2013年12月19日木曜日

乏しいエビデンスで、「23価ワクチンを肺炎ワクチンとして国策誘導させる」愚

私は反ワクチン・プロパガンダを全く持ってない。どころか、ワクチン推奨者と辞任している。しかしながら、ニューモバックスはあまりに科学的エビデンスと乖離した宣伝をしすぎている。侵襲型肺炎球菌症に対するワクチン効果は認めるが、肺炎のワクチン効果としてのベネフィットあまりに乏しすぎる。MSDが宣伝パンフで配っているものをみるといかにも小規模で国策を誘導する証拠としてはむなしすぎる乏しさと質の低さ。

こんなので、経済大国日本の健康施策をねじまげてよいのだろうか?愚かすぎないか!

ワクチンギャップを話題にしながら、極東の国の極めて乏しいエビデンスで、「23価ワクチンを肺炎ワクチンとして国策誘導させる」愚
wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=194601


大石参考人は、欧米のエビデンス無視でワクチンごり押ししまくり、「学会が、学会が」の連呼。一方、庵原参考人は、欧米で肺炎への有効性への厳しい評価を正しく認識していることがわかる。

悲しいから、日本呼吸器学会はこういう人しかだせないのか!

2013年11月18日 第7回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会 議事録 健康局結核感染症課
○日時 平成25年11月18日(月)14:00~17:00
めて乏しいエビデンスで、「23価ワクチンを肺炎ワクチンとして国策誘導させる」愚
○岡部部会長 
成人用肺炎球菌ワクチン。今までは7価から13価という小児用のものは結論が出て、もう11月から動いているわけですが、成人用肺炎球菌の23価について、これをどういうふうにしようかということが本日の議題です。
・・・・
大石参考人 
了解しました。
 私は、今の御紹介のとおり、2学会の代表ということできょうは出席しております。
 先日の7月10日の基本方針部会で議論されたことについて、学会内で議論がありましたので、説明させていただきます。お手元の要望書を見ていただきたいと思います。
 先日の基本方針部会の議論としては、高齢者に対する成人用肺炎球菌ワクチンの定期接種化について、1)65歳以上の者を対象とすること、2)接種体制として定期接種化から5年間は70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳の者に接種する(5歳年齢ごとにキャッチアップを実施する)ということです。そして、1年ごとにまた同じ70歳の人、75歳の人とずっと1年ごとに少しずつ高齢者の接種が進むということが承認されています。
 学会としましては、この決議に対しては、基本的には全面的に同意します。定期接種化の提示については同意する次第でありますが、この導入の仕方としましては、上記の案では高齢者層が最大5年間、定期接種の順番年を待つことになるということが懸念されるということで、特に高齢者層におきましては、より肺炎に罹患して重症化するリスクが高まることを踏まえると、より高年齢層に優先的に接種をすることが望ましいと考えるというのが学会の意見であります。
 この辺の根拠としましては、我が国におきまして、成人用肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンとの併用接種によりまして、75歳以上の高齢者の肺炎、これは全ての肺炎ですから、この肺炎による入院頻度が減少するということ。また、高齢者介護施設入居者においては、肺炎球菌性の肺炎が減って、そしてまた死亡が減少するということが報告されております。
 これは世界的に見ると、23価ワクチン、成人用肺炎球菌ワクチンは、基本的には敗血症、髄膜炎、そういう侵襲性感染症を予防するということが基本的な効果として知られているのですけれども、参考資料の裏のページにありますが、我が国では2010年にこういった2つの論文が出ておりまして、肺炎に対する効果ということが示されているわけです。
 さらに、池田先生方のグループの解析で、こういう高齢者層における肺炎による医療経済効果、肺炎に基づく医療経済費を削減するということが明確になっているところであります。
 このような理由から、この2学会としましては、高年齢層からキャッチアップを開始して、キャッチアップ終了次第、65歳の定期接種に移行することを提案させていただきたいと存じますということです。
 そういった経緯で、両学会としては基本方針部会での成人用肺炎球菌ワクチンの導入の仕方について再検討を要望する次第であります。


・・・・

○岡部部会長 ありがとうございました。前回の議論に行ったところで、感染症学会、呼吸器学会からは提案という形で、要は65歳になったらすぐ始めるのか、あるいは高齢者のハイリスクと思われる人のほうを先にやっていこうという形だと思うのですが、この辺は御意見をいただきたいところです。
 庵原先生、どうぞ。
庵原委員 済みません、私は7月のときに体調を崩しまして休んでいまして、そのときの議論には参加していないので、もう一遍再確認ですけれども、PPSVの肺炎に対する効果に関しましては、市中肺炎に対しては効果がまだ一定していないというのが世界の評価で、世界の目はそういう評価になっています。
 ただ、日本では集団の、要するにヘルスケアをやっているところでは効果があるよとい うデータは出ています。ということと、インフルエンザワクチンと肺炎球菌のワクチンの合わせ技で接種すれば効果があるというデータは出ていますけれども、 肺炎球菌単独で肺炎に関する予防に対する効果というのはまだはっきりとしたデータは出ていないというのが私の認識です。
 もう一つ、IPDに関しましては効果があるというのは世界の認識です。高齢者に関してのIPDに関しては効果がある。ただ、年齢が上がるにつれて効果が落ちてくるということもデータは出ていまして、もしワクチンの6th editionの肺炎球菌のPPSVのところもごらんになるとわかると思うのですけれども、85歳以上のIPDに関しては、95%コンヒィデンス・インターバルが1をまたぎますので、統計学的には効果がないというデータなのです。このような状況を鑑みながら、接種年齢を考慮する必要があるのではないかと思います。
 ですから、このワクチンは肺炎にきくと大ざっぱに大きな声を出して言えるワクチンではないというのが世界の認識だと私は認識していますので、その辺をはっきりさせておく必要があるのかなと思います。この場で先生方が、肺炎に効果がありますよと言われたら、私はそれでいいですけれども、少なくとも世界は、市中肺炎に対しての効果はないというか、まだ決定していないというのが私の認識だということで、この点は御議論をお願いしたいと思います。




【高血圧ガイドライン】JNC8 批評

米国初の臨床ガイドラインは、各分野、その強大な影響力により、利害関係が強く反映され、複雑となっていく。そんあなか、JNC9は、簡略でイメージの良いガイドラインと私などは思ってたが、問題が多いという評論を最下段に・・

JNC8は、3つのクリティカルな疑問に焦点が置かれた。
(1) 高血圧成人において、特異的治療閾値血圧での降圧薬物治療開始で健康アウトカム改善するか?
(2) 高血圧成人において、特異的治療目標血圧での降圧薬物で健康アウトカムが改善するか?
(3) 高血圧成人において、様々な薬物種類、クラスにて特異的健康アウトカムにベネフィット・有害性が異なるか?
その解答が9つの推奨となって記載されている。


Go  AS, Mozaffarian  D, Roger  VL,  et al; American Heart Association Statistics Committee and Stroke Statistics Subcommittee.  Heart disease and stroke statistics
2013 update: a report from the American Heart Association.  
Circulation. 2013;127(1):e6-e245.
http://circ.ahajournals.org/content/127/1/e6.full.pdf+html




Eighth Joint National Committee (JNC 8) report their Evidence-Based Guideline for the Management of High Blood Pressure in Adults
2014 Evidence-Based Guideline for the Management of High Blood Pressure in AdultsReport From the Panel Members Appointed to the Eighth Joint National Committee (JNC 8)
→ Box:推奨1ー9
1)薬物治療開始:60歳以上では、収縮期血圧 150 mmHg以上 あるいは 拡張期血圧 90 mmHg以上 ;治療目標を収縮期血圧 150 mmHg未満 及び 拡張期血圧90未満とする(Grade A)
同時推奨:60歳以上では、収縮期血圧が、例えば140mmHg未満・耐用性良好・QOL/健康状態に副作用無しなら補正必要ない(再診必要なし?)(Grade E)

2)60歳未満では、拡張期血圧を指標:90mmHg以上;目標を 90 mmHg未満(Grade A)(39−59歳:Grade A、18−29歳:Grade E)

3)60歳未満では、収縮期血圧を指標:140以上:目標を140未満へ(Grade E)

4)CKD 18歳以上:収縮期血圧 140以上 あるいは 拡張期血圧 90以上d治療開始し、目標を収縮期血圧140未満とする (Gdare E)
5)18歳以上の糖尿病患者:収縮期血圧 140以上あるいは拡張期血圧90以上で薬物治療開始;目標を収縮期血圧140未満と拡張期血圧90未満とする(Grade E)
6) 一般住民において、糖尿病を含め、降圧治療開始初期治療は、サイアザイド系、CCB、ACE阻害剤、ARB(Grade B)
7) 糖尿病を含む一般黒人では、初期降圧治療は、サイアザイド系利尿剤かCCBであるべき(一般黒人対象 Grade B; 糖尿病黒人 Grade C)
8) 18歳以上のCKDでは、初期薬剤(あるいは、追加薬剤)は、腎臓アウトカム改善のため、ACEI、ARBを含まなければならない、これは高血圧CKD全般で、糖尿病状況・人種に関わらない(Grade B)
9) 降圧治療主たる目的は、目標血圧到達・維持。1ヶ月内で到達しない場合・・・(薬剤追加手段だから重要なんだろうけど、後で)
  


<エディトリアル>
9推奨と治療アルゴリズムに加え、包括的エビデンスレビューとメソッドをオンライン上で提供している。評論の問題にしているのは個別化検討を不十分と批評。


Editorial 

Review, and Responsibility
 Updated Guidelines for Management of High Blood PressureRecommendations,

Howard Bauchner, et. al.

電子タバコへのスタンス:非正規化戦略是非

揮発性有機化合物(VOC)を含むことで、やはり有害性を考慮しなければならない、電子タバコ

毒をもって毒を制する”のは医療の基本だから、確かにそうなのかもしれないが、禁煙治療にこの電子タバコを拒絶するな、容認せよという論理展開をする公衆衛生専門家のひとつのグループの主張

電子タバコは無害な存在ではない、FDAや小規模研究の分析から、明確だが、禁煙とのバーター。より危険の要素を、より危険度の少ないものへ・・・という発想も当然存在するだろう。

現在、米国では、電子タバコの広告洪水が生じている。このことも問題であり、無害でない限り、何らかの規制がなされるべき。

禁煙が全ての非正規化(denormalization)戦略ことで、電子タバコ使用を許容しないが当然とされている。しかし、喫煙関連リスク完全排除を目的としない考えも一方ではある。

Perspective
"The renormalization of smoking? E-cigarettes and the tobacco 'endgame'"
Fairchild AL, et al
N Engl J Med 2013; DOI: 10.1056/NEJMp1313940.



“笑い”の医学

笑う人のベネフィットやリスクなど
http://www.cbc.ca/news/health/laughter-s-8-benefits-and-6-risks-1.2463532

Dr. Hunter (Patch) Adamが記載されてるため、最初、(少々辟易気味の)笑わすことの臨床上の意義かとおもいきや、笑う方の検討であった。


Christmas 2013: Food For Thought
Laughter and MIRTH (Methodical Investigation of Risibility, Therapeutic and Harmful): narrative synthesis
BMJ 2013; 347 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.f7274
(Published 12 December 2013)


笑いのセンス・笑かし癖:risibilityの方法論的検討:治療、有害性について

治療的効果
・ 怒り、不安、うつ、ストレス軽減
・ 緊張緩和(心理的、心血管的)
・ 疼痛閾値増加
・ 心発作リスクの減少
・ COPD患者の肺機能改善
・ エネルギー消費 (純粋な笑いを1日続ければ2000カロリー)
・ 糖尿病患者の血糖値減少
・ (道化的笑いで)体外受精後の妊娠率増加
 
ベネフィットは多くあるが、笑いには、ある程度の健康リスクがある
失神、心臓・食道破裂、腹部ヘルニア突出、喘息発作、葉間気腫、カタプレキシー、頭痛、あごの外れ、ストレス性尿失禁。 
感染症のある人が笑う場合、リアルに感染拡大の可能性有り、そすで隠すことで予防可能かもしれない。

副作用を検討することにも副作用がありそうで、病的原因のリストを提示する
・てんかん(gelastic seizure)
・脳腫瘍
・Angelman’s syndrome
・卒中
・多発硬化症
・amyotrophic lateral sclerosis or motor neuron disease

てんかん性笑い発作:gelastic seizure
https://en.wikipedia.org/wiki/Gelastic_seizure
典型的には、視床下部過誤腫


イギリスの笑いと言えば、モンティーパイソン、子供時代でも、おもしろかった

でも、BMJの冗談クリスマス特集は笑いのツボが分からないことが多い。

noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note