2015年5月21日木曜日

【自己学習】心電図問題:早期脱分極


この心電図問題を・・・
http://www.medscape.com/viewarticle/844888










End QRS Notching or Slurring in the Electrocardiogram Influence on the Definition of “Early Repolarization”
 Sijie Jacob Heng,  et. al.
J Am Coll Cardiol. 2012;60(10):947-948. doi:10.1016/j.jacc.2012.03.061
http://content.onlinejacc.org/article.aspx?articleid=1214577

最近まで、QRS KnotchingやSlurringは良性所見とされてきたが、Haïssaguerreらが、特発性心室粗動206名生存者の早期脱分極パターン高頻度を報告。さらに、QRS 終末knotchin、Slurringの予後重要性を報告が見られる。


ただ、定義がはっきりしなかった部分があり、 STj amplitudeは下肢誘導(II,III,aVF)と外側脚誘導(I、aVL)誘導、前胸部外側誘導(V4-6)で測定







Classification of Waveforms With J-Point Elevation on the 12-Lead Resting ECG ECG = electrocardiogram
onQRSs = amplitude at the onset of a QRS slur
pkQRSn = amplitude of the peak of an end QRS notch
STj = ST junction



  • Type 1 pkQRSn ≥0.1 mV and STj  ≥  0.1 mV and ST-segment upward sloping
  • Type 2 pkQRSn ≥0.1 mV and STj  <  0.1 mV and STj < 0.1mV
  • Type 3 onQRSs ≥0.1 mV and STj  ≥  0.1 mV and ST-segment upward sloping.
  • Type 4 onQRSs ≥0.1 mV and STj   <  0.1 mV
  • Type 5 No QRS notching or slurring and STj ≥0.1 mV and ST-segment upward sloping






早期再分極症候群
2008 年のNew England Journal of Medicine誌の報告は特発性心室細動症例の中に早期再分極が不整脈発作に関係している症例が存在することを明らかにし,早期再分極症候群という新たな疾患概念が提唱された.特発性心室細動において早期再分極は様々な誘導で認められるが,その頻度は下壁誘導で高い.早期再分極は右側胸部誘導(V1〜V3誘導)において認めることもあり,特発性心室細動の一種であるBrugada症候群との鑑別が問題となる.
http://www.jmedj.co.jp/article/detail.php?article_id=17552








接合部のノッチの存在が、この”other normal variant”と、”早期脱分極型”同じで、“other normal variant”と他の心筋炎・AMI殿鑑別はノッチの存在が重要


通常の「早期脱分極」と“other normal variant”違いは、
早期脱分極:ST部位Concave、T波Upright
“other normal variant”:ST部位Coved、T波inverted








門脇・東大のせいで我が国には関係ない名無しになったが、Fridewald推定LDL 30未満は記載するな


日本には関係ない・・・ なんせ、アホの連中が、規格化されてないはずのLDL直接測定法をひろめたため、ゴールドスタンダードFriedewald式計算が廃れてしまった。
’¥
特定健診で、ホントの医療が駆逐された。・・・門脇が主犯であることは明々白々ということは以前ブログで記載した。


日本には関係ない話だが、欧米論文を読む場合の常識として、トリグリセライド 400mg/dL未満の空腹時サンプルが必要。

さらに、 Friedewald式計算LDL-Cは30mg/dL未満は記載するな・・・という話


Reliability of Calculated Low-Density Lipoprotein Cholesterol
Jeffrey W. Meeusen,  et. al.
The American Journal of Cardiology
DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.amjcard.2015.05.013

アセトアミノフェン:妊婦一定期間以上服用で男性胎児テストステロン減少:停溜睾丸・不妊など副作用の可能性

アセトアミノフェンと言えば、かぜ薬などにも含まれ、日本でも処方用量が欧米同等に近くなりその臨床的有用性再評価されたばかりなのだが・・・


アセトアミノフェンを妊婦が一定期間以上使用すると男性胎児の血中テストステロン減少をもたらすらしい


Prolonged exposure to acetaminophen reduces testosterone production by the human fetal testis in a xenograft model
Sander van den Driesche1, et. al.
Sci Transl Med 20 May 2015:  Vol. 7, Issue 288, p. 288ra80 Sci. Transl. Med. DOI: 10.1126/scitranslmed.aaa4097


多くの男性生殖器疾患は、胎児期低テストステロンと関連するとされるが、胎児期テストステロン抑制の要因は多くは知られてない。妊娠期アセトアミノフェン長期使用はその子供・男児の停留睾丸と関連するが、胎児期テストステロン産生について影響は不明であった。

アセトアミノフェンの臨床的投与量・レジメンによるヒト胎児精巣暴露異種実験モデルで検証。7日間アセトアミノフェン治療量暴露で、ヒト胎児精巣異種組織所有去勢宿主マウスで、血中テストステロン45%減少、p= 0.025。精巣重量18%減少。しかし、1日程度の暴露ではパラメータ変化無し。
宿主マウス最終投与1時間後血中濃度は治療経口投与量後のヒトのそれ以下であった。

ラットの子宮暴露研究で、鍵となるステロイド原性酵素、Cyp11a1, Cyp17a1の発現減少からテストステロンの減少が生じた。

アセトアミノフェン1週間継続投与で、胎児テストステロン産生を抑制し、副作用を生じる可能性がある

さらなる研究が必要で、用量依存的なのか、治療期間との関係など、最大許容量、治療期間が明らかになってほしい

障害壊滅的進行高齢者では緩和ケア検討が必要

死亡前1年の”身体障がい程度経過軌跡”による入院状況


死亡前1年間において、障がいの進行過程が重要で、障がいが壊滅的進行型の経過を辿る場合かなり入院回数が多くなる。障害の程度が持続あるいは進行する高齢者が、1年内死亡半数超に相当し、これらの患者は、緩和ケアについて検討する必要があるという筆者等の意見



The role of intervening hospital admissions on trajectories of disability in the last year of life: prospective cohort study of older people
BMJ 2015; 350 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h2361 (Published 20 May 2015) Cite this as: BMJ 2015;350:h2361


754名の地域住民コホートの552名の故人 、70歳以上、本来、入浴、衣服着脱、歩行、移動の4つの日常生活活動性必須項目で障がいなしの対象
主要アウトカム測定: 入院発生及び障がい重症度(0−4)、15年超の月毎インタビュー確認


死亡前1年間にて、6つの明確な区分けされる、障がい軌跡が同定された。


・一貫無障がい型:no disability 95 名(17.2%)
・障がい壊滅的進行型:catastrophic disability 61 (11.1%)
・障がい加速悪化型:accelerated disability 53 (9.6%)
・障がい軽度限定進行型:progressively mild disability  61 (11.1%)
・障がい重度進行型:progressively severe disability 127 (23.0%)
・障がい重症持続型:persistently severe disability155 (28.1%)

故人552名の障がい程度推移軌跡


 最低1回入院 392 (71.0%)、複数回入院 248 (44.9%)


いくつかの寄与要素を含む多変量モデルセットで、一定月間入院は、障がいの重症度がつよい独立した影響を及ぼし、それは相対的にも絶対的にもであった。


 最大絶対的影響は、catastrophic disabilityで認められ、障がいスコア1.9(95% 信頼区間, 1.5 to 2.4) 毎に、1回の入院、相対的効果である発生比あたりでは2.0 (95% 信頼区間,  1.5 to 2.7)であった。


障がい変化軌跡による、死亡前1年間の入院数頻度分布




緩和ケアを、癌・AIDSなどに限定する日本の医療施策は間違いだと思う。心不全・COPDや老衰症例などに、集約的積極的ケアをしなければ許さないという日本の社会情勢は有害性が大きいと思う。 医療費増大だけではなく、医療関連、患者家族への心的・経済的・時間的負担などを含め・・・

黒人女性はメタボリックシンドロームに至らなくても肥満/過体重だけで心血管リスク増加

肥満・過体重黒人女性ではメタボリックシンドロームなくても心血管リスク増加する

WHI、50-79歳 14364名のコホート研究結果

黄色人種・アジア系はどうなのだろう?
メタボリック指標1つ以下では、一応、民族・人種関連無くリスクとはならないらしい


"Race and ethnicity, obesity, metabolic health, and risk of cardiovascular disease in postmenopausal women"
Schmiegelow MD, et al
J Am Heart Assoc 2015; DOI: 10.1161/JAHA.114.001695.

BMIを18.5から25未満、25から30未満の過体重、30以上の肥満にカテゴライズ
メタボリック所見を、本来のメタボリックシンドローム(3つ異常のメタボリック指標異常)と定義、メタボリック指標の数を2つめとして定義
Cox比例ハザード回帰モデル評価にてベースラインとその後心血管リスクの関連性評価。


フォローアップ13年間において、冠動脈疾患や卒中といった心血管疾患初回イベント1101名の女性

メタボリックシンドロームなしの黒人において、過体重女性の補正心血管疾患リスク高い (hazard ratio [HR] 1.49)が、白人では、メタボリックシンドローム無しでは過体重女性では正常体重女性と同等の心血管疾患リスク  (HR 0.92, interaction P=0.05)

メタボリックシンドロームなしの肥満黒人女性は、肥満白人女性より補正リスク高い (黒人:HR 1.95 vs 白人:HR 1.07; interaction P=0.02)

メタボリック指標2つのみの女性では、心血管リスクは過体重黒人で増加 (HR 1.77) 、肥満でも増加 (HR 2.17) 、だが、白人では過体重(HR 0.98) 、肥満 (HR 1.06)では増加無し。

メタボリック指標存在1つ以下の過体重/肥満女性では、心血管リスク増加無し、これは人種・民族関連性無し。



ATS: 喘息ステップダウンでのコスト削減効果

EPR-3GINAガイドラインでは、3ヶ月間安定ならステップダウンを考慮するとある。GINAのガイドラインでは、Action Planを義務づけ、フォローアップ綿密に行い、吸入ステロイド離脱を防止することも推奨されている。


報告者のRankらは1年間という、ガイドラインより保守的判断で、夏場を選択する
喘息のステップダウン適応の安定喘息の患者約5千名で、ステップダウン選択にて1月34米ドルの節約となり、入院・ED受診減少なしで、喘息マネージメント減少も影響ないという報告。



Tapering Asthma Meds Saves Money in Stable Patients
Researchers saw no significant increase in other asthma healthcare utilization.


喘息関連医療コスト削減:34.02米ドル/月 (95%CI, 5.42米ドル〜61.24米ドル)
総コストとしては、41.54米ドル/月(14.52米ドル〜67.43米ドル)削減

就労・就学損失日数:ステップダウン  4.03(2.04〜6.03)日 vs 対照 3.35(1.93〜4.78)日
喘息完全コントロール比率 ステップダウン 89% VS 対照 84%


noteへ実験的移行

禁煙はお早めに! 米国における人種・民族・性別による喫煙・禁煙での死亡率相違|Makisey|note 日常生活内の小さな身体活動の積み重ねが健康ベネフィットをもたらす:VILPA|Makisey|note