2015年4月27日月曜日

乳がん&BRCA1遺伝子変異女性では予防的卵巣摘出で死亡率減少、エストロゲン陰性乳がんの場合特に急ぐ・・・

BRCA1 あるいは BRCA2遺伝子異常乳がん女性に対する予防的卵巣摘出術の予後インパクト


Effect of Oophorectomy on Survival After Breast Cancer in BRCA1 and BRCA2 Mutation Carriers
Kelly Metcalfe,  et. al.
JAMA Oncol. Published online April 23, 2015.
676名の女性のうち、345名が乳がん診断後卵巣摘出、331名は両側卵巣保持

20年間の生存率は77.4%

卵巣摘出後女性の乳がん死亡補正ハザードは 、BRCA1キャリア  (95% CI, 0.19-0.77; P = .007) 、 BRCA2キャリア  0.57 (95% CI, 0.23-1.43; P = .23)

乳がん特異的死亡率ハザード比は エストロゲン受容体(ER)陽性乳がんでは   0.76 (95% CI, 0.32-1.78; P = .53)、ER陰性乳がん 0.07 (95% CI, 0.01-0.51; P = .009)


結論としては、乳がん・BRCA1遺伝子変異女性では、予防的卵巣摘出により死亡率減少を示し、エストロゲン受容体陰性乳がん・BRCA1遺伝子変異女性では診断後すぐに摘出術すべき・・・




あくまでも一論文でのお話 ・・・ 

サリチルアニリド系抗寄生虫薬剤は、MRSAへの新薬剤となり得るか?

ニクロサミドはWHO必須薬籠の一つらしい

これを含めたサリチルアニリド系薬剤がMRSAにも有効


Repurposing Salicylanilide Anthelmintic Drugs to Combat Drug Resistant Staphylococcus aureus
Rajmohan Rajamuthiah, et. al.
Published: April 21, 2015DOI: 10.1371/journal.pone.0124595

Time-Kill研究にて、ニクロサミドは静菌的、オキシクロザニドは殺菌的
オキシクロザニドは、細菌膜を透過するが、共に羊赤血球では毒性を示さない。
オキシクロザニドは、HepG2ヒト肝細胞癌細胞へ毒性示さず、ニクロサミドは低濃度で毒性示す。





こういう報告もある・・・糖尿病合併症治療へ
http://www.natureasia.com/ja-jp/research/highlight/9504
ニクロサミドは現在寄生虫感染の治療に使われている薬だが、その誘導体が糖尿病の合併症を緩和することが、2型糖尿病のマウスモデルで明らかになった。
ニクロサミドは、寄生虫のミトコンドリアのATP(細胞のエネルギー源)合成能を低下させることによって、寄生虫の成長を阻害する。Victor Jinたちは、このATP合成阻害活性を2型糖尿病の治療に活用しようと、ニクロサミドの塩、ニクロサミドエタノールアミン(NEN)を遺伝性のマウスモデルと食餌性マウスモデルに投与した。するとNENが肝臓に選択的に蓄積し、肝臓でのミトコンドリアのATP合成能を低下させることが分かった。細胞のATPレベルが低下すると、シグナル分子が活性化され、肝細胞に貯蔵脂肪の燃焼量を増やすよう、情報を伝達する。


耳鳴 ・・・ 聴覚皮質を超えて脳全般に影響を与えているかも・・・ 

日常診療で「耳鳴り」の訴え多いが、診断・治療に関してお手上げ状態のため、臨床的興味を持っているが、門外漢なのでと言い訳、無理やり翻訳・・・


アイオワ大学の研究チームが開発した特有の脳モニタリング技術で、転換研究治療器具の応用らしい。
耳鳴り中の被験者の脳の活動性を検査し、弱いあるいは強いエピソードで分類。症状イミテーションを形成し脳の活動性パターンも調査。
最大の発見は、耳鳴りに関連する脳活動性は、脳の広汎部分に影響を与えることが分かったとのこと。他の神経システムへ影響を与え、さまざまな合併症もあるのではないかなどと考察される

脳内の責任領域が限定的でなく、広汎に接合した変化であるため、病巣把握困難という面もあり、経路やニューロフィードバックは複雑で、薬物治療困難と想定される。うつ、ストレス、緊張状態など困難さが関連することも多い。



Intracranial Mapping of a Cortical Tinnitus System using Residual Inhibition
William Sedley , et. al.
Open Access
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.cub.2015.02.075
http://www.cell.com/current-biology/abstract/S0960-9822(15)00278-X

耳鳴りってのは、末梢神経系へのダメージが自発的脳活動に直結し、異常音として認識されるものと考えられている。多くの脳活動異常が耳鳴りと関連して居るであろうが、ファントム音それ自体へ以下に関連するか、関与要素や二次合併症への関連も不明。
”Core”耳鳴りは、その知覚が必要勝十分条件であり、(耳鳴り認識操作可能で、検験者報告が正確である)行動的パラダイムと結合した神経活動性の正確度の高い記録が必要とされる。これが可能となった。
音響シミュレーション後の耳鳴り音知覚後の短期修正中、覚醒、行動的耳鳴り患者の広汎脳内記録
耳鳴り関連低周波(Δ)oscillationを観察し、視床内低周波burstingがトリガーと考えられた。
予想外に、これらのΔ波は聴覚皮質領域を広がり、聴覚皮質ほぼ全体にプラスして、側頭葉、頭頂葉、感覚運動、辺縁系皮質にまで広がった。
個別の聴覚、海馬傍回、下部頭頂葉”Hub”領域において、これらのΔ波Oscillationは、中間周波(α)と高周波(β、γ)活動と関連し、タイトに結合した密着したシステムを形成し、記憶野認識を含む高レベルな機能とも関連する。

PM2.5大気汚染により、住民の脳の萎縮を促進し、隠れ脳梗塞を増加させる

PM2.5は、じんわりと脳の加齢を促進、脳容積を減少させ、隠れ卒中を増加させる。


Long-Term Exposure to Fine Particulate Matter, Residential Proximity to Major Roads and Measures of Brain Structure
Elissa H. Wilker, et. al.
StrokeAHA.114.008348
Published online before print April 23, 2015,
doi: 10.1161/STROKEAHA.114.008348

【背景・研究目的】 — 大気汚染長期暴露は、脳血管疾患と認知機能障害と関連するが、脳の構造変化と関連しているかは不明。居住大気汚染長期暴露とMRIを用いた脳加齢マーカーとの関連性を検討

【方法】 — Framingham Offspring Study 、60歳以上、第7回調査、認知症・卒中なしの対象者を検討。  PM2.5暴露と主要道路近接住民という暴露と、総脳容積、海馬容積、白質高密度容積: white matter hyperintensity volume (log-transformed and extensive white matter hyperintensity volume for age)とcovert brain infarct(隠れ脳梗塞)、社会経済的地位、temporal trendを検討

【結果】 — PM2.5 2-μg/m3 増加毎に総脳容積 0.32 (95%信頼区間;95%CI、 −0.59 〜 ー0.05) % 減少と相関、隠れ脳梗塞は1.46 (95%CI、 1.10 〜 1.94)オッズ増加
4分位比較での主要道路からの距離比較で、遠距離ほど、対数変換白質高密度容積は、0.10 (95%CI, 0.01 〜 0.19)大きいが、広汎白質比較では明らかなパターンは見られない。

【結論】— PM2.5高レベルほど、脳容積総量は小さく、加齢関連脳萎縮マーカーとかくれ脳梗塞オッズ高値と関連。

これらの所見で分かったことは、大気汚染は、構造的な脳加齢、そして認知症・卒中無しの人へもじんわり悪影響を与えることになること


noteへ実験的移行

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