2014年11月6日木曜日

COPD:大腿四頭筋adiposity は 身体活動性、運動能力、筋線維の変化と関連

ある程度病期の進んだCOPD患者の場合、太ももの筋肉はその量が単に減少するだけかと思ったが、それ以外に、脂肪蓄積が存在するようだ。そういう筋肉内の組成の変化を発現型としてとらえ、治療ターゲットとする可能性示唆された報告。


Skeletal muscle adiposity is associated with physical activity, exercise capacity and fibre shift in COPD
ERJ November 1, 2014 vol. 44 no. 5 1188-1198
http://erj.ersjournals.com/content/44/5/1188.full
COPD患者毎に、大腿四頭筋発現型は様々。しかし、筋肉の生検なしでは判断できない。仮説として、骨格筋adiposityが筋肉の質バイオマーカーとして非侵襲的指標となるか、検討。


101名の患者と10名の年齢マッチ化健康対照者、大腿中央部横断面積、筋肉内の脂肪/骨格筋attenuation%比をCT画像と標準組織attenuation rangeで計算  脂肪 -190– -30 HU; 骨格筋 -29–150 HU.
筋肉内脂肪 平均 ± SD 比率
患者群: 6.7±3.5% versus 4.3±1.2%, p = 0.03

脂肪・骨格筋attenuation比率はともに身体活動性レベル、運動耐用能力、1型筋繊維比率と相関。これは年齢、大腿中央部横断面積・四頭筋筋力に関連なく相関。

CO肺transfer factorと合わせ、これらの指標は、1型筋線維比率80%超同定可能で、特異性65%超(AUCは 0.83、95% CI, 0.72 - 0.94 )

CT評価骨格筋adiposityは、COPDの多面的特性を反映し、特異的な筋肉の発現型として臨床トライアル介入目標として役割を果たすかもしれない。

NLST:肺がん低放射線量CT検診はコスト効果的というが・・・

National Lung Screening Trial (NLST) 研究から、胸部レントゲン比較において低放射線量CT検診による肺がん死亡率減少効果しめされたが、今回はこのNLSTの低放射線量CT検診のコスト効果検討




Cost-Effectiveness of CT Screening in the National Lung Screening Trial
William C. Black, et. al.
for the National Lung Screening Trial Research Team
N Engl J Med 2014; 371:1793-1802November 6, 2014DOI: 10.1056/NEJMoa1312547

低放射線量CT無施行に比べ、一人あたりの追加コストは l $1,631/人  (95% 信頼区間 [CI], 1,557 to 1,709) 、 一人あたり付加生存期間は 0.0316 life-years /人;(95% CI, 0.0154 to 0.0478) 、QALY 質調整生存年として0.0201 QALYs/人 (95% CI, 0.0088 to 0.0314)

獲得生存年 $52,000 per life-year gained (95% CI, 34,000 to 106,000) 、QALYあたりコストは  $81,000 per QALY gained (95% CI, 52,000 to 186,000)

incremental cost-effectiveness ratios (ICERs)は、サブグループや感度分析でばらつきあり


NLST研究というトライアルの検討に限定すれば、コスト効果的であったということに・・・・


日本で行われている、リスク層別化されてない、肺がん検診に適応できる話ではない。
なんせ、NLSTの被験者は「 current or former heavy smokers ages 55 to 74」で、喫煙既往ありのケース








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