘味料と異なる



ショ糖(砂糖の主成分) 添加飲料摂取はコーチゾルホルモン抑制し、脳のストレス反応を抑制する
Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism誌 記載
人工甘味アスパルテームで影響のない、ショ糖独特のヒトへの脳内ストレス抑制作用
オピオイド反応性亢進も生じる

解説: https://www.endocrine.org/news-room/current-press-releases/sugar-sweetened-beverages




Excessive Sugar Consumption May Be a Difficult Habit to Break: A View From the Brain and Body
Matthew S. Tryon,  et. al.
JCEM  Published Online: April 16, 2015 

BMI 20−34の18−40歳19名女性

ショ糖添加飲料と、アスパルテーム添加飲料を2週間毎日3回摂取

 唾液コーチゾルと、 Montreal Imaging Stress Taskの脳領域反応試験
 
ショ糖限定でアスパルテームには見られない現象だが、ストレス誘導コルチゾール減少と相関する (P = .024) 
ショ糖群はナルトレキソンへの反応性有意低下し、 吐気減少(p=0.041)、低コルチゾール傾向 (P = .080) をもたらす

 結論としては、代謝ー脳ーネガティブフィードバック系は、糖により影響され、ストレス下にある特定の人に対して糖への固着が商事、肥満関連となりやすい状況を作る可能性がある。




2015年4月17日金曜日

肺機能可逆性の指標改善の試み・・・予測比変化率で評価を!

predicted FEV1のパーセント変化で評価が、生存予測と相関し、性別・体格バイアスを回避できる良い指標とのこと


Improved criterion for assessing lung function reversibility
Helen Ward,  et. al.
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.14-2413

 【背景】 気管支拡張剤による可逆性(BDR)を表現するベストな方法に関するコンセンサスは存在しない。BDRクライテリアは性別、サイズバイアス存在をしめすべきでないという帰無仮説に対し、様々なBDRクライテリアを検証。臨床的意義BDRはBDRなしの呼吸器系患者に比べ良好な生存率と関連するだろうという仮説にてBDRを定義する試み

【方法】 生存状態既知の4231名の初回BDR;男性 50.8%、平均年齢 60.9歳、平均生存率 5.2年間、レンジ’0.1−16.5年間
FEV1・BDRは、絶対値の変化量%ベースライン変化FEV1予測値%変化の割合で表現

【結果】 絶対値変化値を定義とするBDRの場合、男性でバイアス(M:F 比 2.70)、ベースラインFEV1大きいほどバイアスあり

ベースラインからの%変化を定義とするBDRでは、ベースライン値低い場合にバイアス偏りやすい。

%予測比による定義のBDRは性別バイアスも、サイズバイアスもない

多変量Cox回帰にて、 FEV1BDR > 8% predicted は、被験者の33%で、それらが、 FEV1BDR ≦ 8% predicted に対して、適切な生存アドバンテージを示した (ハザード比 = 0.56, 95% CI 0.45 to 0.69)

FEV1BDR >8 % predicted の対象者は、 FEV1BDR >14% predicted とは有意に差は認めず、FEV1BDR < 0 より有意に有効


【結論】 %予測でのFEV1BDR表示で、性別・体格バイアスを回避可能。
FEV1BDR>8%は生存率アドバンテージを表示し、臨床意義可逆制定後としての至適クライテリア


電子タバコは禁煙行動を阻害;米国中高校生では電子タバコの方がホントのタバコより主流

E-Cigarette Use in the Past and Quitting Behavior in the Future: A Population-Based Study.
Wael K. Al-Delaimy, Mark G. Myers, Eric C. Leas, David R. Strong, and C. Richard Hofstetter.  (2015).
American Journal of Public Health.
e-View Ahead of Print.
http://ajph.aphapublications.org/doi/abs/10.2105/AJPH.2014.302482


目的. 電子タバコ使用歴ある喫煙者は、電子タバコ使用歴のない喫煙者より1年後の禁煙可能性高いか検討

方法. カリフォルニア喫煙者、1年別途に2回調査(n=1000)。ロジスティック回帰分析を行い、ベースラインでの電子タバコ使用歴がフォローアップ中の禁煙行動を予測できるか、ベースライン住民統計指標・喫煙行動補正で検討。ベースライン・フォローアップ時の電子タバコ維持について源的的解析。

結果. 電子タバコ利用歴無しの喫煙者に比較して、電子タバコ使用権犬舎は、タバコ使用量減少しにくい  (オッズ比 [OR] = 0.51; 95% 信頼区間 [CI] = 0.30, 0.87)、 フォローアップ30日を超えての禁煙可能性有意に減少 (OR = 0.41; 95% CI = 0.18, 0.93).
電子タバコ経験者は禁煙行動少なくいが、統計学的に有意までは至らなかった (OR = 1.15; 95% CI = 0.67, 1.97)

結論. 電子タバコ使用喫煙者は禁煙可能となる状況になりがたいリスクを持つこととなる。この知見は、長期コホートで確認する必要があるが、喫煙者における電子タバコに関する、政策・規則形成の上での重要な示唆  (Am J Public Health. Published online ahead of print April 16, 2015: e1–e7. doi:10.2105/AJPH.2014.302482)




Read More: http://ajph.aphapublications.org/doi/abs/10.2105/AJPH.2014.302482

米国CDC:中学高校生は、タバコより、電子タバコを利用
http://www.washingtonpost.com/news/to-your-health/wp/2015/04/16/high-school-middle-school-kids-now-use-more-e-cigs-than-tobacco-cdc/







禁煙学会関連のどっかの事務局のおっさん、安直に電子タバコを勧めてたなぁ・・・そういえば


そして朝日新聞記者も国会記者クラブ内で電子タバコ吸って悦にはいってた
実質的に特定商品を広告 → http://megalodon.jp/2008-1209-1230-14/www.asahi.com/business/update/1207/TKY200812060262.html
他;http://intmed.exblog.jp/11790191/

朝日新聞だけじゃないが、新聞記者たちの健康医療への見識はないと考えた方が良い

2015年4月16日木曜日

経口PDE4阻害剤 アプレミラスト: Behçet症候群治療治験

経口 phosphodiesterase-4 inhibitorである、Apremilast
TNFーα産生阻害作用なので様々な疾患への応用が期待される。



Behçet症候群・第2相治験



Apremilast for Behçet’s Syndrome — A Phase 2, Placebo-Controlled Study
Gulen Hatemi, et. al.
N Engl J Med 2015; 372:1510-1518April 16, 2015


12週目の口腔内潰瘍平均(±SD)は、アプレミラスト群で有意に減少 (0.5±1.0 vs. 2.1±2.6) (P< 0.001)

12週目の口腔潰瘍原因疼痛も減少 (−44.7±24.3 mm vs. −16.0±32.5 mm) (P< 0.001)

吐気、嘔吐、下痢が多い(55名のうち、22,9、 12発生  vs プラシーボ 56名のうち、10、 1 、2発生)で既知報告通り

2例の重篤な副事象あり





otezla(アプレミラスト)は、活動性乾癬性関節炎

白内障術前検査は米国でさえ半数超なされている


この論文の序文にも書かれてるが、「Routine preoperative testing is not recommended for patients undergoing cataract surgery, because testing neither decreases adverse events nor improves outcomes.」とあり、白内障手術患者にルーチンの術前検査は推奨されてない。術者がリスク判断するのが原則のはずなのに、眼科医なかにははそれを理解できない人がいるようだ。眼科から、“白内障手術に当たり「術前検査」をしてください”と悪びれてない依頼が日々舞い込んでくる。NOACやワルファリン処方に関する問合は当然だし、定期通院中患者ならまだ診療情報提供書を記載することもできるのだが、全く初診でリスク評価してくれっという見当違い甚だしい依頼があると、はらだたしいやら・・・


当地だけかと思いきや、米国内でも、術前検査が53%でなされているという・・・


Preoperative Medical Testing in Medicare Patients Undergoing Cataract Surgery
Catherine L. Chen, et. al
N Engl J Med 2015; 372:1530-1538April 16, 2015

白内障術前検査したいなら、眼科医は自己完結してくれ!

術前検査だけじゃなく、蛍光眼底造影に関する可否判断強要ってのが最も腹立たしい。

FDA助言委員会:DPP4阻害薬オングリザに対する心不全警告採択

Endocrinologic and Metabolic Drugs Advisory Committee のメンバーは、15名中1名を除いて、警告表示に心不全と全原因死亡増加リスクを加えるよう採択
http://www.fda.gov/advisorycommittees/calendar/ucm436451.htm


情報ソース:
 http://www.medpagetoday.com/PublicHealthPolicy/ClinicalTrials/50990




被験者数約1万6千名の2013年のSAVORトライアル
Saxagliptin and Cardiovascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes Mellitus
Benjamin M. Scirica, et. al.
for the SAVOR-TIMI 53 Steering Committee and Investigators
N Engl J Med 2013; 369:1317-1326

当たり前ながら全例糖尿病で、心血管リスク80%超

SAVORでは、副作用としての心血管アウトカム組み合わせ発生率では高率ではなかったが、全原因死亡リスク増加観察された。
プラシーボに比較して心不全入院リスク増加 (サキサグリプチン群 3.5%  vs プラシーボ 2.8% ; ハザード比 1.27; 95% CI, 1.07 - 1.51 ; p_0.007)


米国FDAは、アバンディア問題以降、心血管リスク増加リスクの不許可範囲設定を片側検定95%信頼区間1.3を上限としている。


SAVORトライアル特有の問題なのか、DPP4阻害剤全般に関わる問題なのか・・・関心を持っていきたい

2015年4月15日水曜日

”Workplace Exacerbation of Asthma”(WEA)

”Workplace Exacerbation of Asthma”(WEA)という表現

日本のガイドラインの「職業喘息」って表現には確かに引っかかりを覚える。

原因も増悪もすべて職場環境による喘息って少ないのでは?喘息発作のトリガーは多要素であり、感染・気候・心的状況を含めたものが引き金というのは常識だし、そのトリガーの一つが職場環境というのがおそらく正しいだろう。


日本のガイドラインの「職業喘息」の項目名はおそらく今後変更されるのだろう。





http://www.cdc.gov/niosh/topics/asthma/exacerbat-research.html


ATS2003年ステートメントでは、労働環境下で悪化する喘息は労働を原因とする喘息による病態や生産性低下に関わると記載。workplace exacerbation of asthma (WEA) は、臨床医師、研究者、公衆衛生担当者でも関心が薄い。予防アクションガイドが必要。

Dr. Paul Hennebergerら(Respiratory Disease Research Program at NIOSH )は、その必要性を認識し、アクションを行った。SENSOR surveillance programをCalifornia、Massachusetts、 Michigan、 New Jerseyで行い、WEA5年研究を完遂。
2014年Respiratory Disease Research Program は、他国当該研究所より多く出版、13のキジ、3つの本章、オンライン教育ユニットを提示した。

WEAは顧問で有り、喘息就労成人の約4人に1人の頻度で有る。ただ、職場特有の原因物質、二次喫煙や無機物ダスト、生物学的ダスト、 low molecular weight highly reactive agentなどの刺激物を含む。
WEA症例は多くの健康上の問題としては同様の合併症を経験し、職場関連しない喘息に比べQOL低下をもたらす。

ATS Work-Exacerbated Asthma Committee は、official ATS statement につながる報告を2011年発表。
Henneberger PK, Redlich CA, Callahan DB, et al. on behalf of the ATS Ad Hoc Committee on Work-Exacerbated Asthma. An Official American Thoracic Society Statement: Work-Exacerbated Asthma.  Am J Respir Crit Care Med, 2011 184: 368-378.


肺気腫病態にかかわる新しいエラスターゼIsoform

あたらしいisoformの知見は、肺気腫の病態形成に関与、治療アプローチ困難さを明確にする可能性

形質変化器質活性S1ポケット近傍のSelf-cleavageによりsingle-chain (sc) からtwo-chain (tc) neutrophil elastaseへの変換。自然α−1アンチトリプシンと小分子阻害の抑制作用により好中球エラスターゼの自動転換が生じる。これがマウスモデルでの重要なメカニズム。

Autoprocessing of neutrophil elastase near its active site reduces the efficiency of natural and synthetic elastase inhibitors 
T. Dau, et. al.
Nature Communications 6, Article number: 6722 doi:10.1038/ncomms7722
エラスターゼ作用・エラスターゼ阻害作用の微妙なバランスで生体内組織形成・破壊を調整している。このバランスの見られはエラスターゼ活性促進し、組織損傷をもたらすことになる。肺気腫も然り。
エラスターゼは好中球から賛成され、組織破壊をもたらすが、同時に阻害物質に反応することになるが、阻害作用に影響されにくいエラスターゼの発見があった。
すなわち、Cleaved好中球エラスターゼは”aggressive and resistant”である エラスターゼisoformは、 cleaved (すなわち、2本鎖)状態で存在する。
これを器質にしたあたらしい阻害物質の開発が肺気腫治療薬になる可能性がある。




肺気腫治療の新しい治療法?

アレンドロネート吸入は、エラスターゼによる肺気腫モデルにおいて、マクロファージのmigratory activityと貪食能を抑制し、NF-κBシグナル化抑制することで肺胞マクロファージの炎症反応鈍化。

Alendronate inhalation ameliorates elastase-induced pulmonary emphysema in mice by induction of apoptosis of alveolar macrophages
Manabu Ueno, et. al.
Nature Communications 6, Article number: 6332 doi:10.1038/ncomms7332



骨粗鬆症治療薬である、アレンドロネートを吸入


テトラサイクリン系+ビスフォスフォネート併用で、よりプロテアーゼ阻害って話も以前からあるようだが・・・






プロサイモシンαは、喫煙状態において、ヒストンのアセチル化、NFーκBを促進し、肺気腫の病態形成に関与。
Prothymosin α overexpression contributes to the development of pulmonary emphysema 
Bing-Hua Su, et. al.
Nature Communications 4, Article number: 1906 Published 21 May 2013

2015年4月14日火曜日

老人介護施設入所骨粗鬆女性:ゾレドロン酸静注1回で骨塩改善するが、臨床的アウトカムは微妙・・・悪化の可能性も

施設収容老人を念頭に置いているようで、入所老人の85%が骨粗鬆症で、地域在住の老人に比べ8から9倍の骨折リスク。


そこで、静注ビスフォスフォネートを1回投与の有効性と安全性の検討。


Efficacy and Safety of Single-Dose Zoledronic Acid for Osteoporosis in Frail Elderly WomenA Randomized Clinical Trial
Susan L. Greenspan, et. al.
JAMA Intern Med. Published online April 13, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.0747


 
2年間のランダム化プラシーボ対照化二重盲検研究


ゾレドロン酸5mg静注 vs プラシーボ静注 + カルシウム+ビタミンDサプリメント

主要アウトカム・測定 股関節・椎骨骨密度(BMD) 12ヶ月、24ヶ月時点
及び副事象


ベースライン差なし; 年齢(85.4歳 (0.6歳))、BMD、機能・認知状況
ただ、治療群の方が、Frailty、骨折病歴、糖尿病歴、抗痙攣薬使用が多い。


BMD値データ入手: 12ヶ月で87%、24ヶ月で73%

平均(SE)BMD変化: 治療群で大  : 3.2 (0.7)  vs  3.9 (0.7) %ポイント差 12ヶ月・24ヶ月時点での股関節  (差比較 P < 0.01)、さらに、脊椎 1.8 (0.7) vs 3.6 (0.7) %ポイント差 (P < .01);補正後解析も同様


治療とプラシーボの骨折は、  20% vs 16% OR, 1.30; 95% CI, 0.61-2.78)

死亡率は、  16% vs 13% (OR, 1.24; 95% CI, 0.54-2.86)


1回転倒者の比率に群差なし (28% vs 24%; OR, 1.24; 95% CI, 0.64-2.42; P = .52)
 治療群では多くの被験者で多回数骨折 (49% vs 35%; OR, 1.83; 95% CI, 1.01-3.33; P = .047)、しかし、その差は、ベースラインのFrailty補正後有意でなくなった




結論・知見’脆弱な骨粗鬆症を有する高齢女性の一群に対して、ゾレドロン酸5mg静注1回で2年間BMD改善をもたらす。


非有意な臨床的改善だが、骨折や死亡率増加が治療群で示され、さらなる検討が必要。
このコホートで、骨折リスク軽減に役立つかは不明だったため、大規模トライアルとして骨折率変化をもたらすような、検出パワーのあるナーシングホームでの大規模検討が必要
Trial Registration  clinicaltrials.gov Identifier: NCT00558012




ビスフォスフォネートの骨粗鬆症治療は、全般的にも、ホントにハードな臨床的アウトカムを改善をもたらすのか・・・ ホントに疑問をもってるのだが・・・



LDLコレステロール:visit-to-visit 変動性は、心血管疾患アウトカムと関連;血圧だけではなかった・・・

血圧に関する、visit-to-visit variabilityは、話題豊富であるが・・・


Visit-to-Visit Low-Density Lipoprotein Cholesterol Variability and Risk of Cardiovascular Outcomes
Insights From the TNT Trial
Sripal Bangalore, et. al.
J Am Coll Cardiol. 2015;65(15):1539-1548. doi:10.1016/j.jacc.2015.02.017

患者 9572名のうち、SDと、average successive variability (ASV)はアトルバスタチン 80mg/日 vs 10mg/日比較で有意に低下 (SD: 12.03 ± 9.70 vs. 12.52 ± 7.43; p = 0.005; ASV: 12.84 ± 10.48 vs. 13.76 ± 8.69; p < 0.0001)

補正モデルでは、ASVによるLDL変動1−SD 増加毎 、すべて冠動脈イベントは16%増加する  (ハザード比  [HR]: 1.16; 95% 信頼区間 [CI]: 1.10 to 1.23; p<0.0001)
同様に、心血管イベント11%減少 (HR: 1.11; 95% CI: 1.07 to 1.15; p <0.0001)、 死亡 23%減少 (HR: 1.23; 95% CI: 1.14 to 1.34; p < 0.0001)、 心筋梗塞 10%減少 (HR: 1.10; 95% CI: 1.02 to 1.19; p = 0.02),、卒中17%減少  (HR: 1.17; 95% CI: 1.04 to 1.31; p = 0.01)。これは、治療効果や達成LDL-C値と独立した影響である。

医療アドヒアランス補正後も不変の影響

真の”Video Thumb”: スマホゲームによる腱損傷

第5指損傷を、テキスト・サム(Thumb)なんたらと記載した通信業者があったと記憶しているが、今度はホントの親指(サム)腱損傷


Tendon Rupture Associated With Excessive Smartphone Gaming
Luke Gilman, et. al.
JAMA Intern Med. Published online April 13, 2015. doi:10.1001/jamainternmed.2015.0753


重要性: スマートフォン過剰使用と外傷の関連性

所見: 29歳女性、右利き男性が、6-8週間・終日スマホでMatch-3パズルビデオゲームにより慢性の左手親指痛と能動運動障害。身体所見として、伸筋長母指(extensor pollicis longus)腱触知せず、手首の腱固定で、腱の運動性欠如が示された。
親指の 中手指節関節可動範囲は10度から80度。親指の指節間可動範囲は30度から70度。臨床診断で、左伸筋長母指腱断裂。
さらに、 extensor indicis proprius(2つの腱の一つを)から、extensor pollicis longus tendon transferが行われた。 手術中、伸筋母指伸筋腱の断裂は中手指と手首の関節の間で観察された。



http://manus.crchul.ulaval.ca/manus/1DorsalRetinaculum.html




Video Thumbは造語ですよ・・・ドコモさん

U.S. Preventive Services Task Force: 2型糖尿病検診 ・・・ IFG/IGT検診は糖尿病発症抑制効果あるも糖尿病検診自体は死亡率改善示せず

 Screening for Type 2 Diabetes Mellitus: A Systematic Review for the U.S. Preventive Services Task Force
Shelley Selph, et. al.
Ann Intern Med. Published online 14 April 2015 doi:10.7326/M14-2221


糖尿病検診では、10年フォローアップ程度では死亡率改善を示せなかった。検診発見糖尿病治療の有効性を検討するにはエビデンス蓄積が必要。

IFG、IGTはその後の糖尿病発症抑制に関して関連性は示された。


 Appendix Table 1. Effect of Screening for Diabetes on Health Outcomes




Appendix Table 2. Health Outcomes in Studies of Interventions for Screen-Detected/Early DM, IFG, or IGT 

2015年4月13日月曜日

CAP-START: 成人市中肺炎:入院治療 βラクタム単剤、βラクタム・マクロライド併用、フルオロキノロン単剤比較にて同等





Antibiotic Treatment Strategies for Community-Acquired Pneumonia in Adults
Douwe F. Postma, M. et. al. for the CAP-START Study Group
N Engl J Med 2015; 372:1312-1323


非ICU病棟入院臨床的市中肺炎症例経験的治療選択は臨床的証拠可能情報限定的。
経験治療戦略比較βラクタム単剤、βラクタム・マクロライド併用、フルオロキノロン単剤比較

4ヶ月期間ローテート戦略クラスターランダム化交差トライアル検証

 ITT分析90日死亡率、非劣性


βラクタム戦略期間 656例、、βラクタム・マクロライド併用戦略期間 739、フルオロキノロン単独戦略期間 888例、アドヒアランスはそれぞれ 93.0%、 88.0%、 92.7%

患者年齢中央値 70歳

粗90日間死亡率は、戦略期間中それぞれ、9.0%、11.1%、8.8%


ITT分析にて、βラクタム単独戦略に対する死亡リスクは、βラクタム/マクロライド併用戦略では1.9%(90% 信頼区間 [CI], −0.6 to 4.4) 高い、フルオロキノロン戦略が0.6% (90% CI, −2.8 to 1.9) 低い。

これらの結果はβラクタム戦略の非劣性を示唆。


入院滞在期間中央値は全ての戦略で6日間、経口治療開始までの中央期間は、フルオロキノロン単独戦略 3日間(IQR 0-4) 、他2つの戦略は 4日間(IQR 3-5)


Uptodateを改めて見ると、
非ICU病棟入院では
・ βラクタム(ceftriaxone (1 to 2 g intravenously [IV] daily), cefotaxime (1 to 2 g IV every eight hours), ceftaroline (600 mg IV every 12 hours), ertapenem (1 g IV daily), or ampicillin-sulbactam (1.5 to 3 g IV every six hours))+ マクロライド( (azithromycin [500 mg IV or orally daily] or clarithromycin [500 mg twice daily] or clarithromycin XL [two 500 mg tablets once daily]). Doxycycline (100 mg orally or IV twice daily))併用
・ レスピラトリーキノロン単剤(levofloxacin 750 mg daily or moxifloxacin 400 mg daily)
・ βラクタム・フルオロキノロン不耐性ではTigecyclineによる単剤を例外的に(死亡率増加可能性)

PseudomonasやMRSAのリスクある場合は、これらをカバーする戦略へ。そして、壊死、空洞浸潤、膿胸ならMRSAとしてエンピリカルにと記載

・・・と記載あるが、変更になるのかもしれない

喘息:プレドニゾロン経口投与10日間では食欲・体重・体組成への影響がないが、睡眠・胃腸障害は生じる可能性

成人喘息に対する10日間経口ステロイド は、レプチン、食欲、食事摂取量、体重、体組成への変化をもたらすか検討。
安定喘息で経口ステロイドを用いるかは疑問だが、安定喘息に関して、食欲、食事摂取量、体重、体組成の変化無かった。しかし、医療行為が必要な他の副作用は生じた。
急性増悪時の経口ステロイド処方される喘息での医薬品アドヒアランス向上にこの知見は役立つのかもしれない




Effects of short term oral corticosteroid intake on dietary intake, body weight and body composition in adults with asthma- a randomised controlled trial
Clinical & Experimental Allergy 
Clinical & Experimental Allergy, 02/03/2015


安定喘息55名を対象とした、プレドニゾロン50mg10日間の二重盲検プラシーボ対照化ランダム交差トライアル

スパイロメトリ、体重、体組成(DEXA、生体電気インピーダンス解析測定)、VASによる食欲、4日間食事記録による食事摂取量評価、レプチンを食欲のバイオマーカーとして、好酸球をアドヒアランス・バイオマーカーとして検討。アウトカムは一般化線形混合モデルで検討。


主観的アドヒアランスをプレドニゾロンとプラシーボ後の血中好酸球で確認(プラシーボ比較) Coef. -0.29 95% CI: (-0.39,-0.19) p < 0.001

プレドニゾロンとプラシーボ後の、血中レプチン (ng/ml) (Coef. 0.13 95% CI: (-3.47, 3.72) p=0.945)、食欲VAS (mm) (Coef. -4.93 95% CI: -13.64, 3.79) p=0.267) 有意差認めず

食事摂取量(kj/day) (Coef. 255, 95% CI: (-380, 891) p=0.431)、体重 (kg) (Coef. -0.38 95% CI: (-0.81, 0.05) p=0.083)、体脂肪 (%) (Coef. -0.31 95% CI: (-0.81, 0.20) p=0.230)有意差無し


睡眠、胃腸障害はプレドニゾロンでプラシーボに比較して症状有意。







喘息あるいはその疑い例に対し短期経口ステロイドを投与を行うが、有害性軽視されすぎてた可能性がある。


B型肝炎再活性化が心配なのだが・・・短期間ならOKという確証がない・・
http://www.jsh.or.jp/doc/guidelines/simplified%20version_B.pdf
通常の免疫抑制・化学療法を行う際は、主に非活動性キャリアを含めたHBs抗原陽性例からの再活性化が問題となるが、HBV DNAが2.1 log copies/ml未満であった既往感染者に対するステロイド単剤投与や固形癌に対する通常の化学療法でもHBV再活性化が生じたと報告されており、既往感染者でも注意が必要である。

2015年4月12日日曜日

食品交換表の終焉?

蛋白の種類により体重増加への影響が異なる。そしてさらに、食べ物の組み合わせで、太るか、痩せるか変わる。Glycemic load(グリセミック負荷)の少ないたべものを組み合わせるとやせる。


Changes in intake of protein foods, carbohydrate amount and quality, and long-term weight change: results from 3 prospective cohorts
Jessica D Smith, et. al.
Am J Clin Nutr April 2015 ajcn100867

【背景】 食事ガイドラインは、蛋白内部での変更(例えばレッドミートの代わりに鶏肉へ変更)を推奨している。しかし、炭水化物主体の食事はそのGlycemic load (GL):グリセミック負荷の質にばらつきがあるが交換可能とされている。そのような交換が可能かのか、そして、長期的影響に関して確立したものではない。

【目的】 蛋白摂取の交換法、グリセミック負荷、交換による長期体重増加への影響を決定

【デザイン】 4年間変化の相関を検討、蛋白摂取、グリセミック負荷、そして4年毎の体重変化を16年間から24年間フォローアップでその相関を他のライフスタイル(喫煙、身体活動、テレビ視聴、睡眠時間)、BMI,他の食事要素変化補正にて検討、3つの同時期前向き米国コホート(Nurses’ Health Study, Nurses’ Health Study II, and Health Professionals Follow-Up Study)、ベースラインで12万784名の慢性疾患及び肥満なしの男女

【結果】 蛋白食は、互いに、相互交換はされてない  (intercorrelations typically  p < 0.05)が、炭水化物は相互交換されている  (negative correlation as low as −0.39) 
蛋白食は長期的体重増加と相関性を持つ、そして、ミート食、皮付き鶏肉、レギュラーチーズに対して正の相関を持つ ( 1日ごとサービング数増加毎 0.13–1.17 kg; P = 0.02 to P < 0.001)

一方、ミルク、レグーメン、ピーナッツ、卵では相関認めず  (P > 0.40 for each)

また、ヨーグルト、ピーナッツバター、クルミ、他のナッツ類とは、体重減少と相関 (−0.14 〜 −0.71 kg; P = 0.01 〜 P < 0.001)


グリセミック負荷は、50-unit増加毎、体重は 0.42 kg増加に相当し、独立した相関を有する  (P < 0.001)


蛋白食品とグリセミック負荷の変化は有意な関連性をもつこと(P-interaction < 0.05)が見出されている;例えば、チーズの摂取量増加は、もしグリセミック負荷が増加するなら、体重増加と相関。もし、グリセミック負荷の変化がないなら、体重は安定、もしグリセミック負荷を交換するなら(i.e., Glycemic load減少)なら、体重減少。




毛が甦るのは、毛髪の臓器作用


研究者たちは、3−5mm範囲の200本の脱毛から、450−1300本の新しい毛が生じるメカニズムが分子的動向でなく、臓器レベルの共同的作用によることを見出した。



http://www.medicalnewstoday.com/articles/292229.php


Organ-Level Quorum Sensing Directs Regeneration in Hair Stem Cell Populations
Chih-Chiang Chen,  et. al.
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.cell.2015.02.016






コーディネートされた臓器の動態は、環境刺激への効果的対応ができるか決定的な影響を与える。パターン化された脱毛に対する毛包の再生研究により、臓器レベルのquorum刺激が皮膚外傷に反応した共同的反応を示すことがわかった。
種々レベルの脱毛でも、近隣ほど、脱毛されてない残りの毛で、5倍までの再生を生じ、集合的意思決定的プロセスにより活性化を示した。
データモデリングを通して、quorum signalの程度は、1mmのオーダーであると想定され、これは拡散可能な分子的要素の及ぶ範囲をハゲしく凌駕している。
分子・遺伝解析にで、2つのステップのメカニズムであると判明。一方、損傷毛髪からのCCL2遊離は、TNF-α分泌マクロファージを誘導し、脱毛・非脱毛部位ともに毛包に集積し、シグナル化する。再生に伴う免疫反応カップリングにより皮膚に障害予測をもたらし、軽度外傷を免れる。幹細胞の古スケールの共同的活性化を伴い強度外傷に対応する。

2015年4月10日金曜日

ACCP&CTSガイドライン:COPD急性増悪の予防



Prevention of Acute Exacerbations of COPD: American College of Chest Physicians and Canadian Thoracic Society Guideline
1.COPD患者において、 23価肺炎球菌ワクチンは包括的医療管理の役割はあるようだが、COPD急性増悪予防エビデンスは十分でない (Grade 2C)
2.COPD患者において、 COPD急性増悪予防のための、インフルエンザワクチン毎年接種を推奨 (Grade 1B)
3.COPD患者において、 COPD急性増悪予防のため、包括的臨床戦略要素としたベスト・プラクティスを用いた 禁煙カウンセリングと治療を含むことは推奨 (Grade 2C)
4.直近(すなわち、4週間以内)の急性増悪経験のある中等症・重症COPDにおいて、COPD急性増悪予防のための呼吸リハビリテーションを推奨 (Grade 1C)
5.4週間を超える期間の急性増悪既往のある中等症・重症・最重症COPD患者において、COPD急性増悪予防のための呼吸リハビリテーションは推奨しない (Ungraded Consensus-Based Statement)
;呼吸リハビリテーションをCOPD患者の入院リスク減少に高比重とするため、入院後4週未満を重点介入とするためのステートメント 


6.COPD患者において、教育単独だけの介入をCOPD急性増悪予防目的で使用しない
;従来の患者教育だけでは不十分で強化的介入が必要 (Ungraded Consensus-Based Statement)

7.COPD患者において、症例管理だけの介入をCOPD急性増悪予防目的で使用してはならない (Ungraded Consensus-Based Statement)
8. 急性増悪既往・直後のCOPD患者において、入院機会の減少評価としてのCOPD重度急性増悪予防をするため、月1回以上の医療専門への直接アクセスを含む教育と症例管理を推奨する (Grade 1C)

9. 中等症・重症COPD患者では、アクションプランを含む教育を行うことを推奨するが、症例管理なしでは、12ヶ月間評価に於ける救急受診もしくは入院の回数減少を評価とするCOPD重症急性増悪を減少しない (Grade 2C)
10.  COPD患者において、入院と救急受診減少を評価とするCOPD重度急性増悪予防のため記載されたアクションプラン伴う教育と症例管理を推奨 (Grade 2B)


11, COPD患者において、通常ケアと比較した遠隔モニタリングは、12ヶ月間のおいてER受診、急性増悪、入院減少を評価とした、COPD急性増悪を予防しない (Grade 2C)
12, 重症COPD患者において、 COPD中等度から重度急性増悪予防のため、プラシーボより長時間作動型ベータアゴニスト(LABA)使用推奨 (Grade 1B)
13. 中等症・重症COPD患者において、COPD中等度から重度急性増悪予防のため、 プラシーボより長時間作動ムスカリニックアンタゴニスト(LAMA)使用推奨 (Grade 1A)

14. 中等症・重症COPDCOPD患者において、COPD中等度から重度急性増悪予防のため、LAMA使用をLABA使用より推奨 (Grade 2B)
15.  中等症・重症COPD患者において、COPD軽度から中等度急性増悪予防のため、短期作動型ムスカリニック受容体アンタゴニスト(SAMA)を短時間作動型ベータアゴニスト単独より推奨 (Grade 2C)
16. 中等症・重症COPD患者において、COPD軽度から中等度急性増悪予防のため、SABA単独に比べ、SAMA+SABA使用を推奨 (Grade 2B)


17. 中等症・重症COPD患者において、COPD急性増悪予防のため、SABA単独より、LABA単独を推奨 (Grade 2C)
18.  中等症・重症COPD患者において、COPD軽度から中等度急性増悪予防のため、SABAに比べ、LAMA使用を推奨 (Grade 1A)
19.  中等症・重症COPD患者において、COPD軽度から中等度急性増悪予防のため、
LABA単剤よりSAMA+LABA併用を推奨 (Grade 2C)
20. 安定中等症、重症、最重症COPD患者において、COPD急性増悪予防のため、プラシーボより、吸入ステロイド(ICS)/LABA併用(ICS単独ではない)併用維持療法を推奨  (Grade 1C)


21. 
安定中等症、重症、最重症COPD患者において、COPD急性増悪予防のため、LABA単剤より、ICS/LABA併用併用維持療法を推奨 (Grade 1C)
22.  安定中等症、重症、最重症COPD患者において、COPD急性増悪予防のため、ICS単剤より、ICS/LABA併用維持療法を推奨 (Grade 1B)


23. 安定COPD患者において、以下の両者ともCOPD急性増悪予防に有効なため、吸入長時間作用抗コリン剤/長時間作用ベータ2薬剤、もしくは長時間作用性抗コリン剤単独を推奨 (Grade 1C)
24. 安定COPD患者において、 以下の両者ともCOPD急性増悪予防に有効なため、吸入ステロイド/LABA併用治療もしくは長時間作用型抗コリン剤単独維持療法を推奨 (Grade 1C)


25. 安定COPD患者において、以下の両者ともCOPD急性増悪予防に有効なため、長時間作用型抗コリン/ステロイド・LABA併用あるいは長時間作用型抗コリン剤単独を推奨 (Grade 2C)


26. 中等症・重症COPD患者において、適切な維持吸入療法使用にかかわらず直近1年間に中等度もしくは重症急性増悪の1回以上ある場合、COPD急性増悪予防のため長期マクロライド治療を推奨 (Grade 2A)
 
27. 外来/入院においてCOPD急性増悪患者において、全身性ステロイドは経口・経静脈にて投与され、初回急性増悪後30日内のCOPD急性増悪による入院を予防する (Grade 2B)


28.外来/入院においてCOPD急性増悪患者において、初回COPD急性増悪後30日を超えての急性増悪による入院防止のため、全身性ステロイドを経口もしくは経静脈的に投与しないことを推奨 (Grade 1A)


29. 慢性気管支炎と直前1年間の急性増悪歴有る場合の中等症・重症COPD患者に対して、COPD急性増悪予防のためホスホジエステラーゼ(PDE)4阻害薬 roflumilast使用を推奨 (Grade 2A)


30. COPD安定患者において、COPD急性増悪予防のため、経口徐放テオフィリン1日2回治療を推奨 (Grade 2B)


31. 中等症・重症COPDで、直近2年間で2回以上の急性増悪のある患者において、COPD急性増悪予防のため、経口Nアセチルシステイン治療を推奨 (Grade 2B)


32. COPD急性増悪を減らすための最大限の治療でもCOPD急性増悪を継続するCOPD安定外来患者において、COPD急性増悪予防のため、経口カルボシステインは適応あるなら推奨 (Upgraded Consensus-Based Statement)

33. COPD急性増悪リスクのある中等症・重症COPD患者において、スタチン使用は推奨されない (Grade 1B)


続く・・・

小規模RCTの結果、急性痛風発作時尿酸降下剤使用可能になる? ただ、即断は危険!

痛風発作時アロプリノール(ザイロリック)など使用に関して、「発作時に、急に飲みはじめても効果はなく、かえって症状が悪化してしまいます。」 というのが一般的で、 急性痛風発作の時、高尿酸治療開始すべきではない・・・というのが常識であった。


これが変わるかもしれない

急性痛風患者における、アロプリノール投与開始の28日間プラシーボ対照化二重盲検研究


Does Starting Allopurinol Prolong Acute Treated Gout? A Randomized Clinical Trial
JCR: Journal of Clinical Rheumatology:April 2015 - Volume 21 - Issue 3 - p 120–125 

研究完遂 プラシーボ 17名、 アロプリノール 14名、計31名


ITT及び完遂社分析とも、統計学的非有意
アロプリノール群 15.4日、 vs プラシーボ 13.4日 p=0.5


セカンダリ解析では、疼痛急性期改善は両群とも迅速 




小規模研究なので、即、実践するかというと悩むところ

解説:http://www.medpagetoday.com/Rheumatology/GeneralRheumatology/50902

これでは、急性痛風発作への治療統一が図られてない、(糸球体濾過流速というべき)GFR 50mL/分未満患者やAST/ALT、ALP 正常上限1.25倍超は除外されている。グラインド化不十分という面も有り、これで結論づけは危険。

即、臨床実践しないように・・・

机上の空論:WHOのナトリウム・カリウム推奨遵守は各国千名に数人以下 ・・・ 意味あるの?

ナトリウムは2g/日、ティースプーン1杯未満 、カリウムは3.510mg/日、1日値6個のジャガイモ、9杯のミルクなど

米国内の摂取量中央値は、ナトリウム 3.371g/日、 カリウム 2.631mg/日

遵守比率としては、米国では千名に僅か3名しか行ってないWHOのナトリウムとカリウム摂取目標;米国 0.3%、メキシコ 0.15%、英国 0.1%、フランス 0.5%

Nutrition and metabolism
The feasibility of meeting the WHO guidelines for sodium and potassium: a cross-national comparison study
BMJ Open 2015;5:e006625 doi:10.1136/bmjopen-2014-006625

 The upper bounds of joint compliance with the WHO sodium–potassium goals were estimated at 0.3% in the USA, 0.15% in Mexico, 0.5% in France and 0.1% in the UK.


2015年4月9日木曜日

低身長規定遺伝子は、冠動脈疾患リスクと段階的関連性有り



180の慎重規定遺伝子変異を用い、身長と冠動脈疾患(CAD)の関連性を遺伝しアプローチで検討。

結論としては、遺伝的に規定されている低身長は、冠動脈疾患リスク増加と関連し、この関連性は一部低身長と脂質特性の悪質さの関連性で説明される。
身長を規定する生物学的プロセスと動脈硬化発症規定生物学的プロセスに共通した何かがある。 (Funded by the British Heart Foundation and others.)


Genetically Determined Height and Coronary Artery Disease
Christopher P. Nelson, et. al. ;  for the CARDIoGRAM+C4D Consortium
N. Engl. J. Med. April 8, 2015DOI: 10.1056/NEJMoa1404881


1SDである6.5cmの遺伝的変化とCADの関連性
症例 6万5千66名、 対照 12万8千383名

1万8千249名のindividual-level genotype データから、身長関連Alleleの種々数の存在との関連を検討


遺伝的規定身長1ーSD減少毎CADリスクは 13,5% (95% 信頼区間 {CI]、 5.4 〜 22.1; p< 0.001)

身長増加関連変異数多数存在とCADリスク減少との段階的相関性あり (身長4分位オッズ比 1.074; 95%CI、 0.68 〜 0.84 ; p< 0.001)

検討12リスクのうち、 LDLコレステロール、TGのみ有意な関連性あり  ( 関連性のうち、約30%関与)

進呈発達成長と動脈硬化に関連する、互いにオーバーラップする遺伝子関与経路があると思われる


低身長の傾向の地方で生まれ育ったが、さほど冠動脈疾患リスク多い方では無いと思う。


日本の都道府県別傾向に反映してるのだろうか?年齢補正してないからざっくり過ぎるが・・・
男性高身長都道府県
青森、鳥取、秋田、山形、石川
男性低身長都道府県
沖縄、広島、高知、鹿児島、岡山
http://paro2day.blog122.fc2.com/blog-entry-952.htm

だが、青森、秋田、鳥取の虚血性心疾患死亡率は高い
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/other/10sibou/dl/hyo1.pdf
関係ないみたいだけど・・・



2015年4月8日水曜日

BRCA1/BRCA2遺伝子変異種類・部位にてより細かに癌リスク評価可能になった

Association of Type and Location of BRCA1 and BRCA2 Mutations With Risk of Breast and Ovarian Cancer
Timothy R. Rebbeck, et. al.
JAMA. 2015;313(13):1347-1361. doi:10.1001/jama.2014.5985.


意義: BRCA1もしくはBRCA2 (BRCA1/2)の特異的遺伝子変異と癌リスクの関連性情報は実は乏しい


目的: BRCA1/2キャリア毎、変異特異的癌リスク


デザイン、セッティング、被験者: 1937−2011年(中央値、1999年)の間に確認、疾患関連BRCA1もしくはBRCA2変異発見された症例
BRCA1 19581名、 BRCA2 11900名、 6大陸33カ国55センター


遺伝子型、昨日、核酸部位ごとの乳がん、卵巣癌ハザード比


RHRは、乳がん対卵巣癌ハザード比で、1を超えるRHRのあたいは、乳がんリスク増加を意味する。1未満は卵巣癌リスク増加を意味する。



暴露: BRCA1もしくはBRCA2遺伝子変異



主要アウトカム・測定 乳がん・卵巣癌リスク


結果
BRCA1遺伝子変異キャリア
卵巣癌 2317名(12%)
乳がん・卵巣癌 1041名(5%)
がん無し 7171名(37%)
BRCA2遺伝子変異キャリア
卵巣癌 682名(6%)
乳がん・卵巣癌 272名(2%)
がん無し 4766名(40%)


BRCA1において、3つのbreast cancer cluster regionを同定、すなわちBCCRsとして、 c.179 to c.505 (BCCR1; RHR = 1.46; 95% CI, 1.22-1.74; P = 2 × 10−6)、c.4328 to c.4945 (BCCR2; RHR = 1.34; 95% CI, 1.01-1.78; P = .04)、c. 5261 to c.5563 (BCCR2′, RHR = 1.38; 95% CI, 1.22-1.55; P = 6 × 10−9)


ovarian cancer cluster region、すなわちOCCRとして、 c.1380 to c.4062 (approximately exon 11) で、 RHR = 0.62 (95% CI, 0.56-0.70; P = 9 × 10−17)


BRCA2において、 multiple BCCRs spanningがみられ、  c.1 to c.596 (BCCR1; RHR = 1.71; 95% CI, 1.06-2.78; P = .03)、  c.772 to c.1806 (BCCR1′; RHR = 1.63; 95% CI, 1.10-2.40; P = .01)、 c.7394 to c.8904 (BCCR2; RHR = 2.31; 95% CI, 1.69-3.16; P = .00002)

3つのOCCRsとして、1番目は、c.3249 to c.5681で、 c.5946delT (6174delT; RHR = 0.51; 95% CI, 0.44-0.60; P = 6 × 10−17)近傍。2番目のOCCRのspanningは、 c.6645 to c.7471 (OCCR2; RHR = 0.57; 95% CI, 0.41-0.80; P = .001)

nonsense-mediated decay 関与変異は、様々な乳がん、卵巣癌リスクと相関し、若年乳がん診断は、BRCA1とBRCA2遺伝子変異キャリア両有キャリアであった
乳がん 9052名(46%)
乳がん 6180名(52%)



結論: 乳がん・卵巣癌リスクはBRCA1/2遺伝子の変異タイプ・変異部位により異なる。
適切な評価により、BRCA1とBRCA2のキャリアに関してリスク評価及び予防意思決定の改善をもたらす


慢性外傷性脳症:[F-18] FDDNP PET で診断可能に!

慢性外傷性脳症: chronic traumatic encephalopathyは、震盪外傷など脳への外的反復性物理的ストレスによる脳変性疾患で、病理的にしか診断不能であった。

今回、非侵襲的診断可能にと・・・

In vivo characterization of chronic traumatic encephalopathy using [F-18] FDDNP PET brain imaging Jorge R, Barrio , et. al. http://www.pnas.org/content/early/2015/04/01/1409952112


症例対照研究だが、Tau蛋白沈着の領域パターンで、アルツハイマー病のそれと明確に異なる所見で、”medial temporal lobe and progresses along the cortical default mode network, with minimal involvement of subcortical structures”だそうで・・・default mode networkに沿った側頭葉病変で、皮質下構造は比較的保たれているのが特徴。
 vs. 「アルツハイマー病で最初に代謝・血流が低下する部位は後部帯状回から楔前部、視覚評価ではこの部分は評価不能・・・default mode networkと呼ばれ自己に関する思考を行う場として・・・この部位の代謝・血流低下する。アルツハイマー初期に代謝・血流低下が見られる大脳皮質連合野・・・


この問題はエリートアスリートや若年スポーツで大きな問題だと思うのだが・・・小学・中学格闘技とかKなんたらとか・・・ 。極真は対策されてはいるようだ・・・

フィンランド住民コホート: 卵で糖尿病リスク減少:卵週5個以上で半減

似たような記事
2型糖尿病:卵1日2個/週6回以上でも脂質特性に悪影響を与えず、満腹感を与え空腹を抑制する  2014年10月7日


平均約20年間フォローアップ研究、2332名の被験者
フィンランドの前向き住民ベース: Kuopio Ischemic Heart Disease Risk Factor Study

卵摂取最小4分位に比べ最大4分位で半減以上。


Egg consumption and risk of incident type 2 diabetes in men: the Kuopio Ischaemic Heart Disease Risk Factor Study

Am J Clin Nutr April 2015 ajcn104109
First published April 1, 2015, doi: 10.3945/​ajcn.114.104109


1984–1989年調査開始時42-60歳、2332名の男性 
平均フォローアップ期間19.3年間、 2型糖尿病発症 432名

寄与共役要素補正後、卵摂取最大4分位 対 最小4分位では、 2型糖尿病発症  38% (95% CI: 18%, 53%; P-trend across quartiles  p < 0.001)

代謝リスクマーカー解析にて、空腹時血糖、sCRPとの関連性あり、しかし、血中インスリンとの関連性認めず

コレステロール摂取と2型糖尿病リスク、血糖、血中インスリン、CRPの相関について特に、卵摂取量を考慮した場合に有意ではない。




2015年4月7日火曜日

娯楽的身体活動と死亡率の関連:量依存的関連・・・ただ、長時間ほど有効性頭打ち

私には、とても迷惑な報告・・・  ランニング距離と寿命のU字型現象 ・・・ 週32km超で寿命短縮効果 2014年 4月11日

レジャー活動運動に関してどうか?
この報告だと、有害性はあまり問題ないようだ・・・


Leisure Time Physical Activity and Mortality
A Detailed Pooled Analysis of the Dose-Response Relationship
Hannah Arem, et. al.
JAMA Intern Med. Published online April 06, 2015.

レジャー身体活動報告のない人に比べ、死亡リスクの減少について
最小推奨量(7.5METs/時間/1週間)未満 20%低下  (HR, 0.80 [95% CI, 0.78-0.82])
最小推奨量×2倍 31%低下  (HR, 0.69 [95% CI, 0.67-0.70])
推奨最小量×2から3倍 37%低下   (HR, 0.63 [95% CI, 0.62-0.65])

死亡率減少ベネフィット最大閾値は身体活動性推奨量の3から5倍 (HR, 0.61 [95% CI, 0.59-0.62])

しかしながら、レジャー身体活動最小推奨量に比べ、付加的ベネフィットは軽度  (31% vs 39%)

最小推奨量の10倍以上での有害性エビデンスは認めない (HR, 0.69 [95% CI, 0.59-0.78])

量依存的な関連性が、心血管疾患・がんによる死亡率で見られる


肥満→糖尿病:超初期に脂肪細胞内活性化マクロファージの “alarmins” S100A8関与を生体内画像で証明

大阪大、肥満糖尿病の引き金発見; 脂肪で炎症
http://www.niigata-nippo.co.jp/world/national/20150407173454.html


Visualized macrophage dynamics and significance of S100A8 in obese fat
Ryohei Sekimotoa, et. al.
http://www.pnas.org/content/early/2015/04/02/1409480112.abstract?sid=2e1cf193-97ec-4ffe-825e-064f2aed06f6

脂肪組織への免疫細胞浸潤が肥満で認められるが、現在まで、免疫組織科学的顕微鏡分析に基づくものであった。今回、知る限り初めての知見として、生体内マルチフォトンイメージング法を用い、骨髄単球系にEGFP発現させたリゾチーム M-EGFPトランスジェニック(LysMEGFP)マウスによる脂肪細胞で検討。

LysMEGFPマクロファージのmobilityは、高脂肪・高スクロース食(HF/HS)5日後、肥満発現前に活性化
さらに、alarminの一つ、S100A8有意増加し、HF/HS食5日目に脂肪細胞で検出された。S100A8はchemotactic migrationを刺激し、S100A8中和によりHF/HS食誘導LysMEGFP陽性細胞活性化を抑制する

底側度生体内画像により、脂肪細胞マクロファージの運動性増加が超初期イベントとして見られる。

商用減量プログラムシステマティック・レビュー; 商用プログラムで推奨されるのは、Weight Watchers と Jenny Craig

日本でもこの種のカロリー管理を主体として厳格な管理プログラムがポピュラーになるのかもしれない。あやふやな方針だけじゃ、アドヒアランス望めないし・・・



Jenny Craig   ; http://www.jennycraig.com/


Efficacy of Commercial Weight-Loss Programs: An Updated Systematic Review
Kimberly A. Gudzune,  et. al.
The Role of Commercial Weight-Loss Programs
Ann Intern Med. 2015;162(7):501-512. doi:10.7326/M14-2238


【背景】 商用・プロプライエタリ減量プログラムは肥満治療オプションとして人気があるが、その効果は不明。

【目的】 商用・プロプライエタリ減量プログラムと、対照/教育介入(非介入、印刷物、プロバイダーセッション3未満)と、行動カウンセリングを、過体重・肥満者で施行比較を減量、アドヒアランス、有害性について行う。

【データ源】 MEDLINE とCochrane Database of Systematic Reviews2014年11月開始、プログラムスタッフ発見のリファレンス

【研究選択】ランダム化、対照トライアル(RCT)で少なくとも12週以上の研究; 前向き症例シリーズ 12ヶ月以上(有害性のみ対象)

【研究抽出】2名のレビューアーが研究デザイン、対象特性、介入、体重変化平均比率、バイアスリスク評価のための情報抽出
【データ合成】45研究、RCT 39研究
12ヶ月で、Weight Watcher被験者は、対照/教育割り付けに比べ、2.6%以上
12ヶ月で、Jenny Craigの比率は、対照/教育割り付け群に比べ、4.9%以上
3ヶ月時点で、Nutrisystem での比率は 対照/教育割り付けやカウンセリングに比べ、3.8%以上


6ヶ月を超えて、Very-low-calorie programs (Health Management Resources, Medifast, and OPTIFAST) は、カウンセリングより4.0%以上減量。

12ヶ月時点で、Atkinsは、カウンセリングより0.1%〜2.9%以上減量。

SlimFastの結果はばらつき
全てのプログラムで、アドヒアランスや有害性評価のエビデンス区少なく、他の商用プログラムの減量アウトカムの情報少ない
【限界】多くのトライアルは12ヶ月未満の研究機関で短い、離脱多い、盲目化不足

【結論】臨床医は、過体重・肥満状態の場合、患者に、 Weight WatchersあるいはJenny Craigを勧めるべき。Nutrisystemのような人気プログラムも減量効果見込めるが、さらなる長期アウトカム研究が必要。






中年スポーツ活動中心停止: 全体から見れば少ないし、救命率も高い状況でもある 

中年スポーツ活動中心停止の解析

スポーツ活動において、ベネフィット増加・リスク減少特性へ変容ことに関して、スポーツ中の心停止は比較的少ない。加齢世代でのスポーツ活動の安全性・受容性を最大限にするターゲット化プログラムに役立つかもしれない報告


Sudden Cardiac Arrest During Sports Activity in Middle Age
CIRCULATIONAHA.114.011988
Published online before print April 6, 2015,
doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.114.011988

35-65歳での心停止を大規模前向き住民研究(2002-2013年)。生涯病歴評価をシステミック・包括に施行。

1247の心停止のうち、 63(5%)はスポーツ活動中で、51.1±8.8歳、100万人年あたり 21.7 (95% 信頼区間;CI、 8.1-35.4)

インシデントは有意にばらつき有り、性別、特に惰性でスポーツ心停止が多い (RR 18.68 95%CI 2.50-139.56)、他の要素では、SCA (RR 2.58, 95%CI 2.12-3.13)。

スポーツ心停止は、他の心停止状況と比べ、目撃者の存在することが多く  (87 vs. 53%, P<0 .001="" 25="" 51="" br="" p="" vs.="">
病院退院まで至った生存率は、スポーツ関連心停止で多い (23.2 vs. 13.6%, P=0.04)

スポーツ心停止は、既知心臓疾患状態で多い  16%
1つ以上の心血管リスク要素は 56%、心停止前1週間に生じた心血管系症状があったのは36%


人目の多いところでのスポーツが望ましいが・・・ 初心者には心理的バリアにはなる

2015年4月6日月曜日

GLUCOLD研究:中等症・重症COPD 吸入ステロイド長期使用から中断すると 1秒量、QOL、気道過敏性悪化出現

WISDOM研究をあらためて見ると、ICS外しでやると、やっぱり、1秒量低下してる。
より長期の検討だとその傾向がさらに明らかで、QOL、AHRまで悪化が証明された。

・・・まてよ、気道過敏性悪化???

Relapse in FEV1-Decline after Steroid Withdrawal in Chronic Obstructive Pulmonary Disease
Lisette I.Z. Kunz, et. al.  the GLUCOLD Study Group
Chest. 2015. doi:10.1378/chest.14-3091


【序文】吸入ステロイド(ICS)30ヶ月で、COPDのFEV1減少減弱効果の報告があったと筆者は以前報告したが、ICS中断により再発するかどうか不明であった。
仮説として、ICS長期使用後の中断にて、FEV1減少、気道過敏性(AHR)、QOLが低下するかどうか仮説を立てた。

【方法】114 名の中等症・重症COPD、フルチカゾン(500μg、bid)使用6ヶ月間(F6)、30ヶ月間(F30)、30ヶ月フルチカゾン/サルメテロール(500/50μg
 bid)(F30)、プラシーボ (GLUCOLD-1 [GL1]
その後5年間前向き年次フォローアップ(GL2)
拡張剤後FEV1、AHR、QOLをベースラインで調査、30ヶ月(GL1)、とGL2間の年次検査。解析は線形mixed-effects modelで分析。


【結果】GL1期間中101名のアドヒアランス患者のうち
治療スタート 79名 、GL2 58名
GL1中ICS使用者、GL2期間中はICS0-50%使用者のみ(n=56/79) が、GL1に比べ、年次FEV1減少有意に促進 (差 GL2-GL1 [95%CI]: FS30 -68ml/年間 [-112 〜 -25], p=0.002; F30 -73ml/年間 [-119 to -26], p=0.002)
それに伴い、AHR、QOLも低下

【結論】COPD30ヶ月使用後のICS中断は、その後5年間フォローアップ後、肺機能減少を悪化し、AHR,QOLも悪化させる。
この結果、ICS治療は治療中断後疾患緩和作用継続することはなく、そのまんま継続する必要がある。




WISDOM研究:COPD 3種吸入からステロイドを離脱すると・・・ http://kaigyoi.blogspot.jp/2014/09/wisdomcopd3.html


ICS/LABA/LAMAの3剤併用から吸入ステロイド(ICS)を外し、LABA/LAMAだけにした場合 mMRCスコアにおいて差なし、SGRQスコアに差が見られた。この臨床的意義はないのではということだったが、FEV1の群間差は少ないが有意であった。


スタチン詐欺・・・という詐欺?

スタチン詐欺:
Statin Scam: People with Higher Cholesterol Live Longer than People with Low Cholesterolhttp://healthimpactnews.com/2014/statin-scam-people-with-higher-cholesterol-live-longer-than-people-with-low-cholesterol/

 ↑
このあたりが良くまとまってるかな?  論分を引用し、科学的根拠を明示しているというスタンス


Bezafibrate Infarction Prevention (BIP) Studyでは、1万1千500名の既存冠動脈疾患を有する人たちで、低コレステロールは、非心臓原因死リスク増加させるというもので、この被験者たちは脂質治療対象にならない人たちで、スタチン詐欺とは無縁の批判から始まっている。


 1994年当時のAHAのステートメントを引用するなど主張に都合の良い部分の抜き書きが続き

なぜか、2011年の論文引用は85歳以上ではHDL高値ベネフィットを示している。・・・結果的には、スタチン治療を肯定してる(笑)


スタチンと癌の関連性リンク記事は、メタアナリシスない、コメンタリー。


代わりにこういう報告がある



植物ステロイドは、コレステロールを下げるが、心血管疾患増加というこれも総説は結果的に、「スタチン使わず、食事の改善」でという筆者の主張に反してないか?




「善玉」「悪玉」コレステロールというネーミング、神話で有り、事実を記述してないというのは賛成である。クロネコヤマトのトラックが荷物を届けてるときは「悪玉」、荷物が空っぽで今から積み込むときは「善玉」って、本体は同じなのにかわいそうなネーミング!



この程度のが、「cholesterol scam」Google検索トップ




結局、スタチンの無用性根拠にならない ・・・ スタチン詐欺と騒ぐ方が詐欺なのでは?



コレステロール摂取基準の撤廃の意味合いと、内因性コレステロールの有害性が分かってない医者も存在する



2015年4月5日日曜日

お茶を飲むほど、うつ減少


2013 Impact Factor: 3.765の雑誌

4743のうつ症例を含む、22,817名のメタアナリシス


Tea consumption and the risk of depression: A meta-analysis of observational studies.
Aust N Z J Psychiatry. 2015 Apr;49(4):334-45. 
doi: 10.1177/0004867414567759. Epub 2015 Feb 5.

お茶摂取量多いと、少ない場合に比べうつのリスク低下 :相対リスク  0.69 (95% CI: 0.63–0.75)

8つの報告では、量依存性の関連性を認める  (10,600被験者、2,107 症例)
線形関連性が見られ、お茶3杯増える毎に鬱のリスク37%減少 (RR = 0.63, 95% CI: 0.55–0.71)



家庭での漂白剤使用洗濯は、感染リスク増加する、特に学童での影響大

スペインでは漂白剤使用多く家庭内での使用 72%(n=1945)、フィンランドは少なく 7%  (n=270)


Domestic use of bleach and infections in children: a multicentre cross-sectional study
Occup Environ Med doi:10.1136/oemed-2014-102701


漂白剤使用の過程では、感染(再発、単独)の感染頻度が高い。
インフルエンザ1回のみとの相関(RRR=1.20, 95% CI 1.04 〜 1.38)、 回帰性扁桃腺炎 (RRR=1.35, 95% CI 1.07 〜 1.71) 、感染種類不問(RRR=1.18, 95% CI 1.01 〜 1.38)

家庭での漂白剤での洗濯により、学童期こどもは、気道系などの感染リスク増加



消毒性刺激性クリーニング製品使用多いことは健康被害をもたらす可能性有り、特に小児期暴露が影響大きい

運動継続で肝脂肪減 「やせなくても効果ある」 ・・・ 筑波大学の論文はどこ?

運動継続で肝脂肪減 「やせなくても効果ある」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150404/k10010038321000.html

この新聞の情報ソースである発表論文不明・・・Shodaという筆者名で検索してみた。


わたしの間違いかもしれないが、「早歩きなどの運動を続けることによって、体重に変化がなくても肝臓に蓄積した脂肪を減少させる効果」という論文は見つけられなかった。

それどころか・・・

http://kaigyoi.blogspot.jp/2015/03/blog-post_3.html

という報告が存在する。故に、この新聞記事通りなら新知見と言うことになる


同教室からの報告を見ると、効果に関して肝臓内脂肪評価ではなく、肝臓逸脱酵素の血中値とフェリチン値、インスリン抵抗性指標。

「早歩き」運動による「肝臓脂肪減少」効果と無縁の報告しか見つけられないのだが・・・

メディアにプレスするなら、発表論文を明らかにしてもらいたいし、主張に関していかなる知見が研究で得られたかもかいつまんで報告してもらいたい。・・・こういうメディアを利用した実績披露は・・・控えていただきたい。


Hybrid training (HYB) :voluntary and electrical muscle contractionという方法

Therapeutic effect of hybrid training of voluntary and electrical muscle contractions in middle-aged obese women with nonalcoholic fatty liver disease: a pilot trial
Authors Oh S, Maruyama T, Eguchi K, Shida T, Arai E, Isobe T, Okamoto Y, Shoda J
Published Date March 2015 Volume 2015:11 Pages 371—380
DOI http://dx.doi.org/10.2147/TCRM.S75109, Published 4 March 2015




また、同教室からは以下のトリッキーなトレーニング方法で、NAFLD改善効果の報告がある

Acceleration training (AT):


Acceleration training for managing nonalcoholic fatty liver disease: a pilot study
Ther Clin Risk Manag. 2014; 10: 925–936.
Published online 2014 Nov 7. doi:  10.2147/TCRM.S68322
PMCID: PMC4230176

2015年4月4日土曜日

間接喫煙リスク: 自閉症・メンタル疾患オッズ増加

2357名の4-12歳スペインの同断研究


Strengths and Difficulties Questionnaire (SDQ) ペアレント版 90パーセンタイルで、メンタル疾患とした。




Exposure to secondhand smoke in the home and mental health in children: a population-based study
Tob Control doi:10.1136/tobaccocontrol-2014-052077


間接喫煙暴露 1時間/日未満 6.9% (95% CI 5.7% 〜 8.0%) 、 1時間/日以上  4.5% (95% CI 3.5% 〜 5.5%)
間接喫煙習慣的無暴露児童に比べ、メンタル疾患多変量補正オッズ比は、それぞれ、 1.49 (95% CI 0.85 〜 2.62) 、 2.73 (95% CI 1.38 〜 5.41)  (p for linear trend=0.002)

ADHD(注意欠如・多動性)のオッズ比は、それぞれ、 2.18 (95% CI 1.30 〜 3.64) 、 3.14 (95% CI 1.63 〜 6.04)   (p for linear trend < 0.001)

間接喫煙と他のSDQ構成要素では相関性認めず


抗がん剤など化学療法:鯖・ニシン類などPUFA高度含有魚摂取が効果を減弱する可能性

健康食品広告規制緩和により、様々な弊害が予想されるが・・・ 抗がん剤など化学療法中の患者にとって、鯖・ニシン類などPUFA高度含有魚摂取が効果を減弱する可能性が亜有る。


その一つ、EPA/DHAなどの魚脂の一方的ベネフィット情報
米国内でもサプリメントとしてトップセーリング商品の一つらしいが、安全性に関しての疑念が呈されている。


解説: Can fish oil supplement hinder cancer treatment?




specific endogenous platinum-induced fatty acids (PIFAs)は、ピコモルの量で、脾臓マクロファージを活性化し、化学療法抵抗性となるマウスモデルでの知見。
PIFA 16:4(n-3) (hexadeca-4,7,10,13-tetraenoic acid)を含む魚脂をサプリメント使用

一つは、癌患者へのベネフィット認められず、むしろ、癌患者は避けるべきと
118名のがん化学療法治療者と50名の健康ボランティアをマウスの実験からの確証実験を行った。癌患者35名に魚脂サプリメント投与、13名はω3脂肪酸。血中濃度はマウス実験と同等。

倫理上繰り返しはできないが、化学療法抑制効果が認められた。



Increased Plasma Levels of Chemoresistance-Inducing Fatty Acid 16:4(n-3) After Consumption of Fish and Fish Oil
Laura G. M. Daenen, et. al.

JAMA Oncol. Published online April 02, 2015. doi:10.1001/jamaoncol.2015.0388

魚摂取及び魚脂摂取後、16:4(n-3)の暴露効果を調査

ω3サプリメントで、レスポンダー 11%。
魚脂は全て16:4(n-3)を含む; 0.2〜5.7μM

マウスの実験ではシスプラチン魚脂1μLあたりで化学療法抵抗性を十分示し、vehicle治療対照と比べ腫瘍増殖へ効果認めなかった  (estimated tumor volume difference, 44.1 mm3; P > 99)

健常者においても、魚脂 10mL毎日服用すると、16:4(n-3)血中濃度増加し、ベースラインの20倍となる。ニシンと鯖はサーモンやツナより含有性高い。

16:4(n-3)高レベルの魚摂取は血中レベル増加をもたらす



2015年4月3日金曜日

タバコ喫煙により、MRSAフェノタイプ変化し免疫抵抗性に変化 ・・・ 肺炎重症度死亡率増加

タバコ噴霧抽出液は量依存的にMRSA殺菌能力低下




Analysis of the Effects of Cigarette Smoke on Staphylococcal Virulence Phenotypes
Infection and Immunity Accepted manuscript posted online 30 March 2015, doi: 10.1128/IAI.00303-15 IAI.00303-15 

喫煙は、細菌ビルレンス特性に影響を与えることを立証するため
鼻腔内コロナイズしているところに、喫煙を含む吸入暴露を行う。

MRSAを喫煙抽出物(CSE)にさらすことにより、マクロファージ殺菌4倍耐性 p<0.0001。

CSE-MRSAは、細胞溶解感受性低下 (1.78-fold, p=0.032)、 antimicrobial peptide (AMP)殺菌性低下 (MIC 8 μM vs 4 μM LL-37

CSEは、量依存的に、MRSAの表面構造を変化させ 、AMPs類似変化にて90%の結合阻害を生じさせる  (p<0 .0001="" br="">

CSE暴露にて55%疎水性増加 (p<0 .0001="" p="">
CSEによるmprFのupregulation誘導、結果、MRSA AMP抵抗性増加する。

mprFのないブドウ球菌はCSE暴露による表面変化認めない

in vivoで、CSE-MRSA肺炎はマウスの死亡率増加 (40% vs. 10%) し、対照MRSA感染マウスに比べ8時間後、20時間後肺炎病変増加 (p<0 .01="" p="">
結論としてh、たばこ喫煙によりMRSA免疫抵抗性フェノタイプ 獲得し、これが、喫煙者の感染性疾患の脆弱性へつながるものと思われる。


解説記事:
https://health.ucsd.edu/news/releases/Pages/2015-04-02-cigarette-smoke-makes-superbugs-more-aggressive.aspx



こういう知見が発表されても、「たばこの有害性に科学的根拠無し」といいはる連中、都議会議員がいるから世の中はよくならない
http://matsuzawa.com/report/2015/01/post-186.html




クロノタイプ:夜型は、糖尿病・メタボリックシンドローム・筋肉脆弱と相関、特に男性著明 ;韓国調査

韓国からの報告で、糖尿病になりやすい東アジア人からの報告で日本人にも参考になる報告だと思う

クロノタイプ、Chronotype朝型、夜型で、一日の中での活動の個別時間的指向性で、外的明暗環境下での行動や生物学的リズム。

 このクロノタイプのメタボリックへの影響が韓国内住民疫学調査で明らかに

Evening Chronotype Is Associated With Metabolic Disorders and Body Composition in Middle-Aged Adults
Ji Hee Yu, et. al.
JCEM ; DOI: http://dx.doi.org/10.1210/jc.2014-3754 ; Published Online: April 01, 2015


Korean Genome and Epidemiology Studyからの1620名、47-59歳を対象

 クロノタイプ評価: Morningness-Eveningness Questionnaire

被験者は全て、OGTT、体組成測定(DEXA法)、内臓脂肪測定(CT、 >100 cm2



クロノタイプにて朝型 29.6%、 夜型 5.9%、 どちらでもない 64.5%

夜型は、朝方に比べ、共役要素補正後も、糖尿病オッズ高い  (オッズ比  [OR], 1.73; 95% 信頼区間 [CI], 1.01–2.95),、メタボリックシンドローム (OR, 1.74; 95% CI, 1.05–2.87)も、sarcopenia (OR, 3.16; 95% CI, 1.36–7.33) も多い


相関の性差は男性の夜間型と糖尿病(OR, 2.98; 95% CI, 1.39–6.39) と sarcopenia (OR, 3.89; 95% CI, 1.33–11.33)の相関性オッズが高い。メタボリックシンドロームのみが女性においては夜間型クロノタイプと相関 (OR, 2.22; 95% CI, 1.11–4.43)


結論としては、住民レベルでの調査として、クロノタイプ夜型は、関連要素と独立して、糖尿病、メタボリックシンドローム、サルコペニアと関連。この結果は代謝的機能の概日リズムが関わることが示唆される。











2015年4月2日木曜日

ATS/ERSステートメント: COPD研究課題

An official American Thoracic Society/European Respiratory Society statement: research questions in COPD

Eur Respir J 2015 45:4, 879-905; doi:10.1183/09031936.00009015 
http://erj.ersjournals.com/content/45/4/879.full




構成は・・・

 
<序文>


<メソッド>
・委員会構成
・文献検索とエビデンス鑑定評価
・研究推奨
・文書作成


<定義>
・COPD
・アウトカム


<臨床プレゼンテーション・初期評価>


<診断>


<診断後評価>
・疾患重症度
・疾患活動性
・フェノタイプ
・合併症
 
 <病態生理・病理>

<管理>
 禁煙

標準的薬物治療


新規薬物治療
・抗炎症治療
・長期抗生剤治療
・スタチン治療

合併症管理

非薬物治療・呼吸リハビリテーション
・長期酸素療法
・非侵襲的人工換気
・肺容積縮小手術
・肺移植
・栄養

集約的管理

終末期ケア

術前評価

飛行機旅行リスク評価

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note