2015年9月29日火曜日

Stiotoloレスピマット(LABA/LAMA)トライアル ENERGITO研究・OTEMTO 1 and 2 解析


Stiotolo TM Respimat TM
 Inhalation spray: Each actuation fr om the mouthpiece contains 3.124 mcg tiotropium bromide monohydrate, equivalent to 2.5 mcg tiotropium, and 2.736 mcg olodaterol hydrochloride, equivalent to 2.5 mcg olodaterol.

要するに、チオトロピウムとオロダテロールの合剤吸入スプレー


ERSで以下2つ報告


ENERGITO研究(NCT01969721)

  • 6週間I ENERGITO® ランダム化・二重盲検・2重ダミー・アクティブ対照・4治療期間・完全交差研究
  • STIOLTO RESPIMATは、すべての肺機能エンドポイントに到達(FEV1 AUC0–12がプライマリエンドポイント ; FEV1 AUC0–24, FEV1 AUC12–24 とトラフ FEV1がセカンダリエンドポイント、いづれも記載日のみ評価 )
  • FEV1 AUC0-12 は、1日1回のSTIOLTO RESPIMAT6週後、1日2回2倍量 LABA/ICS salmeterol/fluticasone propionate (50/500 µg: 129 mL; 50/250 µg: 125 mL)と比較して増加。






OTEMTO 1 & 2 post-hoc analysis (NCT01964352/NCT02006732),

  • GOLD stage 2のCOPD患者において、プラシーボ、チオトロピウム単独と比較して SGRQ total scoreは、スコア平均低下(すなわち、改善)



スピリーバ・レスピマットの安全性危惧は、TIOSPIRトライアルでなかったことになってる。日本語訳、ついにされなかった。安全性疑惑・・・逃げ切ったわけかぁ・・・。感慨深いなぁ・・・。





UK BiLEVE:タバコ吸うのに肺機能低下しない、タバコ吸わないの肺機能低下する 1秒量低下関連共有遺伝子;喫煙習慣関連遺伝子も・・・

英国のBiobankでの肺機能極端値調査で、肺機能と喫煙行動との新しい遺伝的知見をみつけたとの報告。


喫煙者の中には肺疾患発症するものもいれば、しないものもいる。遺伝子要素がその鍵となるであろうことは想像されていたが、具体的な遺伝子シグナルの報告。

 ただ、プレスリリースにも書かれているが、喫煙関連疾患、たとえば、COPD、がん、心疾患のようなものの予防の一番は禁煙というのは事実。


Novel insights into the genetics of smoking behaviour, lung function, and chronic obstructive pulmonary disease (UK BiLEVE): a genetic association study in UK Biobank Louise V Wain, et. al.
The Lancet Respiratory Medicine
http://www.thelancet.com/journals/lanres/article/PIIS2213-2600%2815%2900283-0/abstract



2006年3月15日から2010年7月7日までのUK Biobank登録者
UK BiLEVE study(2012年11月22日開始、2012年12月20日終了)からサンプル選択。尿サンプル5万8個、FEV1低値1万2例、重度喫煙者・喫煙既往なし両群からFEV1高値5千2例 。


FEV1低値の共有遺伝子原因を、重度喫煙・喫煙既往なし群両群で見出し(p=2·29 × 10−16)、医師診断喘息有無共有でも見出した(p=6·06 × 10−11)


FEV1極端例と関連する新しいゲノムワイド有意シグナルは、4つの新発見Locusのシグナル(KANSL1, TSEN54, TET2, RBM19/TBX5)を含み、報告済みの2つのlocusでの独立したシグナル (NPNT and HLA-DQB1/HLA-DQA2)であった。

これらの変異は、COPDと相関示し、喫煙既往なしでも認める。

KANSL1の5'末端を含む150 kb regionのコピー数は、エピジェネティック遺伝子制御上重要な遺伝子で、FEV1異常値と関連する。


同時に 、喫煙行動と関連する5つの新しいゲノムワイド有意シグナルを見出し、脳組織でのNCAM1発現にtrans effectを示す NCAM1 (chromosome 11)の変異、第2染色体 の変異 (between TEX41 and PABPC1P2)がそれ。



運動トレーニング:レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系への効果

renin–angiotensin–aldosterone system (RAAS)への運動トレーニング効果についてのシステマチック・レビュー


血圧は、運動トレーニング効果として、収縮期・拡張期とも減少、血中レニン活性も低下するが、相互に関連性認めず

アルドステロン、アンジオテンシンIIには影響ないため、RAAS抑制による調整ではない


Effect of exercise training on the renin–angiotensin–aldosterone system in healthy individuals: a systematic review and meta-analysis
Karla Goessler, et. al.
Hypertension Research , (24 September 2015) | doi:10.1038/hr.2015.100


18歳以上健康成人対象の4週間以上継続ランダム化対照トライアルを検討、Fixed effects model使用、データは加重平均と95%信頼区間限界

11のRCT、375名で検討。
血中レニン活性は運動トレーニング後低下   (n= 7 trials, standardized mean difference −0.25 (95% CL −0.5 to −0.001), P=0.049)
血中アルドステロン ((n= 3 trials; standardized mean difference −0.79 (−1.97 to +0.39)) 、angiotensin II (n=3 trials; standardeized mean difference −0.16 (−0.61 to +0.30)には、影響なし

 収縮期血圧低下   −5.65 mm Hg (−8.12 to −3.17) 、拡張期血圧低下 −3.64 mm Hg (−5.4 to −1.91)


ネットの変化として血中レニン活性変動と血圧変動に相関認めず (P>0.05)


 
運動の種類によっては、発汗→循環血液量減少→PRA増加しそうなものだが・・・

アンジオテンシンが、酸化ストレス、NO産生にもっとも影響をあたえると考えられるが、果たして・・・この結果はどう解釈したら良いのだろう?

noteへ実験的移行

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