2013年7月2日火曜日

INTERACT2 :  脳出血:迅速降圧治療 ・・・ 機能的アウトカム改善の可能性

いろいろ議論のある分野

このINTERACT2報告でも「脳出血急性期厳格降圧の有効性証明できず」とウェブ記載されている。

事前登録解析になるが、機能障害アウトカムでは有効性有るという論文本文では記載された。

Rapid Blood-Pressure Lowering in Patients with Acute Intracerebral Hemorrhage
Craig S. Anderson,  et. al.
for the INTERACT2 Investigators
N Engl J Med 2013; 368:2355-2365June 20, 2013DOI: 10.1056/NEJMoa1214609


【背景】
    脳内出血患者において、高血圧迅速降下がアウトカムに与えるか否か不明 
【研究方法】
    発症6時間内特発性脳内出血・収縮期血圧増加患者、2839名ランダム割り付け
・降圧治療のための強化治療 (ターゲット収縮期血圧 <140 1="" br="" hg="" hour="" mm="" nbsp="" within="">or
・ガイドライン推奨治療 ( ターゲット収縮期血圧 <180 br="" hg="" mm="">プライマリアウトカムは、90病日の死亡・重大機能障害(修正Rankin scale<0-5までのスコア、症状無し:0、 重度機能障害:5>のうち、3−6と定義)
修正Rankiスコア事前特異ordinal analysisも施行。重度合併症比率を2群間で比較
【研究結果】
   アウトカム決定された2794名のうち、強化治療 719/1382(52.0%)、ガイドライン推奨治療 785/1412(55.6%)
プライマリアウトカムイベントは、強化治療のオッズ比 0.87:95%信頼区間 [C], 0.75-1.01 p = 0.06
ordinal analysisでは、強化治療群の修正Raskinスコアについては有意改善が示された (機能障害 オッズ比, 0.87; 95% CI, 0.77 to 1.00; P=0.04)
死亡率は、強化群 11.9% vs ガイドライン推奨治療群 12.0%
非致死性重度副事象は、それぞれ23.3%、23.3% 
【結論】
    脳内出血患者において、強化降圧治療では死亡・重度機能障害プライマリアウトカムに関し有意減少示せず
修正Raskinスコアのordinal analysisで、強化的降圧治療による機能的アウトカム改善示唆する (Funded by the National Health and Medical Research Council of Australia; INTERACT2 ClinicalTrials.gov number, NCT00716079.)


冠動脈性心疾患・脂質コントロール:治療変容につながらない無駄な脂質繰り返し検査の存在

LDL コレステロール値<100 dl="" mg="" p="">
繰り返しの脂質検査されているのは、LDL目標値到達患者の冠動脈性心疾患患者の1/3
過剰脂質検査をへらそうとする、医療の質改善イニシャティブの影響がハイライト化された形

治療強化につながらない、漫然とした繰り返し脂質検査の存在に関して警鐘というスタンスの報告

Quality initiative の必要性

Correlates of Repeat Lipid Testing in Patients With Coronary Heart Disease
Salim S. Virani,  et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():-. doi:10.1001/jamainternmed.2013.8198

LDL-C値 100未満の比率と、繰り返し脂質検査するも強化療法に直結しない例を11ヶ月フォローアップ検討

LDL-C値 <100 1.38="" 12="" 27="" dl="" mg="" p="">


施設レベルクラスタリング補正後
反復検査回数多いのは
糖尿病病歴 (odds ratio [OR], 1.16; 95% CI, 1.10-1.22),
高血圧病歴 (OR, 1.21; 95% CI, 1.13-1.30)
疾患burden高度 (OR, 1.39; 95% CI, 1.23-1.57)
医療機関受診頻回 (OR, 1.32; 95% CI, 1.25-1.39) 
反復検査少ないのは
教育施設 (OR, 0.74; 95% CI, 0.69-0.80)
医師診療によるもの (OR, 0.93; 95% CI, 0.88-0.98)
medication possession ratio(処方日数該当受診間隔比率)0.8以上 (OR, 0.75; 95% CI, 0.71-0.80)

11ヶ月フォローアップで、LDL-Cターゲット 70 mg/dL未満合致 13,114名の患者において繰り返し検査は8177名(LDL-C< 70 mg/dL の 62.4%)


食事やライフスタイル介入に関して無視した報告になっている。それが、この研究限定項目に記載されている。


で、結局、各リスク背景でどの間隔で検査したら良いのか、フルテキストを探るしかなさそう。

ところで、日本は厚労省主導で漫然とやられている脂質スクリーニング検査・・・UpToDateには、「The optimal time interval between screenings is uncertain; reasonable options include every five years, with a shorter interval for those with high-normal lipid levels and longer intervals for low-risk individuals with low or normal levels」とある。

経団連ごひいき政治家さんや財務省はホントは、この公費費やされている検診事業の無駄を至適すべきなのだが・・・市場規模の拡大というわけのわからない理論でこういう税金の無駄は放置する

2型糖尿病・IGT:糖負荷2時間値とHbA1c値不良例はやはり運動トレーニング効果減弱的

糖尿病患者での、好気的運動トレーニングと血糖コントロール改善の関連性は示されていたが、患者毎変数ばらつきが大きかった

12-16週間好気的運動介入後の血糖コントロール化以前が、好気的トレーニング膳の血糖コントロールと関連しているのか、105名の高齢、過体重・肥満、糖尿病・糖代謝異常成人で検討。

介入前 BMI 33、年齢平均61歳、糖代謝異常 56名、糖尿病 49名
運動プログラム12-16週予定の、OGTT 13.1 mmol/L未満及びベースラインHbA1c<6.2%


糖尿病・糖代謝異常者を有する過体重状態において、短期workoutプログラムは、ベースラインの高血糖状態に比べ、血糖コントロール良好となる6.2%

好気的運動3-4ヶ月後、体重減少 4.5kg 体脂肪 1.9%、空腹時血糖 0.35 mmol/L、食後2時間血糖 0.8mmol/L、酸素摂取量 平均0.23L / 分改善

運動プログラム後、食後2時間後血糖レベル有意改善(p<0 .001="" ba1="" p="">
トレーニング前空腹時血糖は介入期間後の血糖コントロールに有意な影響を与えず

ただ、トレーニング期間前の経口ブドウ糖負荷2時間後血糖値と、運動による2時間後経口血糖変化に非線形傾向(p=0.06)あり、トレーニング期間前 13.1 mmol/L未満の対象者では統計学的に有意で、トレーニング期間前糖負荷2時間血糖値 13.1 mmol/L超の場合では統計学的傾向として残存。


加えて、HbA1c値は同様だが、トレーニング前・トレーニング後のHbA1c値に有意な、非線形二次相関を認める。
介入前HbA1c6.2%では運動介入HbA1c減少有意(p=0.005)
6.2%超の対象者でも、その差は大きくないがトレーニング12-16週後Hb!c有意改善認める(p=0.04)


筆者等の意見としては、トレーニング前HbA1cは運動による酸素摂取量変化と線形かつ逆相関をしめす(すなわち、HbA1cが高いほど最大酸素摂取量改善効果は低く、HbA1cが低いほど最大酸素摂取量改善効果は高い)ため、トレーニング前HbA1c高値例では酸素摂取量増加をよりHbA1c改善効果減弱する要因とする。

The Influence of Hyperglycemia on the Therapeutic Effect of Exercise on Glycemic Control in Patients With Type 2 Diabetes Mellitus
Thomas P. J. Solomon, P et. al.
JAMA Intern Med. 2013;():-. doi:10.1001/jamainternmed.2013.7783.



運動にてベネフィット明確な場合と、必ずしも明確でない場合が存在し、個別的なばらつきがありそう。一つは、ベースラインHbA1c高値例ではもともとのフィットネス状況がトレーニングにまだ不適な状況だったとか・・・

あまねく同等に・・・ってわけには行かない、糖尿病運動指導


糖尿病・IGT例では、運動も早期介入が必要ということにはなりそうだ

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