2016年7月1日金曜日

ビスフェノールA:缶詰による環境暴露

缶詰の内側を被覆するエポキシ樹脂の中に存在するから、缶詰に注目?


https://ja.wikipedia.org/wiki/ビスフェノールA に「原料からの溶出」が良くまとめられている



ビスフェロールA(BPA)は、1960年代に使用承認された、内分泌攪乱特性を有する合成化学物質
ポリカーボネート・プラスティック(PC)やエポキシレジンのリンケージとして用いられ、食や環境中にユビキタスに存在。アメリカ国民では尿中に92.6%存在。居宅ゴミ・空気中、土壌にも存在するが、主な暴露源はおそらく食事。エポキシレジンの製造中不完全なポリマー化で食品中にmigrateしている。

生体内への影響を調査


The consumption of canned food and beverages and urinary Bisphenol A concentrations in NHANES 2003–2008
Jennifer C. Hartle ,et. al.
Environmental Research 150 (2016) 375–382
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0013935116302407
24時間内に缶入り製品1本使用は9%、2本以上は2% 
1本以上 vs 無 比較では、尿中BPA濃度 24% (95% CI 1.11, 1.38) 高と関連
2本以上 vs 無 比較では、54% (95% CI 1.27, 1.88) 
缶のタイプ毎 vs 無との比較
  • 野菜・フルーツ 41% (95% CI 1.23, 1.63) 
  • パスタ 70% (95% CI 1.18, 2.44) 
  • スープ 229% (95% CI 1.22, 4.30) 
  • 缶入り野菜はBPA濃度と相関せず








生体への影響がはっきりしないというが、子供への影響が大きいのは気にかかる

メタボリックシンドロームとの関連:加糖飲料・人工甘味料・フルーツジュースなど 

加糖飲料類(SSBs)、人工甘味飲料、自然およびボトル化フルーツジュースとメタボリックシンドロームの関連性


肥満、糖尿病などと切り分けて議論しないといけないのかもしれない

そして、「日本のメタボリックシンドローム≠IFD基準メタボリックシンドローム」ということも・・・

Frequent Consumption of Sugar- and Artificially Sweetened Beverages and Natural and Bottled Fruit Juices Is Associated with an Increased Risk of Metabolic Syndrome in a Mediterranean Population at High Cardiovascular Disease Risk
Cíntia Ferreira-Pêgo , et. al.
J. Nutr. jn230367

背景: 加糖飲料とメタボリックシンドローム (MetS)の相関議論のあるところ 
目的: この解析は加糖飲料類(SSBs)、人工甘味飲料、自然およびボトル化フルーツジュースの摂取量と、MetS発生頻度を、心血管疾患(CVD)高リスク・ベースラインでのMetS存在しない高齢対象者で検討 
方法: PREDIMED (PREvención con DIeta MEDiterránea) study 前向き1868被検:ベースラインMetSなし
MetS 定義:updated harmonized criteria of the International Diabetes Federation, the American Heart Association, and National Heart, Lung, and Blood Institute
エネルギー・栄養素摂取:ベースラインと年ごとのvalidated 137-item food-frequency questionnaire
MetSとその要素の多変量解析ハザード比:HRをフォローアップ中平均摂取量から推定
摂取量カテゴリー大きい方 (1–5 and >5 servings/wk) を最小カテゴリ (<1 serving/wk)
<1 p="" serving="" wk=""> 結果: フォローアップ中央値3.24年間、MetS発生数930 
<1 p="" serving="" wk=""><1 p="" serving="" wk=""> 「5サービング超/週」カテゴリーは、「1未満/週」カテゴリーに比べ、MetS発生多変量HRs (95% CIs)は、SSBs 1.43 (1.00, 2.15)、人工甘味飲料 1.74 (1.26, 2.41)、ナチュラルフルーツジュース 1.30 (1.00, 1.69)、ボトル化フルーツジュース 1.14 (1.04, 1.65)

<1 p="" serving="" wk=""> 結論: SSB(加糖飲料)類と人工加糖飲料(1-5 サービング/週)の「時々程度の」飲料量は、心血管疾患(CVD)リスク高い中年・高齢者でのメタボリックシンドローム(MetS)の発生率とは相関せず。 
<1 p="" serving="" wk="">全種対象の飲料総数週5サービングを超える摂取量では、MetSとその要素いくつかのリスク増加と相関する。しかし、SSB類とボトル化フルーツジュースの、この対象群での消費回数そのものが少ないため解釈に注意が必要
<1 p="" serving="" wk="">
clinicaltrials.gov as ISRCTN35739639.







Consumption of sugar sweetened beverages, artificially sweetened beverages, and fruit juice and incidence of type 2 diabetes: systematic review, meta-analysis, and estimation of population attributable fraction
BMJ 2015; 351 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h3576 (Published 21 July 2015)
Cite this as: BMJ 2015;351:h3576

肥満と無関係にSSB摂取は、2型糖尿病発症と関連する
人工糖化飲料・フルーツジュースともに発症と関連、但しバイアスの可能性有り



noteへ実験的移行

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