2012年5月8日火曜日

COPDリハビリテーション:より恥ずかしくない歩行補助具



上が歩行器、下がnew walking aid (a 'walk-bike')と書かれているもの


Figure 1.


見た目が、下の方が恥ずかしくない ・・・ というもの


Effects of New Walking Aid in Patients With COPD
Vaes, A. W., et. al

CHEST May 2012 vol. 141 no. 5 1224-1232 


背景:一般的に、rollator使用は、COPD患者の運動性を改善する。にもかかわらず、全員がこれによりベネフィットをえる訳でない。多くの患者は使用に対して恥ずかしさを感じる。故に、他の歩行補助具が考慮されることになる。
COPD患者の6分間歩行距離に於ける、新しい 歩行補助具(現代のドライジーネ(DRAISINE))と、歩行器の直接効果比較

方法:21名のCOPD、2回の6分間歩行距離試験(6MWT)施行、リハビリテーション前評価中(ベスト 6MWD:369±88m)
加えて、 2回のextra 6MWT2回連続日にランダム順でおこなう・
歩行器と、modern drasine

歩行パターンはaccelerometer を用いて決定し、代謝量はmobile oxyconで評価


結果:新しいdraisineを用いた歩行は6MWDは歩行器の歩行時より長い (466 ± 189 m vs 383 ± 85 m).
さらに、患者は、ストライドが少なくs (245 ± 61 vs 300 ± 49)、歩幅長が長い (1.89 ± 0.73 m vs 1.27 ± 0.14 m) (all P ≤ .001).

酸素摂取量、換気量、心拍、酸素飽和度、Borg症状スコアは両群で同等。

modern draisine使用に10%が 、歩行器に対し19%が羞恥心を感じる。
有意に日々の使用に関しては、modern draisien使用率が低い。


結論:6MWDの差は臨床的には明らかで、同様の代謝消費、症状Borgスコアをもたらす。故に、新しい歩行補助は機能的運動パフォーマンス改善のために歩行器の代替となり得る
Trial registry:The Netherlands National Trial Registry; No.: NTR1542; URL: www.trialregister.nl


運動アドヒアランス向上のためには、使って恥ずかしくないことも大事

欧米人ってあんまり羞恥を問題にしないのかとおもっていた。

喘息診断:肺機能検査なされているのは・・・半数未満




Pulmonary Function Testing in the Diagnosis of Asthma
A Population Study
Andrea S. Gershon, et. al.
CHEST May 2012 vol. 141 no. 5 1190-1196 


新規喘息診断7歳以上の医療行政データを用いた後顧的コホート

診断前1年から診断後2.5年の間に、肺機能検査を受けたのは、46万5866名中、わずか42.7%(95%信頼区間「CI}、42.6%-42.9%)

補正解析にて、7-9歳と、70歳以上で若年者より検査受けてないことが多く、低所得5分位近隣が検査を受けないことが多い。一般医より専門医受診のほうが検査を受けることが多い。






これじゃ、臨床診断が正しく行われてるはずも無く...


再掲;9つの米国専門学会による“べからず集” (2012年4月4日水曜日)
 AAAAI
1)アレルギー評価のためのIgGやIgE個別などの診断検査はするな
2)単純な急性鼻副鼻腔炎へのCTオーダー、抗生剤は使用するな
3)慢性じんましん患者へのルーチンの診断検査するな
4)ワクチンへの抗体反応異常が無い場合、再発感染への免疫グロブリン治療するな
5)スパイロメトリーなしで、喘息の診断・管理をするな

普通感冒:亜鉛経口製剤のシステマティック・レビュー・メタアナリシス 成人で効果あるも・・・

亜鉛製剤経口摂取にて感冒症状期間短縮効果が示されたが、明確な推奨をする前提として、大規模な高品質トライアルが必要。

副作用は比較的多く、安全性・耐用性検討が必要。



Zinc for the treatment of the common cold: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials
CMAJ May 7, 2012 cmaj.111990 


亜鉛経口投与、プラシーボ、無治療比較のランダム化対照治験、 17トライアル、2121名の登録者の検討。

プラシーボ投与患者比較で、亜鉛投与は感冒症状期間短縮(差平均 -1.65日、95%信頼区間「CI] -2.50-~-0.81日)、heterogeneity高い  (I2 = 95%)

亜鉛は成人では感冒症状期間短縮(差平均 -2.63、95%CI -3.69~-1.58日)
小児では有意差認めず  (差平均 -0.26日、95%CI -0.78~ 0.25日)
 
年齢、投与量、亜鉛調剤を含むすべてのサブグループ解析にてHeterogeneity残存

副事象イベント リスク比 1.24、 95% CI 1.05 ~ 1.46)、味覚異常 (RR 1.65, 95% CI 1.27 ~ 2.16) 、吐気 (リスク比 1.64, 95% CI 1.19 ~ 2.27)が亜鉛群に多い。


【参照】
FDA警告文:亜鉛含有鼻腔内風邪薬による嗅覚消失 2009年 06月 17日

厚労省も注意喚起:亜鉛含有鼻腔内投与風邪薬 2009年 06月 23日

かぜに亜鉛サプリメント有効 ;亜鉛含有鼻腔内風邪薬は嗅覚脱失副作用に注意 2011年 02月 16日


RCT:亜鉛サプリメントは小児重症肺炎でアジュバント効果をもたらすか? 2012年4月5日木曜日

A群溶連菌性咽頭炎判断:Centor/McIsaacスコア

単に、臨床スコアの判断の信頼確認ではなく、 小売チェーンでの咽頭痛リスク評価は十分信頼できるという主張で、咽頭痛を訴える患者でのスコア比率調査で、妥当な結果が得られたという報告。


Large-Scale Validation of the Centor and McIsaac Scores to Predict Group A
Streptococcal Pharyngitis
     Andrew M. Fine; Victor Nizet; Kenneth D. Mandl
     Arch Intern Med Published online May 7, 2012.
     doi:10.1001/archinternmed.2012.950
     http://archinte.ama-assn.org/cgi/content/abstract/archinternmed.2012.950?etoc

3歳以上の206870名の咽頭痛訴える患者でデータ収集。


メインアウトカムは、GAS咽頭炎陽性患者比率(Centor スコア 、 McIsaac スコア 0-4)

15歳以上 
GAS陽性23%(95%CI、22%-23%)
Centor score 0   7% (95% CI, 7%-8%) 
Centor score 1  12% (95% CI, 11%-12%) 
Centor score 2  21% (95% CI, 21%-22%)
Centor score 3  38% (95% CI, 38%-39%)
Centor score 4  57% (95% CI, 56%-58%)



3歳以上
GAS陽性 27%(95%CI、27%-27%)
McIsaac score 0  8% (95% CI, 8%-9%) 
McIsaac score 1 14% (95% CI, 13%-14%
McIsaac score 2 23% (95% CI, 23%-23%) 
McIsaac score 3 37% (95% CI, 37%-37%) 
McIsaac score 4 55% (95% CI, 55%-56%)






 http://www.parkhurstexchange.com/files/images/features/2007/clint_sep07_tables_figure.pdf

 
 http://www.mumj.org/Issues/v8_2011/articles/v8_16.pdf

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