12ヶ月時点での評価
Effect of Endobronchial Coils vs Usual Care on Exercise Tolerance in Patients With Severe Emphysema
The RENEW Randomized Clinical TrialFrank C. Sciurba, et. al. ; for the RENEW Study Research Group
JAMA. Published online May 15, 2016.
doi:10.1001/jama.2016.6261
【意義】 予備的臨床トライアルでは、気腫及び重度肺過膨脹患者において、気管内コイルは気腫肺組織を圧迫し、肺機能、運動耐容能、症状改善をもたらすというものであった
【目的】 気管内コイル治療の有効性安全性検証
【デザイン・セッティング・被検者】 315名の気腫及び重度空気とらえ込み患者をラナム化臨床トライアル、北米21、ヨーロッパ5箇所、2012年12月〜2015年11月まで
【介入】 ランダムに持続通常ケア(ガイドラインベース、呼吸リハビリテーション及び気管支拡張剤 ; n = 157) 単独 vs 通常ケア+両側コイル治療 (n = 158) 、いずれかの一肺葉に気管支鏡で10-14コイル、4ヶ月分けて2回のシークエンシャル施行
【主要アウトカム・測定項目】 プライマリ有効性アウトカムは ベースラインから12ヶ月後6分間歩行距離絶対差 (minimal clinically important difference [MCID], 25 m)
セカンダリエンドポイントは、
SGRQのQOL変化絶対値差(MCID, 4)
FEV1の変化量(FEV1; MCID , 10%)
プライマリ安全性分析は、7つの事前設定重大合併症のうち1つでも経験した比率
【結果】 315名の被検者(平均年齢, 64歳、 女性 52%)、12ヶ月フォローアップ完遂 90%
12ヶ月時点での6分間歩行距離変化量中央値は、コイル治療群 10.3m vs 通常ケア -7.6m; 群間差 14.6 m (Hodges-Lehmann 97.5% CI, 0.4 m to ∞; 1-sided P =0.02).
25m以上改善比率は、コイル群 40.0 % vs 通常ケア群 26.9%
(odds ratio, 1.8 [97.5% CI, 1.1 to ∞]; unadjusted between-group difference, 11.8% [97.5% CI, 1.0% to ∞]; 1-sided P =0.01)
FEV1の変化量中央値群間差は 7.0% (97.5% CI, 3.4% to ∞; 1-sided P < 0.001)
St George’s Respiratory Questionnaire score改善 8.9 points (97.5% CI, −∞ to −6.3 points; 1-sided P < 0.001)、いずれもがコイル群有用
重大合併症(入院必要肺炎、他潜在的致死的・致死性イベント)はコイル群 34.8% vs 通常ケア群 19.1% (P =0.002)
他重大副事象イベントは、肺炎 (コイル群 20% coil vs 通常ケア群 4.5%)
気胸 (9.7% vs 0.6%)で、コイル群で多い
【結論と知見】 気腫・重症過膨脹患者において、12ヶ月治療比較、気管支内コイル+通常ケアにて運動耐用の中央値改善するも、その程度は事前設定未満で軽度、不確実な臨床的意義で、重大合併症尤度高い。さらなるフォローアップ評価にて健康アウトカムへの長期影響評価必要
Trial Registration clinicaltrials.gov Identifier: NCT01608490
ばらつきある・・・症例選択が重要と思う