2012年11月29日木曜日

シャープ株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について

メモ代わり・・・


平成24年11月28日
シャープ株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/121128premiums_1.pdf
ア 表示の概要
(ア) 表示媒体
カタログ及び自社ウェブサイト
(イ) 表示期間
平成22年10月頃から平成24年4月頃までの間
(ウ) 表示内容
「プラズマクラスターだからできることがあります。掃除機の中も、お部屋の中も、清潔・快適。」、「ダニのふん・死がいの浮遊アレル物質のタンパク質を分解・除去」等と表示。


イ 実際
対象商品は、その排気口付近から放出されるイオンによって、対象商品を使用した室内の空気中に浮遊するダニ由来のアレルギーの原因となる物質を、アレルギーの原因とならない物質に分解又は除去する性能を有するものではなかった。


正極性と負極性のクラスターイオンによる細菌不活化メカニズム
シャープ技報 第94号・2006年8月
http://www.sharp.co.jp/corporate/rd/29/pdf/94_05.pdf
細菌にクラスターイオンが衝突して,正極性クラスターイオンH+(H2O)mと負極性クラスターイオンO2-(H2O)n が細菌の表面上で反応,非常に活性が高いOHラジカルが生成される。この活性種は細菌表面の膜タンパク質と反応してタンパク質を断片化する。そして細菌の表面膜に穴が開くことにより,細菌が膜機能不全を引起し死滅する。また,細菌内部の細胞質タンパク質およびDNAには影響を及ぼさずに表面膜のみを構造的に破壊している。図12はイオンを2時間照射したときの大腸菌の透過型電子顕微鏡写真を示す。イオンを照射することにより,膜が破れ内部が流出していることが観察された。

閉ざされた実験系で示された結果を基に効果をおおっぴらに宣伝する方法に少しだけメスが入ったということのようだ。


イオン関係はQuack的要素が昔から多い。シャープは、慎重な販売戦略を行うべきだったのに、事実と乖離した宣伝を行ってしまった。結果、多くの顧客を失うこととなるだろう。



家庭用オゾン発生器業者側の勝手な言い分
2009年 10月 24日
http://intmed.exblog.jp/9147372/
 ↑
”家庭用のオゾン発生器から排出されるオゾンに関する規制や基準はなく、高濃度のオゾンが大量に発生している”恐れがあるのに、業者側コメント「テストしていない家庭用オゾン発生器までもが、不適切との誤解を与えかねないと思います。」と反論。


高濃度オゾン、家庭用発生器から
2009年 08月 27日
http://intmed.exblog.jp/8872948/
 ↑
オゾン発生機器の危険性は、マイナスイオン発生器と称するものが実はオゾン発生器だったり、その危険性を指摘したが、やっと、国民生活センターが思い腰を上げてくれた?


感染症専門家は有害性に無頓着
 ↓
結核感染予防・発症予防:紫外線とマイナスイオン効果有り・・・有害性の論述無し
2009年 03月 17日
http://intmed.exblog.jp/8073799/


都の対処より、国・国民生活センターの対応は遅れていた
 ↓
「マイナスイオン商品」根拠なしも、都が文書指導
2006年 11月 28日
http://intmed.exblog.jp/4762920/

NHKが放送した”糖尿病が手術で治る” ・・・ 明らかに間違い

肥満・減量手術で、すべての症例で、糖尿病が寛解するとは限らない。





肥満手術で、すべて解決なんてことは絶対に考えてはならない。


A Multisite Study of Long-term Remission and Relapse of Type 2 Diabetes Mellitus Following Gastric Bypass
Obesity Surgery November 2012
http://link.springer.com/article/10.1007%2Fs11695-012-0802-1

後顧的研究


対象:1995-2008年の胃バイパス手術施行2型糖尿病患者(未コントロール群、薬物コントロール群)4434名


結果:術後5年内に完全な糖尿病寛解は、全体では、68.2%(95%信頼区間[CI] 66-70%)
内、35.1%(95%CI、32-38%)で、糖尿病再悪化。
寛解期間中央値は 8.3年。
完全寛解・再発の有意な余所禁止は、術前血糖コントロール不良、インスリン使用、長期糖尿病歴。
術後体重軌跡は、新規寛解例、再発例、寛解維持例で、有意に異なる。


結論:2型糖尿病成人において、胃バイパス手術は、2型糖尿病寛解期間を多くの症例で延長するが、重度肥満糖尿病全般ではない。1/3程度が、初回寛解から5年以内に再発する。糖尿病再発のメカニズム検討が必要。


NHKってこんないんちき放送してたんだ
 ↓
2012年11月12日 (月)「糖尿病が手術で治る!?」
http://www.nhk.or.jp/gendai-blog/100/137578.html


NHKは、特定の医師たちと、特殊なつながりをもち、放送をステマとして利用し、彼らの出版利益や営業利益の手伝いをしている。それどころか、関連会社のNHK出版を利用して、関係者の利益を上げている。受信料を巻き上げてる公共放送のあるまじき行いの数々。


受信料を巻き上げている以上、NHK会長、少なくともNHKの幹部は、受信料を支払ってる人から公平に互選されるべき・・・




さらに、こんなことも


NHKがんワクチン報道がダメな訳(2012年11月18日)
http://togetter.com/li/409474

日本人から受信料を引っぺがし、いんちき報道を行い、医療の現場に混乱をもたらす・・・NHKという組織


NHKスペシャルがんワクチンに対するコメント
http://nkatsuma.blog.fc2.com/blog-entry-485.html
 問題点
1. がんワクチンに対して、過剰な期待をさせるような報道をしたのではないかという点
2. 「治験」というものが正しく伝わらなかったのではないかという点
3. 現在、日本でがん診療の現場で行われている免疫治療の実態を指摘しなかった点

抗血小板治療:冠動脈ステント時、血小板モニタリングはアウトカムに影響与えない

冠動脈ステント植え込み時、血小板機能モニタリングは、その後のアウトカムに影響を与えない。

Bedside Monitoring to Adjust Antiplatelet Therapy for Coronary Stenting
Jean-Philippe Collet, et. al.
for the ARCTIC Investigators
N Engl J Med 2012; 367:2100-2109November 29, 2012DOI: 10.1056/NEJMoa1209979

38施設の予定冠動脈ステント施行 2440名

2群割り付け
・血小板機能モニタリング(抗血小板治療反応性不良患者での薬物補正)
・通常ケア(モニター・薬剤調整無し)

プライマリエンドポイントは、死亡、心筋梗塞、ステント血栓、卒中、ステント挿入後1年内の緊急血管再建の組み合わせ

ステント挿入前にカテーテルラボで、モニター群では、VerifyNow P2Y12とアスピリンPOC検査を行う、そして、外来クリニックで2-4週後再検査。

モニター群では、クロピドグレル服用(34.5%)、アスピリン服用(7.6%)患者で血小板反応性高度の場合は、glycoprotein IIb/IIIa inhibitorと共に、クロピドグレル、プラスグレル、アスピリンを追加。

プライマリエンドポイントは、モニター群 34.6%、通常ケア群 31.1%
(ハザード比, 1.13; 95% 信頼区間 [CI], 0.98 to 1.29; P=0.10)

主要セカンダリエンドポイントである、ステント血栓・緊急血管再建術は、モニター群 4.9%、通常ケア群 4.6%
(ハザード比, 1.06; 95% CI, 0.74 to 1.52; P=0.77)

重大出血イベント発生率は両群差認めず

FDA承認: 全く新しい薬理作用の新規抗結核薬:ベダキリン

bedaquiline (Sirturo)
http://en.wikipedia.org/wiki/Bedaquiline


他の抗抗酸菌薬には存在しないメカニズムである、マイコバクテリアのエネルギー産生阻害作用

FDA助言委員会は、有効性に関しては、全会一致、だが、安全性に関しては11/28(水)11-7で、この薬剤の安全性を支持した

New Type of TB Drug Deemed Safe by FDA
By David Pittman, Washington Correspondent, MedPage Today
Published: November 27, 2012
http://www.medpagetoday.com/InfectiousDisease/Tuberculosis/36127


New Type of TB Drug Wins FDA Panel Support
By David Pittman, Washington Correspondent, MedPage Today
Published: November 28, 2012
http://www.medpagetoday.com/InfectiousDisease/Tuberculosis/36153

脱落率が高い研究で、第1次が44%(プラシーボ54%)、第2次が32%(プラシーボ35%)のため、このような結果となったようだ。
薬剤のためというより、研究手法がお粗末ということのようだが、"十分に安全性"とは言えず、"実質的安全"を問う諮問となったようだ。

多剤耐性結核治療の出現により、期待される薬剤であっただけに、ちょっと残念。
1970年以降、新しい機序の抗結核薬承認されてない。

死亡例はいないが、60%に非重症副作用あり、神経系、胃腸障害が多かった。
有効率は8週間治療トライアルで、喀痰培養陰性は、21名中47%超、プラシーボは8%(p=0.004)。有効性2年間継続。
だが、24週後、bedaquline群 81%、プラシーボ 65%(p=0.293)
現在治験継続中とのこと
QT延長に関して、併用薬剤との関連が考えられている。

bedaquline は速放性錠剤で、400mg/日3週間、後、週3回200mgで22週まで投与

電子カルテ普及に伴い、”SOAP" から ”APSO”へ?

伝統的に、カルテのフォーマットとして、SOAP noteが勧められてきた。

http://en.wikipedia.org/wiki/SOAP_note

・ Subjective componet:はじめに主訴(Chief Complaint : CC)ありき、現病歴(History of Present Illness : HPI)、極力患者自身の言葉を用いた記録。特徴的症状および診断否定に役立つ徴候を含む。全身のレビューとなる所見。既往歴、手術歴、家族歴、社会歴、現行服薬内容、アレルゲンなど

・ Objective componet : バイタルサイン、身体所見、検査結果

・ Assessment : 診断、思考過程・意思決定を含む内容 
(鑑別診断を含む、徴候・診断の簡略的書き方が必要)
;POMR(Problem Oriented Medical Record)で記載する場合は、プロブレム番号やheading・subhedingをassesumentに記載

・ Plan : 患者の問題点へ治療予定を記載(検査オーダー予定、レントゲン検査予定、紹介、施行済み医療行為・薬物投与・教育など



米国の情報をみると、ITと医療に関しては、 EMR(Electronic medical record)あるいはEHR(Electronic health record)、PHR(Personal health record)といった、いわゆる電子カルテに関して、現場のニーズを踏まえた著作物・主張が目立ちはじめている。

 日本の行政施策は、“e-Japan”と称し、医療業界からのニーズを無視して、産業界の飯の種となるべく、無理矢理かつ非効率的に進められている。ソフ トバンク、NECや富士通などの言い分だけで動くのではなく、データマイニング・トランスレーショナルリサーチの将来性を見越し、統一化したフォーマット 作成が必要。電子カルテ導入しても他の業者への変更困難で、移行のため、多額の資金が必要という不可解な状況があり、それが一定以上の規模の医療機関への EMRの普及を妨げている実態がある。

EMRの将来性を期待するなら、各医療機関への導入は、国が負担し、そのサービス構築には現場のニーズが最優先されるべきなのである。


現場ニーズを優先する米国のEMRsでも、それほど満足度は高くないようだ。
多忙な現場で、SOAPのようなシステムは冗長で、速読性に乏しく、評判が悪い。

カルテの3つの要素は
1:患者病歴・検査身体所見・評価・ケアプランの文書化
2:公文書的側面
3:診療報酬請求の原本
である。

現場では、この要素をすべて満たし、速読性に優れたシステムが望まれる。


“SOAP”noteは、ロジック作成上自然だが、他者がみるには、速読性に欠ける。


“APSO”noteに置き換えることで、効率よく、記録をレビューできるという話が広がっているという話。


APSO notes: Improving the Readability of EHRs
 http://www.ucdenver.edu/academics/colleges/medicalschool/departments/medicine/GIM/education/ContinuingEducation/Documents/TMC%202010-2011/12-7-2010_LinCT.pdf

APSO needs to replace SOAP in EMRs
http://thehealthcareblog.com/blog/2010/04/11/apso-needs-to-replace-soap-in-emrs/

SOAP vs. APSO
http://cmiowiki.wikispaces.com/SOAP-APSO

Benefits and risks of SOAP

Benefits: SOAP は従来やりかたで、馴染まれている。このフォーマットの文書化は患者評価の従来の流れである 
Risks: 臨床医が求める情報は、AssessmentとPlanであり、それが文書の最後となっているため、クリックやスクロールを文章最後の行まで行わないとならないため、臨床に遅れと小さなフラストレーションをもたらす。

Benefits and risks of APSO

Benefits: APSO は、もっとも関連性のある情報を、迅速に見いだせ、時間短縮を医療者にもたらす 。このフォーマットにより、“A/P”部分に文書作成の重点化をもたらされるかもしれないのもう一つのベネフィット。“A/P”から開始することで重要点が強調される。これにより、医師は、明瞭な、簡明な思考となるよう努力する。
Risks: APSOは、新しいためなじみが無く、改良が必要。
 


 電子カルテならではのフォーマットの話・・・表示順番が簡単に変えられるということで・・・と、最初思ったのだが、どうも、思考過程までAPSOと考えてるようだ・・・

 他者の速読性・読みやすさのための記録形式である。記録としてはAPSOが優れていると思うのだが、思考過程としては、やはり、患者主訴orientedでなければならないと私は思うのだが・・・

noteへ実験的移行

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