2015年7月1日水曜日

性差:マウス疼痛モデルで明確な差が見られる ・・・ 動物実験でも取り扱い注意を!

性別により疼痛感受性レベルが異なる。マウスの実験で、疼痛反応中の免疫細胞の動態に性別相違がある。

Different immune cells mediate mechanical pain hypersensitivity in male and female mice
Robert E Sorge, et. al.
Nature Neuroscience (2015) doi:10.1038/nn.4053

microglia-to-neuron signaling が慢性疼痛過過敏に関連している。




神経障害後のメカニカルなアロディニアは、雄マウスではmicroglia抑制により可逆的。だが、雌マウスでは異なる。



雌マウスは巨大なT細胞プールを血液中に持つ




脊髄後角でのT細胞マーカー発現の雌雄差

microgliaには、メカニカルな疼痛過敏は雌マウスでは必要としない。雌マウスはTリンパ球のようなadaptive immune cellを介する疼痛過過敏と同レベルにまで到達する

故に、雌雄マウスとも同様に扱うのは、疼痛研究に用いるでは間違い



腹痛で七転八倒した過日早朝、妻は冷たく、「うつるから近寄らないで・・・」

もやもや病とRNF213 遺伝子変異:臨床診断との齟齬

Moyamoya disease (MMD) :もやもや病
intracranial atherosclerotic stenosis (ICAS) :頭蓋内動脈硬化性狭窄


疾患特異的遺伝子マーカーが見つかると、従来の診断クライテリアとの齟齬について解釈が問題となる




血管造影をベースにした診断クライテリアには、MMCとICASとの鑑別に限界が有り、成人発症MMDのある比率で、ICASと診断されるべき症例が含まれる可能性があると仮定。
enome-wide linkage analysis および exome analysisで、ring finger protein 213(RNF213)が東アジア人種では強力な疾患感受性遺伝子と新式され、RNF213 の p.Arg4810Lys variantを成人の頭蓋内動脈狭窄による成人卒中で血管造影所見との関連で解析。

Adult Moyamoya Disease: A Burden of Intracranial Stenosis in East Asians?
Oh Young Bang , et. al.
PLoSOne Published: June 30, 2015DOI: 10.1371/journal.pone.0130663





MCA分布及び明確な頭蓋内動脈狭窄のある虚血性イベント352名の連続患者を検討

p.Arg4810Lys variant は、頭蓋内動脈狭窄の半数で指摘 (176 of 352, 50.0%)、健康対照では認めず (n = 51)、 卒中対照被験者 3.2% (4 of 124 patients with other etiologies)
両側側副血行、両側病変、糖尿病罹患無しは、独立して、RNF213 variantと関連。

3つの診断クライテリア合致しMMDの診断された131名で4分の3(75.6%)でこの遺伝子変異あり
2つの診断クライテリア合致でも57.7%
1つの診断クライテリア合致で28.6%
クライテリア合致無しでは20.0%

フォローアップ時典型的MMD血管造影所見発症の事例もあった


noteへ実験的移行

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