2020年6月8日月曜日

ケンサーズ;感度の高い検査でなきゃ感染拡大につながる ・・・ というのが分かってない

知識のある人には当然のことだが、マスコミなどではこの常識が分かってないのが多い

無症状対象者への検査が今後拡大することになるのだろうが、この記事を再認識することは重要と思う


34人院内感染の原因は“偽陰性”か 収束後初めて取材に応じた副院長「PCR検査を過信しすぎてはいけない」
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6361955
院内感染の原因として浮上したのが、個室から大部屋に移動した1人の患者だった。4月中旬、発熱と肺炎の症状がありPCR検査を受けたところ、結果は陰性。症状も改善され、6人の大部屋に移り(4日間)その後退院したが、自宅療養中に再び発熱し、再度PCR検査を受けた結果は陽性だった。その後、一緒の大部屋にいた患者5人の感染も確認されたのだ。
 「PCRが主な検査だったが、陽性率が6~7割。裏を返すと、2割3割は陽性であってもそう出ない『偽陰性』として出てしまう」(同)





NEJM誌 6月6日 記事

False Negative Tests for SARS-CoV-2 Infection — Challenges and Implications
List of authors.
Steven Woloshin, et al.
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp2015897



グラフは、感染の検査後確率が検査前確率により、感度の低い70%想定と高い95%想定でしめしたもの
閾値は、非常に感度の高い診断検査が必要な理由が明確であることを示す

低感度検査では陰性の結果が出た場合、検査前の確率が15%を超えると閾値を超えるが、高感度検査では、検査前の確率が33%までであっても、5%の閾値を仮定すると、他人と接触しても安全であると考えられる。



のグラフはまた、テスト前の確率を下げる努力(例えば、社会的な距離を置く、マスクを着用するなど)が重要である理由を浮き彫りにしています。検査前の確率が高すぎると(例えば50%を超えると)、陰性の結果では閾値に達するほど感染の確率を下げることができないため、検査はその価値を失ってしまう。


Third, measuring test sensitivity in asymptomatic people is an urgent priority. 
It will also be important to develop methods (e.g., prediction rules) for estimating the pretest probability of infection (for asymptomatic and symptomatic people) to allow calculation of post-test probabilities after positive or negative results. 






急性肺塞栓診断のための新しい心電図スコア(nECGs)

心電図が急性肺塞栓症(acPE)の検査前確率の推定に役割を果たすことが示唆されたために新しい心電図スコア(nECGs)を考案

nECG単独または陰性dダイマー検査(DDT)との併用では、以前に発表されたECGスコアや最良の臨床予測ルールよりも急性肺塞栓症をより適切に除外することができた。nECGは、以前に発表された心電図スコアおよび予測規則よりもDDTの偽陽性をよりよく示すことができたというもの


Covid-19関連でもacPE注目されているし、されるべきだと思う
所見そのものは従来の所見だが、組み合わせがめんどくさいので、自動心電図判定に入れて欲しいと思う



Usefulness of a Novel Electrocardiographic Score to Estimate the Pre-Test Probability of Acute Pulmonary Embolism
András Vereckei, et al.
Published:June 07, 2020
DOI:https://doi.org/10.1016/j.amjcard.2020.05.042
Am J Cardiology
https://www.ajconline.org/article/S0002-9149(20)30553-1

これまでの経験から、12本の心電図は急性肺塞栓症(acPE)の検査前の確率を推定するために使用される可能性がある。この目的のために、我々は急性肺塞栓症の主要な病態を最もよく特徴づける5つの既知の心電図基準からなる新しい心電図スコア(nECGs)を考案した。
nECGの考案と検証には、acPE患者136人を含むレトロスペクティブな派生コホートと、連続した149人の患者を含むプロスペクティブな検証コホートを使用した。
後者のコホートは、acPEを有する76人の患者と、acPEの特徴的な症状を呈する73人の対照者で構成され、検査でacPEは除外された。

nECGの診断値を、別の心電図スコア(Daniel-ECG-score)および最良の予測ルール(3つのWellsスコアおよび2つのGenevaスコアの変種)の診断値と比較

心電図の感度(98.7%),陰性予測値(98%),検査精度(84.4%),陰性尤度比(LR)(0.019)は,他のすべての検査法と比較して優れていた.LRの陽性率には群間差はなかった。

nECGの特異度(69%)はDaniel-ECGスコアおよびWellsスコアに劣り,Genevaスコアの変種に差はなく,また優っていた.
nECGの正の予測値(77.3%)は2つのGENEVAスコアよりも優れており,他の方法との差はなかった.

結論として,nECGsは感度,負の予測値,検査精度,負のLRに優れているため,Daniel-ECGスコアや予測規則よりも試験前のacPEの確率を良好に推定することができた。

www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。


acPEの診断にはより高い(>4)nECGsの値を設定した。

新規 ECGスコア・シート
  1. S1Q下壁T下壁 or  S1+T波陰転 (V1-3)
      • もし上記所見2つ同時存在するなら     ①
    • もし上記所見の3つが同時存在するなら     ②

2) 下壁誘導 and/or aVR and/or V1-3誘導のST部位上昇  or 下壁誘導 and/or V1-3のT波陰転
    • もし、上記部位のいずれかひとつのST上昇 or T波陰転存在するなら     ①
    • もし、上記部位の2つ以上でST上昇 or T陰転あれば、もしくは、上記部位の1つでも”ST上昇 and T波陰転”あれば     ②
    • もし、2部位以上でST上昇および1部位以上でT陰転あるか、もしくは、2部位以上のT陰転および1部位でのST上昇あれば     ③
    • もし、2部位以上で同時にST上昇及びT波陰転あれば     ④
3)V1誘導での、QR or qR or R/S >1 
    • 上記いずれかの異常が存在すれば     ①
4)  aVR誘導終末 r’波 and/or S1S2S3 syndrome and/or aVL、V4-6 のS波 、aVR ,V1-3 and or 下壁誘導 のfragmented or slurred QRS複合 
    • もし、 aVR terminal r’波 and/or S1S2S3 syndrome and/or aVL、V4-6のS波 or fragmented、slurred QRSが存在すれば     ①
    • もし、aVR誘導終末 r’波 and/or S1S2S3 syndrome and/or aVL、V4-6のS波 + fragmented、slurred QRSが同時存在すれば     ②
5) RV4-6primary ST部位上昇 and/or QS or QR complex
    • 上記存在するなら     ①



RBBBパターンでの新規ECGスコア・シート
  1. Q下壁 primary T下壁
    • もし、Q下壁 or  T下壁 だけなら     ①
    • もし、上記所見Q下壁 と T下壁2つが同時存在するなら     ②

2) 下壁誘導 and/or V1-3誘導のprimary ST上昇   and/or 下壁誘導のT波陰転
    • もし、上記部位のいずれかひとつのST上昇 or T波陰転存在するなら     ①
    • もし、下壁誘導のST上昇 and T波陰転両者あり or 2部位以上でのST上昇あれば  ②
    • もし、2つ以上でST上昇 and T陰転あれば      ③
3)V1誘導での、QR or qR
    • 上記存在すれば      ①
4)  aVR誘導終末 r’波 and/or S1S2S3 syndrome and/or aVL、V4-6 のS波 、aVR ,V1-3 and or 下壁誘導 のfragmented or slurred QRS複合 
    • もし、新規RBB or fragmented or slurred QRSのいずれか存在すれば     ①
    • もし、新規RBB or fragmented and  slurred QRSのいずれか存在すれば    ②
5) RV4-6primary ST部位上昇 and/or QS or QR complex
    • 存在するなら     ①

脳科学:task-fMRI手法への疑念

“脳科学者”というのがテレビにごく普通にでるようになり 、
文科省のライフセンス科で研究指針が昨年公表されるほど認知されてしまった
(実は中身は認知症や統合失調症などへの創薬プロジェクトで 、一般的な人間の脳とこころ・行動の学問ではない、人間科学的には狭小なプロジェクトへのネーミングに脳科学をつかうところの浅はかさ)
https://www.lifescience.mext.go.jp/files/pdf/n2203_03.pdf


懐疑的にならざるえない分野がある、そかもこの分野が今まで科学性の証明のように用いられてきた手法 であるtask-fMRI手法への疑念が報告されたらしい




2020年06月08日 07時00分サイエンス
脳活動をfMRIによって測定する従来の方法に問題があるとの指摘
https://gigazine.net/news/20200608-brain-activity-unuseful/



ハリリ氏は「fMRIで人間の脳をスキャンすることで、例えば名前を覚えたり数を数えたりするときに、脳のどの部分がより活発に動いているかを正確に知ることができます」と述べています。しかし、人の脳活動パターンは常に同じではなく、測定されるたびに測定値が変化していることから、活動パターンを正確に捉えられていない可能性がある



What Is the Test-Retest Reliability of Common Task-Functional MRI Measures? New Empirical Evidence and a Meta-Analysis
Show all authors
Maxwell L. Elliott, et al.
https://doi.org/10.1177/0956797620916786
https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/0956797620916786


疾患リスクの脳内バイオマーカーを同定することは、神経科学の分野でますます優先度が高まっている。有意義なバイオマーカーを同定する能力は測定の信頼性によって制限されており、信頼性の低い測定値は臨床転帰の予測には不向きである。
タスク機能MRI(fMRI)を用いた脳活動の測定はバイオマーカー開発の主要な焦点となっているが、タスクfMRIの信頼性は体系的に評価されていない。 
本研究では、タスクfMRIの信頼性の低さを示すエビデンスを提示する。

第一に,90の実験(N = 1,008)のメタアナリシスにより,全体的な信頼性の低さが明らかになった(平均クラス内相関係数(ICC) = 0.397).
第二に、Human Connectome Project(N = 45)とDunedin Study(N = 20)で収集した11の一般的なfMRI課題のうち、前もって関心のある領域における活動のテスト-テスト信頼度は低い(ICC = .067-.485)ことがわかった。 
 これらの知見をまとめると,普通に使われている task-fMRI測定は,現在のところ脳のバイオマーカー探索や個人差研究には適していないことが明らかになった。このような状況がどのようにして生じたのかを検討し、タスク-fMRIの信頼性を向上させるための道筋を明らかにした。

www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。




こういう報道があったんだ!

Apple Watchの心電図機能、まもなく日本でも利用可能に?
アップルが医療機器外国製造業として認定
ブラジルと同時かも
https://japanese.engadget.com/applewatch-ecg-081035190.html


noteへ実験的移行

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